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2017年12月11日 (月)

コンサートの記(330) 宮川彬良指揮 京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2017「魔法のオーケストラ」第3回“歌うメロディ”

2017年11月12日 京都コンサートホールにて

午後2時から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2017 「魔法のオーケストラ」第3回“歌うメロディ”を聴く。今日の指揮者は作曲家でもある宮川彬良。宮川は、ピアノ、ピアニカ(鍵盤ハーモニカ)、アコーディオンも演奏する。ナビゲーターはガレッジセールの二人。

曲目は、シャーマン兄弟のシンフォニック!「メリー・ポピンズ」、ロジャースの「シャル・ウィ・ダンス?」、ミシェル・ルグランの「シェルブールの雨傘」、ヘンリー・マンシーニの「ハタリ!」より“仔象の行進”、いずみたく作曲の「見上げてごらん夜の星を」、モーツァルト作曲・宮川彬良編曲の「アイネ・クライネ・タンゴ・ムジーク」、ベートーヴェン作曲・宮川彬良編曲のソナタ№14「月光」、宮川彬良が編んだ「オーケストラの為のソドレミ・メドレー」(初演)、チャーチル作曲のファンタジック!「白雪姫」
今日はポップスオーケストラのようなプログラムである。

今日のコンサートマスターは泉原隆志、フォアシュピーラーに尾﨑平。第2ヴァイオリン首席は今日も客演で、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団コンサートミストレスの赤松由夏が務める。


宮川彬良は、スカーレットのベストで登場。手首から先を動かす振り幅の小さい指揮である。たまにおどけた仕草を見せる。
お姉口調で有名な宮川だが、「メリー・ポピンズ」を演奏し終えてから1階席の方に向き直り、マイクを手にして意図的にねっとりとした口調で「みなすぁまぁ」と言って笑いを取る。

ナビゲーターのガレッジセールが登場。川田が「表情がユニークですね!」と言う。ゴリが「僕らモニターで見てたんですけど、楽しくて早く(ステージに)出たくなった」と続ける。
ガレッジセールの二人がポディウム席(今日は自由席)の人たちに「面白い顔見た人」と聞き、大勢が手を挙げた。
宮川は、「今日は、ガレッジセールのお二人に、作曲が出来るようになったかのような体験をしていただきます。更にヒット曲の作り方などもお教えします」と言う。ガレッジセールの二人は「夢の印税生活」と嬉しそうに顔を見合わせるも宮川は「そう上手くはいかないんですけどね」

開演8分ほど前に、京響ステージマネージャーの日高さんが、指揮台の横にフリップを仕込むのを見たのだが、ここでフリップを使う。フリップには「半音の誘惑」と書かれている。半音には誘惑の要素があるということで、宮川がピアノでウエーバーの「舞踏への勧誘」を弾きながら「誘惑、誘惑」と歌いつつ顔芸をする。ゴリが「宮川さん、顔面白すぎ。宮川さん見ちゃう」と言う。
半音を誘惑に使った例として、宮川はフルートにベートーヴェンの「エリーゼのために」を演奏して貰い、続いてトランペットに山口百恵の「ひと夏の経験」を吹いて貰う。そして「人間だけじゃないのよ」ということで、「JAWS」のテーマも演奏させた。

「シャル・ウィ・ダンス?」は、「舞踏への勧誘」、ジャズナンバーの「レッツ・ダンス」、「マイ・フェア・レディー」より「踊り明かそう」を加えた編曲である。

「シェルブールの雨傘」。分散和音をなぞる形でメロディーが紡がれている作品である。分散和音で作られた曲は売れるのが長い、つまりロングセラーになりやすいと宮川は解説する。宮川は「分散和音がキャッチー」と書かれたフリップを四方の客席に見せて回り、がレッジセールの二人から口々に、「もう芸人に見えてきた」、「R-1に出てそう」と言われる。
演奏終了後、ゴリは「シェルブールの雨傘」の感動のラストシーンのことを語り、宮川と二人で夢中になる。
「仔象の行進」。宮川はピアノを弾きながら、意図的に間違えたような音を奏でることでショックを与えるという解説を行った後で、既成の楽器では理想とする音が出ないので、コカコーラの瓶を吹いて音を出したというパートのある曲だと紹介。今日は、特別にコカコーラの瓶を吹いて活躍するザ・ボトラーズに来て貰ったと宮川が説明する。
ザ・ボトラーズの二人が登場。男女のコンビで、男の方はサングラスを、女の方はドミノマスクをつけている。ゴリが「トランペットの早坂さんと稲垣さんのお二人じゃないですよね?」と聞き、宮川は「の、ようなものです」と答える。瓶にはコーラが入っていて、量でチューニングをするようである。女性の方がチューニングを始める時に宮川は「じゃ、稲垣さん、あ、ザ・ボトラーズ……」と言って、ゴリに「稲垣さんって言っちゃったじゃない」と突っ込まれていた。
演奏であるが、コーラのボトルを何本も使うため、かなり忙しそうである。

「見上げてごらん空の星を」。宮川とゴリが指揮台の上に座ってだべるような形で解説。宮川は「距離と角度」と書かれたフリップを出して、「見上げてごらん」のメロディーが飛躍するということを話す。
「見上げてごらん夜の星を」であるが、ジョン・ウィリアムズの「E.T.」や、「ピノキオ」の「星に願いを」のメロディーを加えたファンタジックなものになっていた。


後半。宮川はベストを青色のものに変えて登場する。
「アイネ・クライネ・タンゴ・ムジーク」。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」にタンゴの要素を加えて編曲したものである。いうほどタンゴタンゴしてはいない。

ソナタ№14「月光」。分散和音が続く曲として宮川が紹介する。宮川がピアノ独奏を行い、それを管弦楽が彩っていくというバージョン。宮川はこの編曲ではそれほど自分の色を出していない。

「オーケストラの為のソドレミ・メドレー」。書き上げたばかりの曲で今日が初演である。クラシックに限らず、ヒットした曲は「ソドレミ」で始まる曲が多い、ということで、「高校三年生」や「蠍座の女」を宮川は例としてピアノで弾いた。
演奏されるのは全部で27曲。「千の風になって」「この道」「五木の子守唄」「ピクニック」「白鳥の湖」「ユー・アー・マイ・サンシャイン」「モルダウ」「ドナドナ」「峠の我が家」「山の音楽家」「ツィゴイネルワイゼン」「メリー・ウィドウ」「ハバネラ」「七夕さま」「しゃぼん玉」「赤とんぼ」「浦島太郎」「ドラゴンクエスト」「サザエさん」「日立の樹」「松竹梅」「哀しみのソレアード」「さようならみなさま」「地上の星」「世界に一つだけの花」「もみの木」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
京響ファゴット奏者の村中宏がフリップめくり係をユーモラスに務めた。
宮川は、「私の父親も作曲家だったのですが(「宇宙戦艦ヤマト」などでお馴染みの宮川泰)、口癖でよく「メロディーがもうなくなった」と言っておりました。ただ私はソドレミでこれだけ多様な表現が出来るのだから、そうではないんじゃないか」と作曲の可能性について言及する。ピアノを弾きながら、「音はただの音でしょう。こっちもただの音でしょう。でも音と音とを繋ぐとメロディーになる。繋ぐのは、それは愛でしょう?」

ラストのファンタジック!「白雪姫」。愛らしい演奏となった。

京響は透明感溢れる音を生かした好演を展開。音の通りが良く、チャーミングな表情を生み出している。

ゴリが、「今日のこれで、宮川さんに憧れて作曲家になりたい!と思う人が出てくるかも知れませんね」と言うが、宮川は、「責任は持てません」と答えていた。


アンコールとして宮川彬良の作品が2曲、「風のオリヴァストロ」と朝の連続テレビ小説「ひよっこ」より“がんばっぺ みね子”が演奏される。いずれもメロディアスで美しい曲であった。

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