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2017年12月20日 (水)

観劇感想精選(224) 「當る戌歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」夜の部

2017年12月17日 左京区岡崎のロームシアター京都メインホールにて観劇

午後4時から、ロームシアター京都メインホールで、「當る戌歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」夜の部を観る。
南座が耐震強化工事中のため、顔見世は昨年はキャパの狭い先斗町歌舞連場で行われたが、今年は南座よりも大きいロームシアター京都メインホールで行われることになった。ただし4階席は使用しておらず、2階席3階席バルコニーのハイチェアシート(通常よりも高い場所に椅子があり、足かけも下にあるのだが長時間座ると疲れる)も前に衝立状の壁を置くことで隠してある。

夜の部の演目は、「良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)」、「俄獅子」、「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」、「大江山酒呑童子」
「人情噺文七元結」の途中で、八代目中村芝翫襲名口上がある。


「良弁杉由来」。通称の「二月堂」でも知られる演目。坂田藤十郎、中村鴈治郎の親子共演がある。東大寺の大僧正良弁(ろうべん。中村鴈治郎)と母親の渚の方(坂田藤十郎)の再会の物語。
良弁は幼い頃、大鷲に攫われ、東大寺の杉に落とされ、命を落とすところを師の僧正に助けられた。一方、滋賀の里に住んでいた良弁の母・渚の方は、息子がどうなったのかを知るために諸国を放浪、東大寺の大僧正が幼い頃に大鷲に攫われたという噂を聞き、「もしや我が子では?」と東大寺にやって来た。

藤十郎の細やかな心理表現が見物であるが、今日は3階席の最後部ということもあり、藤十郎の抑えた声が聞き取りにくかったりした。


「俄獅子」。中村時蔵が演じる芸者・お蝶と片岡孝太郎扮する芸者・お松のを中心とした俄舞である。中村芝翫と共に襲名した橋之助(国生改め)、福之助(宗生改め)、歌之助(宜生改め)の3兄弟が鳶頭3人を務める。
時蔵の舞は華やかで、孝太郎の舞は艶やかである。


「人情噺文七元結」。24年前に当時16歳の松たか子が初舞台を踏んだ演目でもある。今日は中村壱太郎(かずたろう)が演じたお久は女優が演じても問題ない役なのだそうである。番付によると、松たか子がお久を演じたのは、平成5年(1993)10月の歌舞伎座での公演である。主役の長兵衛を演じたのは中村勘九郎(のちの中村勘三郎)であった。記録によるとお久を演じた女優は波野久里子(波乃久里子)を始めとして、光本幸子、黒木悦子らがいる。

出演:中村芝翫、中村扇雀、中村亀鶴、中村壱太郎、中村魁春、中村梅玉、中村七之助、片岡仁左衛門ほか。

左官の棟梁である長兵衛(中村芝翫)は、腕は良いのだが酒と博打が大好きであるため常に金に困っている状態。今夜も博打で負けて身ぐるみ剥がれて本所達磨横町の家に帰ってきた。妻のお兼(中村扇雀)が長兵衛に娘のお久が出掛けたまま帰ってこないと告げる。長兵衛に愛想を尽かしたからではないかとお兼は考えていた。
そこに吉原の遊女屋・角海老の手代である藤助(中村亀鶴)がやって来て、お久が角海老にやって来ていると告げる。お久は自分が働いて金を拵え、長兵衛に心を入れ替えて貰いたいと思っていたのだった。
社会性は破綻しているが、鯔背なところのある長兵衛役は芝翫に良く合っている。中村扇雀はお兼はオーバーアクションで演じて客席から大いに笑いを引き出した。


「大江山酒呑童子」。中村勘九郎、七之助の兄弟共演がある。
丹波国大江山。鬼が出るといわれている場所である。この頃、都では大江山の鬼神が夜な夜な現れて女の肉を喰らうなどしていたため源頼光(中村七之助)は、「鬼を退治するように」との勅命を受けて、渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武の四天王と独武者として名高い平井左衛門保昌(中村橋之助)を連れて大江山にやって来た。
鬼は酒を好み、童の格好をしているため酒呑童子(中村勘九郎が演じる)と呼ばれている。頼光一行は、八幡神、住吉明神、熊野権現から賜った酒を持参しており、これで酒呑童子を酔わせて討ち取ろうと図っていた。

中村勘九郎の鮮やかな舞と茶目っ気のある演技が見物である。勘九郎の声が父親の勘三郎にどんどん似てきているのも面白い。

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