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2018年10月29日 (月)

コンサートの記(446) 「時の響」2018楽日 アンサンブルホールムラタ第3部 京都フィルハーモニー室内合奏団×辻仁成 「動物の謝肉祭」

2018年10月21日 京都コンサートホール小ホール・アンサンブルホールムラタにて

「時の響」2018楽日。午後4時から、京都コンサートホール小ホール アンサンブルホールムラタ(通称:ムラタホール)で行われる第3部コンサートを聴く。大ホールでは第3部の演奏会は行われないので、これが「時の響」2018最後の催しとなる。

出演は、京都フィルハーモニー室内合奏団。語りは辻仁成(つじ・ひとなり)。辻仁成は、昨日今日とムラタホールに出演。ギター弾き語りなども行ったようだ(ミュージシャンの時は「つじ・じんせい」名義である)。

曲目は、フォーレの「パヴァーヌ」、ドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」と「夢」(いずれも室内オーケストラ編曲版)、ラモーの「タンブーラン」、サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」朗読付き(台本&朗読:辻仁成)。


フォーレの「パヴァーヌ」。人気曲である。京都フィルハーモニー室内合奏団も典雅さを意識した演奏を行う。

ドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」と「夢」は、いずれもピアノ曲を室内オーケストラ用に編曲したものの演奏。編成にピアノは含まれていない。
ピアノ向けの曲なので、室内オーケストラで演奏すると音が滑らかすぎて流れやすくなるようだが、なかなか聴かせる演奏になっていたように思う。


ラモーの「タンブーラン」は、太鼓とタンバリンが活躍。弦楽はピリオド不採用であったが、古楽の雰囲気を良く表したものになっていた。


メインであるサン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」。朗読を担当する辻仁成が、この日のために書き下ろしたオリジナルテキスト版を自ら初演する。

辻仁成で京都というと、「やっと会えたね」という言葉がよく知られているが、それももう過去のこととなった。

その後、中性を意識したスタイルへと変わった辻仁成。今日もそんな感じである。

辻仁成はまずミュージシャンとしてデビューし、その後に詩人として文壇に登場。小説家に進んだのはその後である。

辻が書いたテキストは、小説家・辻仁成よりも詩人・辻仁成の要素を強く出したものである。動物たちの集まったカーニバルの日の夜明けから日没までを舞台に、「人生」をテーマとした語りが行われる。
辻は、京フィルの団員や客席を笑わせることを第一としているようだが、慣れていないということもあって空回りする時もある。他は冗談音楽だから良いのだけれど、「白鳥」の時にテーマを歌うのは流石にやり過ぎである。チェロの旋律美を楽しみにしていた人もいるだろうし。
ともあれ、ラストは「悩みのない動物=人間の本能的部分」の礼賛で締め、メッセージにはなかなか良いものがあったように思う。

京フィルの演奏のレベルもなかなか。
ピアノは佐竹裕介と笹まり恵の二人が担当したのだが、「ピアニスト」では二人とも楽譜も満足に読めないレベルのピアノ初心者演技入りでたどたどしく弾き、かなりの効果を上げていた。サン=サーンスもこうしたものを望んでいただろう。

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