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2018年11月29日 (木)

コンサートの記(456) ジョン・アクセルロッド指揮 京都市交響楽団第525回定期演奏会

2009年6月7日 京都コンサートホールにて

午後2時30分開演の京都市交響楽団の第525回定期演奏会に接する。指揮は、広上淳一風にいうと外国人の、もっと詳しくいうとアメリカ人の指揮者、ジョン・アクセルロッド。

曲目は、ガーシュウィンのキューバ序曲、リムスキー=コルサコフのスペイン奇想曲、トゥーリナの交響詩「幻想舞曲集」、ラヴェルのスペイン狂詩曲とボレロ。いずれもスペインにゆかりのある音楽である。
アクセルロッドによると、このコンサートのテーマは“Shall We Dance In Kyoto?”とのこと。プレトークで音楽評論家の鴫原眞一がそのことをアクセルロッドに訪ねると、「大好きな日本映画『Shall We ダンス?』から取った」と答えていた。

ガーシュウィンのキューバ序曲は私が大好きな曲。シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団のCDで何回も繰り返し聴いていたことがある。
アクセルロッドと京都市交響楽団のキューバ序曲であるが、やはりリズムが日本人奏者には難しいのか全体的に重めで闊達な感じが出ていない。しかしアクセルロッドの盛り上げ方は巧みで、抜けるような青空が目の前に拡がるような明るい演奏になっていた。
リムスキー=コルサコフのスペイン奇想曲でもリズムは重めだったが、活気溢れる演奏になっていたと思う。

演奏は後半の3曲がより優れていた。
まずトゥーリナの交響詩「幻想舞曲集」。初めて耳にする曲だが、スペインの田舎の光景が想起される穏やかさと華やかさを合わせ持った曲である。3つのパートからなるが、第3曲は日本の現代作曲家の作品を思わせるところがあるのが興味深かった。

ラヴェルのスペイン狂詩曲はゆっくりとしたテンポを採用することで、この曲の妖艶な一面を醸し出すことに成功していたように思う。

そしてボレロ。アクセルロッドは、ラヴェル自身がしていた17分という演奏時間に近いテンポを取る。このテンポで演奏した録音にはアンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団のものがあり、ラストが近づくにつれて魔術的な魅力にとらわれるという蠱惑的な演奏であったが、アクセルロッドと京響の演奏も、そうした独特の魔力を持つものとなった。遅いテンポで歌われる旋律が魅力的であり、それが様々な楽器によって歌い継がれる様は聴く者を惹き付け、終わりを願わない演奏となる。ずっとこの音楽に身を浸していたいと思うのだ。
演奏終了と同時に盛んな拍手と歓声が上がる。やはりボレロという曲は凄い。人を感激させる魅力を持っている。

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