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2015年2月10日 (火)

笑いの林(30) 「関ズミ∞(仮)ライブ」

2015年2月1日 よしもと祇園花月にて

午後7時から、よしもと祇園花月で、「関ズミ∞(仮)ライブ」を観る。ちなみに関ズミ∞は関ジャニ∞のパクリで、「かんずみ無限大」ではなく「かんずみエイト」と読むようである。

よしもとは、47都道府県住みます芸人という企画を行っており、各都道府県に1組ないし複数の芸人が送り込まれ、実際にその土地に住んで芸能活動を行う。関西や東京、名古屋、福岡などといった各地方の中心都市には吉本の本社や支社があり、お笑いも盛んであるが、他の土地にはお笑いが根付いていないので、事実上、よしもと住みます芸人の独擅場となる。

今回は、よしもと住みます芸人の中の近畿地方(定義は曖昧であるが、今日は関西地方と重なる2府4県)担当芸人が一堂に会してライブを行う。

祇園花月での公演ということで、京都住みます芸人であるタナからイケダ(初代で、現在もKBS京都などでレギュラー番組を持っているが、田邊孟德は、「ロケみつ フライデー」で、大阪市天王寺区のマンションにロケみつスタッフがアポなしで訪れる場面が何度も映されているので、今は京都在住ではないようである)と月亭太遊(タナからイケダよりも遅れての参加。今は京都市西京区に住んでいるとのこと)がMCを務める。

参加するのはタナからイケダと月亭太遊の他に、和歌山住みます芸人のわんだーらんど、兵庫住みます芸人のかわばたくんと山田スタジアム、大阪住みます芸人のspan!、奈良住みます芸人のゆりやんレトリィバァ、滋賀住みます芸人のファミリーレストランの8組。

大阪に本社のある吉本の芸人で、大阪在住の芸人だらけの中で、二人とも大阪出身の漫才コンビであるspan!は、やはり街の人からも「芸人の街の大阪の住みます芸人ってなんやねん?!」と言われるそうである。

開演の際、客席から手拍子が起こったのだが、これはファミリーレストランが単独ライブをやるときの定番らしい。ということで、滋賀県から来たファミリーレストラのファンが多い。今日は女性芸人は容姿が売りではない、ゆりやんレトリィバァしか出ていないので、観客の大半は女性である。

まずはネタのコーナー。

わんだーらんどは、「桃太郎」の和歌山版をやる。高齢化社会の進む和歌山であるため、「お爺さんとお婆さんだらけの村」が舞台となる。和歌山といえば蜜柑ということで、お爺さんは山に蜜柑狩りに行き、お婆さんは蜜柑の缶詰工場でパートとして働くという普通の和歌山のお爺さんとお婆さんになってしまう。流れてくるのも大きな蜜柑でベルトコンベアで運ばれてくる。「多分、蜜柑だけと名前は桃太郎だろうな」と思っていたらその通りだったが、蜜柑から生まれた桃太郎は蜜柑産業で一儲けし、青年実業家として成功する。が、お爺さんが、弁護士を名乗る鬼塚という人物に騙されという内容。

かわばたくんは自転車芸。ちなみに出囃子は「かわばたくん」が連呼されるオリジナルのものである。BMXという自転車での芸。倒した自転車の上に両足を置いて、両手で起こして跨がるという芸である。1ヶ月前に練習を始めたばかりらしい。その芸をして走り始めてから、客席からボールを投げて貰い、キャッチする。最前列の女性が選ばれたのだが、3回目でようやく右手でキャッチ、と思ったら掴み損ねたが、これで成功ということにした。

山田スタジアムは、今はピン芸人であるが、以前は漫才コンビを組んでいた。相方が芸人を引退したため(二人による最後の漫才が、よしもと祇園花月で行われており、私はたまたまその場に居合わせている)ピン芸人として活動することになったのである。芸風は漫才をしていた頃と変わらず、阪神タイガースの選手の形態模写などが主になる。今日も阪神タイガースのレプリカユニフォームを着ての登場。阪神タイガースの本拠地である阪神甲子園球場はよく知られている通り大阪府ではなく兵庫県西宮市にあるため(ダブルフライチャンズは基本的に認められていないので、保護地域も兵庫県のみである。大阪府を保護地域としているのオリックス・バファローズであるが、阪神の前では影が薄い)兵庫住みます芸人にピッタリでもある。

まず、お客さんにボールを投げて貰い、ハーフスイングギリギリのところでバットを止める阪神・上本の真似。

それから、フリップを使った芸。広島東洋カープを応援する女の子が「カープ女子」と呼ばれて昨年の流行語の候補に挙がったが、阪神タイガースもそれに対抗して女性ファンのことを「TORACO」と呼ぶことにしているという。実際、12球団全部かどうかは知らないが自軍を応援する女性を指す言葉を作っている。
中日ドラゴンズは「DORACO」とするが、「TORACO」とかぶるので「ドラミ」にする。すると、読売ジャイアンツを応援する女性は「ジャイ子」となる。山田は巨人が嫌いなので悪意を込めてのネーミングだと自分から言う。更に中日ドラゴンズを「信子(落合博満ゼネラルマネージャーの夫人である落合信子氏のこと)」と変えて、野球好きの人から笑いを取る。
東京ヤクルトスワローズは、「つば女(つばめ)、ヤクルトおばさん」とするが、ヤクルト球団が正式に発表している呼び方は「つばっ子」である。「つば」が唾液の「唾」を連想させるのが難点であるが。
北海道日本ハムファイターズの女性ファンは「北の恋人」とするが、千葉ロッテマリーンズの女性ファンは「お口の恋人」(変換したら「奥地の恋人」と出た。どんな人なんだ?)とロッテのキャッチコピーそのままになってしまう。

月亭太遊。京都市内では知名度が低いが、京都府の北の方、特に宮津市などではよく知られているそうである。京都府も北の方は関西と呼んでいいのか微妙なところであるが(以前、兵庫県の但馬地方に住んでいる人とネットでやり取りしたことがあるが、自分のことを「関西ではない兵庫県人」と呼んでいた)。ちなみに、宮津市のすぐ近くに与謝野町という平成の大合併で出来た街があるのだが、宮津がから少し離れただけなのに、月亭太遊の知名度はガクンと落ちるそうだ。

月亭太遊は、その名前からわかる通る、月亭一門の落語家であるが、今日は、落語というよりネタと言った方がいい演目をやる。中学の音楽の時間に、「ドナドナ」をふざけて歌ったと教師から怒られた生徒。生徒は、ふざけていないと言うが、その生徒が歌った「ドナドナ」は、最初は普通に歌うものの、二度目はエアギターにエアドラムなどを入れて「ドナドナ」をロックで歌うものであった。

span!。水本が体重90キロ、まことが体重45キロで体重差45キロ、水本はまことの倍ということを発表することから入る。まことは体重が45キロと水本から発表された後、「『えー!』と驚いた女性は全員、僕より体重が重いということで」というが、まことは体も細いが背が低いので体重も軽いのである。水本は90キロあるがタッパがあるので太っては見えない。

街で人違いをすると恥ずかしいという話から入る。まことは水本のことを小西だと靴からズボンから背広から煙草の銘柄から全て小西のものだと確信してから、水本に「小西、あ、間違えました」と言って、水本から「そんだけ確認してそうなんだったら、俺もう小西やろ」と突っ込まれる。

洋服売り場の試着室で、試着中に間違えてカーテンを開けたり開けられたりすると恥ずかしいという話になり、水本が試着室でパンツ一丁でいるという設定でコントを始めるのだが、まことは水本をスルーして試着室に入り、水本が「俺、どこにおるねん?!」と聞くと、「ズボン売り場の前」と返したので、「そんなところで試着してたら、俺、変態やろ!」と突っ込まれる。再度やるが、まことが何度もカーテンを開け閉めする仕草をするので、水本は「1回でいい」と言う。するとまことはカーテンを開ける真似をしながら舞台奥まで進んでしまい、「どんだけ大きい試着室やねん?!」と突っ込まれる。
今度は、まことが試着室にいるのがspan!の水本だと気付くという設定。まことは女性を演じるのだが、何度も水本のことを覗いたり、今、試着室に水本がいると周りに教えてしまったりする。

カラオケボックスで、違う部屋に間違えて入った時も気まずいというので、水本が、まことが歌っている部屋に間違って入ってしまったという設定でやるが、まことは「大丈夫、僕も間違えて入っているから」と知らない団体に一人勝手に加わっているという設定にしてしまう。今度は水本が歌っているところに間違えてまことが入ってしまうという逆のパターンのやるが、まことは後ろを向いて小用をする仕草をし、水本は「トイレで歌ってるって、俺どんだけ変な奴やねん」と言った。

ゆりやんレトリィバァ。お得意の英語を取り入れたネタである。ハリウッドのアカデミー賞の授賞式。ゆりやんがハリウッド女優に扮して登場し、「Surprise!」から始まる英語のセリフを話すのだが、途中で、「鹿ばかりじゃない」、「○○市のブックオフ、臭いねん。臭いから安い」、「北部の人は南部の人を馬鹿にするが、南部の人は南部の人で誇りを持っている」、「吉野の中学生、学校サボって川遊びする」、「野球部員は卒業するとチャラいし」などの奈良あるあるが日本語で入る。最後は、「スタバでうるさい奴、マクド行け!」で終わる。

タナからイケダ。田邊が池田に「山手線ゲームをしよう」と提案するが、池田は「(京都なんだから)北近畿タンゴ鉄道ゲームをしよう」と逆に提案する。池田は「北タンゴ鉄道は日本一だそ」と言い、田邊が「なにが日本一なん?」と聞くと「赤字が」と答えて、「あかんやん!」ということになる。

田邊が続いて、「タケノコニョキニョキゲームをしよう」と言うが、池田は「タケノコなんてどこにでもある。京都なんだから八つ橋ニッキニッキゲームをしよう」と京都名物のゲームに変えてしまう。ただルールは変更なし、変えた意味ないと田邊に突っ込まれる。

池田が「出町柳ゲームをしよう」と言い、「そんなゲーム知らない」と言う田邊に「京都で知らんかったら恥ずかしいよ」というが、出町柳ゲームは池田が昨晩作ったゲームで、池田以外は誰も知るはずのないゲームであった。京阪電車の京都側のターミナル駅である出町柳駅。下鴨神社のすぐそばにある駅である。岩倉や貴船、鞍馬などに向かうにはここで、叡山電車に乗り換える。
「出町柳」と三文字あるので、一人が「出、町」と言うともう一人が「柳」と開いた文字を埋めていくというゲーム。「柳町」のように逆から読んでもOKで、その場合は「出」と入れる。だが、ゲームを始める前に儀式のようなものが必要だったり、一人が「出町柳」と全部言ってしまった場合は「はんなり」とポーズ付きで言わねばならないという妙ちきりんな展開となった。

ファミリーレストラン。滋賀県住みます芸人なので滋賀の良いところを歌に乗せようと提案するが、原田は「米美味い」をWindowsの電源が入ったときの音に乗せてしまい、続いて「鮒鮒、鮒鮒」と言うので、下林が「それ何?」と聞くと、「コンビニに入った時の音」と言う。ちなみに原田は自らがデザインした琵琶湖Tシャツを着ているが、向かって右下に「琵琶湖の水止めるぞ」と、近隣の府県の住人から悪口を言われた時に滋賀県人が発する常套句とされるものも文字として入っている。

下林が、「羽衣伝説というのがありますが、あれは滋賀県が発祥の地のようです」と言う(諸説あり。一番有名なのは静岡県の三保の松原であろう)。そこで、下林が「羽衣伝説」の解説を担当して、原田が演じてみせるのだが、下林が「ある時、天女が降りてきて、湖で水浴びをしていました」というセリフから入るが、原田演じる天女は「天からここ来るの遠かったなあ。大変やった」と言い、水浴びの際も、「どっこいしょ。あー」などと銭湯に入るおっさんのようである。それを村人が見ているという下りでは、村人がザワザワとうるさすぎ。天女の衣を村人の一人が盗むシーンでは村人変態過ぎ。天女が村人の子供を身籠もったときも村人は「本当に俺の子?」と疑うし、天女が羽衣を見つける時も台ふきが実は羽衣を転用した物だったという設定。下林が「それは変やろ。タンスの一番奥に大切にしまわれてるねん」と駄目出しし、原田がそのシーンを演じるが、「あ、羽衣。ていうよりビックリマンチョコシール入っているやん」と羽衣よりもビックリマンチョコシールに反応したりする。
その後、原田は箱を開けたシーンで、「あ、シーチキンが一杯、シーチキンが一杯、シーチキンが一杯」と連呼。はごろもフーズとの繋がりである。原田は「このネタが今日のエースやねん」と言うが、確かにその後は余り受けず、下林から「はごろもフーズが頂点やったな」と言われる。天女が天に帰るシーンになるのだが、天女はなぜかエレベーターに乗り、2階が天で、「階段で行けたわ」というシュールな展開となった。

よしもと祇園花月では、「祇園ネタ」と吉本新喜劇の2本立ての公演が普通であるが、今日も幕を降ろしての暗転の後で、吉本新喜劇というほど演劇していないが「関ズミレンジャー」という芝居を行う。影アナで出演者として「浅野忠信」とコールされるが勿論、ネタである。
今日は、47都道府県よしもと物産店(なんばグランド花月の地下にあったが、不入りのため閉鎖され、今は1階にある「よしもとテレビ通り商店」の一角でひっそりと営業している)が祇園花月で出張販売を行うというので、よしもと物産店が舞台となる。店長は田邊猛德で、わんだーらんど・谷脇俊輔が店員に扮する。そこへ池田鉄洋が客として現れるが、田邊の顔のパーツが中央に寄っていることをいじったり、谷脇がサラリーマン顔だと評したりする。

そこへ全国の物産店を荒らしている3人組(ファミリーレストラン・下林、span!・水本、かわばたくん)が現れる。全国物産店荒らしというそのままのグループ名であるが、「荒らしはアイドルグループの嵐にも掛けられている」と水本が説明する。ただ3人ともイケメン芸人ではないのでスルーされる。

そこへ、正義の味方、関ズミレンジャーが現れるが(安っぽい衣装で登場)、span!・まことは「大阪のたこ焼きに入っている紅ショウガレッド」、ワンダーランドの東岸誠は「和歌山のクシャクシャ梅レッド」で、この時点でもレッドが二人いてかぶっている。ファミリーレストラン・原田は「滋賀のブリーギルブルー」であり、相方の下林から「琵琶湖ブルーでええんちゃうの?」と言われるが、原田には拘りがあるらしい。ゆりやんレトリィバァは「奈良の鹿の糞ブラウン」でもうちょっと他のものはなかったのかと思う。月亭太遊は「京都の舞妓ホワイト」、山田スタジアムに至っては阪神タイガーズのユニフォームで出てきて「阪神タイガース縦縞」と、レンジャーらしさ皆無である。

下林が、新年早々、奥さんと喧嘩したそうで、原田が相手のプライバシー攻撃をアドリブで延々とやったため、当初、1時間半ほどの予定だった上演時間が15分以上押した。

その他、タナからイケダ田邊が物産店の店長というだけなのに、やたらとダイハードだったり、かわばたくんが自分の出囃子である自作曲をフルタイムで流して、他の芸人「30秒、時間無駄にしたわ」などと言われていた。

なお、レンジャーは、相手との対戦で分が悪くなると、大阪なら「蟹バック」、和歌山は「(梅干しの)クエン酸バック」などアドリブによる御当地シリーズが始まってしまった。

全国物産荒らしのとの対決では、まず和歌山の東岸と奈良のゆりやんが行くが、滋賀の原田に「下がれ、関西の二軍ども」と言われる。だが、敵味方の両方から「滋賀も二軍やろ」とツッコミが来る。原田は「一軍半」「ベンチウォーマー」と説明するが、下林から「それやっぱり二軍やろ」と言われていた。

その原田扮するブルーギルブルーの必殺技は「水を止めること」なのであるが、間接的にしか効かない上に、困るのは味方のレンジャーや店員だけというオチであった。

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