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2015年2月28日 (土)

観劇感想精選(146) 「水の戯れ」

2014年11月22日 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて観劇

午後7時から、シアター・ドラマシティで、「水の戯れ」を観る。作・演出・出演:岩松了。

「水の戯れ」はラヴェルのピアノ曲からタイトルを頂戴した作品で、1998年に竹中直人の会の作品として初演。その際、私は下北沢の本多劇場で行われる公演のチケットを取っていたのだが、観に行く当日の朝に悪夢を見て飛び起きたときに首を捻挫し、病院に行く羽目になって上演を観ることは出来なかった。

「水の戯れ」はNHKによる収録が行われてBSで放送が行われており、そちらは観ている。また戯曲も出版されて読んでもいる。岩松了らしいというか何というか、救いのない終わり方をする作品である。

今回は竹中直人が演じていた北原春樹を日本を代表するバイプレーヤーでもある光石研が演じ、樋口可南子が演じていた清楚且つ妖艶な明子を菊池亜希子が演じている。配役は嵌まっていたように思う。出演は他に、近藤公園(大人計画)、瑛蓮(えれん)、根本宗子(ねもと・しゅうこ。劇団月刊「根本宗子」主宰)、池田成志。

テーラー北原が舞台。仕立屋の北原春樹は、兄の大造(池田成志)から店を受け継ぐことになる。大造には中国人の林鈴(瑛蓮)という恋人がいる。

北原家は三人兄弟で、三男の博嗣は明子(菊池亜希子)と結婚したが、13年前に自殺を遂げていた。明子は籍は北原家に入れたままである。

春樹は明子に思いを寄せており、明子が暮らしているアパートが取り壊しになるため引っ越し先を探しているということで、北原家に来ればいいと勧める。

奥手な春樹であったが、明子は春樹の思いを受けいれ、結婚に漕ぎ着けることに成功する。だが、お堅い性格の春樹と一見清楚ながら妖女的一面を持った明子の間に軋みが生じていく……

岩松了ならではの細やかな心理劇である。観る側も小説を読み込むように登場人物のセリフと状況を読んでいく必要がある。

初演から18年の時を経て、2014年という時代に上演されたこの劇を観ると、90年代から遠く離れてしまったようにも感じ(あの頃は日中関係はそう悪くはなかった)、同時にさほど変わっていないような(今も不況は続いたままである)不思議な感覚に襲われる。

光石研の仕立屋の職人気質を上手く体現した演技、菊池亜希子の凛とした佇まい、池田成志の奥行きのある表現はいずれも見事であり、近藤公園、根本宗子、瑛蓮の演技も良かった。

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