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2019年1月26日 (土)

観劇感想精選(285) 「みんな我が子」

2011年12月21日 西梅田のサンケイホールブリーゼにて観劇

午後7時より、大阪・西梅田のサンケイホールブリーゼで、「みんな我が子」を観る。作:アーサー・ミラー、テキスト日本語訳:伊藤美代子、演出:ダニエル・カトナー。出演:長塚京三、麻実れい、田島優成、朝海ひかる、柄本佑(えもと・たすく)、隆大介、山下容莉枝、加治将樹、浜崎茜、鈴木知憲。

第二次大戦終了直後のアメリカが舞台である。初演は1947年。

ジョー(長塚京三)は、戦時中に飛行機の部品会社を経営していた。しかし、飛行機の部品に欠陥があり、そのために13機もの戦闘機が墜落した。ジョーは裁判で無罪を勝ち取るが、同士のスティーブは実刑となり、監獄で過ごすこととなった。

ジョーは今は製造業で成功している。スティーブの娘のアン(朝海ひかる)がニューヨークからジョーを家主とするケラー家を訪ねてくる。その前日、嵐のため、ケラー家の木が倒れた。その木はジョーの次男であるラリーが生まれた日に植えられたものである。ラリーは終戦後、3年経ってもケラー家に戻ってきてはいない。誰もがラリーは亡くなったものだと思っているが、母親のケイト(麻実れい)だけはラリーの死を受けいれてはおらず、ラリーは今もどこかで生きていると信じている。

アンはラリーの婚約者だった。だが、アンはラリーの兄であるクリス(田島優成)にも惹かれていた。ラリーは帰らないと悟ったアンはクリスと結婚するためにニューヨークからやって来たのであった。かつて相思相愛だった二人は瞬く間に昔の二人に戻って結婚を誓う。しかし、ラリーが生きていると信じているケイトは二人の結婚を認めない。

ケリー家の隣人は医師であるジム(隆大介)と妻で元看護士のスー(山下容莉枝)、そして、フランク(加治将樹)とリディア(浜崎茜)である。ジムとスーはかつてはスティーブやアンが済んでいた家を住まいとしている。
そして、アンの兄で、弁護士となったジョージ(柄本佑)がケリー家にやってくる。ジョージは父親のスティーブをジョーが嵌めたのだとクリスをなじる。そしてアンを連れ戻そうとする。実はスーもジョーは怪しいのではないかと思っていたことがわかり……。


アーサー・ミラーらしい社会派の本である。第二次世界大戦終結から2年後に上演された作品であるが、資本主義の矛盾を早くも的確に突いており、社会的な成功が果たして人間として優れていると言えるのかどうかを観るものに問いかけてくる。

俳優達は、繊細で丁寧な演技を見せる。長塚京三の存在感と演技の自然さ、麻実れいの細やかな心理描写、朝海ひかるの可憐さ、山下容莉枝の表情の多彩さ、柄本佑の台詞回しの上手さなど、いずれも特筆事項である。

カーテンコールでは客席が総立ちとなる。初演から長の歳月を経ても、なお生き続ける優れた舞台であった。

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