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2019年6月22日 (土)

コンサートの記(564) エリック・ル・サージュ ピアノ・リサイタル2019京都

2019年5月10日 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタにて

午後7時から、京都コンサートホール アンサンブルホールムラタでエリック・ル・サージュのピアノ・リサイタルを聴く。

エリック・ル・サージュは、1964年生まれのフランスのピアニスト。エクサン・プロヴァンスに生まれ、パリ国立高等音楽院を17歳で卒業。その後、ロンドンに渡り、マリア・クルチオに師事。1985年のポルト国際ピアノコンクールと1989年のロベルト・シューマン国際ピアノコンクールで優勝し、1990年のリーズ国際ピアノコンクールでは3位に入賞している。
プーランクの室内楽全集のピアニストとして注目され、シューマンのピアノ曲と室内楽曲の全集、フォーレの室内楽作品全集にも参加している。

曲目は、シューマンの「子供の情景」、フォーレの夜想曲第6番、ドビュッシーの「子供の領分」、シューマンの「謝肉祭」
前半に子供時代を描いたピアノ曲として知られる2つの組曲が並ぶという意欲的なプログラムである。

 

シューマンの「子供の情景」は、1曲目の「見知らぬ国から」の3連音を崩し気味に弾くなど、即興性が強い。ドイツ人や日本人のピアニストだったら思い入れたっぷりに弾くであろう「トロイメライ」も速めのテンポで流すように歌う。文学性や物語性よりも響きを重視しているのもフランスのピアニストらしいところである。

シューマンのスペシャリストとしても知られるル・サージュだが、フォーレの夜想曲第6番における音の煌めきを聴くと、やはりフランス音楽の方が合っているということに気づく。なお、この曲だけは譜めくり人をつけて楽譜を見ながら演奏を行った。

 

ドビュッシーの「子供の領分」。ジャズの影響なども受けているドビュッシーであるが、ル・サージュの演奏を聴いているとそのことがよく分かる。全体的に洒脱で愛らしい演奏であり、フレンチジャズも演奏出来そうなリズム感の良さやもよく表れている。

 

ドビュッシーの「喜びの島」。色彩感豊かで、ワクワクが枠から溢れ出て来るような「喜びの島」である。

 

後半、メインであるシューマンの「謝肉祭」。スケールが大きく、透明感溢れる音色に支えられた端正な演奏をル・サージュは展開する。
今日は5列目の22番という、一般的な小ホールなら一番良い音がするはずの位置に座っていたのだが、アンサンブルホールムラタは内部が六角形という、珍しいというほどではないが近年は少なくなった設計であり、この曲の演奏中には反響した音が右後ろから聞こえてくるなどハウリングが起こっていた。だが演奏そのものは聴き応えがある。ラストの第20曲「ペリシテ人とたたかうダヴィッド同盟員」はノリノリの演奏となり、演奏終了後に盛んな拍手と「ブラボー!」がル・サージュを讃えた。

アンコール。まずシューマンの「ダヴィッド同盟」舞曲集より第14曲が演奏され、最後のドビュッシーの「映像」より「水の反映」が演奏される。
シューマンも優れた出来だったが、ドビュッシーの「水の反映」は描写力といい詩情といい最高クラスの逸品で、やはり聴衆を沸かせた。

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