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2018年1月26日 (金)

いちご世代の悲哀

※ この記事は2018年1月5日に書かれたものです。


本日、1月5日(執筆時点)は、語呂合わせで「いちご世代」の日です。今では15歳前後の人たちを指す言葉になっているようですが、かつて特定の年代を指して「いちご世代」と称した時代がありました。バブル絶頂の時代に15歳前後で「将来の消費の担い手」とされ、注目されていた団塊ジュニア、更に絞ると1971年生まれから1974年生まれの、出生数が200万人を超えた第二次ベビーブーマーがそれです。

ただこの「いちご世代」が消費者として重要視されたのは彼らが中高生の頃までで、突如として状況が変わります。いうまでもなくバブル経済の崩壊です。

元々世代層が分厚く、人口の多い「いちご世代」は過酷な受験戦争にさらされることになりました。京都府などは総合選抜制度だったので高校受験などはそうでもないようですが(私は個別選抜しかない関東の出身です)大学受験になると、数十倍の倍率は当たり前でした。私も「いちご世代」なので受験大戦ともいうべき体験をしているのですが、最も倍率の高いところは約70倍でした(幸い、突破しましたが)。

ということで、大学に入るのが難しかった世代です。大学進学率は「いちご世代」が18歳前後を迎える1990年代前半に一時的に下がっています。

しかも女子に関しては、「いちご世代」が高校生だった時分に女子大生ブームがあり、「いちご世代」が大学に入学すると今度は女子高生ブームになります。ことごとく光が当たりません。そして大学在学中にバブルが弾けて長きに渡る就職難の時代が到来します。

というわけで、「いちご世代」という可愛らしい愛称は吹き飛んでしまい、「氷河期世代」、「ロストジェネレーション」、「貧乏くじ世代」などという重苦しい名称が生まれて定着するようになりました。「労多くして報い少なし」がこの世代の特徴です。

就職出来たはいいものの、下が入ってこないので、いつまで経っても下っ端という経験をしている人も多いようです。

彼らは第三次ベビーブームの担い手とも期待されたわけですが、思うような就職が出来なかったため、まずお金がない、自由恋愛が王道の時代になっていたのですが日本においては世代に関係なく恋愛強者は3割程度、そして厳しい受験戦争を戦わなければならないということで子供の頃から自主・自立を求められたことが多く(自主や自立は校訓などによく入っていたように思います)故に一人で生きることに慣れている。生き抜くのが大変だったため、我が子に同じ思いをさせたくないなどの理由が重なり、結婚もしなければ子供も作らないという人が多いのが特徴です。マスコミは「草食男子」だの「草食化」などと喧伝しますが、多分、これは的外れで、経済的理由と社会環境、個人もしくは集合的な経験の合算と見るのが適当だと思われます。

というわけでなにかと苦労の多い世代なのですが、単純に数が多いということはメリットでもあります。連帯が苦手であることが特性の一つとされる「いちご世代」、いやもうこの言葉を使うのはよしましょう、「悲運の世代」が幸運を生み出せるとしたら、そのボリュームによって日本を良い方に導ける可能性があるということです。というよりももうすでに40代半ばに達したこの世代が行えることはもうそれしかないのかも知れません。それしかないというのがまた悲運なのか、可能性があるから幸運なのか、それは個人の解釈によって異なってくると思われますが、社会を変える可能性を持っているのは2018年現在においてはこの世代しかいないのも事実です。

この世代にしか出来ないことがある、なら「悲運だから」と肩を落としていないで、まだ未来に賭けられる可能性があることに胸に前進していくことが最良の生き方なのかも知れません。

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