« 月と文化 | トップページ | これまでに観た映画より(95) 「火花」 »

2018年1月19日 (金)

西郷どんの顔

※ この記事は、2017年12月18日にかかれたものです。

 

Saigo

1898年12月18日、上野公園で西郷隆盛銅像除幕式がありました。作は高村光雲(高村光太郎の実父としても有名です)。西南戦争での西郷の自刃から21年後のことです。ただこの時、西郷未亡人の糸さんが除幕式に立ち合い、「宿んし(主人)はこげんなお人じゃなかった」と語ったというエピソードは有名です。また西郷を高く評価していた板垣退助は、上野の銅像の出来に不満であり、自らが動いて西郷の顔によく似た肖像画を作らせています(現在は行方不明)。

2018年の大河ドラマ「西郷(せご)どん」の主役である西郷隆盛。木戸孝允、大久保利通と共に「維新三傑」の一人に数えられ、知名度も抜群の人なのですが、本当はどんな顔をしていたのか、今になってはわからないという人でもあります。西郷は写真嫌いであり、俗に「幽霊と西郷には写真がない」といわれている通り、あの時代にありながら写真を一枚も残しませんでした。戊辰戦争時に東征大総統府下参謀などを務めた西郷ですが、文字通り参謀的な役割を担うことが多く、自身の顔が広まるのを嫌ったという話もあります。

西郷隆盛の顔としてよく知られているものは、上半分が西郷の実弟である西郷従道(じゅうどう)、下半分が西郷の従兄弟の大山巌の顔を参考に、明治天皇の肖像画などで知られるイタリア人画家のキヨッソーネの手がけた銅版画で、あくまでも肖像画であり、写真ではありません。キヨッソーネは西郷と面識はなかったそうで、あの顔は想像の産物です。西郷隆盛の軍服などが残っているのですが、それから推察すると従来のイメージほどには肥満体型の人ではなかったことがわかります。

一方で、生前の西郷に会ったことがある人が描いた肖像画がいくつか残っていますが、西郷隆盛の顔のイメージから大きく離れたものという印象を受けないのも確かです。意志の強そうな大きな目、角張った顔立ち、大きな耳が共通した特徴です。ともあれ、肖像画も西郷本人を目の前にして描いたものはないようで、決定版といえるものは存在せず、今後も現れることはないでしょう。

ただ、西郷隆盛の実際の顔がわからないということは、同時代の偉人達の多くが写真を残しており、本当はどんな顔をしていたのかわかっているからこそ問題になるわけで、それ以前の肖像画しか残っていない歴史上の人物と同列だと考えれば、特に問題ではありません。考えてみれば政治家の場合、顔が違ったら成したことも変わっていただろうと思われるケースは、ジョン・F・ケネディなど少数にとどまるはずで、顔の影響を重要視するのは、マスメディアが発達した時代の考え方なのかも知れません。

「それでも西郷の本当の顔が知れたいんだ!」という方(果たして何人いることやら)には、西郷の曾孫である西郷隆文氏の写真をご覧になることをお薦めします。肖像権侵害の可能性があるのでここには載せませんが、こちらのサイトなどで見ることが出来ます。「ああ西郷の顔だ」と納得される方が多いと想像します。

|

« 月と文化 | トップページ | これまでに観た映画より(95) 「火花」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 西郷どんの顔:

« 月と文化 | トップページ | これまでに観た映画より(95) 「火花」 »