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2016年6月30日 (木)

これまでに観た映画より(80) 「悪人」

DVDで、日本映画「悪人」を観る。吉田修一のベストセラー小説の映画化。脚本・監督:李相日、脚本:吉田修一。出演:妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、塩見三省、池内万作、光石研、余貴美子、井川比佐志、松尾スズキ、宮崎美子、樹木希林、柄本明ほか。音楽:久石譲。

長崎県、佐賀県、福岡県という北九州地方が舞台となっており、台詞の大半で九州弁が用いられている(長崎弁、佐賀弁、博多弁に分かれているようだが、私は九州の人間ではないので判別できない)。

博多で保険の外交員をしている石橋佳乃(満島ひかり)は、出会い系サイトで知り合った、福岡市内の大学に通う増尾圭吾(岡田将生)と遊びの恋をしているが、増尾にとって佳乃は遊びの女以外の何者でもない。一方、佳乃はやはり出会い系サイトで出会った解体作業員の清水祐一(妻夫木聡)とも連絡を取っており、待ち合わせの約束をしていたが、祐一が肉体労働系ということで最初から見下していた。待ち合わせの場所で待っていた祐一だが、佳乃はたまたま通りかかった増尾の車に乗り込み、デートすることに決める。車で待っていた祐一には侮蔑の言葉を吐きかけて。

その後、佳乃が遺体となって発見される。警察は殺害現場まで佳乃と増尾が一緒だったことを突き止めていた。そして増尾が名古屋市内のカプセルホテルで発見されるのだが、増尾はシロであった。佳乃を殺害したのは清水祐一であった。祐一は増尾と佳乃が乗った車を尾行し、増尾に足蹴にされ、車から突き落とされた佳乃に近づくも、「レイプされたって言ってやる」などと脅迫された上、またも侮蔑の言葉を浴びせられ、扼殺してしまったのだ。

その後、祐一のケータイに馬込光代という女性(深津絵里)からのメールが入る。やはり出会い系サイトで出会ったのだが、祐一がしていた「灯台の話が忘れられず」メールしたのだった。光代は佐賀県の紳士服販売店で働く女性。佐賀駅前で待ち合わせた二人はドライブに出掛けるが、まずホテルに入り、情事に及ぶ。みな出会い系サイトに遊びの恋を求めているのだが、光代は祐一は本気の出会いを求めているのだと感じた。だが、祐一は光代に「人を殺した」と打ち明ける。
警察署の前に車を停め、出頭しようとした祐一だが、光代は呼び止め、一緒に逃避行することを選ぶ……。

祐一は母親(余貴美子)に捨てられ、祖母の房江(樹木希林)に育てられた。その房江は健康食品の販売員の手口に引っかかり、大量の健康食品を強引に売りつけられてしまう。

一方、佳乃の父親である石橋佳男(柄本明)は、祐一よりも増尾により憎しみを感じ……。

深津絵里がモントリオール世界映画祭で、最優秀女優賞を受賞した作品である。

人を殺害したら悪人であることは間違いないが、人を使っておもちゃのように遊ぶ大人になりきれない若者もまた悪であるし、自社スクープ第一のマスコミもまた悪であり、悪人と逃げようとした光代もまた悪なのである。「悪人」と断言できないほどの「悪」が瀰漫している現代を上手く描いた映画である。

最後の方に出てくる灯台は長崎・五島列島の福江島・大瀬崎のもの。「ロケみつ」の通過ポイントにもなっている。

演出であるが、映像のセンスが今一つの場面が見られたのは残念である。

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