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2016年12月 6日 (火)

これまでに観た映画より(83) 「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」

DVDで、アニメ映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」を観る。総監督:庵野秀明。実写(声優達が登場)なども挿入した凝った造りである。

神の子・イエスを殺したことで罪を負い、「行き詰まった」人類の歴史を終わらせ、新たなる人類(ニーチェがいうところの超人であろうか)の再生に賭けるゼーレにより、人類は終焉に至ろうとする。

終焉はLCL溶液のような、集合的無意識の海へと帰って行くことであり、自我を溶解させて「居心地の良い」胎内のようなものへの回帰である。そこでは、自分と他人は融合しており、全ては溶け合っていて、他者を傷つけることも他者から傷つけられることもない。

ただ、そうした「死」にもに似た甘い心境は否定される。「真心」=「真の心」でもって、人間は現状であっても想像力を持っていれば自己を否定することなく世界を再生させることが出来る。現実は「居心地が悪い」=「気持ち悪い」ものだが、そう感じられるということもまた生きているということの証なのである。死者は「気持ち悪い」と感じることすら出来ないのであるから。

結果的に、人類は肯定されており、人生は賛美される。「生きる」勇気を奮い立たせてくれるような、優れた映画であった。

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