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2015年6月13日 (土)

観劇感想精選(154) M&Oplaysプロデュース公演「結びの庭」

2015年3月27日 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて観劇

午後7時から、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで、M&Oplaysプロデュース公演「結びの庭」を観る。作・演出・出演:岩松了。出演:宮藤官九郎、麻生久美子、太賀(たいが)、安藤玉恵。出演者5人、岩松了はちょっと出るだけなので、実質的には4人の役者で見せる心理サスペンスである。上演時間約2時間20分。途中休憩なし。

芝居はまず、安藤玉恵演じる家政婦・丸尾操の一人語りから始まる。丸尾は弁護士の水島家の家政婦なのだが、水島家は名家であり、当代当主の水島慎一郎(宮藤官九郎)も弁護士で、水島の妻は、経団連会長・来宮信介(きのみや・しんすけ)の一人娘である瞳子(とうこ。麻生久美子)である。丸尾は水島家の家政婦というだけでよそを歩いていても特別な目で見られるという。
水島には秘書がいる。22歳と若い近藤未來(太賀)である。近藤は秘書ではあるが将来的には弁護士を目指しているようだ。

水島と瞳子の関係は、5年ほど前に起きた事件がきっかけだった。瞳子には恋人がいた。横山という男だったが、死体で発見され、瞳子に容疑か掛けられた。瞳子の弁護士を担当したのが水島であり、水島は瞳子の濡れ衣を晴らすことに成功。そして、1年前の今日に水島と瞳子は結婚したのだった。しかし「濡れ衣」という言葉を使ったのは丸尾であり、実のところは……

麻生久美子は舞台上に現れた時から、目つきや雰囲気などから一目で妖女とわかる演技。こうした雰囲気を出す事も容易でないのに、単なる妖女ではない愛らしくも短気で蠱惑的な女性を演じて見せる。麻生久美子は理知的でも憑依的もないタイプの天才女優で、特に工夫せずに演じてもその役になれてしまうという、得がたいタイプの役者である。麻生久美子は事務所が強いわけでもないのに、とにかく映画に出まくっているが、その理由が彼女が性格美人で監督や他の俳優から声が掛かるということの他に、麻生久美子しかなり得ない役というものが存在するためだと思われる。

千葉県出身の麻生久美子は私が最も理想とする容姿に近いタイプの女性であり、今日は前から3列目の真ん中ということで、麻生さんの演技を間近で見ることが叶って嬉しかった。

最初(丸尾のみ出演)と最後(水島の瞳子の二人きり)のシーンががどこかわからないメタ的な場所であり、ラストも取りようによっては何種類も取れるタイプの芝居である。こうした劇も私は嫌いではないが、本音を言うと「その先が見てみたい」と思う。思わせぶりなセリフや、やり取りの連続ではなく、もっと直接的な表現によって。

安藤玉恵、太賀は熱演。宮藤官九郎は何度かセリフを噛んでいたが、彼は今は作家が本業であるし、佇まいは良かった。弁護士には見えなかったが。
岩松了は末次民雄という瞳子の秘密を知る人物役。たかりを生業とする碌でもない人物であるが、この悪役を飄飄と演じていた。計算高い悪役だともっと良かったのだが。

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