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2016年4月14日 (木)

「談ス」京都公演

2016年3月24日 京都市左京区岡崎のロームシアター京都サウスホールにて

午後7時から左京区岡崎のロームシアター京都サウスホールで、大植真太郎、森山未來、平原慎太郎の3人によるダンス公演「談ス」を観る。
アクロバティックなダンスとセリフとまでは呼べず「談じている」と書いた方が適当な言葉によって生み出される公演。

ロームシアター京都サウスホールに入るのは初めて。ロームシアター京都メインホールは京都会館第1ホールを完全に取り壊してから新しく建てたが、ロームシアター京都サウスホールは京都会館第2ホールの内部改修である。ホワイエなどには一部、京都会館第2ホールの面影を残しているところがあるが、ホール内は別物。メインホール同様ステージが広くなった。京都会館第2ホールのステージは昔の公会堂同様に少し高かったのだが、サウスホールのものは程良い高さ。客席数は1階席はかなり減らしたようである。面白いのは両サイドにあるテラス席で、普通のテラス席はホワイエから続く階段を昇り、扉を開けてホール内に入るのであるが、サウスホールはホール内に階段があり、テラス席に向かって階段を昇っているお客さんの姿がホール内から見えるのである。
1階席であるが、席を前後列とずらして頭と頭の間からステージが見えるように工夫されている。ただ傾斜の問題で、少し猫背の人や座高の高い人がいるとステージが見えにくくなるのが残念である。
リノリウムカーペットに白くて大きな円が書かれただけの舞台。舞台サークル内上手奥に小さくて丸いものが置かれているのが確認出来る。下手上方にはモニターが設置されている。

影アナは、「こんばんは、私です。『談ス』京都場所へようこそお越し下さいました。開演の前に3つほどご注意がございます。108あるうちの3つだけです。ホール内は飲食厳禁となっております。それは私も人間ですから上演中に小腹が空いてしまうことはあります。だからといって八つ橋を取り出して……、京都の人は八つ橋は食べない。奈良には行かない」と言った風な洒落だらけのものである。しかも大切なところで噛んでしまったり、ラストでは舌が回らず、「やっぱ駄目だ」と尻切れトンボで終わってしまった。

まず、森山未來が客席後方上手の出入り口から姿を現し、通路を通って前側の空いている席に座る。それからまた立ち上がり、ステージのそばまで来て客席の方を振り向き(女性が「格好いい!」と声を上げる)、ゆっくりとステージに上がる。
それから森山は腹痛を抱えた人の仕草を続け、やがて洋式トイレの便座に腰掛けるポーズをし、それから力む仕草をする。
その後、口から小さな人型を取り出し、小さくて丸いものの上に置く。小型カメラが置かれていて人型がモニターに映る。

「うあー!」と声を挙げながら、平原慎太郎が舞台下手から歩いてくるが、白い円の中に入ろうとして何故か入ることが出来ず、下手に退場。そして再び現れ、今度は何とか円の中に入る。そしてこれまた小さな人型を取り出し、小さくて丸いものの上に置く。

森山未來は平原慎太郎に「何か持っているだろう?」と持っているものを取り上げようとするが、平原は何も持っていない。そして、森山未來が「1」、平原慎太郎が「2」となる。バレエや組み体操などの要素も踏まえたアクロバティックなダンスで円の内側を反時計回りに回る。「1」、「2」は、「アイン」、「ツヴァイ」とドイツ語になったり、「水」、「油」、「男」、「女」などの対比になったりする。

突然、「3」という大声がホール内に響き渡る。大植真太郎が下手側2階テラス席にいて声を発したのである。階段を降り、ステージに上がる。無理矢理「3」として森山と平原の二人に加わろうとする大植だったが最初は拒否される。それでも何とか「3」として加わることに成功。アクロバットは難度を増す。

人型二つとチョークがモニターに映り、それと同じポーズを3人が取るようになる。その後、3人はステージ上にチョークで文字を書き始める。「LOVE」、「勇気」、「HOPE」、「勇気だ愛だと騒ぎ立てずにその気になればいい」。
「勇気」では3人が前に倒れて顎を肩に載せて三角バランスを作る。「カレッジ」という言葉を森山と大植は使うのだが、平原は「ユニバーシティー」といって、そのゲームを打ち切る。
「HOPE」では、組み体操で良くやった、一人の肩の上にもう一人が立って2人で立つというもの。わざとであるが成功しない。チャゲ&飛鳥の「YA-YA-YA」の歌詞である「勇気だ愛だと騒ぎ立てずにその気になればいい」では3人でもつれながらバランスを作っていくアクロバット技が展開される。

その後、上の方から巨大なチョーク上のものが降りてくる。森山未來がそれをもてあそんで傾け、大植真太郎がその傾きや回転に合わせたポーズを取る。
平原慎太郎は怒りをぶちまけながら円の端を反時計回りに回る。巨大チョークは上へと去るが、中に入っていた数多くのチョークは残される。後にこのチョークの山がぶちまけられ、ステージ上はチョークで一杯になってしまう。3人はその後、チョークでステージ上に幾何学的な絵を描いていく。巨大チョークを下ろしてきたワイヤーに小型カメラが付けられ、ステージ上方からの映像がモニターに映る。

大植真太郎が森山未來と平原慎太郎の体を使って、セリフを一人で話すという、文楽のようなことをやったり、森山が再び洋式便座に座って踏ん張る仕草をし、「自分の中から何が生まれるのかわからない。わけのわからないものが生まれてしまったどうしよう」と不安を述べたりする。

大植が中学生でもわかるシンプルな英語を話し、平原慎太郎が日本語に訳す。二人はステージの上を時計回りに歩いて行く。

それから大植が歌を唄ったり、大植のタイツやシャツに森山が首を突っ込んだりする。

大植はその後、激しいダンスを踊ったため、ステージ上手に寝転がって、「I cannot continue.」と言う。それから「Close Your      Eyes.」と客席に話しかけ、「Imagine」、「I am dancing.」と言って笑わせたりする。

ラストは前半にもやった3人による三角バランス。三度目の時に照明が落ち、公演が終わる。
ダンスというべきか、アクロバットというべきか、難度はとても高く、運動神経がかなり高くないと行えない公演である。ダンスの中には運動神経とは余り関係のない種類のものもあるが、「談ス」は並みの運動神経では無理だ。

森山未來は俳優として有名だが、まずダンサーとしての才能を買われ、その後、俳優業へも活動を拡げており、ダンスは得意中の得意であり、大植真太郎と平原慎太郎はプロのダンサーである。


ダンスというものの限界や枠組みを破るための公演であり、特別に意味深い内容が語られるわけではないが、3人の優れたダンサーの妙技を見るだけで楽しめる公演になっていた。

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