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2016年10月25日 (火)

これまでに観た映画より(82) 「クヒオ大佐」

DVDで映画「クヒオ大佐」を観る。吉田大八監督作品。出演:堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、新井浩文、安藤サクラ、内野聖陽ほか。


実在の結婚詐欺師・クヒオ大佐(映画「カタクリ家の幸福」では忌野清志郎がクヒオ大佐をモデルにしたリチャード佐川を演じている)を主人公にしているがノンフィクションではなく、湾岸戦争の起こった1990年代初頭を舞台にしたオリジナルストーリーである。

現在、大河ドラマ「真田丸」で主演を張っている堺雅人がタイトルロールであるジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐(勿論、偽名である)を演じている。内野聖陽や新井浩文など「真田丸」に出演している俳優も脇を固めており、堺雅人(「真田丸」で真田幸村役)と内野聖陽(同じく徳川家康役)とが直接対決するシーンがこの映画にはある。もっとも、直接対決とはいえ、リアルな設定のシーンで行われるわけではないわけだが。

二部構成であるが一部はかなり短く、第二部が本編となる。第一部の主演が内野聖陽である。

実在したクヒオ大佐は生まれつき鼻が高かったかもしくは整形といわれているが、この映画ではなぜ鼻が高いのかは触れられていない。鼻だけ高い顔も変だし、いつもアメリカ海軍パイロットの制服や軍服姿というのも妙なのであるが、なぜ女達がクヒオ大佐に惹かれるのか、その心理が描かれている。彼女達は騙されていると薄々感づいており、忠告もされながら愛してくれる人を求めてクヒオ大佐に靡いてしまうのである。

妙ちきりんなクヒオ大佐と彼に心傾く女達。その姿は愚かしいが、それ故に人間というものが愛おしく感じられる作品でもある。カオスな展開もあり、生まれついての詐欺師であるクヒオ大佐の妄想のシーンなども入り込んで、登場人物のみならず映画も変な出来で特段優れた作品ではないのだが、楽しめる仕上がりにはなっている。インテリ役が似合う堺雅人が、英語が出来ないのにアメリカ人であると嘘をついて窮地に陥る間抜けな詐欺師に扮し、イケイケ系やキャリアウーマン役の多い松雪泰子が奥手の女性を演じるなど、パブリックイメージとは真逆の役に臨んでいるのも面白い。

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