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2019年5月19日 (日)

美術回廊(30) 京都文化博物館 「美を競う 肉筆浮世絵の世界」(光ミュージアム所蔵)

2019年5月6日 京都文化博物館にて

京都文化博物館で、「美を競う 肉筆浮世絵の世界」(光ミュージアム所蔵)展を観る。飛騨髙山にある光(ひかる)ミュージアム所蔵の肉筆浮世絵を集めた展覧会。
浮世絵というと版画のイメージがあるが、当然ながら肉筆画も存在する。一点ものであるため版画に比べると数が少なく、また海外に流出する傾向が見られたため、光ミュージアムがその流れを食い止めるために多くの肉筆浮世絵を集めたようだ。

宮川長春、宮川一笑、勝川春水、司馬江漢、勝川春英、水野廬朝、藤麿、葛飾北斎、蹄斎北馬、駿斎連馬、渓斎英泉、歌川豊国、歌川国次、歌川豊広、歌川広重、鳥羽広丸、二代歌川広重、歌川国芳、月岡芳年、月岡雪鼎、三畠上龍、吉原真龍、大石真虎、周幽斎夏龍らの作品が並ぶ。これだけ肉筆浮世絵が揃うのは京都でも稀なことだと思われる。

遊女を描いた作品が多く、「遊女と禿」や桜の下の美女などの図は何人もの絵師が描いている。仏画的要素に遊女を潜り込ませた(?)絵が多いのも興味深い。今と違って聖と俗が一体まではいかないがかなり近しいものであったことを伺わせる。というよりも現代日本社会が宗教からかなり隔たった成り立ちをしているということが実感出来る。

蘭学者としても知られる司馬江漢は唐美人を描いており、描かれている人物像も当然ながら日本人とは異なるが、仄暗い印象が異彩を放っている。

有名画家としては葛飾北斎の作品がいくつか展示されているが、中でも日蓮を描いた一種の宗教画が独特の趣を持っている。

蹄斎北馬が描いた「田植え」という作品は、田植えをしている三人の早乙女の一人が、上空の燕を見つけて指さした瞬間を切り取っており、写真的な面白さがある。

 

第1章と第2章では江戸の浮世絵師の作品が並ぶが、第3章では上方そして地方の絵師の作品がまとまって展示されている。上方の絵師の描いた遊女は江戸の絵師が手がけたものに比べると臨場感や艶めかしさが欠けているというよりそうしたもの全面に出すことが重視されていないことがわかる。関東と関西のエロティシズムには違いがあるといわれているが、これは江戸時代からすでにあり、余り変わっていないようである。
大石真虎は、名古屋の浮世絵師。「遊女と禿」の絵が展示されているが、顔が白塗りではない。これが名古屋なのかどうかはわからない。
周幽斎夏龍は佐賀の浮世絵師である。「物思う女」という上半身がクローズアップされた作品が展示されているが、ほつれ毛の描き方なども江戸や上方とは異なる。

最後に、美術に造詣の深いアイドルとして知られる和田彩花が光ミュージアムを訪れた時の映像を観る。おそらく「ピーチケパーチケ」で流れていたものである。版画では出来ない技法として着物の柄の細やかさなどを挙げていたが、そうか、着物に余りが興味がないのでそれほどじっくりとは見なかった。絵を描くのが苦手ということもあり、審美眼がまだまだ備わってはいないようである。

渓斎英泉 「立ち美人」パネル

 

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