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2017年5月15日 (月)

コンサートの記(299) 押尾コータロー 15th Anniveresary Tour “KTR×GTR”京都公演

2017年4月15日 ロームシアター京都サウスホールにて

午後6時からロームシアター京都サウスホールで、押尾コータロー15th Anniversary Tour“KTR×GTR”京都公演を聴く。押尾コータローのメジャーデビュー15周年を記念して47都道府県全てでコンサートを行うというツアーの京都でのコンサートである。

ロームシアターに着くと、いやに人が多いことに気づいたのだが、今日はメインホールでMr.Childrenのコンサートがあるようだ。Mr.Childrenのロームシアター京都でのコンサートは「一般発売なし」となっていたのだが、あるいはファンクラブ会員限定コンサートだったのだろか。ロームシアター京都メインホールのキャパは2000前後であるが、ミスチルならファンクラブ会員だけでそれぐらい埋まりそうである。
ロームシアター京都のノースホールでは、スガダイローとジェイソン・モランによるジャズピアノのジョイントコンサートがあり、今日は3つあるホールがフル稼働である。


押尾コータローは1968年生まれの大阪府出身のギタリスト。大阪生まれの大阪育ちであるが、押尾という苗字は千葉県固有の苗字であるため、先祖が千葉県から移ってきたのだと思われる。
高校卒業後に上京。音楽専門学校でギターを習うほか、プライベートレッスンでもギターを教わる。
その後、大阪に帰り、バンドを組むが当時はベーシストとして参加していた。メジャーデビューは遅く、34歳の時である。
超絶技巧のギタリストとして知られており、右手だけでなく左手でもメロディーを奏でることが可能である。

押尾コータローのアルバムは、2010年に発表されたベストアルバムを持っているだけなのだが、ロームシアターでの公演にはクラシック・ポピュラーを問わずなるべく数多く参加しておきたいということで、出掛けた。チケットを手に入れるのが遅かったため、今日は2階席の一番後ろの列で聴く。サウスホールは空間がそれほど大きくないので、この席でも十分である。

ニューアルバム「KTR×GTR(KoTaRo×GuiTaRの略)」からの曲が中心。1曲弾き終えた後で、押尾は、「ただいま! 京都!」と挨拶する。その後も押尾は軽快なトークを披露。やはりポピュラー系は喋りが上手い方が得である。少なくとも話が面白くて得をすることはあっても損をすることはない。

押尾は、「ロームシアター京都、以前は京都会館の第2ホールだと思うんですか、その面影もなく」「パワーアップして。普通はリニューアルすると『前の方が良かった』という声が上がったりするんですが、そういうこともございませんようで」と語る。あんなオンボロホールが良かったという人がいるとも思えない。音楽関係者が口をそろえてボロクソにいう旧京都会館とはなんだったのだろう。おそらくだが、音楽を気持ちよく聴きたいということで、京都会館があった頃も、大阪やびわ湖ホールでの公演を選んだ人もいたと思われる。

押尾はまだロームシアターの構造を把握していないようで、サウスホールのことを、「ノースホール」と言い、ファンから「サウスホール」と言われた後も、「ノースホールはミスチルですもんね」と言っていた(ミスチルがやっているのはメインホールで、ノースホールはメインホールの地下にある小ホールである)。

オリジナル曲が大半であるが、1曲だけ編曲ものがある。ラヴェルの「ボレロ」をギター1本で弾くというもの。勿論、原曲通り15分全てはやらないが、メロディーだけでなく、弦楽が行うピッチカートや、スネアがやるボレロのリズムなども一人で演奏する。見ていても一体どうなっているのかよくわからない。転調があってラストへ、というところでアクシデントがある。押尾が「手がつってしまった」ということで演奏を中断。もう一度、最初からやり直す。あともう少しで終わるというところだったのだけれど。再度「ボレロ」を弾き、演奏を終えた押尾に温かい拍手が送られる。
押尾は、「ありがとうございます」と言って、「皆様と同じ時代に生まれてこられたということに感謝を込めて」というメッセージも込めて、「Birthday」という曲を演奏した。

トークであるが、ギターを始めた理由について、「『えーっ』と言われちゃうんですけれど、女の子にもてたかったから」と打ち明ける。男子がギターを始める理由は99%が「女の子にもてたかったから」だといわれている。ギターを辞める理由もほぼ「もてなかったから」だというアンケート結果があるようだ。残りの1%は「親がギタリストやギター好きだったから」らしい。
中学時代に、同級生が松山千春を弾いているのを見てギターを始めた押尾であるが、中学時代は下手だったそうで、「押尾君、ギター上手いね」と初めて言われたのは高校1年生の時だそうだ。
高校3年になって進路を決める際に、「僕はギターが得意なので音大に行きたい」と言ったところ、「お前? 楽典って知ってるか? お前じゃ絶対に無理」と言われて発奮し、楽典を買ってきて勉強を開始。絶対音感を身につけたいとも思ったものの、いきなりは無理なので、チューニングの「ラ」の音を覚えようと、音叉を耳にして、高校までの通学の30分の間、ずっと、「ラ」を口ずさんでいた「ラ少年」だったそうだ。「すれ違った人は、なんや? あいつ? と思ったでしょうが」。結局、音大に進むにはピアノが弾けないといけないということで、大学進学は諦めたそうだが、その時の勉強は生きているそうだ。
今でも、記譜を行っているときに、「あー、ミュージシャンしてるな」と思うそうで、そのことを書いた「えんぴつと五線譜」という曲を披露した。

最近、映画音楽に初めて取り組んだそうで、「同級生」といライトBLのアニメ映画。原作マンガを読み、最初はメロディアスな音楽を書いていったのだが、番宣用の音楽として披露したところ、「もっと抽象的な音楽で良い」と言われ、和音をアルペジオで弾いたところ、「それで良い」と言われて戸惑ったということも話す。本編ではきちんとした音楽が必要なのだが、最初は「オープニングとエンディングの音楽だけ」で、本編は本職の劇伴音楽作曲家が担当するはずだったのだが、いつの間にか「本編の音楽も」という話になっており、全編、押尾が音楽を手掛けることになったそうだ。
「同級生」から、メインテーマである「Innocent Days」と「風と空のワルツ」が演奏された。


アンコールでは、三菱電機のカーナビのCM曲である「Together!!」の他、「皆さんの人生が美しき人生となりますように」ということで、「美しき人生」が演奏された。

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