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2014年12月の13件の記事

2014年12月31日 (水)

コンサートの記(168) 大野和士指揮 京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」2014

2014年12月27日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から京都コンサートホールで、京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」を聴く。指揮は日本人指揮者界の王貞治に例えられる大野和士。京都市交響楽団常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上淳一はさながら日本人指揮者界の長嶋茂雄だ。

知的アプローチを特徴とする大野和士がいよいよ京都市交響楽団の年末の第九に登場である。今年の第九は2回公演で、初日の今日は第九の前にサミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」が、明日はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が演奏される。

今日のコンサートマスターは、ソリストとしても活動している四方恭子が客演コンサートマスター(コンサートミストレス)として入る。フォアシュピーラーは泉原隆志。

大野和士は今年の6月にもリヨン国立歌劇場管弦楽団の来日演奏会の指揮で聴いているが、最近になって急速に外見が老けている。どうしたのだろう? 実は佐渡裕より一つ上なだけなのだが、とてもそうは見えない。

バーバーの「弦楽のためのアダージョ」。少し速めのテンポを採用。哀感を色濃く出しているが、ギリギリのところでセンチメンタリズムには陥らないバランスの良い演奏である。

ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。
ソプラノは本来は松岡万希が歌う予定だったが体調不良により降板。中国人ソプラノのリー・シューインが代役を務める。
テノールの西村悟は、佐渡裕指揮ケルン放送交響楽団の第九に引き続いての登板。メゾソプラノは池田香織、バリトンは須藤慎吾。合唱は京響コーラス。

京都市交響楽団の音色は幾分あっさりしてるがアンサンブルは緻密であり、アポロ芸術的な第九となる。

大野の指揮は、指揮棒と左手を小刻みに揺らして、細部まで操ろうとするのが特徴。昔から安定感のある指揮姿でそれは変わらないが、棒をこれほど細かく動かすことはなかったのだが。

弦主導の演奏であり、フルートが目立つ場面でも大野は口に人差し指を当てて「小さく」と指示していた。

一方でティンパニは思いっ切り叩かせる。
ティンパニの中山航平はやや硬めの音色で力強い音を出し、大野の指事に応える。

ピリオドの影響であるが、たまに弦がノンビブラートで透明な音を出すぐらい。この程度ならピリオドの演奏でなくてもあり得るのでピリオドの影響はほぼなしと見ていいだろう。

ティンパニとピッコロが、普段聴き慣れた第九とは違う音を出していたので、楽譜はあるいはベーレンライターか、ベーレンライターを基に手を加えたものである可能性が高い。

テンポであるが中庸である。第3楽章の冒頭と中間部でやや遅くしたのと、第4楽章で速めの場面があっただけで、基本的に自然体の演奏であった。

合唱の場面になると大野は一緒に歌いながら(といっても口を動かしているだけだが)合唱を誘導。両手よりも口元で指揮しているという印象である。

非常にスマートで爽やかなベートーヴェン。私の好みとはことなるが満足した人も多いと思われる。

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笑いの林(27) 「小泉エリVS桜 稲垣早希 ~東の別の院の女の戦い~」

2014年12月13日 愛知県名古屋市の東別院ホールにて

午後6時から、東別院ホールで、「小泉エリVS桜 稲垣早希~東の別の院の女の戦い~」を観る。先月、大阪のテイジンホールであった「~女の帝の人の戦い~」の名古屋バージョンである。エリさんも早希ちゃんも名古屋でレギュラー番組(名古屋ローカル)を持っているため、名古屋でも公演が行われることになった。

MCは、麒麟の田村裕。大阪ではやはり麒麟の川島明がMCを務めていたため、麒麟内でのMCリレーとなる。

冒頭のコスプレ対決は大阪と完全に同じ。早希ちゃんが初音ミクで、エリさんが「千と千尋の神隠し」の顔なしである。

ソロステージもエリさんは大阪でやったのと同じマジックにお菓子の配布という袖の下作戦まで一緒であったが、早希ちゃんは「エヴァンゲリオン」のシンジではなく、「天空の城ラピュタ」のシータのネタ。以前、単独公演でも行っていた演目である。シータがロック歌手になったという設定で、ギターを手に(弾いてはいない)ジブリの楽曲の替え歌を歌う。「君をのせて」、「となりのトトロ」、「もののけ姫」などを歌うが、シータがジブリ映画のヒロインの中で一番可愛いと歌ったり、「となりのトトロ」は単に迷子になる話としたり、宮崎駿の「引退引退詐欺」について歌う。

映像による料理対決とCM制作対決は大阪と同じものが用いられていた。料理対決は審査の対象外であったが、CM製作対決では田村は川島とは違った判定を行っており、エリさんのリードとなる。

続いて、ゲストを招いて、二人一組で回答を行うというコーナー。早希ちゃん側のゲストはアジアン・馬場園。エリさんサイドのゲストはチュートリアルの福田である。

まずはクイズ。エリさんと早希ちゃんが上の句を答え、チュートリアル・福田とアジアン・馬場園が下の句を答える。
「“言葉を交わさなくても察することの出来る間柄”を四字熟語で答えなさい」というもの。答えは「以心伝心」であるが、馬場園は「気分」、早希ちゃんは「補完計画」と当てる気もない「エヴァ」ネタに走ってしまった。馬場園は「『気分爽快』だと思った」らしい。そんな間違いは普通しないものだが。
エリさんは、「黙通」という日本語にはない言葉。福田は「伝信」と漢字を間違えてしまう。ただ似たような言葉が出たということでエリさんチームにポイントが入る。

次は大喜利。「どんな強い相手でも倒せる必殺技は?」(実際の問題は日本語が変であり、田村に「吉本は裏も表もアホか」と言われていた)、馬場園は「さそり」と強そうな言葉を出し、早希ちゃんは「爆雷」と出す。意味はよく分からないが必殺技にありそうだ。
一方、エリさんは「セクシー」と書き、福田は「伝心」と書く。エリさんは矢口真里の「セクシービーム」という答えにしたかったようだ。エリさんと福田は二人で「過激やな」「クローゼットの中でやで」などと話していた。この問題は早希ちゃんチームの勝ち。

続いてクイズ2問目。「『ガンダム』で、“赤い彗星”とも呼ばれるキャラクターは?」。正解は「シャア・アズナブル」で、下の句を担当したチュートリアル・福田と早希ちゃんは「アズナブル」と正解したが、上の句を担当したエリさんと馬場園は、「アムロ」、「獣心サンダー」と書いて不正解であった。ガンダムのキャラクターが出たということでエリさんチームの勝ちとなる。

2度目の大喜利、「陰で言われていたら嫌なあだ名」。エリさんチームは、エリさんが「さむらごうち」、福田が「井上」で確かに嫌そうである。
早希ちゃんチームであるが、早希ちゃんは「エリ」と思いっ切りエリさんの名前を出してしまう。

続いて「女子力対決」。女子力の高い対応の仕方が書かれた本があるというので、その本に近い答えをした人が勝ちとなる。ちなみに女子力に関する本であるが、著者は男性だという。

早希ちゃんとエリさんの対決は、「『酒に酔ったな』『これからホテル行く?』と好意を抱いている人から誘いを受けた時」への対応。田村が男を演じる。田村は「エリと早希の区別がつかん。二文字だから似てる」と言って、早希ちゃんに向かって「エリちゃん」と呼びかけ、早希ちゃんからは「早希です」、エリさんからは「あたしこっち!」と指摘される。
「これからホテル行く?」と言われた早希ちゃんは「いいよ」と即答してしまい、味方のはずのアジアン・馬場園から「尻軽」などと言われてしまう。早希ちゃんは本当に行くかどうかは別として取りあえず好感度を上げたいとのこと。
エリさんは「ホテル行って何するのかな?」などと慎重な姿勢を崩さず。
お手本であるが、基本的には受けるが様々な質問をして相手の心情を探るのがいいらしい。

次は馬場園と福田の対決で、「彼がクリスマスに出張が入ってしまい、『どうしても行けない』と言ってきた時」の対応。馬場園が「出張ってどこ?」と聞くと田村は「神奈川」と答えてしまい。馬場園から「めっちゃ近くやん」と突っ込まれる。田村は「神奈川」しか地名が思い浮かばなかったらしい。馬場園は「他の日をクリスマスにするから良い」と答えた。
福田はオネエという設定だが、いきなり田村の股間を触る。
お手本は、ごねるが最後は「お土産忘れないで」と送り出す、である。

エリ早希の対決。「彼氏から『お前、俺に無断で合コンに行っただろう?』と言われた時の対応。早希ちゃんは「行ったよ」とまたもあっさり認めてしまう。「でも、他の男と比べて裕が一番だってことを確かめに行ったんだ」と続けて、田村から「そんなわけあるか! それからすぐ認めるの止めなさい」と駄目出しされる。早希ちゃんは「合コンをするのがやましいことではないと思っているわけで」と反論するが認められなかった。
エリさんは、「仕事をしていた」の一点張りで合コンには行っていないと主張する。
模範解答は、自分を合コンに行くほど寂しくさせないで欲しいというものであるが、田村は「これ、共感する人いるんでしょうか?」と疑問を呈していた。

最後は、「『元カノのことが忘れられない』と男友達から相談を受けた時」。福田はまた「ひろしー」と田村の股間を触りに行く。馬場園も自己アピール系であったが、模本解答は、「自分に下心があって言っているかも知れないので、自分のことをアピールするのはNG」だという。

ラストはイントロクイズ。大阪とは違い、お手つきをしても罰ゲームである。

第1曲。私はすぐにわかったが、早希ちゃんが「らんま1/2」の主題歌だと解答。逆に私はその曲を知らない。早希ちゃんは不正解。正解はピンクレディーの「UFO」である。早希ちゃんはアニメが好きなので、今日のBGMのある部分が「けいおん」の楽曲だと当てていたが、得意分野に足を掬われたのかも知れない。
罰ゲームは大阪同様、タイトルをめくると内容が表示される。エリさんは「童心罰ゲーム」を選ぶ。めくると書かれていたのは「洗濯ばさみミニ四駆」。体のある箇所に洗濯ばさみを挟み、紐で繋がったミニ四駆で引くというもの。エリさんが「乳輪占い」の本を出しているため、早希ちゃんは胸を押さえて「嫌です、嫌です」とボケるが、田村は「乳首なんてようせんよ。森三中でもようせんわ」と言い、鼻柱に洗濯ばさみを付けることになる。だが、ミニ四駆がゆったりと走って紐がピンと張って止まった状態になっても早希ちゃんは特に痛くもなく、中途半端な結果になる。早希ちゃんが「もっと手前から(早希ちゃんに近い方から)やらな」、田村が「(洗濯ばさみの付け方が)深すぎるんよ」と言ってもう1回やることになるが、結果は同じ。罰ゲームはある意味、芸人にはおいしいのだが、折角体を張ったのに失笑を買っただけで終わりになってしまった。早希ちゃんは「カーペットの上だから走らない。ミニ四駆を舐めたらあきまへんよ」と不満を述べる。

2曲目。エリさんが、「いきものがかりの『ありがとう』」と答えて正解。エリさんはそのまま熱唱に入るが、歌詞を覚えていないため、田村に「ちゃんと歌えてへんやないか!」とハリセンで叩かれる。
答えられなくても罰ゲームということで、エリさんは「克服罰ゲーム」を選ぶ。めくると「そうめんピーマン」という謎の文章が。実はエリさんの苦手な食べ物が「ピーマン」、早希ちゃんの嫌いな食べ物が「そうめん」だったので、それを両方合わせたものを食べるのだという。早希ちゃんは以前、そうめんが嫌いな理由について「細さが駄目」と語っていたが、今日は「そうめん見ると、犬のフィラリアを思い出す」と別の理由を挙げていた。食べ終えた早希ちゃんは「不味い」と一言。

3曲目、エリさんが、 「TRFの『寒い夜だから』」と答えるも不正解。イントロを最後まで聴くも二人とも正解は出せなかった(正解はEXILEの「チューチュートレイン」)。早希ちゃんは「美術罰ゲーム」を選ぶ。予想通り「顔面書道」である。
早希ちゃんはエリさんの顔に墨で「ジョージ」と書く。エリさんの父親でマジシャンの横木ジョージのことである。

4曲目、カラオケ人気ランキングの上位に常に入っている定番曲なので、私もわかったし、エリさんも早希ちゃんもわかったが、マイクを先に取ったのはエリさん。「ハナミズキ」と答えて正解。エリさんは一青窈の真似をしてしゃがんだ状態で熱唱。ただ田村に「物真似入りすぎ」とハリセンで叩かれていた。
罰ゲームは吉本の王道である尻バット。勿論、プラスティックのバットでであるが、エリさんが思いっ切り振ったので、早希ちゃんは前に倒れ込み、しばらく悶絶状態であった。

結果であるが、最後のイントロクイズで2曲を取ったエリさんの勝利となる。エリさんは「ホームの名古屋で勝てて」とコメントして田村から「京都生まれの大阪芸人のホームがなんで名古屋やねん」とツッコミを入れられるが、エリさんが有名になったのは名古屋のテレビ局が作った番組に出演したためで、ある意味、関西以上にホームではある。

早希ちゃんは「今日は負けましたが、他のことでは勝ちたいですね」とエリさんがレギュラーを持っている番組の後継に4月からなりたいと語る。早希ちゃんは名古屋ローカルの「日曜なもんで」という番組にレギュラー出演しているため、田村から「リアルやな。本当に4月から替わってたらどうしよう」と言う。

ちなみにアジアン・馬場園も名古屋でレギュラー番組を持っているそうだが、チュートリアルは徳井だけが名古屋で番組レギュラーだそうで、福田は「僕も出られるようになりたいです」と語った。

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2014年12月29日 (月)

笑いの林(26) 「小泉エリVS桜 稲垣早希 ~女の帝の人の戦い~」

2014年11月28日 大阪・堺筋本町のテイジンホールにて

午後7時から、大阪・堺筋本町のテイジンホールで、「小泉エリVS桜 稲垣早希 ~女の帝の人の戦い~」を観る。久しぶりとなるエリ早希対決企画である。早希ちゃんのブログによるとこの企画のために気合いを入れて、かどうかはわからないが肩まであった髪を切ってショートにしたらしい。

まずはコスプレ対決。早希ちゃんは初音ミクのコスプレをして話し方もボーカロイドっぽく言葉を短く切り、イントネーションも敢えて変にしていた。一方、エリさんは、何故か「千と千尋の神隠し」の顔なしの扮装。そう、もはやコスプレではなく扮装である。エリさんは早希ちゃんに「なんやこれ!」と怒られる。

早希ちゃんはエリさんのことを「ちんちくりん」と言うが、エリさんも「女の子は小さい方が可愛い」「iPadもすぐにiPad miniが出た」と応戦する。早希ちゃんも「iPhoneはどんどん大きくなっている」と逆のケースを挙げる(早希ちゃんは公式プロフィールでは166cm、最近の早希ちゃん本人の発言や身体測定企画によると約165cmで、女性としては大柄である)。
ここでエリさんが「iPhone3Gを使っている」という話になり、iPhone3Gはもう時代遅れで、全てのアプリがアップデート出来ない状態なのだという。

早希ちゃんが「おっぱいがAカップない人は可哀想」というが、エリさんは早希ちゃんの胸を見て「ご愁傷様です」「ぺちゃぱい」などと言う。早希ちゃんは「Fカップある」と反論するが、自虐ネタを持っているほど貧乳である。エリさんも胸が大きい方ではないが。
ちなみに早希ちゃんは、明日(2014年11月29日。俳優ではなく宝くじ大使としての出演であった)、なんばグランド花月で行われる吉本新喜劇に出演するのだが、サンスポに「ペチャパイ枠で出演」などと嘘の記事を書かれたそうである。

映像による対決。元プロの料理人である芸人、和牛の水田信二がジャッジを務める創作料理対決である。お題は「タコを使った幸せになれる料理」ということで、二人で食材を買いにスーパーに行くところから始まる。料理中に早希ちゃんは、「10年近く一人暮らしをしていて、ほとんど自炊だし料理はお手のもの」というようなことを言うが、エリさんから「ほとんど一人で自炊なんて寂しい」と言われる。早希ちゃんは「三十過ぎて実家暮らしの人(エリさん)よりましです」と反論する。
出来上がった料理であるが、早希ちゃんの作ったタコの丸ごと煮込みに鰤、大根などを使った料理は水田に「大根が硬い」「鰤は骨を抜かないと」と駄目出しされる。一方、エリさんの作ったものは味が今一つだったようで早希ちゃんの勝利となる。
フォローしておくと、少なくとも早希ちゃんは料理は普通にこなせる女性である。

エリさんのマジックショー。ハンガーが繋がったり離れたりし、ボール状の器の中にハンカチを入れ、器を開けるとポンポンが飛び出し、長い布がスルスルと出てくる。更にエリさんは客席にお菓子を配って回り、「お菓子を貰った人は全員、小泉エリちゃんを応援して下さい」と強要する(?)。

早希ちゃんは「エヴァ」のシンジを主人公にした新作コント。シンジがいろはかるたをやることになるのだが、「犬も歩けば棒に当たる? だからウロウロしちゃ駄目だって言っただろう! そもそも棒って何だよ? お年寄りの杖かよ?」、「貧乏暇なし? 本当に貧乏な人は公園で暇そうにしてるよ」、「憎まれっ子世にはばかる? 憎まれっ子ってアスカのことかな? アスカって意外に良い子なんだ」、「鬼に金棒? 金棒持ってても所詮あんた達、桃太郎に退治されるんだよ」、「花より団子? 団子じゃ駄目な場合もあるんだよ。世界に一つだけの団子じゃ駄目なんだよ、そうでしょ? 槇原(敬之)さーん! 槇原さーん!」、「負けるが勝ち? 負けたら負けだよ」、「頭隠して尻隠さず? これってAV女優のことじゃない。駄目だよこんなの格言にしちゃ」、「眼の上の瘤? それがどうした。エヴァ初号機には角が付いているんだぞ。今まで役に立ったことないけど」、「喉元過ぎれば熱さを忘れる? 僕は江○マキ○が長○○茂の家に落書きしたのを忘れないぞ! ていうか茂Oはどうしてたんだよ? SEC○Mしてなかったのかよ!?」と次々にネタにしていく。お手つきでその場を外れ、もう加わりたくないといってぶたれた時には、「ぶったね。今までトウジにしか殴られたことないのに。これは僕のセリフじゃないんだけど」と『ガンダム』のアムロ・レイもネタとして用いていた。

麒麟の川島明を司会に迎えての映像ツッコミ対決。エリさんは川島と名古屋でレギュラー番組を持っているというが、早希ちゃんは「(川島と)昨晩も呑みに行った」と嘘を付いて、川島に「この子、虚言癖があるようで」などと言われる。早希ちゃんはこの時に初めてショートカットで現れたが、元々のプロフィール写真もショートカットということもあって違和感はない。少し若く見えるかも知れない。

猫にビール、「駐車違反取締中、チューはイヤーンしてチュー」というギャグ看板、鳥の頭に留まった鳥などの写真に、早希ちゃんは「(ギャグ看板は)おもろない!」、「(鳥に)何だここは俺の場所か? 独裁国家になるんか?」などと突っ込んでいく。早希ちゃんはお笑い芸人なので、こうしたツッコミには慣れている。全てが面白かったわけではないが、いくつかは良い線を行っていた。

一方、エリさんは、細い管に挟まったモルモットの写真を見て、「狭い、僕は車を回る方で(それはハムスターだが)」などとモルモットになったつもりのセリフを言ってしまい、川島から「これ当てレコじゃないんだから」と駄目出しされる。エリさんも吉本所属の宿命でお笑いもやるのだが、やはり慣れていないと難しいようで、たどたどしい上にテンポが悪い。ということで、この対決は早希ちゃんの勝利となった。

CM対決。それぞれがCMを作ってどちらの出来が良いかを競う。早希ちゃんは、「私はサンガリアのCMやってました」というが、IMALUが後任となり今は芹那がサンガリアのCMをやっているということで、川島は「問題児ばかりやな」と言う。早希ちゃんはCMを降ろされたということに「いや、でも二期更新して、今までこんな長く契約したことないと言われて」と自分を良く見せようとするが、「でも降ろされたんでしょ」で落とされてしまう。

「保険」のCM。エリさんのCMはありがちなものであるが、最後の電話番号が「いながきのおっぱいちいさい」となっていて会場の笑いを取る。早希ちゃんのCMは浅倉南に扮した早希ちゃんが上杉勝也に保険に入るよう勧め、交差点で勝也の背中を押して轢死させ、保険金をせしめる(なぜかたった6万円)というブラックなものであった。ちなみに早希ちゃんによると「収録中に本当に交通事故になりかけた」そうである。
エリさんの勝ち。

「ファブリーズ」のCM。エリさんは、先輩芸人に登場して貰って、ファブリーズを顔に噴霧するとモテるようになるという内容。一方、早希ちゃんはAKB48の扮装をして、「恋愛禁止」、「煙草、お酒禁止」、「トイレ禁止」となるが催してしまいという尾籠な内容。ただ、エリさんのCMは意味がわからないということもあって早希ちゃんの勝ちとなる。川島は早希ちゃんに「よくあんな(ブリブリのアイドルのような)格好してNMB48劇場前歩けたな」と感心して言う。早希ちゃんによると本当のアイドルだと勘違いした人もいたらしい。大人AKBなんてやってる時代だからね。

次は「お酒」。エリさんはサントリーのビールのコマーシャル。飲み会の席で男性の後輩に絡んであれこれと駄目出しをし、結果として後輩の男性がめきめきと出世していくというもの。早希ちゃんの方は千鳥足の浅倉南がワンカップ大関を飲みながら千日前を歩き、「達ちゃん、南を総合病院に連れてって」と言う内容で、川島に「いい加減、(吉本本社のある)なんばから離れろ!」と駄目出しされる。エリさんの勝ち。

最後は、フリー。エリさんはポッキーのCMを選び、お得意の手品を使い、更にはアインシュタイン・稲田とポッキーキスに挑むなどした。早希ちゃんは冠婚葬祭のベルコのCM。ブーケトスでブーケを受け取ろうとする早希ちゃん。だが、ブーケを手にしたのは早希ちゃんを突き飛ばした太めの女性。倒れた早希ちゃんは頭を強く打っておだぶつ。そして幽霊となって現れるというこれまたブラックな内容である。エリさんの方が頑張ったということでエリさんの勝ちとなる。

映像による料理対決第二段。今度は「エビを使った幸せになれる料理」。早希ちゃんの作ったものは水田に「コチジャンがいまいち」と言われ、早希ちゃんは「あのスーパー!」と怒るが、エリさんに「いやスーパーのせいじゃないし」と突っ込まれる。
一方、エリさんは色々なものを混ぜたコンソメベースのスープにオレンジを浮かべたもの。オレンジは激マズだったようで、エリさんを含めた三人が三人とも耐えることが出来なかった。

ゲストを招いてのクイズコーナー。

早希ちゃん側のゲストとして呼ばれたのは祇園の木﨑太郎。「カッパでいい湯だな効き温度ブログ旅」で「ロケみつ」にも出演したことがある。
早希ちゃんは木﨑はNSCの同期で(ただし木崎はお笑い芸人コース。早希ちゃんは今はなき女性タレントコースで当時は面識はなかったはずである)仲が良いと言うが、木﨑は早希ちゃんのことを「嫌いです!」と断言する。二人は誕生日が一緒(12月27日。早希ちゃんの方が2つ年上である)であり、「ロケみつ」の忘年会では早希ちゃんの誕生日会を行うのが恒例だったそうだが、木﨑も出たときは木﨑も同じ誕生日であるにも関わらず木﨑を祝ってくれる人は一人もいなかったという。
川島は「さっきから聞いてると、早希ちゃん、本当に友達いるの?」と訪ねる。

エリさんサイドのゲストは坂田利夫師匠。

1問目は、「正岡子規の俳句『柿食えば』に続く中の句、下の句」を書きなさい」というもの。木崎が中の句、早希ちゃんが下の句を担当。エリさん側はエリさんが中の句、坂田師匠が下の句を受け持つ。木﨑、早希ちゃん(「買いに行こう」)、エリさん(「ハッピーになる」)は擦りもしなかったが(小学校で習うはずなのだが)、坂田師匠は「ほうりゆじ」と書いて、正解となる。

2問目は、「安部晋三首相が行った経済対策を何というか」という問題。三文字ずつ担当するはずだが、そうした打ち合わせもないため知らない人は手も足も出ない。

エリさんは「消費税」と書いてしまうが、坂田利夫は一人で「アベノみくす」と書いて正解となる。木崎は「ブッチ」と書き(「ブッチフォン」だと思っていた。だが小渕恵三元首相はすでに他界しているし、娘さんは問題起こしてるし)、「ミクス」と当てた早希ちゃんから、「頭の悪いナルシストなんて最低よ!」と駄目出しされる(木崎はナルシストキャラで売っている)。早希ちゃんはヨーロッパ横断ブログ旅の際に、アベノミクスの影響で円安となり、貰える金額が減ったという話をする。両チームと正解者が出たということでドロー。

3問目。「“ふるきをたずねてあたらしきをしる”を四字熟語にすると何?」。木崎が「温故」と当てるが、早希ちゃんは「新地」と解答。川島が「新地って何?」と聞くと早希ちゃんは「大阪にあるじゃないですか」と答えたが、「耳で聞いて間違えて覚えてる」ということになる。エリさんは「知新」と正解を出すが、坂田師匠はボケに走り、ちょっとした事故状態。これもドロー。

「IT企業のITは何の略?」という問題。正解「はInformation Technology」であるが(正解の発表は行われなかった)、木崎は「Internet」と書いて不正解。早希ちゃんは「ット」という謎の答え。話を聞くと、「IT」で「イット」と読むので「イ」「ット」になるはずだと思ったという。何かよく分からない。
エリさんは「International」と答える。旧ソ連の国歌か? 坂田師匠もボケて正解は出なかった。

イントロ対決。有名楽曲のイントロを聴いて曲名を答えるという「イントロドン」「ドレミファドン」の対決である。マイクは中央にスタンドが1本だけ。曲名がわかったら駆け寄ってマイクを取り答えを言う。負けた方は罰ゲームを受けることになる。

まず早希ちゃんが、「Let It Go」と答え、似ているが違うという。そこからは「アナと雪の女王」の楽曲が次々に挙げられるが、川島がいったんはけてスタッフに確認したところ、そもそも「アナと雪の女王」の楽曲ではないとのこと。アイドルの曲であり、出だしからしばらくしていきなり曲調が変わるので、そこでわかるとのだそうだ。そして早希ちゃんがAKB48の「ポニーテールとシュシュ」と正解を出し、エリさんが罰ゲームを受けることになる。罰ゲームは何種類か用意されており、早希ちゃんは「精神的ダメージ罰ゲーム」を選ぶ。紙をめくると「麒麟・田村裕に電話で告白」の文字が。その場でエリさんのiPhoneにマイクなどが繋がれ、エリさんが田村に電話を掛ける。田村は今は渋谷にいるそうだ。エリさんが田村に「好きなんです。もし結婚とかに影響がなかったら考えておいて下さい」と言ったところで、川島が強制的に電話を切る。「明日会うのに」とエリさん。早希ちゃんは、「前、(同じ罰ゲームを天津・向相手に)やらされたとき、しばらくの間、気まずかった」と言う。

2問目。二人とも「アナ雪」関連の曲だとすぐにわかる。エリさんが「MayJの『ありのままで』」と答えるが不正解。早希ちゃんは、「松たか子さんの『ありのままで』」と答えて正解する。早希ちゃんは「りょうごく的ダメージ罰ゲーム」を選択。早希ちゃんは「りょうごく」と読んだが実際は「両極」である。「りょうごく」といったら普通は国技館のある場所を思い浮かべるので好角家のエリさんが喜ぶだけである。250ミリリットルの水入りペットボトル2本を入れたパンストをエリさんが被る。鼻が上に上がって痛いそうだ。

3曲目は比較的わかりやすかった。エリさんが谷村新司の「いい日旅立ち」と答えて正解する。正解したのでパンストは脱ぐことが出来た。
早希ちゃんへの罰ゲームは「顔習字」。エリさんは早希ちゃんの顔に「ブス」「ペチャパイ」と筆で書く。早希ちゃんは「最後の方は何て書いたかわかった」と怒りながら言う。

ラストソング。これはわかりやすかった。早希ちゃんが先にマイクを取って、「モーニング娘。の『LOVEマシーン』」と答えて正解。その後、早希ちゃんが出だしを歌って客席もエリさんも盛り上がるが、エリさんは罰ゲームを忘れていた。タバスコ入りのスイーツ(といって良いのか?)を食べさせられたエリさんはしばらく喋ることも出来なかった。

正解を3つ出した早希ちゃんが総合点でエリさんに追いつき、エリ早希対決は初の引き分けとなった。

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2014年12月28日 (日)

観劇感想精選(141) シス・カンパニー「火のようにさみしい姉がいて」

2014年10月6日 大阪・京橋のシアターBRAVA!にて観劇

午後7時から、大阪・京橋のシアターBRAVA!で、シス・カンパニー公演「火のようにさみしい姉がいて」を観る。作:清水邦夫、演出:蜷川幸雄。出演:大竹しのぶ、宮沢りえ、山崎一、平岳大、満島真之介、西尾まり、中山祐一朗、市川夏江、立石涼子、新橋耐子、段田安則ほか。

男(段田安則)は舞台俳優である。シェークスピア俳優であり、これから「オセロ」の本番を控えている。楽屋で鏡に向かって鬚を剃りながらオセロのセリフを唱えている。ところが、剃刀で誤って頬を傷つけてしまう。その瞬間、並んだ鏡の下手側の3つほどがマジックミラーとなり、背後に美容室の姿が浮かぶ。そこでは女が剃刀を研いでいた。

本番を目の前にして男の妻(宮沢りえ)が楽屋に現れる。妻は男よりも舞台俳優としての才能が豊かだったのであるが、今では専業主婦となっている。昨夜、男がオセロのセリフを間違えたというので、男がオセロ役、妻がデズデモーナ役となり、稽古を行うが、男はセリフを飛ばしてしまい、すぐにデズデモーナ殺害の場になってしまう。「あなたはすぐ人を殺したがる」と妻から言われる男。

男が出演するのは、前衛演出家による「オセロ」。ノーセット、ノー衣装であるが、更にノーメイクであるという。黒人であるオセロがノーメイクでは格好がつかないのであるが、前衛演出家と仕事がしたいと申し出たのは他ならぬ男であり、文句は言えない。男は「黒人であるオセロが黄色い顔で、いや黄色い顔ならまだいい、最近の俺の顔は青白い」と語る。不摂生故だった。妻のお腹の中にはなんと22ヶ月になるという赤ちゃんがいるという。妻のお腹は膨らんではおらず、赤ちゃんがいるようには見えないのだが。

妻に転地療養を勧められた男は、妻を連れて20年ぶりに日本海側にある故郷に帰ることにする。しかし、男が生まれた板倉という街まではバスが通っていなかった。仕方なく男と妻は、途中にある美容室「中ノ郷」という店に入る。昔、通っていた美容院によく似ているが、別の美容院だと男は語る。彼がよく通った美容院はここではなく更に奥にある板倉にあるのだ。
美容室「中ノ郷」は開店しているはずなのだが、中には誰もいない。男は店を出ようとするが、妻がはばかりに行きたいというので、しばらく待つことにする。その時、紗幕で出来た美容院「中ノ郷」の壁が透けて、集団で暴力が行われている光景が目に飛び込んで着る。男は動揺し、美容室の鏡を見つめる。そうして男はオセロのセリフを思い出し、語り始める。しかし、勢い余って、鏡の前の置かれていたシャボン用のカップを手で払い、割ってしまう。折悪しく、そこへ中ノ郷の主である女(大竹しのぶ)が帰ってきた。後に続くのはこの土地に住む老人達。みをたらし(山崎一)は「おばさん」と呼ばれているが、以前、この地で取れた毒消しの薬を売り歩く女の集団に女に化けて紛れていたからだという。今では男になっているが、毒消しの薬が女である必要がなくなって男をやってみるとそちらの方が楽だったからだそうだ。
中ノ郷の主の女が現れてしばらくしてから男の妻が戻ってくる。中ノ郷の主の女は、「トイレ掃除は夕方にやるから、まだ汚れているのを見られたくなかったのに!」と言うが、妻は「一応、断りました」と言う。美容師見習いの女(西尾まり)が二つある個室の片方に入っていて、妻は「隣、宜しいですか」と聞いたのだという。見習いは主に「自分が先に入っているのに駄目とは言えなかった」と弁解する。

この土地の者は、みな、男についてよく知っていた。最初は「テレビも新聞もあるから」とある老婆がいうので、マスコミから情報を得ているのかと思っていたが、みをたらしは、男が子供の頃の話も知っていた。だが、男は、そんな話は記憶になく、みをたらしが嘘を付いているのだと妻に説明する。

みんなが、「オセロ」を見たいというので、デズデモーナ殺害の場を二人で演じるが、男は首を絞める際にいつも以上に力を入れてしまう。中ノ郷の女主は、妻に「100回稽古をしたら、100回目に絞め殺されるかも知れないね」などという。

やがて、土地の人々と男の記憶が一致し始める。男しか知らないはずの記憶が次々に明かされている。男には姉と弟がいるのだが、彼女たちも……

演じるという行為が入れ子構造になった迷宮のような芝居である。特に男役の段田安則は何重にも演技をしている。男が求める「真実」と今目の前にある「真実」が食い違い、男の意識がある時点からねじ曲げられ、真実も真実らしき何かに変容してしまっていることがわかる。「自己の不可解」。未だかつて、誰一人説いたことのない謎である。

「火のようにさみしい姉がいて」というのは、松島東洋による「水と水」という詩の一節から取られたそうだが、実際の男の姉は、「火のようにさみしい」女ではない。今まさに現実を生きているかのようでありながら男は現実など生きていなかったのだ。男ばかりではない。我々も現実そのものを生きることは出来ないのである。

男役の段田安則も好演であったが、見るからにザ・女優という雰囲気の宮沢りえと見るからにザ・舞台女優という貫禄の大竹しのぶとの共演は見応えがあった。

蜷川幸雄の演出は、お得意の鏡を多用したものであったが、あそこまでスペクタクルにして説明的に用いなくても大丈夫。我々は付いていくことは可能である。

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2014年12月25日 (木)

ビル・エヴァンス 「サンタが街にやってくる」

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2014年12月24日 (水)

三大テノール 「きよしこの夜」

ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロッティによる「きよしこの夜」です。

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2014年12月20日 (土)

コンサートの記(167) アサヒビールpresents佐渡裕芸術監督プロデュース2013「ジルヴェスター・ポップス・コンサート」 キース・ロックハート指揮 新妻聖子(ヴォーカル)

2013年12月30日 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールにて

午後3時から、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで、アサヒビールpresents佐渡裕芸術監督プロデュース2013「ジルヴェスター・ポップス・コンサート」を聴く。ジルヴェスターとはドイツ語で大晦日のことであり、今日は大晦日ではないが(語源からいくと大晦日ではある。旧暦は基本的に30日までしかないためである。旧暦には存在しないが、31日を表すと三十余り一日である)、明日も同一プログラムの公演があり、そちらが本当の本番で、カウントダウンもKOBELCO大ホール内で行われる。今日は正式にはジルヴェスター・イヴ・ポップス・コンサートということになる。

ジルヴェスター・ポップス・コンサートの演奏を受け持つのは、当然ながら兵庫芸術文化センター管弦楽団。指揮はボストン・ポップス・オーケストラの常任指揮者を28年の長きに渡って務めているキース・ロックハートである(「協力:ボストン・ポップス・オーケストラ」という記述が無料パンフレットにある)。ライトクラシックや映画音楽、ミュージカル・ナンバーを中心としたプログラム。ミュージカル・ナンバーを歌い上げるのは、日本を代表するミュージカル女優である新妻聖子である。司会を上村美穂が担当する。なお、今日、明日とテレビ収録が行われ、後日放送される予定である。

舞台後方にスクリーンがあり、そこに曲のタイトルや、ミュージカルナンバーの訳詞や歌詞が映し出される。舞台上方に星形にライトが並べられており、その下にスクリーン。左右にはオーストリアの国旗を90度傾けたような赤と白のストライプの幕が下がっている(舞台演出:小栗哲家。俳優である小栗旬の実父である)。

曲目は、前半が、ジョン・ウィリアムズの「雅の鐘」、ルロイ・アンダーソンのライトクラシック3曲(「舞踏会の美女」、「ブルー・タンゴ」、「そりすべり」)、ロジャースの「回転木馬」のワルツ(ウォーカー編曲)、バーリンの「ショウほど素敵な商売はない」(ベスターマン編曲)、ラーナー作曲&ロウ作詞の「マイ・フェア・レディ」よ“踊り明かそう”(ヴォーカル:新妻聖子)、ハマースタインⅡ世作詞&ロジャース作曲の「サウンド・オブ・ミュージック」より“サウンド・オブ・ミュージック”(ヴォーカル:新妻聖子)、ロジャース作曲の「王様と私」より“シャル・ウィー・ダンス?”(カレッジ編曲)、クロード=ミシェル・シェーンベルク作曲(佐野秀典編曲)&ブーブリルとクレッツマー作詞による「レ・ミゼラブル」より“夢やぶれて”(ヴォーカル:新妻聖子)、ライ作曲(丸山和範編曲)&ダリオン作詞の「ラ・マンチャの男」より“ラ・マンチャの男~我こそはドン・キホーテ”(ヴォーカル:新妻聖子)、ウォレン作曲(セベスキー編曲)の「フォーティーセカンド・ストリート」

後半は、ホワイティング作曲(ジョン・ウィリアムズ編曲)の「ハリウッド万歳!!」、スタイナー作曲(モーリー編曲)の「風と共に去りぬ」より“タラのテーマ”、ジャール作曲の「アラビアのロレンス」序曲、ホーナー作曲(スタロビン編曲)の「タイタニック」より“マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン”、エルマー・バーンスタイン作曲の「荒野の七人」組曲、そして、ロックハートの前のボストン・ポップス・オーケストラの常任指揮者、現・桂冠指揮者でハリウッド映画音楽作曲の第一人者であるジョン・ウィリアムズのトリビュートとして、「スター・ウォーズ」、「ジョーズ」、「スーパーマン」、「ハリー・ポッターと賢者の石」、「レイダース/失われたアーク」、「E.T.」の聴き所を抜粋したものが演奏される(ラヴェンダー編曲)、次はディズニー映画「ピノキオ」の「星に願いを」(ハーライン作曲、和田薫編曲)、そして、ロックハート、新妻聖子、上村美穂と共に聴衆も歌う「一緒に歌おう 名作映画主題歌集」(セベスキー編曲)が来る。「一緒に歌おう 名作映画主題歌集」に登場するのは、「時の過ぎゆくままに(As Time Goes By)」(「カサブランカ」)、「「雨にぬれても」(「明日に向かって撃て」。正式には主題歌ではなく挿入歌である)「ムーン・リバー」(「ティファニーで朝食を」。これも挿入歌という形でオードリー・ヘップバーン本人が口ずさんでいるものの方が有名。オードリー・ヘップバーンは歌は苦手であり、本人が歌っているのはこの映画のシーンだけであとは吹き替えである)、「追憶(The Way We Were)」(同名映画の主題歌)、「ケ・セラ・セラ」(「知りすぎた男」。挿入歌である)、「ジッパ・ディ・ドゥー・ダー」(「南部の唄」)、「虹の彼方(Over the Rainbow)」(「オズの魔法使い」)。邦訳よりも原題の方が有名な曲もある。

クラシックの曲だとややこしい拍子の曲(例えば第九の「歓喜の歌」は、実は8分の6拍子という、比較的難しい拍子で書かれている)や変拍子だらけの曲があったりするのだが、ライトクラシックや映画音楽、ミュージカルは基本4拍子、たまに二拍子や三拍子で、特に難しい拍子が用いられることはない。4分の4拍子は楽曲の基本で頻出するため、楽譜には4分の4ではなく、Cに似た記号が用いられる。
ロックハートの指揮も、ノンタクトで、拍子を刻んでいくという正統派のもの。たまにパフォーマンスとして飛び上がったりする。
18年前にボストン・ポップス・オーケストラの指揮者となった頃のロックハートは甘いマスクで人気を集め、コンサートホールには若い女性の黄色い声や、「結婚して!」などのラブコールが飛び交ったことでも知られるが、それから18年経ったロックハートは年相応に少し太り、53歳のちょっといけてるおじさんという印象である。今日はサスペンダーの付いた濃紺の服で指揮をする。指揮者というより作業者のような格好である。「雅の鐘」を演奏した後で、客席の方に向き直って、「こんにちは」と日本語で挨拶し、「大掃除は終わりましたか?」とこれも日本語で言って笑いを取る。

兵庫芸術文化センター管弦楽団の女性奏者は、みなカラフルな色のドレスで登場。今日はコアメンバーとされる現役の奏者(兵庫芸術文化センター管弦楽団は在籍期間基本3年と決まっているユース・オーケストラ&アカデミー・オーケストラであり、コアメンバーは3年が経つと他のオーケストラに移籍するか、ソリスト、アマチュアなどに転向することになる。日本のオーケストラは人事権が強く、欠員が出たときのみ募集が行われるため、任期終了後は日本ではなく海外に飛び出す人も多い)の他に、レジデント・プレイヤー、アフィリエイト・プレイヤー、アソシエイト・プレーヤーといった違いが余り良くわからない元団員や、ジャズなどに強い、エキストラ・プレーヤーを含めての演奏である。第1ヴァイオリンはコンサートマスターの豊嶋泰嗣(コンサートマスターはコアメンバーからではなく有名奏者を招く場合が多い。今日もそうである)を除くと女性奏者ばかりである。日本の場合、基本的に芸術大学や音楽大学、音楽学部などは女子学生の比率が圧倒的に高いので、結果としてオーケストラメンバーも女性の方が多いということになる。

在籍期間が短いプレーヤーばかりだと、どうしても成熟した音色やそのオーケストラならではの魅力に乏しくなるが、オーディションを勝ち抜き、更にこれからより良いオーケストラへと移ろうという意気込みに溢れた人が多いのでメカニックは優秀である。

兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールの音響はやはり素直な響きがして良い。

新妻聖子は、前半は黒いズボンの上に、前にスリットの入った赤いドレスという、今年、京都コンサートホールに出演したときと同じ衣装。後半はピンクのドレスで、これも京都コンサートホールで歌ったときと同じであった。「私はまだ大掃除が終わっていません」と挨拶して笑いを取る。
今日も、甘く、伸び伸びとした歌声が魅力的。

「レ・ミゼラブル」より“夢やぶれて”は、スーザン・ボイルが歌った抜粋版ではなく、レチタティーヴォ入りのミュージカルオリジナル版での歌唱であった。

後半の第1曲「ハリウッド万歳!!」は、映画音楽としてよりも「アメリカ横断ウルトラクイズ」の音楽として有名である。

「アラビアのロレンス」序曲であるが、先日、ロレンス役を演じたピーター・オトゥールが亡くなったばかりであり、図らずも追悼演奏ということになった。

ボストン・ポップス・オーケストラの前任指揮者であり、アメリカを代表する映画音楽作曲家のジョン・ウィリアムズの映画音楽を立て続けに演奏される前に、ロックハートは上村美穂の通訳付きで、「前任者が、あの偉大なジョン・ウィリアムズということで、ボストン・ポップス・オーケストラの指揮者に選ばれた時は、恐縮するというか、身が縮こまる思いだったよ」と語る。上村が「よろしくお願いします」と言うと、ロックハートは「わかりました」と日本語で返して笑わせる。推進力とダイナミズム溢れる素晴らしいジョン・ウィリアムズ作品の演奏であった。

有名映画のナンバーを聴衆と共に歌うという試みは、ボストン・ポップス・オーケストラの中興の祖ともいうべきアーサー・フィドラーが始めたもので、大好評だという。

無料パンフレットにも歌詞が載っており、スクリーンにも歌詞が映し出される。

有名ナンバーであるため私も歌う。というより私が一番張り切っていたような気もする(「雨に濡れても」と「追憶」はカラオケでも良く歌い曲だったりする)。

新妻聖子は客席通路に降りて歌ったりもし、ロックハートと上村美穂はロックハートのリードでソーシャルダンスをしたりする(その間は演奏はオーケストラ任せ)。

アンコールでは、まずスーザの「星条旗よ永遠なれ」が演奏され、新妻聖子のヴォーカルによる「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」、最後は「鉄腕アトム」マーチが演奏され、スクリーンにも歌詞が映され、聴衆が歌う。新妻聖子も上村美穂この曲に関しては自らは歌うことなく、終始、客席にマイクを向けていた。

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2014年12月12日 (金)

笑いの林(25) よしもと祇園花月「祇園ネタ」&吉本新喜劇「うまくいくやつ、いかないやつ」2013年6月29日

2013年6月29日 よしもと祇園花月にて

午後3時30分より、よしもと祇園花月で、「祇園ネタ」と吉本新喜劇「うまくいくやつ、いかないやつ」の二本立てを観る。

「祇園ネタ」の出演者は、桜 稲垣早希、ライセンス、サバンナ、テンダラー、月亭八方(登場順)。

関西では「知らない人がいない」と言われるほどの人気を誇るが、東京では知っている人の方が少ないという今の時代に珍しいタイプの芸人である早希ちゃんは、おなじみとなったコント「お姉さんと一緒」を演じる(早希ちゃんの出世作である「ロケみつ」は東京では月曜日の深夜3時過ぎに放送されており、当然ながらそんな時間にテレビを見ている人はほとんどいない)。子供番組のお姉さんのような格好で登場し、「幸せなら手を叩こう」、「ミッキーマウス・マーチ」、「アイアイ」、「グー・チョキ・パー」の替え歌を歌いながら、ネズミ講(「特性洗剤」3800円)や霊感商法(「神様の涙で出来た石の破片」16万8000円)、出会い系サイト、闇金、オレオレ詐欺(「俺俺」と名乗る詐欺が少なくなったことと、手段が振り込みから手渡しに変わりつつあることから、最近、ネーミングを「母さん助けて詐欺」に変更したが、ネーミングセンスが無い上に緊張感もないということで批判の声が多い。ネーミングは公募によって行われ、一番多くの評を集めたのは「なりすまし詐欺」であったが採用されなかった)などの、犯罪をネタにするというブラックなもの。人形劇の場面では、お得意の声の切り替えが楽しめる。

ライセンスは、CMをネタにしたもの。テレビCMもそろそれ方向性を変えた方がいいのではないかということで、藤原一裕が様々な提案をするが、「う、心臓痛い。血を吐いた。『救心』」、「靱帯断裂。JUST DO IT,NIKE」など、商品のイメージが悪くなるものばかり(藤原はテレビ番組の収録中に、実際に左足の靱帯断裂の大怪我を負い、活動休止を余儀なくされたことがある)。
更に藤原は、「ヒューン、エレクトリカルパレード」とやって相方の井本貴史(いのもと・たかふみ)から「速すぎて見えんがな。ミッキーマウス確認出来ん」と突っ込まれる。
藤原は「ミッキーマウスは大きな耳を着けていて、口も大きく開いているので、高速だと耳は後ろに飛んで、口は大きく開く。三木谷さん、顔見えてますよ、口開いて、顔丸見えです三木谷さん」と言って、井本から「ミッキーマウスの中に人はいない。夢を壊すな」とたしなめられる。
藤原は「無職の熊を何とかしないといない。下半身露出してる熊を」と言って、「『くまのプーさん』のプーは、無職のプーじゃない」と突っ込まれる。だが、藤原は、「くまのプーさんは一応上着は着てるのよ。着るという考えは持ってるの。何色の服がいいかな、そうだ赤の服がいいとかいうセンスも持ってるの。でも、下半身は露出してる。あれは変態だ」と断じる。更に「カモメもいるやん、セーラー服の上着は着てるのよ。しかも帽子まで被って、でも下半身は剥き出し。変態の集まり」などという。
最後はCMネタに戻り、藤原は「メイク落とすの大変ね。チャラッチャッチャッチャー、i'm Lovin' It」といって、ドナルド・マクドナルドの話にしてしまう。カーナビのCMの話となり、藤原は映画の予告編のような凝った文言を口にするが、井本に「長すぎる」と突っ込まれて、漫才は終わる。

サバンナ。八木真澄の一発ギャグを、今日も、高橋茂雄が最初にネタをばらして、わざとすべらせるということを導入部で用いる。八木は更に「一、二、一、二」と手を振り、足を高く上げてステージ上を歩き、正面を向いたときに「前へ(出した手の手首を下に曲げて幽霊のような手つきにする)お化け」とわざとすべるネタをやる。

それから、高橋が、「ドクター・ユレオ」というテレビゲームを演じて見せるという。ピーチ姫を助ける話で、クッパという亀の怪物が出てきて火を噴くなどと「ドクター・マリオ」そのままなので、八木は一々「それ『ドクター・マリオ』やろ」と突っ込むが、高橋は「いや、ユレオ」と言って譲らない。高橋は、ズボンのベルトを外し、穴に通す部分を八木に持たせて「コントローラー」だという。八木は「えらい貧楚なコントローラーやな」と文句を言うが、取り敢えず、動かしてみる。高橋は全体を小さく前後に揺らすだけ。それで「テレッテテレッテテン」とゲームオーバーを告げる。八木が「ただ揺れてるだけやん」と突っ込んだので、高橋は、高校の男子生徒が男同士で盛り上がっているが女子のグループのことも気にしているゲームをやると言い、大笑いしたり、大袈裟に手を叩いて見せたりするが、横目で女子を確認するという演技をし、八木に「女子見た」と言われる。
八木は高橋に、「お前一人だけの仕事増えてるやん。俺、一人でテレビ見てる時、お前のことよく見る。下痢のCMにも出てるし」と愚痴をこぼすが、高橋に「下痢止め。下痢止めのCM。下痢のCMって何やねん」と突っ込まれる。更に高橋は、八木の天然エピソードを紹介。高橋が同じことを二回言った時に、八木は「何で二回言うねん。何で二回言うねん」と何でか二回言ってしまったこと。おまんじゅう食べたかと聞かれて「食べました、一個。赤と白」、二つ食べとるやないかと突っ込まれる。更にJR神戸駅で切符をなくすが、切符は八木の唇に貼り付いていたというもの。
最後は、おなじみのヤンキー同士の喧嘩ネタ。肩がぶつかってヤンキー同士で喧嘩になるというネタをやる。肩がぶつかり、八木が「どこ見て歩いてんじゃ」と因縁をつけるが、高橋は高い声で意味不明の言葉をつぶやき、八木から「お前、何人やねん」と突っ込まれる。もう一度、肩がぶつかるネタ。いつもは八木が着ているTシャツの首の部分を高橋が引っ張って伸ばしてしまうというネタだが、今日は更に進化して、引っ張って伸びたTシャツを八木の頭に被せてしまう。その後、ぶつかるシーンで高橋は八木の体を回してしまう。八木は「回すなや。お茶やないんやから」という高橋が「お茶?」と聞くと、八木は「茶道で回すやろ」。そこで高橋はもう一度、八木を回す。八木は「独楽じゃないんだから」とありきたりな答え。
再度、肩がぶつかるネタ。高橋が「お前、どこ中?」と聞くので、八木が「広瀬中じゃ」と答える。高橋は「じゃ、片山知ってる?」、八木「どこの片山じゃ?」、高橋「片山ノブユキ」、八木「ああ、知ってる」、高橋「俺、片山と公文やってた頃の友達」、八木「何の話や?」という展開になる。
最後は、高橋に「お前何歳?」と聞かれた八木が「38歳じゃ」と実際の年齢を言ってしまい、高橋の「いや、中学生、高校生のネタやで。本当の年齢言ってどうするん」と突っ込まれて終わる。

テンダラー。浜本広晃の、「どうも、テンダラーです。我々、若手のふりをしていますが、私は38歳、相方は41歳」という言葉で始まり、浜本は「今日は土曜ということで、沢山、お客さんに来て頂いています。普段は5upよしもとという若い女の子の集まる劇場でやることが多くて、良い匂いがするのですが、今日はねえ…。養命酒の匂いがするかな」と続ける。更に浜本は「遠くからお越しになっているお客さんも多いと思います。誰が一番遠くから来ているかを聞いたりするということをよくやりますね」というが「それは置いておいて」と飛ばしてしまい、白石悟実から「聞かないかい」と突っ込まれる。結局、お客さんにどこから来ているか聞くことはなかった。

浜本は、「お客さんを見て、どのネタをやるか決めることがあります。今日はもう決まりました」と言って、白川から「もう決まったの?」と聞かれるが、「ええ、決まりました。今日のお客さんの顔を見てすぐに決まりました」というが、「最近、チンチンがね」と言って、「下ネタかい」と白川に突っ込まれる。この時、客席から子供の泣き声が聞こえ始めたので、浜本は「大きな声でやってると、子供もそりゃ泣きますよね。漫才師は子供の泣き声に弱いんですね。小さな声でやりましょう」と言ったが、本当に小さな声で話し始めて、白川から「聞こえん!」と突っ込まれる。ここで浜本は例によって「そういうわけで、そろそろ時間なので」と早めに切り上げようとする演技をして白川に引き留められる。
それから浜本は、THE 虎舞龍の「ロード」を「丁度、「一」年前に、この「二」じ(虹)を「三」かけた(見かけた)時」と一から十までの数え歌にしてしまう。
中学生の頃は、真面目なタイプより不良の方がもてるという話になり、浜本は白川に「真面目だったでしょう」と聞くが、白川は「悪かった。頭バシッと決めて、太いズボン履いて歩いてた。職員室に呼び出されて、『お前、ズボン履き替えろ』と言われた」と答える。浜本も「悪かった。頭グワッとして、(高めの変な声で)『おい、こら』とやってた。職員室に呼び出されて、『お前、ズボン履け』と言われた」(白川に「ズボン履いてないんかい」と突っ込まれる)。「俺も『お前こそ履け』と言い返して(白川が「先生も履いてないんかい」と突っ込みを入れる)、三時間、パンツの掴み合い」という話をする。
更に「若い頃は男同士が喧嘩をするということもよくあることです」と浜本がいい、正面からぶつかって喧嘩になるという場面になる。白川が「おい、こらなんじゃ!」といい、浜本も「お前こそ。何じゃ」と高めの変な声で答える。白川が「お前、誰じゃ、俺は三年の白川じゃ」と凄むが、浜本は「校長の田中です」と言って、白川から「何で先生なん?」と突っ込まれる。浜本は「実際に、こういう先生がいた。変な声の先生で」と体験談にしてしまう。

恋愛でドラマティックな出会いをするのはいいことだと白川が言い、「例えば映画『タイタニック』のような船の上での出会い」と続けるが、浜本は「良いですね。船の上での出会い。『あ、ハマちゃん』、『スーさん』」とやって白川から「それは『釣りバカ日誌』」と突っ込まれる。
書店で、男女が同じ本を取ろうとして手が触れあうというのも良いということで、二人で、同じ本を取ろうとして手が触れる演技を行う、「ああ、ああ」とやるが、浜本が「これ、どっちが女なん?」ということで、「まず、どっちが女か決めとかないと。今のじゃ、ただ『ああ、ああ』言ってるだけの変態や。じゃ、俺が女やるわ」と浜本が言い。男女の手が触れあうシーンをもう一度やるが、浜本は「兄ちゃん、ごめんね」と女は女でもオバハンにしてしまう。
子犬の散歩で出会うというのも良いということで、そのシーンをやるが、白川が「可愛い子犬ですね」と言うと浜本は不審そうな顔をして「キャリーバッグです」と答える。「キャリーバッグ引っ張ってるのに子犬だなんて」と浜本は言うが、白川は「子犬の散歩という設定なのに、なんでキャリーバッグ引っ張ってんねん」と突っ込む。

スパイ映画が良いという話になる。スパイが鍵を握っている美女に接近して秘密を聞き出すという設定で、白川がスパイを、浜本が美女を演じる。白川が浜本演じる美女(煙草を吸っている仕草をしている)に、「ワインはお好きですか?」と聞くが浜本は「嫌いです」と答える。白川が「では、シャンパンは?」と聞くが、浜本は「もっと嫌いかも」。そこで浜本は「イケメンはお好きですか?」と自分がイケメンであることをアピールするが、浜本は白川の顔をじっと見て、そこに煙草の火を押し当てるという演技をする。
今度は、浜本が一人二役で、スパイと美女を演じる。スパイ「おきれいですね」、美女「良く言われます」(白川「否定せんのかよ」)、スパイ「ちょっとお話でもいかがですか」、美女「あなたスパイなんじゃないの? あたしから秘密を聞き出そうとする。スパイ「(挙動不審で高い声になり)ああ、いえ、そんな」(白川「バレバレやがな」)、美女「あたしからただで情報を引き出そうなんて無理よ」、スパイ「勿論です。それ相応のものを用意しています。つまらないものですが、どうぞ」、美女「あら、唐揚げ君」(白川「本当につまらないものやがな」)。美女は「そこ入って右」とあっさり教えてしまう。

最後は、映画「ミッション・インポッシブル」のテーマを浜本が口ずさみながら、スパイを演じるというネタ。最初はあちこちを見回し、白川から「挙動不審。もうばれてる」と言われる。次は秘密基地への潜入シーン。浜本は、扉を上に上げたり、左右に開いたり、左から右へと開けたりという演技をするがそれが延々と続く。白川は「何枚扉あるねん。さっき暖簾みたいのもあったし」と突っ込む。白川が「塀乗り越えて来いや」と言ったので、浜本はジャンプして、塀を乗り越えるシーンを演じるが、すぐに左足をくじいて「チャラー」と失敗の音を入れる。
スパイがバイクで来ることになるが、浜本はバイクから降りて、「ちょっと待て」のポーズをして、バイクにチェーンを掛ける。白川「なんでチェーン掛けるねん?」、浜本「だって盗まれたら困るし」、白川「乗り捨てて来いや」。すると浜本はバイクから降りるとバイクを投げ捨てる演技をする。白川は「バイク投げ捨てる奴がどこにおるねん」と突っ込む。
今度は、サーチライトからスパイが逃げるという設定。浜本は色々な格好をして身をかわす演技をするが、最後は白川と目があって「チャラ-」となる。
ラストは、拳銃で撃たれたスパイ。浜本は白川に撃たれるが、自分で弾を取り出し、自ら傷口を縫うという演技を繰り返す。白川は「そんなわけあるか、不死身やんか、もうええわ」で終わる。

月亭八方の落語。八方は、「昔は母親から『勉強せえ、勉強せえ』言われた。『勉強せんとどこにも入れんよ。吉本しか入れんよ。私そんなの嫌よ。笑われるのを商売にするなんて』とこうなる。学校でも宿題を忘れると『誰や、宿題してこないの。どうなっても知らんよ。吉本しか行けんよ。先生、知らんよ』とこうなる。子供の頃、悪さをして見つかるとおじさんから『どこの子? 将来、吉本やな』と言われる」という話をする。「今は違います。今は大阪と東京にNSCという学校があって、毎年1000人が入る。その中で勝ち残った人だけがテレビや舞台に出られる。今日出てきた人はみんな生き残った人です」という(NSCは卒業すら難しく、無事卒業出来るのは十人に一人ほどである。ただNSCだけしか入り口がないのではなく、テンダラーのようにオーディションに合格して吉本に入る場合もある)。「我々のころはそうじゃなかった。人が集まりませんでしたから。ライバルもいなかった。吉本も広告出してました。『芸能人募集、あなたもテレビや舞台に出てみませんか』と書いてある。ただ条件がある。『親からでも先生からでもいいから、“アホちゃうか”と言われたことのある人』。とこうある。でも起きるのが遅いと大阪の母親は『とっとと起きなさい。アホちゃうか』と言います。『アホちゃうか』というのは大阪のおばちゃんにとっては言葉の最後に付く止めの言葉です。『かしこ』と一緒です。学校から帰って遊びに出ようとすると『どこ行くの、ランドセル投げんとき、アホちゃうか』」。
そして、伊丹空港(大阪国際空港)から、出雲空港まで飛ぶ飛行機内での話になる。ただ前とは細部が違っていた。「ゴルフをやられているからは水切りという言葉を知ってらっしゃると思います。ゴルフで前が池です。打つとゴルフボールが水の上をピョンピョン跳ねながら、向こう岸にたどり着く。そしてキャディーさんが「セーフ」という。それと一緒です。飛行機が宍道湖の上に着陸しましたが、湖の上を跳ねます。着水するたびに我々は冷たい思いをするわけですが、そうやって、湖の上を跳ねて、出雲空港に着陸しました。スチュワーデスさんが出て来て、『セーフ』と言います。えー、今日は土曜日でございます。いつもより多めに嘘をついてしまいました」と言って演目は終わる。

 

吉本新喜劇「うまくいくやつ、いかないやつ」。出演は、辻本茂雄、西川忠志、島田珠代、高井俊彦、中條健一(ちゅうじょう・けんいち)、井上安世、しゃっきー、松浦真也、吉田裕(よしだ・ゆたか)、新名徹郎(にいな・てつろう)、レイチェル、浅香あき恵、桑原和男。

「花月うどん」という、うどん屋が舞台。新名徹郎と、しゃっきーのカップルが「花月うどん」にやって来る。店員の高井俊彦が応対するが、うどんを作るのに時間が掛かる。新名徹郎が「早くせえよ」と言うと、高井俊彦はやかんを新名に投げつける。更に高井は、しゃっきーに「デブですね」という。高井の代わりに西川忠志が対応。平謝りし、しゃっきーに対して「細いじゃないですか」と嘘をつく。新名と、しゃっきーは機嫌を直して店を後にする。店主の辻本茂雄は高井俊彦と西川忠志の態度を見比べ、「忠志はよくやってくれる」と言って、娘の安世(井上安世)と忠志を結婚させることに決める。高井に対しては「お前は不細工の犠牲になれ」とつれない態度。だが、実は高井と安世は恋人の関係にあり、茂雄の決定を快く思っていない。茂雄と忠志が去った後で、安世は高井に茂雄の外見的特徴から「しゃくれペリカンフランスパン」という徒名をつけ、高井に茂雄に対して「しゃくれペリカンフランスパン」と毒づくように提案する。だが、高井は小心者なので何度も「しゃくれペリカンフランスパン」と言って練習したのに、いざ茂雄を目の前にすると。何も言えない。
そこに安世のストーカーをしている松浦真也がギターを片手にやって来る。安世は松浦に自分が連れて行かれて悲鳴を上げれば、みんなが出てくるから、その時に松浦をやっつければ高井の株が上がるという提案をする。高井は松浦を追い返そうとするが逆に殴られる。そこへ忠志が出てきて、松浦を殴り、追い払う。

向かいの祇園酒店の桑原和子(桑原和男)がやって来る。花月うどんの店先に立ち、一人で「ごめん下さい、どなたですか、向かいの祇園酒店の桑原和子です、お入り下さい、こりゃどうも」といって入ってきて、その場にいた全員が全員がずっこける。和子は後を継ぐはずの娘の珠代(島田珠代)が現在、東京に彼氏がいるのでなかなか戻って来ないと愚痴る。そこへ珠代が久しぶりに帰ってくる。東京の彼氏とは別れたという。珠代は高井に一目惚れしてアプローチ。みんな状況を察して店の奥に引っ込んだり、外へ出て行ったりして、高井と珠代の二人だけの場面を作ってしまう。だが、高井は恋人がいるのでと拒絶。珠代は出ていく。皆が戻ってくる。和子がなぜこのうどん屋にやって来たのかと高井は聞き、和子はアルバイトの申し込みがあったので面接をこの場でやりたいと言う。アルバイトに申し込んだのは吉田裕。だが、吉田が入って来るなり、高井は吉田に「あなた、あれでしょ。マキバオーでしょ」と言う。吉田は「違います」というが、高井は「牧場男と書いてマキバオー」としつこい。吉田は「マキバオーじゃないです」と否定するが高井が「牧場に男と書いてマキバオー」とまだ言っているので、「だから男じゃないです!」とキレるが、周りの人は全員意味を勘違いして引く。吉田は「そういう意味じゃないです。マキバオーじゃなくて吉田裕」と名乗る。吉田は酒店で働きたい理由として、「お酒が好きなので酒屋で働いてみたいと思った」というが、茂雄は和子に「雇っちゃ駄目ですよ」と忠告し、吉田に「お前アル中やろ。だからいつでも酒が飲める仕事に就きたいんだろう」と面罵する。吉田は怒って出ていこうとするが、茂雄に「ちょっと待て」と呼び止められる。「出ていく前に、何か面白いことせえ」という茂雄。吉田が店に入ってくる時に、柱の陰でお辞儀をしたことに文句を言い、「それじゃ客席から見えないだろう」と作中人物ではなく劇団員としてのだめ出しをする。「俺は考えて演技してのし上がってきたんじゃ」という茂雄。吉田は「ヒヒーン」と馬の真似をして一端、捌けるが、不本意だったようでもう一度戻ってきて、「昔なにやってたかって? スキー」とやるがいずれも受けなかった。
中條健一がスーツ、カッターシャツ、ネクタイ、ズボン、ベルト、靴下、靴まで全部緑色というコーディネートで入って来る。茂雄は「お前、ちゃんと断ってきたんか?」と中條に言う。中條は何のことかわからないでいたが、茂雄が「八百屋から逃げて来やがって。お前、アスパラガスやろ」という。中條は「違う。吉本商事のものだ」といって、「ここの土地を売って欲しい」という話をする。何言ってるんだとみんな呆れてしまう。「今、社長を呼んでくるから。少し待て」とと出ていく中條。皆は店の奥に入ってしまうが、すぐに中條は吉本商事社長の浅香あき恵を連れて再登場。浅香あき恵は、「京都に新しいアミューズメントパークを建設したい」といい、「おたくの場所が最適という結論に到りました」とお金を上げるからこの場所を譲るように迫る。茂雄は拒絶。話し合いを拒否して、店の中に引っ込んでしまう。皆も茂雄の後を追って引き上げ、忠志も引っ込もうとするが、戻ってきた中條に呼び止められる。忠志は吉本商事に200万の借金をしていた。早く返すよう忠志に迫る。忠志はレジの金を盗もうとするが、高井に見つかってしまい、金を取り上げられる。しかし、そこで店の奥から出てきた茂雄に、高井がレジのお金を盗もうとしたと勘違いされ、ぶん殴られる。高井も忠志がレジの金を盗もうとしていたと説明するが、「忠志がそんなことするわけないやろ」と相手にして貰えない。騒ぎを聞きつけて皆が集まってくる。茂雄は皆に高井がレジの金を盗もうとしたと告げる。
安世も高井を見損ない、忠志と結婚することに決める。和子と珠代は、結婚式の準備をしなきゃ、と言って酒店の戻る。「京都一の結婚式場で式を挙げなきゃ」という珠代だが、高井がそれはどこかというと、「京都斎場」といって、高井から、「それは葬式やるとこや」と突っ込まれる。高井は殴られたことに立腹し、「もう辞めます。出ていきます」というが誰も止めない。
忠志が一人になったのを見計らって、浅香と中條が戻ってくる。浅香は、忠志に「安世と結婚して、この店を自分のものにし、それから吉本商事にこの土地を売ってくれれば借金はチャラにしても良い」という。忠志はこの話を呑む。花月うどんの入り口では、浅香と中條を見て妖しいと思い、後を着けてきた高井が陰に隠れて、このやり取りをスマートフォンで録音していた。
高井は皆を呼び、証拠である録音を聞かせるが、誤って前に録音した「しゃくれペンギンフランスパン」という音が再生されてしまし、茂雄を怒らせる。高井は再度再生、今度は上手くいった。忠志は内容が事実であると認めた。中條は短刀を取り出し、安世を人質に取って、力尽くで土地の権利を手に入れようとするが、和子がギャグをやっている隙に短刀を奪われ、浅香と共にボコボコにされる。警官(レイチェル)がやって来て、浅香と中條を銃刀法違反および脅迫罪で逮捕する。忠志は自分も逮捕して欲しいというが、茂雄はそういう忠志の誠実な態度を見て、忠志の逮捕は止めるよう警官にいう。警官は空気を読まずに忠志を逮捕しようとするが、結局逮捕は免れる。
安世は忠志に惚れてしまい、忠志と結婚することを決める。高井は振られたが、茂雄から「お前に恋してる奴がいる」という。島田珠代が前に出てきて、高井に甘える。
ところが、そこに吉田だがやって来る。実は吉田は珠代の東京時代の元彼だったのだ。珠代と吉田はやり直すことに決め、高井は結局一人で残されてしまうのだった。

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2014年12月 9日 (火)

コンサートの記(166) ラドミル・エリシュカ指揮 読売日本交響楽団大阪定期演奏会2014年10月

2014年10月28日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、ザ・シンフォニーホールで、読売日本交響楽団大阪定期演奏会を聴く。

読売日本交響楽団は大阪での公演に力を入れており、今年は3回の大阪定期演奏会を開催した。今日の指揮者はチェコの重鎮、ラドミル・エリシュカ。

エリシュカは大阪フィルハーモニー交響楽団への客演で超名演を聴かせているが、読売日本交響楽団への客演は意外にも今回が初めてになるという。

なお、元大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターで、大フィル退団後は各地のオーケストラで客演コンサートマスターとして活躍していた長原幸太が、この10月に読売日本交響楽団のコンサートマスターとして正式に入団したようである。

曲目は、スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番(ピアノ独奏:河村尚子)、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」

エリシュカは、スメタナとドヴォルザークは暗譜による指揮。モーツァルトのピアノ協奏曲では老眼鏡を掛け、譜面を見ながら指揮した。

今日は前から6列目のほぼ右端。ザ・シンフォニーホールの中では音響今一つの席である。全体的に音が上の方に抜けてしまう感じがする。

スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲。スメタナというと連作交響詩「わが祖国」が飛び抜けて有名で、他のオーケストラ曲としてはこの歌劇「売られた花嫁」序曲、その他のジャンルで弦楽四重奏曲第1番「我が生涯」などが知られる程度である。

私も歌劇「売られた花嫁」序曲は、ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン国立管弦楽団の演奏をCDで聴いたことがあるだけだが、エリシュカ指揮の読売日響は、ダイナミックで立体感溢れる演奏を行っていたように思う。

モーツァルトのピアノ協奏曲第21番。ピアノ独奏の河村尚子は出産後初ステージ。しかも、先月出産したばかりでもうステージに立つのだという。

6月に東京の、よみうり大手町ホールでのリサイタルと同じ、紺とピンクを基調としたドレスで河村は登場。出産後1ヶ月というだけあって、まだ体が重そうに見える。

モーツァルトのピアノ協奏曲第21番は、今月2日、HJリムの何を勘違いしたのかわからないがリストに挑むようなバリバリと弾く乱暴な演奏を聴いたばかりだが、河村はやはりきちんとしたモーツァルトの音でこの曲を楽しませてくれる。愛らしい音色を奏でるが、短調に転じた時の仄暗い響きが印象的である。カデンツァでは、モーツァルトの交響曲第40番第1楽章第1主題を奏でる独特のものが用いられていた。

室内オーケストラ編成で挑んだ読売日本交響楽団もエリシュカの指揮により典雅な演奏を展開した。冒頭でコントラバスが濁った響きを出したので「あれ?」と思ったが、ノリントンとチューリッヒ室内管弦楽団の弦楽が出す音が透明だっただけで、実際は読売日本交響楽団の演奏の方が普通なのだった。ピリオドも意識はしているが、モダンスタイルによる演奏である。ヴァイオリンなどはビブラートをいくぶん抑えていたようだが、ヴィオラやチェロなどはビブラートも盛大に用いていた。

アンコールとして河村は、モーツァルトのピアノ・ソナタ第12番より第2楽章を聴く。気高さと寂しさの同居した見事な演奏であった。

 

メインであるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。エリシュカは札幌交響楽団と同曲を録音しており、名演だっただけに期待が高まる。

第1楽章は完全とはいえないように思う。エリシュカは格調高く、且つ情熱溢れた演奏をやりたいように見えたが、読売日響は熱い響きは奏でていたが、造形に関しては必ずしもエリシュカの棒に応えられてはいなかったようだ。

第2楽章は美しいが、エリシュカとしては平凡な出来。やはり読売日響とは初顔合わせだけに難しい部分もあるのだと思う。

エリシュカと読売日響が噛み合ったのは第3楽章から。スケール雄大で推進力にも富む演奏がようやく展開される。好調は第4楽章も続き、尻上がりの好演となった。

アンコール曲がある。ドヴォルザークのスラヴ舞曲第10番(スラヴ舞曲作品72の2)。しなやかな美演であった。

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2014年12月 6日 (土)

ドミトリ・キタエンコ指揮デンマーク放送交響楽団 ラフマニノフ 交響曲第2番

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2014年12月 5日 (金)

コンサートの記(165) クリスティアン・アルミンク指揮 NHK交響楽団大阪公演2014

2014年11月10日 大阪・谷町のNHK大阪ホールにて

午後7時から、谷町四丁目にあるNHK大阪ホールで、NHK交響楽団大阪公演を聴く。元々はレナード・スラットキンが指揮するはずだった公演であるが、スラットキンが体調不良で来日不可となったため、新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督として知られたクリスティアン・アルミンクが代役として指揮台に上がることになった。Facebookには、1週間ほど前に指揮者交代の記事が載ったが、それ以外のメディアではどうなったのかわからず、今日来て初めて指揮者の変更を知った人もいるかも知れない。

曲目は変更一切なしで、ウェーバーの歌劇「オベロン」序曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:オルガ・ケルン)、ブラームスの交響曲第4番が演奏される。

NHK交響楽団の今日のコンサートマスターは、ソロ・コンサートマスターの堀正文。第2ヴァイオリンの大林修子、チェロ首席奏者の藤森亮一、フルーツ首席の神田寛明などが、私がNHK交響楽団の定期会員(学生会員)だった頃から知っているメンバーである。オーボエ首席奏者の茂木大輔は今日は降り番で、もう一人のオーボエ首席奏者である青山聖樹(あおやま・さとき)が吹く。

ウェーバーの歌劇「オベロン」序曲。N響は弦に勢いと厚みと立体感があり、この曲に必要な適度な渋さも音色に滲ませている。アルミンクも躍動感のある音楽作りであり、まずは楽しませてくれる。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。ピアノ独奏のオルガ・ケルンはロシア出身の女流。2001年のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝している。17歳で第1回ラフマニノフ国際ピアノ・コンクールに優勝という神童系ピアニストでもある。昨年、レナード・スラットキン指揮リヨン国立管弦楽団とラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏会を成功させ、それを受けての今回のソリスト起用となったはずだが、肝心のスラットキンが指揮できなくなってしまった。

濃いグリーンとピンクのドレスで登場したケルンは、女流とは思えないほど重く強い音でピアノを奏でる。そして単にバリバリ弾くだけではなく、ラフマニノフがこの曲の封じ込めた憂いを一つ一つ咲かせていく。

第3楽章は緩急自在の演奏であり、フィギュアスケートのBGMにはなり得ないものであったが、それだけ音楽としては生命力に溢れたものとなった。

メインであるブラームスの交響曲第4番。
冒頭のため息に似た主題を適度な客観性を持って歌ったアルミンクは、この曲の構造を明らかにしていく解析力豊かな演奏を展開していく。木管の浮き上がらせ方や、弦と管のバランスの取り方の妙が面白い。
第1楽章のクライマックスでは極めて情熱的な演奏が展開されるが、数日前に聴いたサー・アントニオ・パッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団のブラームスととは違い、重心が高めで高音がひりつくような音楽になるということはない。パッパーノは狂気を明らかにしてしまったが、アルミンクは寸前で抑えているように思える。
イタリア人というのは、指揮者もオーケストラもそうだが、音の重心がドイツ系の人達に比べると高いようである。「日本で最もドイツ的なオーケストラ」であるNHK交響楽団と比べてもやはり高い。

今日の演奏会は高いチケットしか手に入らず、2階席の2列目ど真ん中で聴いたのだが、丁度、指揮者が耳にしている音がそのまま飛んでくる席であり、NHK大阪ホールでの演奏とは思えないくらい良い音で聴くことが出来た。

灼熱のブラームスを演奏したアルミンクとN響。アンコールはウォルトンの弦楽のための2つの小品より「彼女の唇に触れて別れなん」。哀愁溢れる雅やかな小品であった。

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2014年12月 3日 (水)

コンサートの記(164) ムジークフェスタなら2014「桜花昇ぼる&海老原光」関西フィルハーモニー管弦楽団、一夜限りのエンタテインメント!

2014年6月25日 奈良県文化会館国際ホールにて

午後7時から、奈良県文化会館国際ホールで、ムジークフェスタなら2014「桜花昇ぼる&海老原光」関西フィルハーモニー管弦楽団、一夜限りのエンタテインメント!を聴く。

OSKトップで、退団の決まっている桜花昇ぼる(おうか・のぼる。奈良県斑鳩町出身)と、若手指揮者である海老原光の指揮する関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会である

海老原光は、1974年・鹿児島県生まれということで、私と同い年である。しかし謳い文句は「若きマエストロ」。指揮者界には「40、50は洟垂れ小僧」という言葉があり、今年で40歳なんて洟垂れ小僧の入り口にようやく立った程度である。

海老原は日本屈指の進学校として知られる鹿児島ラ・サール中等学校・高等学校(というより今ではラサール石井の母校としての知名度の方が高いが)を経て、東京芸術大学指揮科を卒業、同大学院を修了。その後、指揮者の出所として知られるハンガリーの国立歌劇場で研鑽を積んだ叩き上げタイプの指揮者である。2007年にロヴロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで3位入賞、2009年にはニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで6位入賞、翌年、アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールでは審査員特別賞を受賞している。華々しいコンクール歴とはいえないかも知れないが、コンクールに優勝すれば将来が約束される世界では全くないため(好成績を挙げても、チャンスが増えるという程度であり、逆に優勝してしまったがためにそれが重荷になって出遅れてしまう指揮者までいる)、余り関係はないと見た方がいい。2004年から2006年まで東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の研究生を務め、2010年からは同楽団のアソシエイト・コンダクターに就任している。

桜花昇ぼるは、女性なので生年は非公開だが、9月23日生まれ。OSK日本歌劇団の男役トップである。桜花はまず出てきて、「今朝は残念でした、ワールドカップ」という話から入る(注:この日の早朝、FIFAワールドカップ・ブラジル大会の日本対コロンビア戦があり、日本は、1-4で惨敗を喫した)。

曲目は、チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ”、桜花昇ぼるのヴォーカルによる東日本大震災復興ソング「花は咲く」、「斑鳩の里」(桜花昇ぼるのために書かれたオリジナル曲)、指揮者とオーケストラのみによるグリーグの「過ぎにし春(過ぎた春)」、桜花昇ぼるが再登場して、真田幸村をテーマにした2曲「もののふ」と「我が心炎の如く」、前半最後は「翼をください」。

後半は、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」

写真では長髪であった海老原光であるが、今日は五分刈りで登場。そのため、実年齢より若く見える。白のスーツで登場した桜花昇ぼるに振られて海老原は「奈良仕様です」と応える。

桜花は、海老原が舞台袖でガタガタ震えているので、大丈夫かどうか聞くと、海老原は「舞台上では緊張しなくなります」と答えたとのこと。確かにステージは、出る前にはやたらと緊張するが、一度出てしまえば、思ったよりも緊張はしないものである。

海老原の指揮は端正であるが、時にジャンプをするなど躍動感を見せたりもする。指揮棒を持たない左手で大きな指示を出すのが特徴。オーケストラを整える術には長けているが、例えば「過ぎにし春」などは掘り下げが浅く、ムード音楽のように聞こえてしまう。

桜花昇ぼるの歌は、特別に上手いというわけではないが、立ち居振る舞いの格好良さはある。前半は白の衣装、後半は赤の衣装であった。

真田の赤備えを意識した赤の衣装で真田幸村をテーマにした2つの曲を歌った桜花は、「今年、来年と、大坂の陣から400年。更に2016年の大河の主人公にもなるという真田幸村。大坂の合戦図屏風には、幸村の赤備えの軍が、聖徳太子の造った四天王寺の前に描かれています。争いを好まなかったという真田幸村は、聖徳太子の生まれ変わりなんじゃないかと私は思います」と述べる。多分、それはないと思うが、どう思おうが自由ではある。

後半、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。

冒頭から立体感があり、なかなか聴かせる。今日は全席自由であり、奈良県文化会館国際ホールの音響を確かめるために、1階席の前後左右ともに真ん真ん中付近に座ったのだが、残響はほとんどないものの、音はストレートに聞こえてきて悪くない。多目的ホールとしては良い方に入ると思う。

奈良県文化会館は、1968年竣工と、比較的古いが、内部は近年、改修工事を行ったようで、ホール内部は木目の壁が美しい。ホワイエなども綺麗で、予備知識がないと新しいホールだと勘違いしてしまいそうである(外壁は年季の入ったものなので、外観から古いホールだとわかるが)。

第2曲「カランダール王子の物語」では、関西フィルの弦楽の弱さが出てしまうが、それなりに盛り上げ、演奏終了後、客席から拍手が起こり、海老原は一礼した。

第3曲「若い王子と王女」は、全曲の中で一番出来が良く、海老原の歌の若々しさが魅力である。ホルンの音外しがあったのが玉に瑕。

終曲も立派。満点とはいかないが、奈良まで聴きに来た甲斐はある演奏であった。

アンコールは、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。美しい演奏だった。

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2014年12月 1日 (月)

観劇感想精選(140) 新妻聖子ひとり芝居「青空…!」(ニューバージョン)

2013年8月22日 東京・両国のシアターX(カイ)にて観劇

午後7時から、シアターXで新妻聖子ひとり芝居「青空…!」を観る。作・演出は舞台版「ゲゲゲの女房」や「夜は短し歩けよ乙女」の東憲司(ひがし・けんじ)。「青空…!」は再演ではあるが、大幅に台本を書き換えたニューバージョンでの上演であるという。

新妻聖子は日本のトップ・ミュージカル女優の一人。ミュージカルだけではなく、ストレートプレーにも出るし、歌手としても活動している。演技力、歌唱力共に高く、ミュージカル「スペリング・ビー」では、12歳の少女を巧みに演じていたし、三谷幸喜の作・演出によるストレートプレー「国民の映画」では、プライドの高い女性映画監督、レニ・リーフェンシュタール(ご存じの方も多いと思うが実在の人物である)役で中性的な人物像を現出させている(歌のシーンもあり、大変高い音を軽々と出していた)。歌手としては京都市交響楽団と共演、ミュージカルナンバーなどで美声を披露している。
東憲司は、大阪府貝塚市で観た舞台版「ゲゲゲの女房」(主演:渡辺徹、水野美紀)が秀逸ともいえる出来だったので期待大である。

一人芝居というと、演劇の央でも特殊なジャンルに入る。演者が一人だけなので、舞台の醍醐味の一つであるダイアローグは用いることは出来ない。手段としては筋を語る語り物か、観客の想像力に多くを委ねるモノドラマかに大別される。今回の劇では筋を語る場面もあるが、多くを観客の想像力に委ねる手段を採用していた。

上演時間約1時間15分の中編である。

村野五月(新妻聖子)は、1ヶ月前に10年間続けた小学校の教師を辞め、祖母が暮らしていた防空壕の跡に来ている。防空壕には電気や水道が通っており、街に買い物にいけば生活をする上で特に困難なことはない。五月は自分自身を見直すために、防空壕にやって来たのだ。五月は悪夢を見る。勤めていた小学校の夢だ。夢から覚め、それが夢だったことに気付く五月。恋人から電話が掛かってくるが、もうやり直す気のない五月は着信音を無視する。それから母親に電話を掛ける(スマートフォンではなく、ガラケーを使っている)。教師を辞めたのであるが、母親には休職しているだけだと嘘を言う。
祖母が残した、「青空」というタイトルのノート何冊にも渡る書き置き。五月は「青空」の内容を語る。祖母は、「五月へ。人生に行き詰まった時にこれを読むべし」とまず書いていた。それから、人生には闘いも多くあるが、戦争を賛美するような愚かな人間になってはならないとも書いている。更に、紙の動物園と、約束のキリンであるキリンのキリコを完成させるようにとのメッセージもあった。防空壕には折り紙で作った動物もあったが、紙製のキリンのキリコは巨大なもので高さは推定3mほどもある。
新妻聖子はトップ・ミュージカル女優でもあるので、歌も用意されている。まずは、「闘いの歌」。人生に於ける闘いと戦争とについて歌ったものである。美声で音程も安定しており、声も良く通る。流石はトップ・ミュージカル女優である。

五月は客席に向かって、「これから行われるのは、祖母と私による不思議な物語」と告げる。

キリンのキリコを完成させるべく、作業に励む五月。ところが、祖母が愛用していた揺り椅子が突然動き出す。祖母の幽霊が現れたのだ。祖母と会話する五月。そして、五月という名前は、抜けるような五月の青空から付けられたものだということで、「五月の歌」を歌う。五月は江戸っ子のような気質で、五月という名前について「思い通りの女になれなくて申し訳ございませんでしたね」などと言う。五月が学校を辞めたのはある事件が原因だった。祖母は子供は可愛いというが、五月は「子供が可愛いのはお祖母ちゃんの世代まで。今の子供は賢くて陰険で残酷なんだから」と毒づく。五月は3年2組を担当しており、水谷リカという女の子が登校拒否になったのだが、その原因が「五月からいじめられた」ためだとリカは親に言い、親が学校に怒鳴り込んできたのだ。親は「『もう学校に来なくていい』と言ったそうですね」と五月に詰め寄った。以来、五月は子供に暴言を吐いた教師として教師仲間や児童達から白い目で見られるようになり、それで教師を辞めたのだ。「せっかく夢だった教師になったのに何やってるんだろう私」と嘆く五月。白眼視に掛けてラブソングである「黒い瞳」を歌う。水谷リカは夏休みの課題で朝顔の栽培をしたのだが、他の子の朝顔は咲いたのに水谷リカの朝顔だけは咲かなかった。そこでリカは怒って朝顔の鉢を思いっきり倒した。そこで五月はちょっときつくしかったのだが、そこから話が大きくなったという。

祖母は約束のキリンには翼があると言う。キリンに翼があるなんて聞いたことがないといぶかしむ五月。母親に「翼のあるキリンって心当たりない?」と電話する五月だったが、母親は「角は生えてないか」とユニコーンの話をする。それから五月は、学校の同僚だった渡辺先生に電話を掛けて、水谷リカちゃんがどうしているのかを聞く。水谷リカちゃんは通学するようになっており、五月からきついことを言われたというのは嘘だったと打ち明けたとのことだ。そのため五月の辞表は上まで行っておらず、休職扱いになっているという。

キリンのための紙製の翼を作り、空いていた穴に差し込む五月。約束のキリンの意味がわからないと祖母に語りかける五月だったが、急に祖母の姿が見えなくなる。慌てて探す五月。祖母は机の下に潜り込んでいた。空襲が怖いという祖母であったが、五月は「もう空襲なんてないよ。戦争は終わったの」となだめる。そして、31歳で戦死した祖父の写真を見つける。そこで突然、五月は幻想を見る。終戦直後の街。祖母がいて、母がいて、母は小さな女の子を連れている。五月だった。幼い五月は祖母と「いつか紙のキリンを作って空を飛ぼう。約束ね」と誓ったことを思い出した。

そして意外な告白をする。五月が水谷リカに暴言を吐いたのは事実だったのだ。更に暴言だけではなく、手を上げてもいた。「もう学校に来なくていい」とも実際に言っていたのだ。「なんでそんなこと言っちゃったんだろう」と落ち込む五月。その時、五月は約束のキリンであるキリンのキリコが動いたのを見る。五月はキリンのキリコに跨がり、空を行く。歌うのは「旅立ちの歌(青空の歌)」。

この芝居はファンタジーでは終わらない。五月は、これまで語ってきたのは自分の妄想だと客席に向かって告白する。祖母の幽霊は存在しないし、約束のキリンであるキリンのキリコが空を飛んだこともない。防空壕の跡で過ごしていること、「青空」のノートを読んでいること、約束のキリンのキリコを作っていること、水谷リカに手を上げて暴言を吐き、教師を辞めたということだけが事実であった。
だが、渡辺先生から、水谷リカが学校に通うようになっていると聞き、五月の暴力と暴言は自分がついた嘘だったということにリカはしていた。五月はリカの姿に希望を見出し、教師として再チャレンジすることを決める。そう、それが五月の見つけた「青空」だったのだ。祖母はノート「青空」にこう書いていた「止まない雨はない。いつか青空が訪れる」。五月の眼前にも青空は開けていた。

帰国子女で上智大学卒の才媛。お嬢様のイメージが強い新妻聖子であるが、今回の劇では東京の下町で育ったようなチャキチャキしたタイプの女性を演じていて新鮮であった。東憲司の脚本と演出も良かったと思う。一人芝居とはいえ、独り言のセリフが多すぎると感じたことも確かであるが、メッセージ性も豊かで、前述の瑕疵を補って余りあるだけのものがあった。観るのに想像力が必要な一人芝居を逆手に取って、どんでん返しをしてみせたのも上手いと思う。

カーテンコールで、新妻聖子は、「一人芝居は演じるのも大変ですが、観るのも大変です。私一人しか出ていないので、想像力をフルにね、使う必要がありますから。こうして観に来て下さっているだけでありがたく思います。お客さんがいなければ、私は独り言を延々と言っているただの頭のおかしな女になってしまうので。一人しか出てませんから、もし私(のこと)が嫌いだったら、それはもう拷問の時間(笑)。このキリン、動いたでしょう。動くんです。どうやって動くのかはちょっとわからないんですけど。ステージ上には私一人しかいませんが、裏では多くのスタッフさんが私のために働いてくれているわけです。何か、質問とかございませんか?(客席からは反応なし)ないようなので、せっかく両国までいらしたので帰りにはちゃんこなどを食べて帰って下さい。本日はありがとうございました」というようなことを述べ、舞台は幕となった。

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