« 日本科学技術大学教授・上田次郎より | トップページ | コンサートの記(271) 垣内悠希指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 大阪フィル×ザ・シンフォニーホール「ソワレ・シンフォニー Vol.5」 »

2017年2月 5日 (日)

楽興の時(13) ロームシアター京都オープン1周年記念イベント「Kyoto Gathering」

2017年1月31日 左京区岡崎の京都モダンテラスにて

午後6時から、ロームシアター京都パークパレス2階にある京都モダンテラスで、ロームシアター京都オープン1周年記念イベント「Kyoto Gathering」に参加する。写真、映画、音楽などの芸術を取り上げる催し。映画監督の林海象(京都造形芸術大学時代に見知った関係である)、女優の鶴田真由、DJ・作曲家&プロデューサーの沖野修也(おきの・しゅうや)らが参加する。バンド演奏は、Based on Kyoto.とNAOITO☆.Aの2組。


京都モダンテラスに入るのは初めてである。入ってすぐに林海象とバッタリ出会ったので挨拶。林さんは、「取材?」と聞く。取材ではないが、色々なものに接して取り入れようとしているのは事実である。林監督が「取材?」と聞いたのは、おそらく私が色々聞く性分だったからだと思われる。林監督にお目にかかるのは13年ぶりぐらいである。Facebookで繋がっているので、そう遠い感じはしなかったのだけれど。林監督は少し小さくなられたように見えた。林監督は元田中で「バー探偵」という店も経営されているのだが、私は酒が飲めないので行きようがない。

鶴田真由さんも普通にいる。舞台でお見かけした時には気がつかなかったのだが、小柄な方である。

芸術紹介のイベントなのだが、参加者は多くは賑やかに歓談しており、写真や映像をじっくり見ている人は余りいない。

沖野修也のDJタイムが1時間ほど続く。ジャズセッションの音楽が流れていたので、私もコードに合わせて口笛を吹いたりした。


午後7時過ぎから、まず、写真のイベントが行われる。スクリーンが降りており、そこに写真が投影される。
まずは、志津野雷(しづの・らい)による水の写真集『ON THE WATER』(青幻舎)からの映像。その他にバスク地方(フランスとスペインの境にある地域。著名な出身者にモーリス・ラヴェルなど)の男性などの写真もある。
 
鶴田真由は、「今日、新幹線で来たんですけど、富士山が見えたので、写真を撮ろうと思ったら(撮っている間に)すぐ終わってしまって」と言って、写真を撮る時も「撮るよりまず見る」ことが大切だというようなことを語っていた。
 
アラーキーこと荒木経惟の最新作も投影される。荒木経惟は近年は病気のため、自宅から出ることもままならないそうだが、自宅にオブジェを置いて、それを撮ることで活動を続けているという。


続いて映画のイベント。まず、鶴田真由が監督したドキュメンタリー映画の予告編3本が流される。それぞれ、日本の伝統工芸である染め物、石垣島の女性、アイヌの人々の姿を収めている。
鶴田真由は、「現代に生きることに慣れてしまって、他の部分が弱っているような気がする」と語る。ポール・ボウルズ原作、ベルナルド・ベルトリッチ監督の「シェルタリング・スカイ」にも繋がる考え方である。

林海象監督は、日本映画は京都が発祥の地であることを述べ、牧野省三が日本各地を巡回上映していたと語る。更に京都モダンテラスのある左京区岡崎について、「夜に来るところじゃない」と語る。左京区岡崎は白河上皇の時代に、京・白河と並び称された白河の地である。六勝寺という、6つの「勝」の寺の入る寺院がかつては建ち並んでいた。今でも岡崎は平安神宮を始めとする神道、金戒光明寺や真宗大谷派岡崎別院などの寺院、更には新宗教の施設も多い宗教地域でもある。
林監督によると、「今でも祇園の石塀小路なんかに行くと、新選組の幽霊が出るといわれている」と語る。ただ、「一番会いたい人って、もういない人じゃない」とも言う。野田秀樹の「パンドラの鐘」にも、「(亡くなった知り合いに会ったら、退きながら嫌悪の)おお! ではなくて(手を取って喜びの)おお!」だろうというセリフを書いている。映画の宗教的側面である。村上春樹もエッセイでそうしたことを書いている。なんだか人の意見ばかり引用しているようだけれど。
林監督は、下鴨神社で映写会も行っているという。「神様は映画知らないから(映画が出来たのは100年ちょっと前に過ぎないという意味)」ということで、映画を神事として奉納したのだという。下鴨神社の関係者も喜んで協力してくれたそうだ。

林監督の映画「BOLT」の予告編が流れた後で、同じく林監督による短編映画「GOOD YEAR」が上映される。上映時間は23分である。出演は、永瀬正敏と月船さららの二人。子役二人も登場するが重要な役ではない。2014年12月24日の山形が舞台。永瀬正敏演じる男は零細工場を営んでる。その工場には「幽霊が出る」という噂や「水槽には人魚がいる」などという噂がある。
品川ナンバーの車に乗った女(月船さらら)が、雪道でハンドルを取られ、零細工場のそばに突っ込む。男は女を助け、工場内に運ぶ。シューベルトの「アヴェ・マリア」の音に気づいて女は目覚める。女は自分の名前を「あべ・まりあ」だと告げる……。

林監督が、山形にある東北芸術工科大学(京都造形芸術大学の姉妹校)の教授を務めているということもあって、雪の山形で撮られた映画である。東北ということで東日本大震災にも触れている。

私が、ちょうど今取り組んでいる戯曲に少し重なる部分もある。
ラストはバンドタイム。ノリノリである。Based on Kyoto.もNAOITO☆.Aも変拍子の多い曲を奏でる(4分の4拍子の曲もある)。空いたスペースでは人々が踊り、一昔前のディスコ(クラブよりもディスコだろうな)のようになっていて楽しい。私も拍を取りながら動いた。

|

« 日本科学技術大学教授・上田次郎より | トップページ | コンサートの記(271) 垣内悠希指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 大阪フィル×ザ・シンフォニーホール「ソワレ・シンフォニー Vol.5」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40048/64853730

この記事へのトラックバック一覧です: 楽興の時(13) ロームシアター京都オープン1周年記念イベント「Kyoto Gathering」:

« 日本科学技術大学教授・上田次郎より | トップページ | コンサートの記(271) 垣内悠希指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 大阪フィル×ザ・シンフォニーホール「ソワレ・シンフォニー Vol.5」 »