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2015年5月 1日 (金)

コンサートの記(187) 遊佐未森 「cafe mimo Vol.15 ~春爛漫茶会~」

2015年4月18日 大丸心斎橋劇場にて

午後5時から、大丸心斎橋劇場で遊佐未森の「cafe mimo Vol.15 ~春爛漫茶会~」を聴く。「cafe mimo」は、遊佐未森が毎年春に行っているライブで、今年で15年目になる。私も良く参加していたのだが、昨年は余り行く気にならず、結局チケットも取らずに終わった。ただ、2年開くと不思議と参加してみてみたくなるもので、今年は大阪まで駆けつけた。なお、遊佐は毎年、大阪でライブを行っているが、京都でライブを行ったことは、私が京都に来てからは1度しかない。

これまでの「cafe mimo」は、西海孝(ギター)と楠均(ドラム)の二人と遊佐による三人編成であったが、今回は編成が変わり、西海孝に代わって、tico moonの影山敏彦(ギター)と吉野友加(よしの・ゆか。ハープ)が参加する。

遊佐未森は私より10歳年上なので、もう結構な歳なのであるが、そうは思えないほど若々しい。歳を重ねていく毎に外見が美しくなっていくタイプのようで、二十代の頃は十人並みと思われていたのが、三十代に入ってから次第に美人へと移行した。整形したとはとても思えないので、内面の充実が外面にも現れたのだろう。

最近の遊佐は、アルバムに1曲ほどピアノ曲を入れているが、今回、同じ仙台出身の同い年で同じ国立(くにたち)音楽大学出身の、かの香織(受験の日に試験会場で出会って、同じ仙台出身ということで、同じ電車で仙台駅まで一緒に帰ったという)の協力を得て、ピアノ・アルバムにまとめたという(会場限定発売)。

今回の「cafe mimo」はそのピアノ・アルバムに収録された曲を遊佐が弾いてスタートする。遊佐は、グレーのTシャツに白のロングスカートという出で立ち。

遊佐未森は四半世紀以上のキャリアを持つシンガーソングライターで、毎年のようにアルバムをリリースしているため、楽曲も膨大なものになり、これまでライブで聴いたことがない曲や、その日に初めて生で聴いたという曲も多い。

遊佐未森の出世作は、アーノルド・シュワルツェネッガーが出演した日清カップヌードルのCM曲となった「地図をください」(この曲は作詞・作曲ともに遊佐が手掛けたものではない)であり、今日は「地図をください」も歌われる。遊佐のCM曲としては「ア・ラ・ポテト」というポテトチップスのCMに使われた「タペストリー」(CMではサビの「タペストリー」を「ア・ラ・ポテト」に変えたものが使われていた)も有名であるが、その「タペストリー」も歌われる。「タペストリー」ではリコーダーも吹いた遊佐だが、続く「街角」でもリコーダーを演奏する。

「cafe mimo」はなるべく春っぽい曲をセレクトしているようだが、毎回のように演奏される「一粒の予感」は今日も演奏される。「cafe mimo」ではカバー曲を歌うのも定番であるが、今日は「Close to You」(邦題が「遥かなる影」なのは謎だが)とU2の「ヴァーティゴ」を歌う。U2はご存知の通りロックバンドで、「ヴァーティゴ」もロックナンバーであり、遊佐の普段の作風とクロスするものはない。準備運動として遊佐はピョンピョン跳びはねるなど、ロックを意識した歌唱とスタイルであったが、ロックになり切るのは不可能なようにも思えた。U2はアイルランドのロックバンドであるが、アイルランド繋がりで、アイルランドの首都・ダブリンでレコーディングされた「ハルモニ海岸」も歌われる。

「桜、君を思う」は、コンピレーションアルバムに参加した時の1曲。クラシックの旋律を取り入れたポップスを作るというコンセプトのアルバムで、遊佐はJ・S・バッハの「G線上のアリア」を選んで作詞・作曲。伴奏には「G線上のアリア」そのものの旋律も現れる。「桜、君を思う」は、アルバム「淡雪」にも収録されている。

「淡雪」収録の楽曲は他に「poetry days」が取り上げられた。

「cafe mimo」大阪公演のゲストは、ジャズピアニストの渡辺シュンスケ。Schroeder-Headzという一人バンド(いつも一人で演奏するわけではないが、固定メンバーは渡辺だけで、共演者は毎回異なる)名義でも活動している。渡辺は遊佐の大学の後輩でしかも学科も同じだという。音大出身のミュージシャンはそれほど珍しくなく、国立音楽大学出身のミュージシャンも多い。ただ、遊佐と渡辺は音楽教育学科(現・音楽文化教育学科)出身で、ここは基本的に音楽教師になりたい人が進む学科であり、ミュージシャン志望の人は同じ音楽学部でも演奏・創作学科(現行。それ以前は、演奏学科と、作曲などを習う音楽文化デザイン学科に分かれていたようである)を選ぶことが圧倒的に多い。そのため、ミュージシャンで学科の先輩後輩に当たる人は本当に少ないそうで、渡辺は遊佐のことを「先輩」と呼ぶ。ちなみに国立音楽大学の音楽教育学科出身の有名人には、好きな女子アナ第1位になったり嫌いな女子アナ第1位になったりと波が激しいことで知られる加藤綾子アナウンサーがいるが、彼女は勿論、音楽家ではない。

渡辺は、ジーンズにグレーのジャケット、同じ色の山高帽というスタイルで登場。普段はピアノのそばにいるので、登場して遊佐と会話をしている時に、「普段はステージの前の方にいることがないので違和感がある」と語っていた。

「花弁」を意味する「Petal」という曲がまず演奏される。神秘的な作風の曲である。ギターの影山、ハープの吉野、ドラムの楠は最初から演奏に加わり、遊佐は曲の終盤でヴォカリーズとして参加する。

渡辺の2曲目は渡辺のピアノ・ソロによる「newdays」。他のメンバーはステージからいったん退場する。
快活でいかにもジャズという曲であった。

本編のラストの曲は「オレンジ」。その後、アンコールで、榎本健一の歌唱で知られる「青空(私の青空)」が歌われる。この曲は歌詞が1番しかないが、最初と最後を遊佐が、2度目を渡辺シュンスケが、3度目は会場のお客さんも一緒に歌う。遊佐は元祖癒やし系シンガーともいえる存在なので、彼女のファンもそうした歌を好む人々。というわけで、大阪のオーディエンスといえどもそれほどノリノリで歌ってはいなかっった。
ちなみに、「愛の火影の差すところ」という歌詞があり、「火影」は普通は「ほかげ」と読むのだが、「青空」が収録されたアルバム『檸檬』では、「ひかげ」と誤読した歌唱が収められており、今日も「ひかげ」と歌っていたので、間違えたままらしい。

アンコールとしてもう1曲、「See You in Spring」が歌われたが、再アンコールがあり、影山と吉野の二人の伴奏による、アンドルー・ロイド・ウェバー(ミュージカル「キャッツ」や「オペラ座の怪人」で知られる作曲家である)の「レクイエム」より“ピエ・イエス”が歌われる。クラシックの素養があり、ソプラノの歌い方する遊佐だけに、宗教曲の歌い方も様になっていた。

いつもは2時間以内に収まる「cafe mimo」であるが、今日は長く、上演時間は2時間半に及んだ(途中休憩なし)。

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