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2019年6月12日 (水)

コンサートの記(562) ムジークフェストなら2019 ウィーン少年合唱団来日公演

2019年5月31日 奈良県文化会館国際ホールにて

奈良へ。午後7時から奈良公園の北にある奈良県文化会館国際ホールで、ムジークフェストなら2019 ウィーン少年合唱団来日公演を聴く。

1498年創設のウィーン少年合唱団。現在は、ウィーンゆかりの4人の作曲家にちなみ、ハイドン組、モーツァルト組、シューベルト組、ブルックナー組(このうち、ハイドンとシューベルトはウィーン少年合唱団のメンバーであった)の4組に分かれて活動しており、昨年は京都にハイドン組のメンバーがやって来たが、今回はブルックナー組が来日して各所でコンサートを行う。カペルマイスターはマノロ・カニン。

奈良県文化会館は、今年の1月に耐震強度の不足が指摘され、キャンセルも多いそうだが、国際ホールは倒壊の恐れはなく、耐震性不足とされた楽屋部分などを随時補修していく計画のようである。

曲目は、第1部が、オルフのカンタータ「カルミナ・ブラーナ」より“おお、運命の女神よ(運命の女神の歌)”、ヴィアダーナの「正しき者よ、王によって喜べ」、メンデルスゾーンの「羊飼いはよみがえられた」、ハイドンのオラトリオ「天地創造」より“天の神の栄光を語り”、ブラームスの3つの宗教合唱曲より「喜ばしき天の女王」、ブラームスの詩篇13番、ゲーリンガーの「死と愛」、バンキエーリの「3声のカプリース」「動物たちの対位法」。第2部が、ピアソラの「リベルタンゴ」、ディ・カプア/マッズッキの「オー・ソレ・ミオ」、ロジャーズの映画「サウンド・オブ・ミュージック」より“ひとりぼっちの羊飼い”と“エーデルワイス”、瀧廉太郎の「荒城の月」、上皇后陛下御作詞の「ねむの木の子守歌」、岡野貞一の「ふるさと」、ヴィルトの「Peace Within(内なる平和)」、オーストリア民謡「納屋の大戸」、ヴンシュの「今日、天使たちがウィーンにやってくる」、ヨーゼフ・シュトラウスの「水平のポルカ」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「雷鳴と稲妻」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「美しく青きドナウ」

奈良県文化会館国際ホールは改修によって壁や床が吉野杉の木目に改まっているが多目的ホールであり、今回のような中編成の少年合唱団では迫力に欠ける気もするが、ウィーン少年合唱団の美声はよく通り、カペルマイスターであるマノロ・カニンのエンターテインメント性に溢れる展開もあって楽しいコンサートとなる。

そのマノロ・カニンはテキストを手に日本語で長いスピーチを行い(「この5月から令和の新しい時代となりました。おめでとうございます」など)、客席から喝采を受ける。ウィーン少年合唱団もテキストを手に楽曲紹介を行ったり、中には日本語を暗記してスピーチを行う子もいる。日本人のメンバーも2人おり、その中の背は低いが利発そうな顔をした子が大人びたスピーチを行って客席を感心させたりしていた。
「ひとりぼっちの羊飼い」(チラシの背面に書かれたプログラムには載っていなかったため、急遽追加になった曲なのかも知れない)ではメンバーの一人がカニンに代わってピアノ伴奏を担当。「納屋の大戸」ではメンバーがクロマティック・アコーディオンやコルネットを演奏して、手回しオルガンやポストホルンを真似た音を作り、ウィーン情緒を演出する。
「動物たちの対位法」では、メンバーが犬や羊の鳴き声を模倣。少年合唱団だからこそ面白さや愛らしさが引き立つ曲が選ばれており、プログラミングも巧みである。
一方、ヴィルトの「Peace Within(内なる平和)」は現代音楽であり、「少年合唱団だから楽しければいい」という、いい加減な選曲でないこともわかる。


アンコールは3曲。まず「サウンド・オブ・ミュージック」より“ドレミの歌”が冒頭のセリフと演技入りで歌われる。

2曲目は菅野よう子の「花は咲く」。日本公演のために選ばれた曲である。清らかな声によって惻々とした思いと希望が歌われた。

最後はヨハン・シュトラウスⅠ世の「ラデツキー行進曲」。中央の少年が手拍子の指示を行い、大喝采のうちにコンサートは終了した。

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