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2015年2月23日 (月)

観劇感想精選(145) 「ブレス・オブ・ライフ」

2014年10月20日 東京・初台の新国立劇場小劇場「THE PIT」にて観劇

午後2時から、初台の新国立劇場小劇場で、若村真由美と久世星佳の二人芝居「ブレス・オブ・ライフ ~女の肖像~」を観る。作:デイヴィッド・ヘア、テキスト日本語訳:鴇澤麻由子(ときざわ・まゆこ)、演出:蓬莱竜太。

舞台はイギリスの南部の島・ワイト島である。ワイト島に住むマデリン・パルマー(若村真由美)は、昔、マーティンという男と不倫をしていた。マーティンと結婚していたのはフランシスという女性(久世星佳)。物語は、フランシスがワイト島のマデリンのテラスハウスを訪ねてくることから始まる。

フランシスは警戒しているのか座ろうともせず、コートを脱ぐことすらしない。一方で、マーティンとはすでに切れており、マーティンは今はアメリカのシアトルで二十代の若い女性と暮らしているのだとマデリンに告げる。フランシスは作家である。マデリンもそのことは知っているが、フィクションは好まないということでフランシスの小説を読んだことはないという。マデリンの家の本棚はびっしりと本で埋め尽くされているが、歴史学関係の本が大半なのだと思われる。マデリンは以前は博物館で働いており、今も歴史関連の仕事をしているようだ。

マデリンはフランシスが自分を次の小説の登場人物として書くのではないかと心配しているが、フランシスはその心配はないと否定する。

マデリンがフィクションを嫌うのは、森羅万象の中で自分に必要と思うものだけを抜き出してまとめてしまうのが馬鹿らしく思えるからだった。

そんなマデリンにフランシスは、「自分達の回想録」を書きたいと告げる。

女性二人が、その場にいない男性について語るという、本来の主人公を抜く形での作劇法が採られている。マデリンもフランシスも基本的にはクールな姿勢を貫いており、こちらから登場人物の心理を読みに行かないと内容が理解出来ないという心理劇である。

結果的には、元妻と元愛人の対話といったものから想像されるドロドロとしたものは余り目立たず、二人がマーティンという不可思議な魅力を持つ男との思い出を整理するという「喪の仕事」的な結末を迎えるのだが、そこに至るまでの過程が細やかに描かれている。

本当ならこの手の心理劇は旅疲れをした状態ではなく、もっと心身共に落ち着いた状態で接したかったのだが、それを言っても仕方がない。「ブレス・オブ・ライフ」は関西でも公演が行われるが、残念ながらその日は別スケジュールで埋まっている。ちなみにこの劇は新国立劇場小劇場のような小さめのスペースで観た方が良いはずだが、関西では公演数が1回しかないということもあって、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールという比較的大きめの小屋で上演される。

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