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2018年1月10日 (水)

コンサートの記(337) ハンスイェルク・シェレンベルガー指揮 京都市交響楽団特別演奏会「ニューイヤーコンサート」2018

2018年1月7日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団特別演奏会「ニューイヤーコンサート」を聴く。指揮はハンスイェルク・シェレンベルガー。

オール・モーツァルト・プログラム。「イドメネオ」からのバレエ音楽、オーボエ協奏曲、交響曲第39番が演奏される。

ハンスイェルク・シェレンベンガーは、1948年生まれの指揮者兼オーボエ奏者。ケルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者を経て、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を1980年から2001年まで務めている。1991年にハイドン・アンサンブル・ベルリンを設立し、芸術監督に就任。1994年頃から本格的な指揮者活動に入り、2013年から岡山フィルハーモニック管弦楽団の首席指揮者を務めている。

今日のコンサートマスターは泉原隆志。フォアシュピーラーに渡邊穣。ニューイヤーコンサートということで女性楽団員達は明るめの色にドレスアップして登場。コントラバス副首席の石丸美佳のように羽織袴の人もいる。一方で首席クラリネットの小谷口直子はいつもの衣装にちょっとしたアクセサリーをつけただけの人もいる。
「イドメネオ」からのバレエ音楽より「シャコンヌ」と「パ・スール」。シェレンベルガーはかなり徹底したピリオドアプローチを採用している。HIPのボウイングによる弦楽の漸強などは古楽器風演奏のお手本のようだ。京響の音色は純度が高く、モーツァルトに最適である。「モーツァルトの京響」のDNAが今も息づいているようだ。


オーボエ協奏曲。シェレンベルガーによる弾き振りである。今日もポディウム席を選んだのだが、ここはオーボエの独奏を聴くにはやはり適していないようだ。音が小さく聞こえる。失敗したな。ただシェレンベルガーの腕の確かさは伝わってくる。

アンコールとして、シェレンベルガーは、ブリテンの「オヴィディウスによる6つの変奏」より第1曲を演奏する。わかりやすい曲ではないが、不思議ともう一度聴いてみたくなるような内容がある。ブリテンの曲は他のものもそうだが、何らかの引っかかりを感じるものが多い。


メインの交響曲第39番。ピリオドということでかなり速めのテンポを採用。ティンパニに意図的に割れるような音を出させているのも興味深い。詳しくはわからないが、皮を緩めに張っているのだろうか。マレットはごく普通のものに見える。
速めのテンポで進めているにも関わらず、シェレンベルガーは、急速な加速と減速を断行。不自然な感じもしたが、フォルムを崩さない計算とそれについて行く京響は見事である。
第3楽章と第4楽章は特に速い。このテンポでまろやかさが出せたら本物だが、まだそこまでは行っていないように感じる。ともあれモーツァルトを聴く楽しみを十分に味わうことが出来た。

アンコールの前にシェレンベルガーが客席に向かって「あけまして」と言い、京響の団員が「おめでとうございます」と続けて、新年を寿ぐ。

アンコール演奏はやはりモーツァルトで歌劇「フィガロの結婚」序曲。もうちょっとロココ風の味わいも欲しくなるが、溌剌とした新年の幕開けに相応しい演奏であった

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