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2015年2月の21件の記事

2015年2月28日 (土)

観劇感想精選(146) 「水の戯れ」

2014年11月22日 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて観劇

午後7時から、シアター・ドラマシティで、「水の戯れ」を観る。作・演出・出演:岩松了。

「水の戯れ」はラヴェルのピアノ曲からタイトルを頂戴した作品で、1998年に竹中直人の会の作品として初演。その際、私は下北沢の本多劇場で行われる公演のチケットを取っていたのだが、観に行く当日の朝に悪夢を見て飛び起きたときに首を捻挫し、病院に行く羽目になって上演を観ることは出来なかった。

「水の戯れ」はNHKによる収録が行われてBSで放送が行われており、そちらは観ている。また戯曲も出版されて読んでもいる。岩松了らしいというか何というか、救いのない終わり方をする作品である。

今回は竹中直人が演じていた北原春樹を日本を代表するバイプレーヤーでもある光石研が演じ、樋口可南子が演じていた清楚且つ妖艶な明子を菊池亜希子が演じている。配役は嵌まっていたように思う。出演は他に、近藤公園(大人計画)、瑛蓮(えれん)、根本宗子(ねもと・しゅうこ。劇団月刊「根本宗子」主宰)、池田成志。

テーラー北原が舞台。仕立屋の北原春樹は、兄の大造(池田成志)から店を受け継ぐことになる。大造には中国人の林鈴(瑛蓮)という恋人がいる。

北原家は三人兄弟で、三男の博嗣は明子(菊池亜希子)と結婚したが、13年前に自殺を遂げていた。明子は籍は北原家に入れたままである。

春樹は明子に思いを寄せており、明子が暮らしているアパートが取り壊しになるため引っ越し先を探しているということで、北原家に来ればいいと勧める。

奥手な春樹であったが、明子は春樹の思いを受けいれ、結婚に漕ぎ着けることに成功する。だが、お堅い性格の春樹と一見清楚ながら妖女的一面を持った明子の間に軋みが生じていく……

岩松了ならではの細やかな心理劇である。観る側も小説を読み込むように登場人物のセリフと状況を読んでいく必要がある。

初演から18年の時を経て、2014年という時代に上演されたこの劇を観ると、90年代から遠く離れてしまったようにも感じ(あの頃は日中関係はそう悪くはなかった)、同時にさほど変わっていないような(今も不況は続いたままである)不思議な感覚に襲われる。

光石研の仕立屋の職人気質を上手く体現した演技、菊池亜希子の凛とした佇まい、池田成志の奥行きのある表現はいずれも見事であり、近藤公園、根本宗子、瑛蓮の演技も良かった。

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2015年2月27日 (金)

コンサートの記(173) 佐藤俊太郎指揮 大阪交響楽団第83回名曲コンサート「フィンランドからの秋風」

2014年10月4日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後5時から、大阪・福島のザ・シンフォニーホールで、大阪交響楽団の第83回名曲コンサート「フィンランドからの秋風」夜の部を聴く。同一プログラム1日2回公演の2回目である。

大阪交響楽団の名曲コンサートは、今は知名度が低いが今後が期待されるアーティストを起用したシリーズで、同一曲目で1日2回公演が行われる。チケット料金は低く抑えられており、その分、1日2回公演を行ってチケット収入を増やしているのだが、演奏する方は大変である。

今日の指揮者は、1972年生まれの若手、佐藤俊太郎。イギリスの王立音楽院に学び、2000年にフィンランドのクオピオ交響楽団首席客演指揮者に就任すると若くして同オーケストラとの録音を行い、注目を浴びている。昨年までパリに本拠地を置いていたが、今年からは日本を拠点に活動を行う予定だという。佐藤は今日は全曲、ノンタクトによる指揮を行った。

曲目は、グリーグの「ペール・ギュント」第1組曲、ショパンのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:ショーン・ケナード)、シベリウスの交響曲第2番。

「フィンランドからの秋風」というタイトルの割りにはフィンランドの作曲家の曲は1曲しかないが、佐藤俊太郎がフィンランドのオーケストラにポストを持っていたということで、フィンランドをよく知る指揮者による演奏会という意味もあるのだろう。

技術的にも財政的にも在阪オーケストラの中で一番苦しい大阪交響楽団。京都市交響楽団が好演を行った翌日だけに、大阪交響楽団がいかに非力かがよく分かる演奏会となったが、歴史が浅いということもあり、大響が力で劣るのは仕方がない。着実なレベルアップを望むだけである。

定期演奏会では、知られざる名曲路線を続けている大響。個性に関してはすでに存在価値を示している。

グリーグの「ペール・ギュント」組曲第1番。オーケストラが力感に乏しく、特に弦が薄いのが気になるが、整った演奏を聴かせる。音の彩りはもっとあった方が良い。“山の魔王の宮殿にて”ではホールを揺るがすほどのフォルテシモを聴かせないと効果が出ないと思う。

ショパンのピアノ協奏曲第2番。ピアノ独奏のショーン・ケナードは、1984年、ハワイ生まれのピアニスト。ピアノを始めたのは10歳前後と遅めであるが、生来の才能があったようで、レッスン開始の翌年にはリサイタルを開いているという。すでにハワイでは当地を代表するピアニストとして認識されているようだ。コンクール歴はハワイアン・ミュージック・アワードのピアノ部門とショパン国際コンクール環太平洋地域部門の第1位の他に、エリザベートコンクールで2010年にセミ・ファイナリスト、2013年にファイナリストに入っている程度で栄冠を勝ち得るまでには至っていないようである。カーティス音楽院を経てジュリアード音楽院大学院修了。
容姿であるが、黒髪であるため、ネイティブハワイアンの血が流れているのかも知れない。

ケナードは端正なピアノを奏でる。美音家であり、メカニックにも優れ、感情表出も細かだ。優等生的ともいえるが、更に良く言うとアシュケナージタイプでもある。

爽快なピアニズムで聴衆を魅了したケナードは、演奏終了後、日本語で、「ありがとうございます」とお礼を言い、「革命のエチュード」と日本語で言ってアンコール曲を弾き始める。情熱を表に出しすぎない、バランス感覚に優れた「革命」であった。

シベリウスの交響曲第2番。佐藤俊太郎の指揮は簡略化されたものだが、それだけに無駄がない。
大阪交響楽団はパワーに関しては十分ではないが、シベリウスの交響曲はパワフルなオーケストラでなくても良い演奏が可能なものである。逆に言うとオーケストラが素晴らしいからといって名演になるとは限らない。

佐藤は中庸を行く演奏を展開。シベリウスの交響曲の場合、こうしたアプローチが一番失敗しにくいとも言え、超名演とはいかないが、優れた演奏を聴かせた。

大阪響は弦も管も他のオーケストラと比べなければ、十分に高い水準にあり、シベリウスの音楽の咀嚼も十分だったように思う。

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2015年2月26日 (木)

ザ・ビーチボーイズ 「God Only Know」

ポール・マッカートニーによると、「ポップス史上初めて『神』の入るタイトルと歌詞を持った楽曲」だそうです。

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2015年2月25日 (水)

ナンシー・シナトラ 「Bang Bang」

クエンティン・タランティーノ監督の映画「キル・ビル」で用いられて、再注目されたナンシー・シナトラ・バージョンの「Bang Bang」。お父さんのフランク・シナトラも「Bang Bang」をレコーディングしています。

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2015年2月24日 (火)

ゴーレム効果の使い手は

ゴーレム効果の使い手、ゴーレム効果の名手は残念ながら実に多い。高学歴の人、人生順調な人、権威のある人ほど名手になるのだから実に厄介だ。

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これまでに観た映画より(71) 「スター・ウォーズ エピソード1/ファントムメナス」

DVDでアメリカ映画「スター・ウオーズ エピソード1/ファントムメナス」を観る。ジョージ・ルーカス製作総指揮・脚本監督・作品。作曲:ジョン・ウィリアムズ。出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド、イアン・マクダーミド、リーアム・ニーソンほか。

世界的大ヒットを記録し、フィルムはアメリカの国宝にも指定された「スター・ウォーズ」シリーズ。だが、元々ジョージ・ルーカスは「スター・ウォーズ」9部作の構想を持っており、それまで「スター・ウォーズ」とされた3つの映画シリーズは第4作、第5作、第6作に当たるものだった。ジョージ・ルーカスが現場の監督よりも製作総指揮として映画に関わることが多くなったのと、撮影技術の問題もあり、第1作から第3作、第7作から第9作は制作が凍結されていたのである。

遠い昔、はるか彼方の銀河系での物語である。
銀河共和国では貿易関税率に関する揉め事が起こっていた。そこで騎士のジェダイであるクワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)と弟子のオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)が通商連合が介入しているナブーという星まで交渉に出掛ける。だが、通商連合の連合軍であるバトル・ドロイドにより、ナブーは征服されようとしていた。なんとか窮地を脱し、ナブーの女王であるアミダラ(ナタリー・ポートマン)を救い出して、宇宙へと脱出したジェダイ達だったが、宇宙船の部品破損が起こり、やむなく近くにある未開の星、タトゥイーンに着地する。部品を買い求めようとするのだが、高値で話にならない。そんな中、ジェダイ達は、アナキン・スカイウォーカーという強力なフォースを秘めた奴隷の少年と出会う……

「スター・ウォーズ」シリーズの狂言回し役であるR2-D2やC-3POが早くも登場するが、「エピソード1/ファントムメナス」での狂言回しは原始人種グンガン人のジャージャー・ビングスが主に担当する。

ナブーの雰囲気は地中海ヨーロッパ的、共和国首都惑星コンサルトの景色はニューヨークの摩天楼に似ており、未開のタトゥイーンは中東的と、どことなくステレオタイプなイメージを受けるが、制作者がアメリカ人なのでこれはある程度仕方がないであろう。能天気に「正義のアメリカ、野蛮な中東」という構図で見てしまう人が出てきそうなのが問題であるが。

空飛ぶマシーンによるレースシーンがあるが、ジョージ・ルーカスはスピード狂であり、ハイスクール3年生の年度末に自動車事故を起こして入院を余儀なくさせられたことがある。ただ、ジョージ・ルーカスはLD(学習障害)の持ち主であり、学業はさっぱりであったため、もし事故がなかったら留年か退学が決まっていたという。怪我の功名でハイスクールを卒業出来たルーカスは短期大学にしか進学できなかったが、その後、猛勉強して南カリフォルニア大学に合格している。なお、ジョージ・ルーカスは今もスペリングが不自由であり、彼がLDだと知らない人を驚かせるという。

ライトセーバーの使い方は、西洋の剣術というよりも、日本のチャンバラを思い起こさせるが(日本刀や、槍、長刀のように扱われる)ルーカスは黒澤明を師と仰いでいるため、黒澤の時代劇映画から影響を受けた可能性は大いにありうる。ダース・ベイダーの格好は日本の甲冑を基にしたというのは有名な話である。

偉大な映画ではないかも知れないが、エンターテインメント大作としては万全の出来である。

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2015年2月23日 (月)

観劇感想精選(145) 「ブレス・オブ・ライフ」

2014年10月20日 東京・初台の新国立劇場小劇場「THE PIT」にて観劇

午後2時から、初台の新国立劇場小劇場で、若村真由美と久世星佳の二人芝居「ブレス・オブ・ライフ ~女の肖像~」を観る。作:デイヴィッド・ヘア、テキスト日本語訳:鴇澤麻由子(ときざわ・まゆこ)、演出:蓬莱竜太。

舞台はイギリスの南部の島・ワイト島である。ワイト島に住むマデリン・パルマー(若村真由美)は、昔、マーティンという男と不倫をしていた。マーティンと結婚していたのはフランシスという女性(久世星佳)。物語は、フランシスがワイト島のマデリンのテラスハウスを訪ねてくることから始まる。

フランシスは警戒しているのか座ろうともせず、コートを脱ぐことすらしない。一方で、マーティンとはすでに切れており、マーティンは今はアメリカのシアトルで二十代の若い女性と暮らしているのだとマデリンに告げる。フランシスは作家である。マデリンもそのことは知っているが、フィクションは好まないということでフランシスの小説を読んだことはないという。マデリンの家の本棚はびっしりと本で埋め尽くされているが、歴史学関係の本が大半なのだと思われる。マデリンは以前は博物館で働いており、今も歴史関連の仕事をしているようだ。

マデリンはフランシスが自分を次の小説の登場人物として書くのではないかと心配しているが、フランシスはその心配はないと否定する。

マデリンがフィクションを嫌うのは、森羅万象の中で自分に必要と思うものだけを抜き出してまとめてしまうのが馬鹿らしく思えるからだった。

そんなマデリンにフランシスは、「自分達の回想録」を書きたいと告げる。

女性二人が、その場にいない男性について語るという、本来の主人公を抜く形での作劇法が採られている。マデリンもフランシスも基本的にはクールな姿勢を貫いており、こちらから登場人物の心理を読みに行かないと内容が理解出来ないという心理劇である。

結果的には、元妻と元愛人の対話といったものから想像されるドロドロとしたものは余り目立たず、二人がマーティンという不可思議な魅力を持つ男との思い出を整理するという「喪の仕事」的な結末を迎えるのだが、そこに至るまでの過程が細やかに描かれている。

本当ならこの手の心理劇は旅疲れをした状態ではなく、もっと心身共に落ち着いた状態で接したかったのだが、それを言っても仕方がない。「ブレス・オブ・ライフ」は関西でも公演が行われるが、残念ながらその日は別スケジュールで埋まっている。ちなみにこの劇は新国立劇場小劇場のような小さめのスペースで観た方が良いはずだが、関西では公演数が1回しかないということもあって、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールという比較的大きめの小屋で上演される。

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2015年2月22日 (日)

AKB48 「履物と傘の物語」(ショートバージョン)

シングル曲ではないものの、NHK「みんなのうた」で放送されて話題のAKB48「履物と傘の物語」。全編はテレビで見て頂くとして、AKB48の公式YouTubeサイトに掲載されたショートバージョンをアップしておきます。

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2015年2月19日 (木)

これまでに観た映画より(70) 「君に届け」

DVDで映画「君に届け」を観る。同名マンガの映画化。熊澤尚人監督作品。出演:多部未華子、三浦春馬、蓮佛美沙子、桐谷美玲、夏菜、青山ハレ、金井勇太、勝村政信、ARATA、富田靖子(特別出演)ほか。

原作マンガでは舞台は北海道であったが、映画では関東の地方都市に設定が変更になっている。ロケーションは栃木県足利市周辺で行われており、森高千里の「渡良瀬橋」に出てくる八雲神社なども舞台になっている(八雲神社はこの映画が制作された翌々年の2012年に全焼している)。

黒沼爽子(くろぬま・さわこ。多部未華子)は、幼稚園で座敷童と呼ばれたのがケチの付け始めで、小学校時代に流行った映画「リング」(映画「リング」は特別協力としてクレジットされている)の貞子に髪形が似ていたことから「貞子」と呼ばれて不気味がられ、そのせいで、性格も見た目も暗めな奥手の女の子になってしまう。内面は純粋で天然なところのある爽子は精神的に幼い部分もある。

高校に入学してから、またも「貞子」とあだ名が付いてしまい、クラスメイトから気味悪がられてしまう爽子。ただ、入学式の日に出会った風早翔太(三浦春馬)だけは普通に接してくれた。ただ、その風早はクラスの誰からも好かれる人気者であり、爽子は自分からは遠い存在なのだと思ってしまう。

肝試し大会が開かれることになり、放課後にクラスメイトである吉田千鶴(蓮佛美沙子)と矢野あやね(夏菜)が「貞子は不気味だからお化け役が良いんじゃない」と二人で話しているところを聞いてしまった爽子。爽子はその場で、自分からお化け役を二人に申し出る。

肝試し大会の当日。活躍した爽子は、「良い奴だ」ということで、吉田と矢野から気に入られる。男勝りの性格である吉田と、見るからにギャルの矢野は好対照であったが、運動会のクラス別サッカー対抗戦の練習を一緒にするなど、爽子とは親しくなる。

肝試しで一周しなかったとして罰ゲームを受けることになる風早だったが、内容が「貞子と一週間デート」だと知って、「失礼だろ! 黒沼は女の子だぞ!」と激昂する。そんな姿に爽子はまたも惹かれるものを感じ……

学園もの。原作のマンガはかなり有名なようで、私もタイトルだけは知っている。風早翔太は、「女心のわかる男キャラ」の代表格だそうだが、男から見ると絵に描いたような良い奴というのは「余り面白くない奴」でもある可能性が高い。若い女の子が同世代の男に抱く妄想がどのようなものなのかが何となくわかるような気がする。

映画の内容は40歳の男が観ても楽しめるようなものではなく、やはり若い人限定で楽しめるドラマかも知れない。

黒沼爽子を演じている多部未華子は、黒髪で頬を覆い、うつむき加減で上目遣いになるなど地味な女の子の雰囲気を上手く出している。マンガにも書かれているのかも知れないが、そんな爽子が笑顔になった時だけ風が吹いて、横顔が見え、可愛く見えるという、ベタだが王道の演出が用いられている。
ただ、多部未華子が地味な役作りに成功しているがために却って、吉田を演じる蓮佛美沙子や矢野役の夏菜の演技が伸び伸びとして魅力的に見える。特に蓮佛美沙子は溌剌とした演技をしていて良い。多部未華子はやや損をした格好だが、ラスト付近ではその損を取り返す展開がきちんと用意されている。

体育教師・荒井一市役のARATAは、「体育教師=頭はちょっと」というステレオタイプな役を振られているが、要所要所で良い演技を見せている。

爽子の母親役が富田靖子というのはちょっと意外であったが、富田靖子も出演時40歳なので、高校1年生の娘がいてもおかしくない年齢ではある。

学園ものであっても何歳になっても楽しめる作品もあるが、「君に届け」はそういう種類の映画ではない。30代前半までなら大丈夫だろうが、それを越えると父親の視点で観る映画になってしまうように思う。

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2015年2月18日 (水)

笑いの林(32) よしもと祇園花月「祇園ネタ」&吉本新喜劇「茂造の初夢旅館」2014年1月7日

2014年1月7日 よしもと祇園花月にて

午後12時30分から、よしもと祇園花月で、「祇園ネタ」と吉本新喜劇「茂造の初夢旅館」を観る。

「祇園ネタ」の出演者は、span!、桜 稲垣早希、ファミリーレストラン、桂楽珍、西川のりお・上方よしお(登場順)。

span!は水本健一が背も高く体重もあるという巨漢(筋肉質なので太っているようには見えない)、マコトは体重が45キロしかないという小柄で痩せた男である。水本がマコトを担ぎ上げるというネタもあるのだが、今日はそれはやらず、煙草ポイ捨てをマコトが注意するというコントをやる。しかしマコトは土下座してポイ捨てをやめさせようとしたり、「ポイ捨てする!」と注意して、自分も煙草をポイ捨てしてから水本に近づくなど人のことは言えない状態になってしまう。最後は煙草をポイ捨てした水本の手をマコトが掴み、「おい、こら!」と言った後で急に、「あれ、span!の水本さんじゃないですか!」と感激してみせる。「大ファンなんです」というマコト。だが、マコトは「span!のマコトです」と言って、水本から「相方やないか」と突っ込まれて終わる。

早希ちゃんは、「関西弁でアニメ」。まず最初に、「私がやっているアスカというキャラクターの口癖で『あんたバカー?!』というのがあります。そこで、私が『あんた』と言いますので、『バカー?!』と返して下さい」と観客とコミュニケーションを図る。稲垣「あんた」、客「バカー?!」、稲垣「あんた」、客「バカー?!」、稲垣「あんた」、客「バカー?!」、稲垣「A.T.フィールド」、私を含めた数名「全開!」とやった後で、アニメのセリフや状況を関西風に変えるというフリップ芸を行う。「関西が舞台のアニメでは『じゃりン子チエ』なんかがありますけど、色が暗いというか茶色いというか」ということで有名アニメの関西バージョンを作っていく。

「セーラームーン」の「月に代わっておしおきよ」は、「『おしおきよ』なんていって言うことを聞くのは5歳児までです」ということで、「月に代わってしばいたろかい」に変更。「ガンダム」のアムロのセリフ「ぶったね。父親にもぶたれたことないのに」は、「ぶったね。お金頂戴」に関西人はがめついので変わる。「Dr.スランプあられちゃん」も「キーン!」ではなく「金ー!」と言っているのだそうだ。
「あしたのジョー」の丹下のセリフ「立て! 立つんだジョー!」も、立てと言われるとプレッシャーになるので、「どやさ! どやさジョー!」に変更する。「どやさ!」は万能の言葉であるとのこと。
「ドラえもん」のしずかちゃんのセリフ「きゃー! のびたさんのエッチ!」は、「こんなこというてたら、のび太なんぼでも来るよ」ということで、「チカン アカン」に変える。「これで、のび太は塀の中」とブラックなことを言う早希ちゃん。
「ルパン三世」の銭形警部のセリフ「奴は大変なものを盗んでいきました。あなたの心です」が、関西だと「奴は大変なものを盗んで行きました。自転車のサドルです」になる。関西、特に大阪は自転車泥棒やサドル泥棒が多い。

「アルプスの少女ハイジ」のセリフ「クララが、クララが立った!」は、「クララが、クララが、立てへんと思ったら立つんかい」と突っ込み調にするのが関西風のようだ。
「天空の城ラピュタ」のムスカのセリフ「見ろ、人がゴミのようだ」は、「そんなことよりも切実な問題があります」ということで、「見ろ、おばさんがおじさんのようだ」という大阪のおばちゃんをテーマにしたものに変える。

「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイのセリフ「あなたは死なないわ。私が守るもの」は、「阪神は負けないわ。球児が守るもの」に変更。藤川球児はもうメジャーリーグに行ってしまい、しかも怪我でほとんど活躍出来ていないが、早希ちゃんはそれを知っていて敢えて変更はしていない。昔は早希ちゃんのプロフィールの趣味欄には、マンガ、アニメ鑑賞や画を描くことの他に、映画鑑賞に加えて野球観戦も入っていた。「ロケみつ」DVDのオーディオコメンタリーでは、早希ちゃんは野球ネタを振られて「余り興味がない」と言っていたが、「浅倉南の漫談」を観ると野球の知識も豊富であることがわかる。好きな球団は「ロケみつ」で、「昔から熱狂的な阪神ファンということになっていて」と語るシーンがあり、「なっていて」なので、本当に阪神ファンなのかどうかはわからないが、高校が西宮市にある甲子園学院高校なので、普通に考えると自然にタイガースを応援するようになるのではないかと思われる。

アスカの「あんたバカー!?」は、「あんたアホ!?」に変わり、シンジに何故か首を絞められて発する「気持ち悪い」というセリフは「きしょ!」になるのだという。

ファミリーレストラン。滋賀県住みます芸人であるファミリーレストラン。このたび、野洲市で単独ライヴも行うようだ。

何回も見ている滋賀県自虐ネタ。滋賀県野洲市出身のT.M.Revolutionこと西川貴教の歌の替え歌をするのだが、「琵琶湖があるから何とかなってる」、「はぐれそうだ近畿地方から」、「京都の人が滋賀を刺激する。大阪の人は無視をする。こうとなったら最後の手段だ、琵琶湖の水を止めようか」と後ろ向きの歌詞にしてしまう。
下林が「豊かな自然」、「美しい湖」、「美味しい美味しい近江牛」と滋賀県の美点を挙げようとするが、原田は「怖ろしく広いコンビニの駐車場」、「人で一杯のイオンモール」、「くっさいくっさい鮒寿司」などとマイナス評価である。

続いて、ボクシングチャンピオンの山中慎介が滋賀県湖南市に住んでいるということで、格闘技ネタをやる。下林がファイターになり、原田が解説する。原田は、「近江牛パンチ」、「近江米キック」、「鮒寿司ブレス」などと、下林の動きに滋賀県の名産品の名前をつけてしまう。

「かっこよくステップを踏む」、「セクシーに攻撃をよける」など原田の注文はいつもと変わらないが、「今日はお子様も見に来ています。それは心得て下さい、下林」などと自制を求めたりもする。

桂楽珍。
普段は、平均年齢85歳ほどの老人達の前で落語をやることが多いのだが、今日は髪の毛のまだ黒い人ばかりで安心したと楽珍は語る。娘から、「『祇園花月でやるんだってよ、舞妓さんとかいっぱい見に来るよ』と聞かされていたのですが、こういうお客ですか」と語る。台湾から猿を輸入したという創作落語。5頭注文したのだが、そのうち1頭はどう見てもニホンザルである。ということで苦情の電話を入れると、「1匹は通訳です」と言われたとのこと。祇園花月の客席からは爆笑が起こるが、楽珍は、「この話で笑い声を聞いたのは5年半ぶりぐらいです」と恐縮していた。

西川のりお・上方よしお。のりおが、「最近の劇場は美人のお客さんが多い」という話をし、「美人のお客さんが多いと、漫才に集中出来ない」と話した後で客席を見渡し、「今日は集中出来るかな」と言う。それからおばさん数名をカウントして、「あの人達、確実に皇潤飲んでるわ」と断言する。
今日も、のりお師匠が思いつくままに話し、よしお師匠がそれに突っ込むというパターン。のりお師匠の話は、TPPや特定秘密法案、辺野古基地移転問題など、社会性のあるものが多いが笑いに変えてしまうので深く掘り下げたりはしなかった。

 

吉本新喜劇「茂造の初夢旅館」。出演は、辻本茂雄、青野敏之、伊賀健二、平山昌雄、タックルながい。、村上斉範、森田展義、佐藤太一郎、奥重敦史、桜井雅斗、高橋靖子、五十嵐サキ、たかおみゆき、前田真希、服部ひで子、末成由美。

「旅館ぎをん」が舞台である。青野敏之とたかおみゆきの夫婦が泊まりに来る。辻本茂雄演じる茂爺こと茂造は絶妙のタイミングで着メロを鳴らしたり、壁を叩いて階段を滑り台にしたりする。

旅館ぎをんに泊まっているいる女客が二人。幼子を抱えたその人は高橋靖子。子供の父親は青野敏之だという。青野と高橋は不倫をしており、高橋は青野とみゆきの仲を裂こうと狙っている。一方、妊婦なのは前田真希。子供が出来たが、相手の男は自分を捨てて出ていったという。

女性警官の服部ひで子がやって来る。桜井雅斗が結婚式場から五十嵐サキを無理矢理連れ出し、誘拐の容疑で捜査中だというのだ……

人間関係がかなり複雑な劇だが、ダンスシーンなども盛り込み、楽しい芝居に仕上がっていた。

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2015年2月16日 (月)

笑いの林(31) ヒューマン中村トークライブ「ヒューバナ」

2015年2月12日 道頓堀ZAZA HOUSEにて

午後7時から、道頓堀ZAZA HOUSEで、ヒューマン中村トークライブ「ヒューバナ」を観る。ピン芸人であるヒューマン中村がネタではなく1時間のトークで楽しませるという公演。

私は先月27日に道頓堀ZAZZA HOUSEであった公演を観る前の開場待ち時間に「ヒューバナ」のことをチラシで知って、その場でチケットよしもとのスマホ用サイトでチケットを購入したのだが、その時点で整理番号18番であった。エースナンバーではあったが、再来週に本番のある公演のチケットが18枚しか売れていないということであり、集客は難しそうだと感じた。

さて、客席を見渡すと観客の数は大体50人前後である。

ヒューマン中村が現れ、まず集客のことを話し出す。マネージャーから「ヒューマンさん、手売りを含めて50枚程度しか売れていません」と言われたヒューマン中村であったが、「そう言っておいて実はサプライズで満員かも」と甘い夢を見たものの、本当に50人程度しか来ていない。ヒューマン中村は「皆さん、R-1、御覧になりましたよね?!」と聞く。ヒューマンは決勝には進めなかったものの、敗者復活戦で1位となり、決勝に進出。だが、ファイナルステージには進めなかった。
テレビに出たことで集客が見込めるかと思ったが、そうは上手くいかないようだ。

ただ、ヒューマン中村は「トークなのに来るということは皆さんガチガチのファンですね」とも言う。まあ、ヒューマン中村のことを面白いと思っていない人は間違っても来ないだろう。

「ネタの間に10分ぐらい喋るということはあるのですが、1時間ずっとトークというのは初めてです。話が続かなかったら(同じ中座くいだおれビル地下1階にある)サイゼリヤにみんなで行きましょう」というヒューマン。だが、実際は、話すことが多すぎて時間は足らなかった。

まずはR-1ぐらんぷりの裏話から。以前は芸人が同じ会場に集められて、そこで決勝進出者の名前が読み上げられるというシステムだったのだが、最近はテレビカメラとレポーターが来て決勝進出を告げられるというやり方に変わっている。決勝進出者が決まるのは1月30日で進出者に告げられるのは翌31日。つまり31日にテレビカメラがやって来ないと落選ということになるらしい。

1月31日に、ヒューマン中村はR-1王者の一人である、あべこうじに食事に誘われ、「ひょっとしてここでカメラが」と思ったそうだが、あべとは普通に別れてしまい、テレビ関係者は来なかったそうだ。ただ、2月1日に、ヒューマンは、よしもと漫才劇場で出番があるのでステージ上でサプライズが……、ということもなく、「あ! 楽屋で」と思ったが楽屋にも誰もやって来ず、帰りの自転車の上で「落ちたか」と肩を落としたそうである。ヒューマンはR-1決勝の常連で、今年のR-1準決勝でも笑いが取れていただけに決勝に進めなかったのが悔しかったようだ。

ちなみに、R-1の2回戦は梅田のHEPホールであり、大阪吉本の3回戦は、京都のよしもと祇園花月であったのだが、ヒューマンは同じ日に新宿のルミネ the よしもとで本番があったため、東京で3回戦を受けたという。3回戦は東京で2日、京都で1日あるのだが、東京の2日目にR-1の3回戦を受け、その後、三浦マイルドの単独公演が渋谷であったのでそれに出ることになったという。R-1ぐらんぷりは仕事で受けるのではなく、2000円払ってエントリーするものであり、吉本もR-1のためには交通費も宿泊料も払ってくれない。ルミネ the よしもとでの舞台は仕事なので東京までの交通費とその夜のホテルは用意されている。さて、その前日にどこで泊まるかというと、マネージャーから「三浦マイルドさん家泊まり」と指令が来たそうだ。三浦マイルドは今は他の芸人3人と中野にある家で共同生活をしているという。
渋谷での公演を終えて打ち上げは三浦マイルドの自宅で行うとなったとき、ヒューマンは「渋谷で打ち上げやったらいいのに」と思ったそうだが、三浦マイルドは全員分払うだけのお金がもうない(そういえばR-1決勝戦当日の午後にYouTubeで配信された敗者復活戦に三浦マイルドの姿はなかったが、3回戦を突破出来なかったのだろうか?)。ということで、三浦マイルド本人が鍋奉行として仕込みからやっていたそうで、仕込みに力を入れすぎて本番に遅刻するという本末転倒があったそうである(本当かどうかは知らない)。ちなみにヒューマン中村という芸名の名付け親は三浦マイルドである。

R-1の敗者復活戦は銀座の時事通信社のホールで行われたそうで、ヒューマン中村は初の銀座だったため、それだけでウキウキしてしまったそうだ。

敗者復活戦は全員が演目を終えた後、バスに乗り込み、お台場のフジテレビまで移動。誰が敗者復活するかは本当にその場でわかるそうで、それまではバスを楽屋代わりとして暖を取り、カメラが敗者復活に掛ける芸人を映す直前に全員がバスから出て整列を3回繰り返したそうである。バスにはモニターがあったが、解像度が悪いもので、とにかく明るい安村が映っている時は本当に何も穿いていないように見えたそうである。

テレビの本番で「五七五」ネタをやったことについては、「それまで余字熟語(四字熟語に余計な漢字を足して別の意味にしてしまうというネタ)を1年がかりでやっていて、準決勝で落ちて、余字熟語のネタはこれで終わってしまった」と思ったそうである。一方で「余字熟語をテレビで披露出来なかったのは残念」とも語る。

ちなみに、決勝で敗退した後、ヒューマン中村は自分でも知らず知らずのうちに悔しそうな顔をしていたそうだが、それを見たあばれる君が、「ヒューマンさん、悔しいですか? 僕も悔しいです。なのでせめてこの(紙吹雪の)花びらだけ持って帰りましょう」と言ってきたそうである。ちなみに昨年の決勝でも小森園ひろしが同じ事をヒューマンに言ったそうで、「体育会系の芸人は花びらを持って帰るのが好きらしい」と中村は言う。おそらく高校野球の「甲子園の砂」の影響であろう。

ここで音楽が鳴る。フリートーク終了の合図である。

次は、「ヒューマン中村のショートトーク」。舞台下手のせり出し(簡易花道としても使用出来るスペース)に腰掛けた中村が、フリップに書かれたお題でトークを行う。
まずは「母親からのメール」。ヒューマン中村はバイク川崎バイクと親しいのだが、母親もそれを知っており、バイク川崎バイクがテレビに出ているのを見て、「バイク川崎バイクさんがテレビ出てるじゃないあなたも頑張りなさい。バイクでブンブンなら、ヒューマンだからヒューヒュー」というメールをくれたそうである。

そして「ウーイェイよしたか」。よしたかは見たとおりの天然ボケだそうで、「ヒューマンさん、今度一緒にピン芸やりましょう」と言うべきところを「ヒューマンさん、今度一緒にピンク芸やりましょう」と言ったそうである。

3つめは、「ヒューマン中村の人生グラフ」。ホワイトボードに出生から小学校、中学校、高校、NSC入所、R-1にいたるまでの横棒と曲線のグラフが描かれている。グラフは下に行くほどマイナス、上に行くほどプラスなのだが、マイナスに行っている時代の方が長い。

石川県生まれのヒューマン中村は、出生時5000gの大きな子だったという。その当時の写真を見せた中村は「微妙でしょう」と言う。生まれつきの怖がりだったそうで、出生後すぐにグラフは下に傾いている。家族旅行の時も「行きたくない」と言ったそうで、「死にたくないから」という理由を聞いた両親は呆れたという。

父親は欄間の飾りを作る職人で、母親も絵が上手だったそうだが、ヒューマンは特に手が器用ではないという。
「カブトガニ事件」というのがあったそうだ。小学校2年生の夏休みの宿題で工作をしなければいけなくなった中村は当時好きだったカブトガニの模型を作ろうとした。ただ、9割は父親の手によって完成したカブトガニの模型は同級生から「架空の化け物」と言われてしまったそうである。他の児童はカブトガニの存在を知らなかったのだ。
ちなみに、私は学研の「科学と学習」を両親が取っていたので、カブトガニのことは小学校2年生でも知っていた。「科学と学習」は更に進んでいてカブトガニならぬカブトエビを育ててみようというキットも付いていた。育ててみてそれなりに面白かったことを覚えている。カブトエビはすぐに死んでしまったと思うが。

その後、小学校高学年の時にボーイスカウトに無理矢理入れさせられたという。7歳上に兄がいて兄もボーイスカウトに入っていたので、ヒューマンもということになったようだ。それまでインドア派であったヒューマンもアウトドア生活をすることになったわけだ。

ちなみにボーイスカウトというのは宗派によって分かれていたそうで、ヒューマン所属した組は浄土真宗のお坊さんがトップだったそうだが、石川県を含む北陸地方は「真宗王国」と呼ばれており、右も左も上も下も浄土真宗という場所である。真宗王国は広島県(山口県を含む場合もある)にもあるわけだが、北陸の真宗王国の特徴は、真宗大谷派(本山:京都東本願寺)の布教拠点である他に、真宗十派の内の4つの派が北陸に本山を置いているということである(真宗出雲路派、真宗誠照寺派、真宗三門徒派、真宗山元派)。他のグループのトップもお坊さんだったというから、真宗の派毎に分かれていた可能性もある。

ボーイスカウトには、優れた役割を務めている人にはワッペンが貰えるという制度があったそうで、ロープの結び方を沢山知っている人にはロープの絵が描かれたワッペン、料理が得意な人にはフライパンの絵のワッペン、探索が得意な人には足跡の描かれたワッペンが贈られたそうだが、ヒューマンに与えられたのはコンピューターの情報解析ワッペンだそうで、アウトドアなのに結局インドアのワッペンを貰ったというオチになる。

ヒューマンの中学時代の写真。目つきが鋭い。ヒューマンは「これ、なんか(薬)やっちゃってますね」と言う。その後、「目つきが鋭いので眼鏡を掛けた」と話していたので、あるいは今掛けているのは伊達眼鏡なのかも知れない。

中学の時は「弱小サッカー部」。田舎の学校だったので部活動は、野球部、サッカー部、バスケットボール部、卓球部しかなく、野球部は全員坊主の上、学校で一番厳しい教師が指導に当たるというので嫌だ、バスケットボール部は体力的にきつそうだ。卓球部は暗そうな先輩が多いというので、消去法でサッカー部に入ったそうである。とにかく弱小な上に人数が少なく、試合をするのに8人しか集まらなかったそうで、残りの人数を相手チームの補欠から借りたりしていたそうである。

最後は、客席に置かれた赤と青の紙をホチキスで留めたものを使って、「あり」か「なし」かを決める。赤をヒューマンに向けると「あり」、「青」をヒューマンに見せると「なし」である。

「彼女に電話して緊張してしまい無言電話」は、赤の「あり」が多かった(私は青だったが)。

「自己啓発本の上から目線」。青の「なし」が多かった(私も青。中谷彰宏なんて○○○だろう)。ヒューマンは、『人見知りを治す本』を手にしたところ、最初の章に書かれていた方法が「人に喧嘩を売る」だったそうである。

「ネタをTwitterに上げる」は半々(私は赤の「あり」)。ヒューマンは余字熟語を発表出来なかったことを悔やんでいるそうで、余字熟語ネタをTwitterに上げたそうである。ちなみに芸人と呼ばれる人は全国で1万人ほどいるそうだが、全員が年に3つから4つのネタを作るため、1年に出来るネタの総数は4万ほどにもなるという。そうなると重なるネタも出てくるわけで、四字熟語に漢字一つ加えて余字熟語というネタは自分が最初にやったという証拠を作るためにもネタをアップしたのだという。

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2015年2月15日 (日)

Perfume 「ポリリズム」

CMにも使われて超有名曲だと思っていたのに意外に知らない人が多いようなのでアップしてみました。Perfumeの公式YouTubeサイトに載っているものです。
「ポリリズム」というのは複合拍子のこと。メンバーの口だけが映って「ポリリズム」の5つの音がそのまま5拍子となって4拍子の伴奏に乗って続きます(これが「ポリループ」と呼ばれるもの。その後3拍子にも変化)。伴奏も楽器によっては3拍子や6拍子を刻んでいます。生で歌ったり演奏したりするのは難しい曲です。

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2015年2月14日 (土)

楽興の時(4) 日高美子&OTOGI拾得ライブ

2014年11月20日 京都市上京区の拾得にて

午後7時から、大宮通丸太町上がるにあるライブハウス&コーヒーショップの拾得(じっとく)で、日高美子とOTOGIのライブを聴く。

昨夜は祇園のバーで飲んでいた(といっても私は酒は飲めないので、烏龍茶を飲みながらカラオケで歌っていたのだが)時に、FacebookのMessenger機能でOTOGIの河村泉兵衛さんから、拾得でライブをやるので来て下さいとのメッセージがあったので京都龍馬会を代表して(?)行くことになったのである。

拾得があるのは二条城の北。佐々木蔵之介の実家で今は蔵之介の弟である晃さんが継いでいる佐々木酒造のすぐそばである。拾得は酒蔵を改造したライブハウス。下京のライブハウスである磔磔(たくたく)も酒蔵を改造したライブハウスである。今は上京区、中京区、下京区の三区の中で酒造業を営んでいるのは佐々木酒造だけであるが、以前は酒造りを営んでいた人も多かったようだ。

OTOGIは、宮崎県延岡市出身の金子裕則と、長崎県長崎市出身の河村泉兵衛からなるフォークデュオ。ヤマハのポップコン出身であり、金子裕則は「哀歌」でポップコンの最優秀作曲賞を受賞している。本選ではクリスタルキングに敗れて準優勝だったそうだ。河村泉兵衛は、以前は仙兵衛という表記であったが、命名者は大仁田厚だそうで、大仁田から、「今日からお前はセンベエと名乗れ」と言われて芸名にしているそうである。
ちなみに、チャゲ&飛鳥とはポップコンの同期だそうで、知り合いであり、ASKAのマンションにも遊びに行ったことがあるそうだが、ASKAからは何も勧められなかったそうである。

日高美子は福岡県大牟田市出身。ということで今日は全員九州人によるライブということになるのだが、日高は地元のスナックに父親と来ていた際に、父親から「美子、お前、何か歌え」と言われてカラオケで歌ったところ、たまたまスナックに来ていた日本コロムビアの社員の耳に留まり、オーディションを受けて九州大会トップで合格したそうだ。「Dr.スランプアラレちゃん」の映画版の主題歌を唄っていたりする。

日高美子もOTOGIも、以前は博多にある伝説的ライブハウス「照和(しょうわ)」で歌っていた。照和出身のミュージシャンには、TULIP、長渕剛、チャゲ&飛鳥、海援隊などがいる。TULIPのヴォーカルであった財津和夫によると、「照和で歌っていたミュージシャンとして井上陽水が挙げられていますが、これは間違いなんです。井上陽水は照和で歌ったことはないんですね。井上陽水は早くから東京に出て活動していました」とのことである。

まずOTOGIによるライブ。デビュー曲「龍馬からの手紙」に始まり、幕末を題材にした曲を歌っていく。薩長側の歌もあるが、新しい曲は新選組を題材にしたものである。そして金子裕則が大河ドラマ「軍師官兵衛」に嵌まったそうで、ナンバー2の立場を歌った曲も披露される。

演奏終了後に泉兵衛さんから感想を求められて、「うん、良いと思います」と無難な返事をしておいた。
確かに良いのだが、良く言うと「個性が強い」、悪く言うと「バラエティに富んではいない」というのが正直な感想である。ただ、もう50歳を過ぎたフォークデュオなので、多彩さよりは絶対的な売りがある方が芯が通っていて良いのかも知れない。

日高美子であるが、流石はかつて九州大会を制しただけあって美声である。拾得が住宅街の中にあるということで、ライブは午後9時までという制約があり、披露された曲は少なかったがどれも親しみの持てるナンバーであった。

最後は、日高美子が「チェルシー」のCMソングを歌っていたということで、OTOGIと一緒に「チェルシー」の歌、そしてやはりOTOGIとの共演で「名残り雪」を歌う。「みんなで一緒に歌って下さい」ということで私も歌ったが、通常よりもキーが高くて少し苦戦した。

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2015年2月13日 (金)

シベリウス生誕150年 弦楽四重奏曲「親愛なる声」

コペンハーゲン弦楽四重奏団による1960年代の録音です。

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2015年2月12日 (木)

コンサートの記(172) 広上淳一指揮 京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2014『VIVA!オーケストラ』第1回「オーケストラをきいてみよう!」

2014年6月15日 京都コンサートホールにて

午後2時から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2014『VIVA! オーケストラ』第1回「オーケストラをきいてみよう!」を聴く。こどものためのオーケストラ入門と銘打たれたコンサートであるが、曲目も登場する指揮者も本格的である。正真正銘の子供向けコンサートは京都コンサートホールではなく、それ以外の京都市内の各ホールで行われている。今日の指揮は京都市交響楽団常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上淳一。

曲目は、カバレフスキーの組曲「道化師」より“ギャロップ”、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」より第1楽章、サラサーテの「カルメン幻想曲」(ヴァイオリン独奏:南紫音)、宮川彬良の「シンフォニック・マンボNO.5」、ビゼーの「アルルの女」第1組曲から“前奏曲”、“カリヨン”、第2組曲から“メヌエット”、“ファランドール”

ナビゲーターはガレッジセールの二人が務める。

カバレフスキーの組曲「道化師」より“ギャロップ”は運動会で必ずと言っていいほど流れる音楽である。広上と京都市交響楽団は、運動会で貧相なスピーカーから流れる安っぽい音楽とは別物の堂々としていて、軽妙さも失わない音楽を生み出す。広上はジャンプを見せるなど、軽快な指揮だ。

演奏が終わった後で、ガレッジセールの二人が登場。ゴリは「広上さん、会いたかった」と話す。ガレッジセールはオーケストラ・ディスカバリーのナビゲーターを何度もやっているが、広上指揮の回に登場するのは久しぶりだそうで、「前回、広上さん、ホールに入ろうとして警備員に止められたという話を聞いたので、そのまま止められっぱなしなんじゃないかと心配した」とゴリは語る。広上は、「警備員さん、私の顔を覚えてくれました」と返す。

広上は、「今朝、起きたら静かなんですよ。渋谷の交差点を見たら、あそこも人がいないようで、ワールドカップということで、みんなサッカー見てたんですね。私も見てましたが」と話し、ガレッジセールの二人も「僕らも見てました。惜しかった。本田、ゴール決めたのに」と語る(注:この日の午前中、FIFAワールドカップ ブラジル大会 日本対コートジボワール戦があり、日本は、1-2で競り負けた)。

広上は、「音楽は、メロディーとリズムとハーモニーから出来てるんですよ」と語って、ピアニカで「男はつらいよ」のテーマを吹き、「これがメロディーです」と言った後で、8分音符の和声を繰り返し、「これがリズム」。更に、「ダニー・ボーイ(ロンドン・デリーの歌)」を和声付きで演奏する。ハーモニーである。ゴリは、「鍵盤いくつも押してるのはわかる」と言う。

更に、次に演奏するチャイコフスキーの「弦楽セレナード」第1楽章冒頭の旋律を、各弦楽パートの首席奏者が一人で順々に演奏する。まず第1ヴァイオリン、コンサートマスターの渡邊穣(広上は渡邊のことを「穣ちゃん」と呼ぶ)。この曲では冒頭は主旋律は第1ヴァイオリンがずっと弾くため、聴き慣れた旋律が奏でられる。第2ヴァイオリンは出だしは一緒だが、すぐにハーモニーのために別の旋律へと移る。第2ヴァイオリンの首席は杉江洋子。広上は、「穣ちゃんから、別の嬢ちゃんに移りました」と駄洒落を言って、ゴリから「広上さん、今日、調子いいですね!」と誉められる(?)
そして、ヴィオラ(小峰ちゃんこと小峰航一)。ゴリは「同じ曲とは思えない」と言い、川田は「これ、一人で練習してたら(短調であるため)暗い人だと思われるでしょうね」と笑いを取りに行く。チェロ、コントラバスと演奏した後で、広上は、「こうして4つの楽器が……、4つですよね?」と言って、ガレッジセールの二人から「広上さん、大丈夫ですか?!」と突っ込まれる。

そして、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」より第1楽章。重心のしっかりした演奏であるが、力尽くで押し切るタイプの演奏ではなく、立体的なハーモニーが美しい佳演であった。

演奏終了後に出てきたゴリは、「俺、聴いてて、なんか『転職したいな』と思ったら、これ、『オー人事! オー人事!』の曲ですね」と気付いたようである(ただし、台本があるため、台本通り言っただけかも知れない)。

3曲目は、サラサーテの「カルメン幻想曲」。
広上は、「サラサーテというヴァイオリニストが、この後で別の曲をやりますがビゼーという作曲家の書いたオペラ『カルメン』のメロディーを使ってこの曲を作った」と説明。ゴリが「盗作にはならなんいですか?」と聞くと、広上は、「有名な旋律を用いるということは、作曲者に対する敬意であり、作曲家自身も喜んだ。18世紀から19世紀にかけてはそういう価値観でした」と述べる。ゴリが「他の人から何か言われたりしなかったんですか?」と聞くと、「サラサーテというのは、大ヴァイオリニストでして、大スターでした。だから当時のお客さんは、今でいうSMAPや嵐を聴くような感じでサラサーテの演奏を聴いていたんですね。スターですので、メロディーを引用することに疑問を持つ人はいなかったようです」と応えた。

広上は、「サラサーテの写真がパンフレットに載ってると思いますが、(パンフレットを繰って)これですね。いい男でしょ、髪の毛もあって」と述べるが、ゴリは「広上さんにそれ言われると、俺ら何も言えなくなる」と返した(広上は禿頭である)。

サラサーテの「カルメン幻想曲」。ヴァイオリン独奏は、若手の南紫音(みなみ・しおん)である。1989年、福岡県北九州市生まれ。2004年に第1回アルベルト・クルチ国際ヴァイオリン・コンクールで15歳にして優勝し、翌年にはロン=ティボー国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門において第2位に入って注目を集めている。同年、北九州市民文化奨励賞受賞。2006年には福岡県文化賞を受賞したほか、2011年には第21回出光音楽賞も受賞している。

京都市交響楽団とは、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏しているが、その時の出来は今一つであった。

今日も音は美しく、技術も達者であるが、曲調の描き分けは十分とはいえず、「ハバネラ」では蠱惑的な演奏を展開しなければいけないのだが、広上指揮の京都市交響楽団の方が妖艶であり、力負けの感じを受ける。まだ若いということだろう。「ハバネラ」が終わっても広上は指揮棒を下ろさなかったが、客席から拍手が起こったため、鳴り止むのを待って演奏を再開した。

後半、宮川彬良の「シンフォニック・マンボNO.5」。広上は宮川彬良について「天才」と評するが、「NHKの『クインテット』に出ていた式神みたいなおじさん」というよくわからない例えをする。
「シンフォニック・マンボ№5」についていて、広上は「ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』と『マンボ№5』を掛け合わせた曲でして」と説明し、「例えばですね」と言ったはいいが、「えーーーー」と例えが浮かばす、またガレッジセールの二人から「広上さん、大丈夫ですか?!」と突っ込まれる。
広上は、「この曲で、私と京響のメンバーは叫びます」と言う。「楽譜にここで叫べと書いてあります」。ゴリが「別にストレスが溜まって叫びたくなるんじゃないんですね」とボケる。

「シンフォニック・マンボNO.5」は、ベートーヴェンの交響曲5番で始まるが、途中で「ジャジャジャジャーン」が、「タタタタ」というマンボのリズムに変わり、マンボ№5が演奏される(弦楽はジャジャジャジャンという音を刻む)。その後、何度もベートーヴェンとマンボが交代で演奏された。

最後は、ビゼーの組曲「アルルの女」組曲第1番から“前奏曲”、“カリヨン”、組曲第2番から“メヌエット”、“ファランドール”。

曲目を紹介するゴリが「オペラ『アルルの女』から」と勘違いしたが(「アルルの女」はオペラではなく、劇附随音楽である)、演奏はスタート。威風堂々とした演奏である。「カリヨン」では、冒頭のブラスがずれたのが残念。「メヌエット」では、フルートソロの場面で広上はほとんど指揮をせず、京響首席フルート奏者の清水信貴(今日も後半から参加)に任せていた。「メヌエット」演奏終了後、広上は清水を立たせて拍手。客席からも喝采が起こった。「ファランドール」も熱い演奏であり、ハイレベルのオーケストラサウンドを楽しむことが出来た。

アンコールは、スーザの「星条旗よ永遠なれ」。広上は聴衆に手拍子を求め、楽しい演奏となった。

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2015年2月10日 (火)

笑いの林(30) 「関ズミ∞(仮)ライブ」

2015年2月1日 よしもと祇園花月にて

午後7時から、よしもと祇園花月で、「関ズミ∞(仮)ライブ」を観る。ちなみに関ズミ∞は関ジャニ∞のパクリで、「かんずみ無限大」ではなく「かんずみエイト」と読むようである。

よしもとは、47都道府県住みます芸人という企画を行っており、各都道府県に1組ないし複数の芸人が送り込まれ、実際にその土地に住んで芸能活動を行う。関西や東京、名古屋、福岡などといった各地方の中心都市には吉本の本社や支社があり、お笑いも盛んであるが、他の土地にはお笑いが根付いていないので、事実上、よしもと住みます芸人の独擅場となる。

今回は、よしもと住みます芸人の中の近畿地方(定義は曖昧であるが、今日は関西地方と重なる2府4県)担当芸人が一堂に会してライブを行う。

祇園花月での公演ということで、京都住みます芸人であるタナからイケダ(初代で、現在もKBS京都などでレギュラー番組を持っているが、田邊孟德は、「ロケみつ フライデー」で、大阪市天王寺区のマンションにロケみつスタッフがアポなしで訪れる場面が何度も映されているので、今は京都在住ではないようである)と月亭太遊(タナからイケダよりも遅れての参加。今は京都市西京区に住んでいるとのこと)がMCを務める。

参加するのはタナからイケダと月亭太遊の他に、和歌山住みます芸人のわんだーらんど、兵庫住みます芸人のかわばたくんと山田スタジアム、大阪住みます芸人のspan!、奈良住みます芸人のゆりやんレトリィバァ、滋賀住みます芸人のファミリーレストランの8組。

大阪に本社のある吉本の芸人で、大阪在住の芸人だらけの中で、二人とも大阪出身の漫才コンビであるspan!は、やはり街の人からも「芸人の街の大阪の住みます芸人ってなんやねん?!」と言われるそうである。

開演の際、客席から手拍子が起こったのだが、これはファミリーレストランが単独ライブをやるときの定番らしい。ということで、滋賀県から来たファミリーレストラのファンが多い。今日は女性芸人は容姿が売りではない、ゆりやんレトリィバァしか出ていないので、観客の大半は女性である。

まずはネタのコーナー。

わんだーらんどは、「桃太郎」の和歌山版をやる。高齢化社会の進む和歌山であるため、「お爺さんとお婆さんだらけの村」が舞台となる。和歌山といえば蜜柑ということで、お爺さんは山に蜜柑狩りに行き、お婆さんは蜜柑の缶詰工場でパートとして働くという普通の和歌山のお爺さんとお婆さんになってしまう。流れてくるのも大きな蜜柑でベルトコンベアで運ばれてくる。「多分、蜜柑だけと名前は桃太郎だろうな」と思っていたらその通りだったが、蜜柑から生まれた桃太郎は蜜柑産業で一儲けし、青年実業家として成功する。が、お爺さんが、弁護士を名乗る鬼塚という人物に騙されという内容。

かわばたくんは自転車芸。ちなみに出囃子は「かわばたくん」が連呼されるオリジナルのものである。BMXという自転車での芸。倒した自転車の上に両足を置いて、両手で起こして跨がるという芸である。1ヶ月前に練習を始めたばかりらしい。その芸をして走り始めてから、客席からボールを投げて貰い、キャッチする。最前列の女性が選ばれたのだが、3回目でようやく右手でキャッチ、と思ったら掴み損ねたが、これで成功ということにした。

山田スタジアムは、今はピン芸人であるが、以前は漫才コンビを組んでいた。相方が芸人を引退したため(二人による最後の漫才が、よしもと祇園花月で行われており、私はたまたまその場に居合わせている)ピン芸人として活動することになったのである。芸風は漫才をしていた頃と変わらず、阪神タイガースの選手の形態模写などが主になる。今日も阪神タイガースのレプリカユニフォームを着ての登場。阪神タイガースの本拠地である阪神甲子園球場はよく知られている通り大阪府ではなく兵庫県西宮市にあるため(ダブルフライチャンズは基本的に認められていないので、保護地域も兵庫県のみである。大阪府を保護地域としているのオリックス・バファローズであるが、阪神の前では影が薄い)兵庫住みます芸人にピッタリでもある。

まず、お客さんにボールを投げて貰い、ハーフスイングギリギリのところでバットを止める阪神・上本の真似。

それから、フリップを使った芸。広島東洋カープを応援する女の子が「カープ女子」と呼ばれて昨年の流行語の候補に挙がったが、阪神タイガースもそれに対抗して女性ファンのことを「TORACO」と呼ぶことにしているという。実際、12球団全部かどうかは知らないが自軍を応援する女性を指す言葉を作っている。
中日ドラゴンズは「DORACO」とするが、「TORACO」とかぶるので「ドラミ」にする。すると、読売ジャイアンツを応援する女性は「ジャイ子」となる。山田は巨人が嫌いなので悪意を込めてのネーミングだと自分から言う。更に中日ドラゴンズを「信子(落合博満ゼネラルマネージャーの夫人である落合信子氏のこと)」と変えて、野球好きの人から笑いを取る。
東京ヤクルトスワローズは、「つば女(つばめ)、ヤクルトおばさん」とするが、ヤクルト球団が正式に発表している呼び方は「つばっ子」である。「つば」が唾液の「唾」を連想させるのが難点であるが。
北海道日本ハムファイターズの女性ファンは「北の恋人」とするが、千葉ロッテマリーンズの女性ファンは「お口の恋人」(変換したら「奥地の恋人」と出た。どんな人なんだ?)とロッテのキャッチコピーそのままになってしまう。

月亭太遊。京都市内では知名度が低いが、京都府の北の方、特に宮津市などではよく知られているそうである。京都府も北の方は関西と呼んでいいのか微妙なところであるが(以前、兵庫県の但馬地方に住んでいる人とネットでやり取りしたことがあるが、自分のことを「関西ではない兵庫県人」と呼んでいた)。ちなみに、宮津市のすぐ近くに与謝野町という平成の大合併で出来た街があるのだが、宮津がから少し離れただけなのに、月亭太遊の知名度はガクンと落ちるそうだ。

月亭太遊は、その名前からわかる通る、月亭一門の落語家であるが、今日は、落語というよりネタと言った方がいい演目をやる。中学の音楽の時間に、「ドナドナ」をふざけて歌ったと教師から怒られた生徒。生徒は、ふざけていないと言うが、その生徒が歌った「ドナドナ」は、最初は普通に歌うものの、二度目はエアギターにエアドラムなどを入れて「ドナドナ」をロックで歌うものであった。

span!。水本が体重90キロ、まことが体重45キロで体重差45キロ、水本はまことの倍ということを発表することから入る。まことは体重が45キロと水本から発表された後、「『えー!』と驚いた女性は全員、僕より体重が重いということで」というが、まことは体も細いが背が低いので体重も軽いのである。水本は90キロあるがタッパがあるので太っては見えない。

街で人違いをすると恥ずかしいという話から入る。まことは水本のことを小西だと靴からズボンから背広から煙草の銘柄から全て小西のものだと確信してから、水本に「小西、あ、間違えました」と言って、水本から「そんだけ確認してそうなんだったら、俺もう小西やろ」と突っ込まれる。

洋服売り場の試着室で、試着中に間違えてカーテンを開けたり開けられたりすると恥ずかしいという話になり、水本が試着室でパンツ一丁でいるという設定でコントを始めるのだが、まことは水本をスルーして試着室に入り、水本が「俺、どこにおるねん?!」と聞くと、「ズボン売り場の前」と返したので、「そんなところで試着してたら、俺、変態やろ!」と突っ込まれる。再度やるが、まことが何度もカーテンを開け閉めする仕草をするので、水本は「1回でいい」と言う。するとまことはカーテンを開ける真似をしながら舞台奥まで進んでしまい、「どんだけ大きい試着室やねん?!」と突っ込まれる。
今度は、まことが試着室にいるのがspan!の水本だと気付くという設定。まことは女性を演じるのだが、何度も水本のことを覗いたり、今、試着室に水本がいると周りに教えてしまったりする。

カラオケボックスで、違う部屋に間違えて入った時も気まずいというので、水本が、まことが歌っている部屋に間違って入ってしまったという設定でやるが、まことは「大丈夫、僕も間違えて入っているから」と知らない団体に一人勝手に加わっているという設定にしてしまう。今度は水本が歌っているところに間違えてまことが入ってしまうという逆のパターンのやるが、まことは後ろを向いて小用をする仕草をし、水本は「トイレで歌ってるって、俺どんだけ変な奴やねん」と言った。

ゆりやんレトリィバァ。お得意の英語を取り入れたネタである。ハリウッドのアカデミー賞の授賞式。ゆりやんがハリウッド女優に扮して登場し、「Surprise!」から始まる英語のセリフを話すのだが、途中で、「鹿ばかりじゃない」、「○○市のブックオフ、臭いねん。臭いから安い」、「北部の人は南部の人を馬鹿にするが、南部の人は南部の人で誇りを持っている」、「吉野の中学生、学校サボって川遊びする」、「野球部員は卒業するとチャラいし」などの奈良あるあるが日本語で入る。最後は、「スタバでうるさい奴、マクド行け!」で終わる。

タナからイケダ。田邊が池田に「山手線ゲームをしよう」と提案するが、池田は「(京都なんだから)北近畿タンゴ鉄道ゲームをしよう」と逆に提案する。池田は「北タンゴ鉄道は日本一だそ」と言い、田邊が「なにが日本一なん?」と聞くと「赤字が」と答えて、「あかんやん!」ということになる。

田邊が続いて、「タケノコニョキニョキゲームをしよう」と言うが、池田は「タケノコなんてどこにでもある。京都なんだから八つ橋ニッキニッキゲームをしよう」と京都名物のゲームに変えてしまう。ただルールは変更なし、変えた意味ないと田邊に突っ込まれる。

池田が「出町柳ゲームをしよう」と言い、「そんなゲーム知らない」と言う田邊に「京都で知らんかったら恥ずかしいよ」というが、出町柳ゲームは池田が昨晩作ったゲームで、池田以外は誰も知るはずのないゲームであった。京阪電車の京都側のターミナル駅である出町柳駅。下鴨神社のすぐそばにある駅である。岩倉や貴船、鞍馬などに向かうにはここで、叡山電車に乗り換える。
「出町柳」と三文字あるので、一人が「出、町」と言うともう一人が「柳」と開いた文字を埋めていくというゲーム。「柳町」のように逆から読んでもOKで、その場合は「出」と入れる。だが、ゲームを始める前に儀式のようなものが必要だったり、一人が「出町柳」と全部言ってしまった場合は「はんなり」とポーズ付きで言わねばならないという妙ちきりんな展開となった。

ファミリーレストラン。滋賀県住みます芸人なので滋賀の良いところを歌に乗せようと提案するが、原田は「米美味い」をWindowsの電源が入ったときの音に乗せてしまい、続いて「鮒鮒、鮒鮒」と言うので、下林が「それ何?」と聞くと、「コンビニに入った時の音」と言う。ちなみに原田は自らがデザインした琵琶湖Tシャツを着ているが、向かって右下に「琵琶湖の水止めるぞ」と、近隣の府県の住人から悪口を言われた時に滋賀県人が発する常套句とされるものも文字として入っている。

下林が、「羽衣伝説というのがありますが、あれは滋賀県が発祥の地のようです」と言う(諸説あり。一番有名なのは静岡県の三保の松原であろう)。そこで、下林が「羽衣伝説」の解説を担当して、原田が演じてみせるのだが、下林が「ある時、天女が降りてきて、湖で水浴びをしていました」というセリフから入るが、原田演じる天女は「天からここ来るの遠かったなあ。大変やった」と言い、水浴びの際も、「どっこいしょ。あー」などと銭湯に入るおっさんのようである。それを村人が見ているという下りでは、村人がザワザワとうるさすぎ。天女の衣を村人の一人が盗むシーンでは村人変態過ぎ。天女が村人の子供を身籠もったときも村人は「本当に俺の子?」と疑うし、天女が羽衣を見つける時も台ふきが実は羽衣を転用した物だったという設定。下林が「それは変やろ。タンスの一番奥に大切にしまわれてるねん」と駄目出しし、原田がそのシーンを演じるが、「あ、羽衣。ていうよりビックリマンチョコシール入っているやん」と羽衣よりもビックリマンチョコシールに反応したりする。
その後、原田は箱を開けたシーンで、「あ、シーチキンが一杯、シーチキンが一杯、シーチキンが一杯」と連呼。はごろもフーズとの繋がりである。原田は「このネタが今日のエースやねん」と言うが、確かにその後は余り受けず、下林から「はごろもフーズが頂点やったな」と言われる。天女が天に帰るシーンになるのだが、天女はなぜかエレベーターに乗り、2階が天で、「階段で行けたわ」というシュールな展開となった。

よしもと祇園花月では、「祇園ネタ」と吉本新喜劇の2本立ての公演が普通であるが、今日も幕を降ろしての暗転の後で、吉本新喜劇というほど演劇していないが「関ズミレンジャー」という芝居を行う。影アナで出演者として「浅野忠信」とコールされるが勿論、ネタである。
今日は、47都道府県よしもと物産店(なんばグランド花月の地下にあったが、不入りのため閉鎖され、今は1階にある「よしもとテレビ通り商店」の一角でひっそりと営業している)が祇園花月で出張販売を行うというので、よしもと物産店が舞台となる。店長は田邊猛德で、わんだーらんど・谷脇俊輔が店員に扮する。そこへ池田鉄洋が客として現れるが、田邊の顔のパーツが中央に寄っていることをいじったり、谷脇がサラリーマン顔だと評したりする。

そこへ全国の物産店を荒らしている3人組(ファミリーレストラン・下林、span!・水本、かわばたくん)が現れる。全国物産店荒らしというそのままのグループ名であるが、「荒らしはアイドルグループの嵐にも掛けられている」と水本が説明する。ただ3人ともイケメン芸人ではないのでスルーされる。

そこへ、正義の味方、関ズミレンジャーが現れるが(安っぽい衣装で登場)、span!・まことは「大阪のたこ焼きに入っている紅ショウガレッド」、ワンダーランドの東岸誠は「和歌山のクシャクシャ梅レッド」で、この時点でもレッドが二人いてかぶっている。ファミリーレストラン・原田は「滋賀のブリーギルブルー」であり、相方の下林から「琵琶湖ブルーでええんちゃうの?」と言われるが、原田には拘りがあるらしい。ゆりやんレトリィバァは「奈良の鹿の糞ブラウン」でもうちょっと他のものはなかったのかと思う。月亭太遊は「京都の舞妓ホワイト」、山田スタジアムに至っては阪神タイガーズのユニフォームで出てきて「阪神タイガース縦縞」と、レンジャーらしさ皆無である。

下林が、新年早々、奥さんと喧嘩したそうで、原田が相手のプライバシー攻撃をアドリブで延々とやったため、当初、1時間半ほどの予定だった上演時間が15分以上押した。

その他、タナからイケダ田邊が物産店の店長というだけなのに、やたらとダイハードだったり、かわばたくんが自分の出囃子である自作曲をフルタイムで流して、他の芸人「30秒、時間無駄にしたわ」などと言われていた。

なお、レンジャーは、相手との対戦で分が悪くなると、大阪なら「蟹バック」、和歌山は「(梅干しの)クエン酸バック」などアドリブによる御当地シリーズが始まってしまった。

全国物産荒らしのとの対決では、まず和歌山の東岸と奈良のゆりやんが行くが、滋賀の原田に「下がれ、関西の二軍ども」と言われる。だが、敵味方の両方から「滋賀も二軍やろ」とツッコミが来る。原田は「一軍半」「ベンチウォーマー」と説明するが、下林から「それやっぱり二軍やろ」と言われていた。

その原田扮するブルーギルブルーの必殺技は「水を止めること」なのであるが、間接的にしか効かない上に、困るのは味方のレンジャーや店員だけというオチであった。

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2015年2月 9日 (月)

観劇感想精選(144) 平成二十七年 初春文楽公演第2部「日吉丸稚桜」&「冥途の飛脚」

2015年1月14日 大阪・日本橋の国立文楽劇場にて観劇

午後4時から、大阪・日本橋の国立文楽劇場で、初春文楽公演第2部 「日吉丸稚桜(ひよしまるわかさのさくら)」“駒木山城中の段”と「冥途の飛脚」“淡路町の段”“封印切の段(新町の段)”“道行相合かご”を観る。

国立文楽劇場に来るのは通算で4回目であるが、文楽を観るのは3回目。前回は文楽ではなく3階にある小ホールで落語の公演を観ている。

「日吉丸稚桜」は、タイトルからわかる通り豊臣秀吉が登場するが、木下藤吉郎久吉(このしたとうきちろうひさよし)という名義になっている。織田信長は小田春長、斎藤道三は斎藤明舜、濃姫が萬代姫、加藤清正が加藤正清という名に置き換わっている。ただ堀尾吉晴と斎藤龍興は何故かそのままの名で登場する。中途半端な置き換えである。

舞台は駒木山城であるが、これは小牧山城の置き換え。斎藤明舜と斎藤龍興の居城は稲田山城であるが、これは稲葉山城=岐阜城の置き換えである。城の名前はある程度歴史好きの人でないとピンと来ないかも知れない。

小田春長に輿入れした萬代姫であるが、駒木山城の木下藤吉郎久吉の下に預けられており、藤吉郎の家臣である堀尾吉晴が萬代姫に渡した短冊には自害するよう示唆されていた。
藤吉郎であるが、斎藤明舜の居城である稲田山城の攻め方を検討中。蝶々が飛ぶのを見て、搦手からの攻撃を思いつく。

駒木山城に老人が忍び込む。堀尾吉晴がそれを見とがめるが、その老人が吉晴の舅である鍛冶屋五郎助であることがわかる。また、鍛冶屋五郎助は藤吉郎がかつて自分が世話をした猿之助という奉公人だったことを知って驚く。

更には堀尾吉晴の養父である源左衛門を殺したのが舅である鍛冶屋五郎助であることも発覚する。

鍛冶屋五郎助の息子、竹松も現れるが、下部を思いっ切り投げつけるなど、竹松は幼いながらも怪力である。この竹松の後の姿が加藤正清ということになっている加藤清正である。
相手を思いっ切り投げ飛ばすシーンでは、人形を使う文楽の良さが出る。生身の俳優では怪我に配慮して思い切り投げることは出来ないが(一応、歌舞伎ではトンボ切りという手段を用いる)、文楽では思う存分投げ飛ばすことが出来る。

ストーリー展開に、シェークスピアの「タイタス・アンドロニカス」によく似たところがあるのだが、勿論、偶然である。

「冥途の飛脚」。近松門左衛門の作であり、有名作であるが(特に「封印切り」は代名詞になっている)、「曽根崎心中」や「心中天網島」などに比べると評価が芳しいとはいえない。「冥途の飛脚」は後に菅専助と若竹笛躬により改作され「けいせい恋飛脚」という文楽にもなっている。

近松作の他の文楽では「やむにやまれず」というところがあるのだが、「冥途の飛脚」では、主人公の忠兵衛がアホなだけということもあり、八百屋お七のようなちょっと頭があれなだけの人でも悲劇のヒロインにしてしまうという寛容さを持つ日本人でも「もう少し何とかならないのか」と不満を持っても仕方ない。後に改作する人が現れたのもそのためであろう。

ただ、改作された「けいせい恋飛脚」では八右衛門が完全な悪役となっており、勧善懲悪が流行らなくなった時代にあっては、八右衛門が魅力的な人物となっている「冥途の飛脚」の方を高くする人も相当数いるだろうと思われる。

有名な封印切りの場面であるが、本当に面白い。昔の日本人は怖ろしく賢かったんだなあと感心する。

なお、「千日」という言葉に忠兵衛が過剰反応する場面があるが、これは大阪に詳しい人でないとどうしてそうなるのかわからないと思われる。江戸時代の大坂の刑場は千日前にあったため、「千日」という言葉が「千日前」を連想させて忠兵衛が臆したのである。

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2015年2月 5日 (木)

湯川潮音 スコットランド民謡「The Water is Wide」

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2015年2月 4日 (水)

コンサートの記(171) 追悼 アルド・チッコリーニ 下野竜也指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第479回定期演奏会

2014年6月26日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて

午後7時から、大阪・中之島のフェスティバルホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第479回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は下野竜也。

曲目は、ラヴェルの「古風なメヌエット」、サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」(ピアノ独奏:アルド・チッコリーニ)、ブルックナーの序曲ト短調、ヒンデミットの交響曲「画家マティス」

下野はヒンデミットを得意としており、正指揮者を務めていた日本フィルハーモニー交響楽団で、オール・ヒンデミット・プログラムによる演奏会を指揮したこともあるという。

ヒンデミットの交響曲「画家マティス」は、欧米では人気曲であるが日本では知名度が低いという作品の代表格とされることもあるが、欧米でのCDリリースもそれほど多くはないため、欧米でもポピュラーなのかどうかは実のところ疑問である。ただ、日本のオーケストラが交響曲「画家マティス」をレコーディングしたという話も聞かないため、日本よりも欧米での方が知られているということだけは確かなようである。
ヒンデミットの交響曲「画家マティス」には、レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団による超人的表現を聴くことの出来る音盤が存在し、今後も、これを上回る名演奏は出てこないかも知れない。

京都市交響楽団の4月定期に登場し、力強い演奏を聴かせた下野竜也。今日は、ラヴェルの「古風なメヌエット」で、「出だしがやけに大人しいな」と感じたが、それは指揮者やオーケストラに問題があるのではなく、フェスティバルホールの空間がラヴェルを演奏するには大きすぎるのだと思われる。音が左右にかなり散っているのが確認出来る。今日は、1階席の最後列で聴いたのだが、あるいは2階席か3階席の方が音が良かったかも知れない。

スケールが小さく聞こえて損をした格好であるが、音色は洗練されており、良いラヴェル演奏だったと思う。

サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」。超絶技巧が要求されるため、滅多に演奏されない曲であるが、今日、それに挑むのは、1925年生まれで、現役最高齢ピアニストともいわれるアルド・チッコリーニ。先日、東京での演奏会で大成功を収めたことが伝わっている。

アルド・チッコリーニは、その姓で分かるかも知れないがイタリア出身である。ナポリに生まれ、その後、パリに移住し、フランス国籍を取得。デビュー当時から、イタリア生まれではあるがフランス人ピアニストとして評価されていた。エリック・サティのスペシャリストとしても知られ、史上初の「エリック・サティ・ピアノ曲全集」と、史上初のデジタル録音による「エリック・サティ・ピアノ曲全集」を共にEMIからリリースしており、いずれも名盤の誉れ高い逸品である。サティ以外では、ドビュッシーのピアノ曲全集をリリースしている他、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ソナタなどもレコーディングしており、レパートリーは広い。

ステージに現れたチッコリーニは、左手を指揮者である下野に引かれ、右手では杖を突くという弱々しい姿で登場。加齢による衰えは顕著であるが、いざ鍵盤に向かうと、それまでの姿が嘘だったかのような生き生きとしたピアノを弾く。

生み出す音は若々しく、左手のリズム感が抜群であり、ちょっとした表情付けがお洒落だ。単調に陥ることなく、曲想に沿って多彩な演奏を展開していく。
技術面に関すればチッコリーニより優れたピアニストは何人もいるだろうが、生み出す音楽の味わい深さに関しては、亀の甲より年の功ということで、チッコリーニの熟し切ったピアニズムに感心させられる。

下野指揮の大阪フィルもフランス音楽の真髄を究めた伴奏を聴かせる(ただやはり音は散り気味である)。

チッコリーニは、アンコールとして十八番であるドビュッシーの「前奏曲」より“ミンストレル”を演奏。粋なピアノであった。

 

後半、ブルックナーの序曲ト短調。
下野は、最初、ブルックナーの交響曲第3番の演奏を申し出たと言うが、先に7月のユベール・スダーン指揮の定期演奏会のメインがブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」に決まっていたため、ブルックナーの交響曲が続いたのではチクルスのようになってしまうということで、ブルックナーの序曲ト短調という、ほとんど演奏されない曲を選んだ。大阪フィルはおそらく日本で最もブルックナーを演奏しているオーケストラだと思われるが、その大フィルであっても、前回、ブルックナーの序曲ト短調が演奏されたのは、1989年だったというから、かなり久しぶりの演奏となる。1989年時の指揮者は当然ながら朝比奈隆。朝比奈時代の大フィルではブルックナーは神聖視されており、朝比奈存命中に朝比奈以外で大フィルの定期演奏会においてブルックナーの交響曲を指揮したことがあるのはパーヴォ・ヤルヴィ一人だけである。

初期の作品だけに、ブルックナーらしからぬ短めの旋律が頻出する場面もあるが、ゆったりした部分では、オーケストラがパイプオルガンのような響きを生むなど、名オルガニストであったブルックナーの意図に近いと思われる演奏が展開される。

この曲からは、編成が大きくなったためか、ホールの音に不満を感じなくなった。ちなみに残響はかなりあるのだが、直接音が物足りなかったのである。

ヒンデミットの交響曲「画家マティス」。画家マティスというのは、有名なアンリ・マティスではなく、ドイツの中世の画家マティアス・グリューネヴァルト(本名:マティス・ゴートハルト・ナイトハルト)のことである。アンリ・マティスだったとしたら「画家」という言葉を付ける必要はない、高倉健のことを「俳優高倉健」という必要がないように。

京都市交響楽団を指揮したときは余裕を持った指揮を見せた下野だが、今日は思い入れの強いヒンデミット作品ということもあってか、かなり熱い指揮をする。

大阪フィルは弦の光沢が素晴らしく、力強さも兼ね備えていて、弦楽器だけならすでにロイヤル・フィルやBBC交響楽団といったロンドン下位グループを上回る水準に達している。

木管の技術も高いが、金管、特にトロンボーンにはもっとまろやかな演奏が求められる。ザ・シンフォニーホールでなら出せたと思うが、フェスティバルホールなので、工夫を重ねないといけないのかも知れない。

2000年代までは、大阪フィルはホルンの演奏に問題があり、音外しは勿論、ユニゾンの場面で各々がバラバラの音を出すといった有様で、「いくらキークス(音外し)の代名詞的存在といっても酷すぎる」という演奏もあったりしたが、世代交代もあって急激なレベルアップを示し、今日の演奏会でも大活躍であった。蒲生絢子という奏者が入団してからすぐにホルンパートは成長を始めたため、彼女はおそらく相当の腕利き奏者なのだと思われる。

熱く、美しい演奏であり、演奏終了後に下野は聴衆からの喝采を浴びる。

ただ、ホールを出てしばらくすると、「画家マティス」の演奏の記憶が鮮明に思い出せなくなる。これはその演奏がある傾向を示していた時に、私の無意識が記憶に作用するもので、「スポーティーであった」と告げているのである。マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団やクリスチャン・ヤルヴィ指揮ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の演奏後も私は「スポーティー警告」を体験している。

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遊佐未森(歌、オルガン) 宮澤賢治作詞・作曲「星めぐりの歌」

宮城県仙台市出身のシンガーソングライター、遊佐未森が、同じ東北出身の作家である宮澤賢治が作詞・作曲した「星めぐりの歌」を歌っている映像です。

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2015年2月 1日 (日)

笑いの林(29) 「新春よしもと千円寄席」2015年1月3日

2015年1月3日 道頓堀ZAZA HOUSEにて

道頓堀ZAZA HOUSEで、「新春よしもと千円寄席」を観る。「新春よしもと千円寄席」は、元日から1月4日まで道頓堀ZAZA HOUSEで行われる。今日は4回の公演があるが、流石に全部観るのは精神的にも肉体的もきつく、また第1回目の公演は午前11時開演であるが、午前中から笑いたいとは思わない。ということで、午後1時からの第2回公演、午後3時からの第3回公演、午後5時からの第4回公演を観る。上演時間は毎回約1時間である。ちなみに4回とも、しかも夫婦で観に来ている人がいて、バンビーノやガリガリガリクソンに突っ込まれたりしていた。

出演は、天竺鼠、バンビーノ、シュークリーム、桜 稲垣早希、小泉エリ、ガリガリガリクソン、アキナ(第2回公演の登場順。第3回公演は天竺鼠とアキナの順が入れ替わり、天竺鼠がトリとなる。第4回公演はバンビーノが2番手であることを除くと第2回公演とは異なり、トリは第3回公演と同じく天竺鼠が務めた)。

天竺鼠。瀬下の子供が輝飛と書いて「ライト」と読むというネタから始まり、川原がそれに対抗して「衣装の衣に休むで、ハンガー」、回によっては「夢に粒々と書いて、タピオカ」、「穴に塞ぐと書いて、イヤホン」なども付け加えたキラキラネームを考案する。

最後のネタは毎回同じ、「なすびマン」。瀬下演じる悪の巨大怪人が、大阪の街を破壊していく(「俺はでかいぞ。通天閣ポキ、あべのハルカスバーン! 大阪ドームぽーん」というセリフがある)。そこに、川原がなすびの被り物をした、なすびマンとして現れ、カスタネット攻撃をするのだが……という内容である。

バンビーノ。石山大輔が「サッカーでブラジル留学をしたことがあります」と自己紹介をしても午後1時からの第2回公演では客席は無反応であったが、第3回公演、第4回公演では「おー」という反応があった。相方の藤田裕樹は「桂きん枝師匠の甥」と石山から紹介されたのだが、第2回公演ではやはり客席は無反応であった。第3回公演と第4回公演では、「あー」、「似てる」などの声が聞こえた。やはり午後一というのもお笑いを観るには向いていないようである。

「キングオブコント」でやった「ダンシング ピストン族」について、第2回公演で石山が「知っている人いますか?」と客席に聞いたものの反応がないので、第2回公演、第3回公演では行われず第4回公演で、「4度観に来ている人のために」ということで「ダンシング ピストン族」がやっと取り上げられ、かなり受けていた。

コント「距離感の全くない会話」。藤田がレストランのウエイター、石山が客に扮するのだが、顔を間近に近づけて離すため、何か言うたびに相手の顔をはたいたり拳骨で相手の顔をグッと押したりする。

第4回公演では、「敏感歯」というコントも行っており、二人とも付け歯をして「距離感の全くない会話」をやるのだが、付け歯の部分が相手に触れるたびに大袈裟なリアクションが加わる。

メインは、いつもやっている、石田が電子音を模したオノマトペで歌い、藤田がそれに合わせるというもの。その他にも、「お腹が痛いのはどっち?」、「肩を痛めているのはどっち?」、「寝違えているのはどっち?」などの短いネタをやった。

シュークリーム。今日唯一、毎回違うネタをする漫才コンビである。ちなみに毎回、客席に向かって遠くから来た人を聞いていたのだが、「下関」と答えた人に、二人とも「しもがせき?」となり、吉岡久美子が「何県ですか?」と聞いて、「山口県」と答えが返ってきたのだが、二人とも山口県の場所がよく分からないようで「蜜柑が美味しいところですか?」と聞いていた。お客さんは「ふぐ」と返した(ちなみに道頓堀には「ずぼらや」を始めとするフグ料理店が多い。多分、大阪で一番多いと思われる。なお、山口県出身の知り合いが何人かいるので知ったのだが、山口県の県の花は夏蜜柑の花だそうで、京都山口県人会の法被も蜜柑にちなんだ橙色である。蜜柑が美味しいというのもあながち間違いではないようだ。ただ、蜜柑というとどうしても愛媛、和歌山という産地が浮かび、山口と蜜柑のイメージは余り結びつかない)。

まずは、ダイエットネタ。吉岡久美子が、「ダイエットをしたい」「特に足が太いのが気になる」というのだが、相方のしよりは「スキンヘッドにすれば、みんな頭見て、足が気にならないよ」と提案する。
吉岡が「バナナダイエットをしたい」というのだが、しよりは「バナナダイエットってきついよ。毎朝フィリピンの奥地にバナナを探しに行くダイエットでしょ?」と返す。正直言って飛躍しすぎ。
ということで余り笑いは取れなかった。
ちなみに、しよりが二十歳、吉岡が22歳という若いコンビであり、二十歳そこそこの人に面白さを求めるのが無理なのかも知れない。二人は普段は、つぼみという早希ちゃんの妹分に当たるアイドルユニットで活躍している。

第3回公演では、しよりが流行に疎いという話。しよりは「倍返しだ!」、「じぇじぇじぇ」などと言うが、吉岡から「それ大分前の流行語やで」と言われる。しよりは「アナと雪の女王」も知らないということで、MayJも勿論知らない。松たか子のことはMTと略すが「松本幸四郎の娘さんで、紅白歌合戦の司会を史上最年少(当時19歳)で務めた、あの松たか子さん?」と詳しい説明をする。
「Let It Go」は知っているということで、しよりは歌い出すがAメロ、Bメロを歌った後で、「この後は知らない」と一番有名なサビの部分だけを知らないというオチとなった。

第3回公演では、吉岡が「合コンで女の子が一人抜けることになったから、しよりを入れようかなと思って」と言い、誉め上手だとモテるということで最前列のお客さん(常連さんである)を誉めることにするのだが、しよりは地味なところを誉め、吉岡がおだて上手という設定で、吉岡が「しより入れるの止めるわ」と言って終わる。段々面白くなってきてはいるようである。

早希ちゃんは3回とも、映画「天空の城ラピュタ」のシータのコスプレで登場し、「シータの替え歌単独ライブ」をやる。マイクもエコーの掛かったライブ用スタンドマイクである。
ジブリの映画の中でシータが一番可愛いと言い、「私を見つけ出してくれた宮崎駿先生に感謝します。私は原石やったんですよ。ピカッと光る原石。光り過ぎてみんな『目が! 目が!』(ムスカのセリフ)と言っていて」、と全編ジブリネタで攻める。出囃子もいつもの「残酷な天使のテーゼ」ではなく別のものを使っていた。

「でもねー、あの言葉を言っちゃったんですよ。『バルス!』。知ってますか? あのニコニコ動画でみんな一斉に書き込んでえらいことになるやつ。あれでお城がなくなっちゃって、これから地上でどうしようかなという思っていた時、公園で鼻歌唄っていたら、あれ? 私、歌上手い? ということに気付いて、オーディションに合格して今、シンガーやってます。以前は小室ファミリーにいたり、あれやこれやあって、今は単独ライブのステージに立ってます。芸歴20年」という出鱈目なシータの経歴を述べた後で、「天空の城ラピュタ」の主題歌である『きみをのせて』の替え歌(ジブリの映画の中でシータが断トツで可愛い。パズーもムスカも必要ない。私がいれば数字は取れる。白髪のおばさん、結局役に立たない、という内容)、『となりのトトロ』の替え歌(「となりのトトロ」は子供に受ける。内容はただ迷子を探すだけの話。でもグッズは売れてる)、『もののけ姫』の替え歌(宮崎駿の引退する引退する詐欺を取り上げる)を唄う。
ナウシカのことをシータは嫌っているようで、「態度が悪い。この後登場するマジシャンと同じくらい楽屋での態度が悪いです」と言って笑わせる。

客席にはサイリューム(棒形ペンライト)を振っている人もいて(小泉エリがサイリュームの応援を気に入っているので、エリさんが唄う時は振る予定だったのを早希ちゃんも唄ったので振ることにしたようである)、4回目の公演では、早希ちゃんが「みんな、私を見て下さい。サイリュームばかり見てる」などと言って笑いを取る。2回目の公演では『もののけ姫』を唄いながら早希ちゃんが手を左右に振っていたので、こちらもお付き合いで右手を左右に振るが、早希ちゃんが今度は左手を下から上に挙げる振付を始めたので(早希ちゃんは右利きであるがマイクは右手に持つタイプである)、こちらも勝手に指揮を始めてしまう。大体の曲はほぼ正確に指揮出来る。

3回目の公演の時は、スタンドマイクを外し、『もののけ姫』を唄いながら最前列の人二人と握手をし、三人目の男性とも握手、かと思いきや、隣の席の女性との握手に切り替え(女性は握手し損なった男性の奥さんだと思われる)、4回目の公演でも最前列の人と握手をしたが、もう一人とも握手、かと思いきやその男性が持っていたサイリュームを取り上げて、二つ隣の席の人に渡して会場の笑いを誘う。だたそういうことをしていたので、マイクをスタンドに戻して手を左右に振りながら唄う時に、出だしが遅れがちになる。スピーカーは左右に客席の方を向いたものがあるだけなので早希ちゃんの位置からは聞こえにくいのかも知れない。ということでまた指揮をする(4つに振る普通のものではなく、出と長さを指示するもの)。早希ちゃんが指揮に気付いていたのかどうかは不明だが、やっぱりずれているのが気になってしまうので指揮してみた。早希ちゃん、目障りだったらごめんね。ここに書いても読まれることはないだろうけれど。

この後に出てくるマジシャン、エリさん登場。詳しくは書けないのだが、4回目の公演で思いっ切り種がばれるという失敗をしてしまった。マジシャンは失敗してもそれを笑いに変えられないのが辛いところである。
ただ、道頓堀ZAZA HOUSEはライブハウスであり、客席とステージが近いので、細工が何となく想像出来てしまう。エリさんも普段はナチュラルにやるところを、今日は袖(振り袖をイメージした独特の衣装)で隠しながらやるなど、ライブハウスでマジックをやる難しさはあるようだ。

お客さんにステージに上がって貰って手品を行うのだが、「さっきのへんちくりんな女と私、どっちが可愛いですか?」とステージに上がった男性に聞く(ステージに上がる人はエリさんが、客席に降りて決める)。男性は手で「あなた」と示し、エリさんは「でしょー」と言う(エリさんは美人系で早希ちゃんは可愛い系なので比較は無理ではあるのだが)。そのマジックの種も間近で見ると想像が付くので、どんなマジックだったのかは書かないでおく。

最後は、金属の輪っかを使ったマジック。中上亜耶もやっていたが、おそらくエリさんが中上に教えのだろう。エリさんは最大で6つの輪を使う。5つの輪の時はオリンピックの五輪の形を作って見せたりした。

ガリガリガリクソン。今日もマジックペンをヘソに挟んで画を描く。あやつるぽんこと中上亜耶が出演していた時は、「あやつる、ペン!」と言って笑いを取っていたが、今日は中上は出演しないので、そういうことはなし。「女の人にもてないんですよ。女性と付き合ったことがない。つきまとったことは何度もあるんですが」と自虐ネタをやる。ただガリガリガリクソンも頭の良い人なので案外モテるのではないかと思われるのだが。ガリガリガリクソンは、「僕と真剣に付き合ってもいいよという女性の方、いたら手を挙げて下さい」と、いないという前提で客席に話しかけ、第2回の公演と第3回の公演では予測通り誰も手を挙げないので、「無視ですか。中学校を思い出すので辞めて下さい」と言うが、4回目の公演では最後列の女性が一人、手を挙げる。ガリガリガリクソンは「お顔を良く見せて下さい。あ、ごめんなさい、好みのタイプではないです。面食いなんです。女性なら誰でも良いという訳ではない」と処理した。

ガリガリガリクソンは肥満体であるため暑がりであり、グリコのポッキーの箱をTシャツをめくって露出した腹に投げると引っ付くという特技がある。ということで、客席の人を指名して、ポッキーの箱を投げて貰い、腹に接着させて貰おうという芸を行う。投げる人も個性があって、女性はポッキーの箱を開けようとするし、ガリガリガリクソンが「髪形が野球部っぽいから」という理由で選んだ少年(実際に野球部に入っている子であった)は全力投球して腹に思いっ切りぶつけ、今日ある4回の公演を全て観ているお客さんはポケットからマイ「プリッツ」を取り出して投げるという、笑いを取る行為に走っていた。

アキナ。山名が昨年の夏の全国高等学校野球選手権石川県大会の決勝、星陵高校対小松大谷高校の試合で、9回表まで0-8で小松大谷にリードを許していた星陵が、9回裏に一挙9点を取って逆転で甲子園出場を決めたという話から入る。山名は「忘れられない試合」と言いながら、小松大谷を小松大宮と言い間違える。スコアも6-0と適当。最終結果も40-5と出鱈目で忘れまくりというネタである(スコアについては3回とも微妙に変えていた)。
そこから高校野球ネタになり、秋山が野球部の補欠で退部したい少年、山名が野球部のキャプテンを演じる。秋山が「キャプテン、野球部を辞めたいんです」と言うと、山名は「いいよ」と言って、秋山から「止めなあかんやん」と突っ込まれる。再度チャレンジ。秋山が、「レギュラーにもなれないし、才能もないし、補欠だし」というと、山名は「補欠」という言葉に噴き出してしまう。秋山が、「そうじゃないやろ。『関係ない』やろ」と言うが、秋山が「才能もないし」、「やっている意味が見いだせないし」、「続けられる自信もないし」という言葉に山名は全部「関係ない」で答えて、秋山から「『関係ない』はそんな万能な言葉ちゃうからな!」と駄目出しされる。

秋山が投げた球を山名が打ち返せたら退部は認めない、山名が空振りしたら秋山は退部出来るという設定で勝負を行うが、山名はバントをする。「どうしても退部させたくなかったので」と山名。

今度は、今は不良となった野球部の元エースが、金網越しに野球部の練習を見ており、それを見た野球部のキャプテンが声を掛けるという設定。
山名が、「何、野球見とんねん。本当は野球部に戻りたいんちゃうんか」と聞く。秋山が「そんな訳あるか。しばくぞ、こら」と答え、山名は「あかん、元エースのお前の右手をそんなことのために使わせたくない」、秋山「なんやと!」と殴りかかる。で、山名が秋山の右手を掴むという設定だったのだが、2回とも秋山の右拳は山名のおでこにヒットしてしまう。
そこで、右手を掴んだ状態で、野球に未練があることがわかるという設定で変えるのだが、山名は「手首にバットのタトゥーが入ってる」と言って、秋山から「気持ち悪!」と言われてしまう。秋山が「そうやないやろ。お前の手の平、マメだらけやないか。今でも毎日素振りしてんとちゃうんか、やろ」と先に山名が言うべきセリフを伝え、山名がその通りに繰り返すのだが、秋山が「そこで心に響く言葉」と要求すると山名は「ヤッホー」と言ってしまう。秋山は「それは山に響く言葉やろ」と駄目出しをする。

最後は、キャプテンの引退シーンであるが、山名は部員を集めるのに犬を呼ぶような仕草をしたり、涙を流す設定のところで口元を拭ってよだれを垂らすジェスチャーになったり、最後に秋山が「ここで熱い言葉を」と促すと、「お湯」とボケたりしていた。

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