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2015年8月24日 (月)

コンサートの記(200) 広上淳一指揮京都市交響楽団第6回名古屋公演(2015)

2015年7月30日 名古屋・栄の愛知県芸術劇場コンサートホールにて

午後6時45分から、愛知芸術劇場コンサートホールで、京都市交響楽団第6回名古屋公演を聴く。指揮は京都市交響楽団常任指揮者の広上淳一。京都市交響楽団の名古屋公演では京都では中々取り上げられない演目が演奏されるのが特徴である。

曲目は、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番(ピアノ独奏:清水和音)、ベルリオーズの幻想交響曲。

午後6時45分開演の公演というのは、京都でも大阪でも東京でもほとんど例がないが名古屋では普通にある。これが名古屋の独自さというものなのだろう。

今日の京響コンサートマスターは泉原隆志、フォアシュピーラーに渡邊穣。首席クラリネット奏者の小谷口直子は全曲に出演。首席オーボエの高山郁子はラヴェルとベルリオーズに出演(モーツァルトにはそもそもオーボエのパートはない)、首席フルートは清水信貴はベルリオーズのみの出演である。金管であるが、今日座った位置からでは誰が吹いているのかわからなかった。

今日も指揮者と対面した席。指揮者の仕草が手に取るようにわかる席である。

ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、日本人指揮者と日本のオーケストラのコンビに望みうるものとしては最高級にノーブルな演奏である。管の輝きもあるが、弦も煌めくように美しい。

モーツァルトのピアノ協奏曲第23番。ピアノ独奏の清水和音(しみず・かずね。男性)は、若くして世に出たが、世界的に活躍、というよりは日本を中心に堅実なピアニスト活動を続けている人である。

広上の指揮する京響は部分的にピリオド・アプローチの要素も入れた雅やかな伴奏を奏でる。清水のピアノはクリアだが、第3楽章の入りは少し乱暴だったかも知れない。

清水のアンコール曲はなんとピアノ原曲による「亡き王女のためのパヴァーヌ」。技術的にちょっと怪しいところもあったが、垢抜けた演奏をする。

ベルリオーズの幻想交響曲。冒頭を速めのテンポで開始した後でリタルダンドする。京響の弦、特に第1ヴァイオリンの輝きは凄まじく、音というよりも光を感じさせる。

第2楽章の「舞踏会」でも、広上と京響はチャーミングな音作り。広上は指揮棒を逆手に持って人差し指と中指の二本だけで指揮することも多い。

第3楽章のオーボエのバンダは、パイプオルガンのすぐ下にいる。コーラングレ(イングリッシュホルン)と対話を交わしたオーボエは出番が終わるとすぐに退場する。
ラストにおけるティンパニによる雷鳴も大迫力だ。

第4楽章「断頭台への行進」は、美しい音色を保ったままで悪魔的な迫力を出す。力まずに華麗な音を出し続けているだけに却って不気味である。

第5楽章「ワルプルギスの夜」では、不気味さの強調こそないが、音の奔流が凄まじい。鐘が鳴る直前で下手の口が開き、明るめの鐘の色が袖で鳴る。ちなみに広上は鐘に指示する際に、右上に向かって手を示してた。カメラがあったのか、袖で指示が見えるようにそうしたのかは不明。
ラストに向かって広上と京響はギアを上げ、最後は愛知芸術劇場コンサートホールを揺るがすほどの鳴りで掉尾を飾った。最高クラスのベルリオーズである。

カーテンコールに広上は何度か応えた後で、客席に向かって「暑いですね」と言って笑いを取り、「大好きな名古屋に今年も来ることが出来て嬉しいです。来年もまた来ます」と続ける。「ラヴェルでお出迎えしてまた同じ曲をピアノで弾くということがあったわけですが、打ち合わせも何もしておりませんで予想外の事態」と語ってまた笑いを取り、「名古屋フィルハーモニー交響楽団の桂冠指揮者は小林研一郎先生ということで、小林先生の真似をして」と言って、広上と京響は小林研一郎のアンコールの定番である「ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)」を奏でる。抒情美溢れる演奏であった。

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