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2018年9月 4日 (火)

コンサートの記(419) エルネスト・マルティネス・イスキエルド指揮 京都市交響楽団第519回定期演奏会

2008年12月7日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の第519回定期演奏会を聴く。指揮者は、シーズン始めの予定から変更があり、スペイン人のエルネスト・マルティネス・イスキエルド(変換したら「椅子消えるど」となった)が指揮台に立つ。

イスキエルドは、1962年、バルセロナの生まれ。現代音楽の指揮を得意としており、ブーレーズ率いるアンサンブル・アルテルコンタンポランの副指揮者を務めたこともあるという。2002年から2006年までバルセロナ交響楽団の首席指揮者(大植英次の前任者である)。現在はバルセロナ響の首席客演指揮者であるという。
イスキエルドと京都市交響楽団は、今年4月に大阪のフェスティバルホールで共演しており、互いに好感を持ったとのことである。

曲目は、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」より抜粋、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲(1919年版)、ファリヤのバレエ音楽「三角帽子」第2部。

指揮者のイスキエルドは、左手に指揮棒を持つ。左手に指揮棒を持つ指揮者を生で見るのは私は初めてである。大阪センチュリー交響楽団を指揮したペンデレツキも左手で指揮棒を持つそうだが、私が接したコンサートではペンデレツキはノンタクトで振っていた。
左利きの指揮者でも、普通は指揮棒は右手で持つ。左手で指揮棒を振るとオーケストラが戸惑うというのがその理由である。
左手で指揮棒を振るイスキエルドの指揮姿を見ていると、確かに奇妙な感じを受ける。鏡に映った指揮姿を見ているような、あるいは鏡の国に迷い込んでしまったかのような。

プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は通常コンサートで演奏される組曲版ではなく、全曲版からイスキエルドが選曲した、演奏時間約45分の抜粋版。
先日、ワレリー・ゲルギエフ指揮のロンドン交響楽団が、同じ京都コンサートホールで、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲第1番と第2番より抜粋を演奏している。比較してみると、京響は弦楽の厚みがないため、音は美しいものの、表面を磨き上げたような印象を受けてしまう。それから、ロンドン響はメンバー全員がスコアに挑みかかるような、一種の獰猛な演奏スタイルがあったが、京響はやはりそれに比べるとかなりあっさりしている。
ロンドン響と京響を比べるのは酷だが、京響も京響としてはベストに近い演奏をしていたと思う。
イスキエルドは、速めのテンポを基調とし、細かい表情や音色の変化が巧みである。

「火の鳥」も縦の線が崩れそうになる場面があったが全体としては好演であり、イスキエルドの祖国であるスペインの作曲家ファリャの「三角帽子」より第2部は明るい音色と溌剌とした響きによる楽しい演奏となった。
イスキエルドは良い指揮者である。

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