カテゴリー「パーヴォ・ヤルヴィ」の23件の記事

2017年1月10日 (火)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団) モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」

ナチュラルトランペット使用です。

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2016年12月19日 (月)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団) ニールセン 交響曲第4番「不滅」

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2016年3月 2日 (水)

コンサートの記(230) パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団演奏会大阪公演2016

2016年2月20日 大阪・谷町のNHK大阪ホールにて

午後4時から、谷町4丁目にあるNHK大阪ホールで、NHK交響楽団演奏会大阪公演を聴く。指揮はNHK交響楽団首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ。
ちなみにNHK大阪ホールはNHK大阪支局の中(NHK大阪ホールと本庁舎とは建物内で分かれている)にあるのだが、本庁舎の方では午後3時から朝の連続テレビ小説「あさが来た」の収録があり、上の階から観覧出来るというのでかなりの人が並んでいた。

響きが今一つのNHK大阪ホール。一昨年の11月に2階席の真ん中で聴いた時にはとても良い音で聴くことが出来たのだが、他の席で聴くと残響不足。今日は前から3列目であったが、残響は1秒にも届かない。
曲目は、リヒャルト・シュトラウスの「変容(メタモルフォーゼ)」、シューマンのピアノ協奏曲イ短調(ピアノ独奏:カティア・ブニアティシュヴィリ)、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはこう語った(ツァラトゥストラはかく語りき)」

今日はゲスト・コンサートマスターとしてヴィスコ・エシュケナージ(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団コンサートマスター)を招いての演奏である。

今日は弦の配置が1曲ごとに変わる。「変容」ではドイツ式の現代配置だが、弦楽のための作品であり、管楽器奏者がいないので、コントラバスは弦楽奏者の最後列に横一列に並ぶという独特の配置。
シューマンのピアノ協奏曲ではコントラバスが上手に移動してドイツ式の現代配置になる。
「ツァラトゥストラはこう語った」では一転してヴァイオリン両翼、コントラバスは下手端の古典配置での演奏になる。


NHK交響楽団の有名奏者として、オーボエ首席奏者の茂木大輔、フルート首席の神田寛明、チェロ首席の向山佳絵子(元々はチェリストとして個人で活躍していた。旦那はNHK交響楽団首席指揮者の藤森亮一)らが出演。なお、ソロ・コンサートマスターであった堀正文の肩書きが名誉コンサートマスターに変わっているが、これがどういう位置づけのポジションなのかは不明。

おそらくであるが、NHK交響楽団は日本プロオーケストラの中で最も男性楽団員の率が高いと思われる。


リヒャルト・シュトラウスの「変容」。弦楽のための作品であるが、普通の弦楽5部ではなく、全ての楽器を23のパートに分けて演奏される。そのために、例えば第1ヴァイオリンでも演奏をしている奏者と休んでいる人に分かれていたりする。
ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の第2楽章である葬送行進曲の主題が顔を覗かせ、他の主題とともに変容していく。
仄暗い響きが、どっしりとして分厚いN響の弦楽には良く合っているが、時折、光が差すような明るい音色への変化も見事である。
パーヴォはゲネラル・パウゼも長めの取るが、NHK大阪ホールは弦楽だけだと残響ゼロであり、間が開いた感じになってしまう。


シューマンのピアノ協奏曲イ短調。ピアノ独奏のカティア・ブニアティシュヴィリはジョージア(旧名グルジア。しかし「ジョージア」と「グルジア」では印象が180度異なるな)のトビリシ生まれの若手女性ピアニスト。ウィーン国立音楽大学に学び、2003年にホロヴィッツ記念国際ピアノ・コンクールで特別賞受賞。2008年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールで3位に入賞している。
パーヴォ・ヤルヴィとはショパンのピアノ協奏曲第2番のCDで共演している。

Youtubeなどでは何故かセクシーな衣装で演奏している映像があったりするが、今日の背中の部分がシースルーになっている黒いドレスで登場する。

出だしが印象的なシューマンのピアノ協奏曲であるが、ブニアティシュヴィリの最初に奏でる音が小さすぎ、「あれ?」と思う。極めて繊細にしてクリアな音色で勝負するピアニストなのであるが、NHK大阪ホールの音響は彼女に味方しなかったようだ。ただガラス細工のように精緻な美音と、鋼のようなタッチで、アンビバレントにして文学的なシューマン演奏を聴かせる。
パーヴォ指揮のN響も憂いを帯びた表情の出し方に旨味がある。

ブニアティシュヴィリのアンコール演奏は、ヘンデル作曲、ヴィルヘルム・ケンプ編曲による「メヌエット ト短調」。極めて精巧で優美な演奏であった。


リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」。映画「2001年宇宙の旅」でも使われた、冒頭の序奏「日の出」の部分がかなり有名な曲である。
下手な演奏だと、冒頭だけが印象に残って本編が吹き飛んでしまうということになるのだが、パーヴォとN響は語り上手。全編を通して集中力の高い演奏となる。
構築感抜群にして語り上手なパーヴォの棒と、圧倒的な音の威力を誇るN響のサウンドが上手くマッチし、文句なしの名演となる。
フリードリヒ・ニーチェが書いた『ツァラトゥストラ』は「超人」を説くゾロアスター(ツァラトゥストラ)教開祖による一種のエリート主義を描く難解な小説(のようなもの)なのであるが、リヒャルト・シュトラウスはこの物語の本質を上手く音楽にしており、パーヴォの指揮もあたかもニーチェの本を読んだ気になるような(あくまで「気になるような」であるが)想像喚起力豊かな演奏をN響と共に行っていたように思う。

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2015年10月12日 (月)

コンサートの記(208) パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団第1817回定期演奏会~パーヴォ・ヤルヴィ首席指揮者就任記念~

2015年10月3日 東京・渋谷のNHKホールにて

午後6時から、東京・渋谷区神南のNHKホールで、NHK交響楽団の第1817回定期演奏会を聴く。この9月からN響首席指揮者に就任したパーヴォ・ヤルヴィの事実上の就任披露コンサートである。今日はN響の10月定期Aプログラムの初日。N響は月3回、同一演目2回の定期演奏会を行っており、定期演奏会の数も日本では断トツである。

曲目はマーラーの交響曲第2番「復活」。セレモニカルな場面で取り上げられることの増えている曲で、今日がまさにパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団のコンビの船出となる。

現在のNHKホールは1973年竣工。それ以前は愛宕山にNHKホールがあったのだが、手狭であるため閉館。NHKの本庁舎の横に今のNHKホールが建てられている。

基本的に放送収録用のホールであるため、残響はほぼ0。収容人数は約4000人で、日本で定期的にクラシックの演奏会が行われているホールの中では最もキャパが大きい。そのため音の悪さでも有名である。NHKホールの中でも3階席左右の前の方と、2階席前方は比較的音が良いのであるが、今日の私の席は2階席中央の後ろの方。上には3階席の屋根があり、良い音は望めない。残念だが仕方がない。NHKホールは私がまだ二十代で、NHK交響楽団の定期会員だった時に毎月訪れていたホールである。内装は少し変わり、特にトイレは綺麗になった。

地下のクロークでリュックを預け、身軽になる。

NHK交響楽団の月刊誌(兼プログラム)「Philharmony」は一時、有料での提供となったが(その代わり無料の簡易プログラムを配布)、今は来客者には無料で提供、ホールに来られなかった方には300円で販売という制度に戻ったようである。

合唱は東京音楽大学、アルト独唱はリリ・パーシキヴィ、ソプラノ独唱はエリン・ウォール。今日のコンサートマスターは「マロ」こと篠崎史紀。

ヴァイオリン両翼による古典配置での演奏である。私が知っているN響の楽団員は、フルートの神田寛明、第2ヴァイオリンの大林修子、今日はイングリッシュホルンを吹く池田昭子ぐらいであろうか。

まず東京音楽大学の合唱団が上手から登場し、その後、N響のメンバーが出てくる。チューニングを終えてしばらくしてから、パーヴォが下手袖から出てきて指揮台に上がり、拍手を受ける、今日は譜面台と総譜を置いての演奏である。

先に書いた通り、私の座席はすぐ上に3階席が天井のようになっている場所にあり、天井から音が降り注ぐということはない。そのため、音が小さく聞こえるという欠点があるが、それでも音の密度の濃さは伝わってくる。N響の低弦部の力強さは流石であり、これだけでも日本ナンバーワンオーケストラの名に恥じない。

パーヴォの弦楽と管楽の音をブレンドさせる力は天才的であるが、今日もNHKホールでの演奏というハンデがあるにも関わらず、楽器の音の溶け合った美しい演奏が展開される。場面によっては「夢のように」とか「天国的に」という言葉を添えたくなるほどだ。パーヴォの指揮姿も無駄がなく、実に美しい。

第1楽章終了後は、普通に間を取ったパーヴォだが(マーラー自身は、「5分以上休憩を取るように」と指示していたがそれは守ることはなかった)、第2楽章と第3楽章の間はほぼアタッカで入る。第2楽章終了後に咳をするお客さんが多かったのだが、それには構わずティンパニを鳴らして第3楽章に突入した。第2楽章と第3楽章で1つの楽章という解釈なのだと思われる。

ヴァイオリン両翼配置であるためわかったが、マーラーの曲は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの役割を完全に分けて書いてある部分が多い。普通は第2ヴァイオリンは第1ヴァイオリンの補助的役割をすることが多く、「影の主役」「名脇役」などと形容されることも多いのだが、マーラーの「復活」では第2ヴァイオリンも表の主役扱いである。

第4楽章のリリ・パーシキヴィのアルトソロも美しく、パーヴォ指揮のN響も立体的な伴奏を奏でる。この立体感は生で聴かないと絶対に味わえない種類のものである。

第5楽章では、冒頭と、更にもう一度ある一斉合奏のパワーが凄まじく、また3階席に陣取っていたと思われるバンダとのやり取りも絶妙である(バンダ達は、全曲が終わる直前にステージに戻った)。パーヴォのリズム感も抜群だ。
視覚的な演出があり、ソプラノ独唱のエリン・ウォールはまず椅子に座ったまま歌い始める。東京音楽大学の合唱団の一員のように聞こえる。そして聴かせ所で立ち上がり、その後に再び座って、アルトのリリ・パーシキヴィの歌が入るところで、二人同時に起立する。ラストではパイプオルガンも加わり、威力満点である。

東京音楽大学の合唱団も良くトレーニングされており、ハレの日を飾るのにふさわしい演奏会となった。

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2015年8月27日 (木)

コンサートの記(201) 諏訪内晶子芸術監督 第3回音楽祭NIPPON名古屋公演 パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン演奏会

2014年12月8日 名古屋・栄の愛知県芸術劇場コンサートホールにて

名古屋へ。第3回国際音楽祭NIPPONの名古屋公演を聴くためである。

第3回国際音楽祭NIPPON名古屋公演は、午後18時開場の午後18時45分開演。名古屋は開場から開演まで45分間なのが普通であり、午後18時45分開演も普通の時間である。東京、大阪、京都では午後18時45分開演の公演は考えられないが。

国際音楽祭NIPPONは、ヴァイオリニストの諏訪内晶子を芸術監督に迎えて行われるようになった音楽祭である。今年は東日本大震災の被災地である福島県郡山市の郡山女子大学建学記念講堂大ホールでケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団によるチャリティコンサート(無料コンサート。諏訪内晶子は出演せず)や横浜みなとみらいホールで諏訪内晶子出演による室内楽が演奏されたりしている。12月の頭からは名古屋と横浜で諏訪内らによる公開マスタークラス(公開レッスン)も行われている。

今日はパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンと諏訪内晶子の共演である。諏訪内はこの後も名古屋に残り、11日に室内楽のコンサートを行う。

開場1時間前に愛知芸術劇場コンサートホール(愛知芸術文化センター4階にある。)の入り口前に行くと、お爺さん二人が第3回国際音楽祭NIPPON名古屋公演の諏訪内晶子の写真入りポスターの前で立ち話をしていたのだが、いつしか私も会話に加わるという状況になっていた。二人は諏訪内晶子のCDは沢山持っているが実演は聴いたことがないという。私は私が思う日本人現役女性ヴァイオリニスト別格カルテット(凄い順に五嶋みどり(MIDORI)、諏訪内晶子、神尾真由子、川久保賜紀)を挙げたのだが、お爺さんの一人が「諏訪内さんはあれですね、美貌で得してますね」というので、私は「五嶋さんなんかはね、はっきり言いませんが、はい」と答えておいた。

パーヴォとドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(名古屋ではドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団と表記される)は、韓国のソウルでブラームスの交響曲チクルスを行った後で日本に乗り込み、昨日は横浜、今日は名古屋でコンサートを開き、明後日からは東京でもブラームス交響曲チクルスを行う。同コンビは今後、RCAレーベルにブラームス交響曲全集を録音する予定である。

曲目は、ブラームスの大学祝典序曲、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン独奏:諏訪内晶子)、ブラームスの交響曲第1番。

実は、パーヴォ・ヤルヴィと諏訪内晶子の共演は、8年前にここ愛知県芸術劇場コンサートホールで果たされるはずだったのだが、諏訪内晶子が体調不良のためにキャンセル(のちにそれが妊娠によるものであることがわかるのだが、そこから諏訪内の泥沼劇が始まる)、代役として何故か諏訪内さんよりも才能のあるヒラリー・ハーンが抜擢されている。

ドイツ・カンマーフィルハーモニーのカンマーは、英語でいうチェンバーであるが、今日は第1ヴァイオリン10名、第2ヴァイオリン8名という、室内オーケストラよりは少しだけ大きめの編成である。古典配置による演奏。

ブラームスの大学祝典序曲。ベートーヴェンの時と違い、ホルンやトランペットはモダン楽器を用いているが、弦楽はピリオドによる演奏である。ビブラートは抑え、旋律を歌い終えると弓を弦からサッと離す。

ピリオド奏法が功を奏したようで、弦楽は力強く弾いても暑苦しい響きにはならず、典雅さが増す。管楽器の楽しげな歌わせ方も面白い。

パーヴォの指揮であるが、指揮棒を動かした通りの音をドイツ・カンマーフィルから弾き出す。まるで指揮棒の魔術師のようだ。現役指揮者の中では、映像でしか見たことがない人も含めて、バトンテクニックはパーヴォがナンバーワンだと思われる、

音楽祭NIPPON芸術監督・諏訪内晶子によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。

紫のドレスで登場した諏訪内は磨き抜かれた高雅な音で、メンデルスゾーンの哀愁溢れる旋律を歌い上げる。テンポの揺るぎはないが強弱の幅は広く、本来は同じ強さで弾くはずのところをスッと引いて弱音を出す独特の表情付けは哀感を増すが、発想が日本人的であり、諏訪内が日本人ヴァイオリニストであることを再確認させられる。
諏訪内はパーヴォは勿論、ドイツ・カンマーフィルの楽団員ともアイコンタクトをかなり多く取りながらの演奏。協奏曲は皆で作り上げるものという意識があるのであろう。以前の諏訪内はそうではなかったので、やはり芸術監督という責任あるポジションを任されたことで考え方が変わったのかも知れない。

見事な演奏であった。

アンコールは、J・S・バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番からラルゴ。調子の良いときの諏訪内が神がかり的な演奏をすることがあるのだが、今日聴いたバッハも天井から慈愛に満ちた音が降り注いでくるかのような崇高なる音楽を生み出していた。

ブラームスの交響曲第1番。パーヴォはこの曲は譜面台を置かず暗譜で指揮する。速めのテンポでスタート。往々にして情熱が暑苦しい域に達してしまうブラームスの交響曲第1番の演奏であるが、ピリオド・アプローチの効果で弦が涼しく聞こえるため、いくら情熱的になっても、決して暴れ馬のようにはならない。ただピリオドの場合、愛知県芸術劇場コンサートホールの音響によるものか、私の座った席(今日はP席で聴いている)の問題だったのか、あるいはピリオドだとそうなってしまうのか、正確にはわからないが、コントラバスの音の刻みがが「ギシ、ギシ」というビニールラップを破っているような音に聞こえるという難点がある。

パーヴォはこの曲ではテンポをかなり操作する。第1楽章では思い切った減速が効果的である。

ブラームスの交響曲第1番は「ベートーヴェンの交響曲第10番」とも呼ばれているのだが、それには第4楽章で「歓喜の歌」に似た旋律が歌われるのと同時に、第1楽章で多くの「運命主題」に似た「ジャジャジャジャン」という音型が用いられていることにも由来すると思われるのだが、パーヴォとドイツ・カンマーフィルは極めて見通しと良い演奏を行っており、他の演奏よりも多くの「運命主題に似た音型」を曲中に聴くことが出来た。

ドイツ・カンマーフィルのメカニックは極めて高く、第4楽章でトロンボーンの入りが揃わないというミスがあったがそれ以外は緻密なアンサンブルを展開した。

第4楽章の喜びのメロディーも速めのテンポではあったが、上っ面の喜びではなく、真の心の高揚が伝わる優れたものであった。

アンコールは2曲。

交響曲第1番演奏終了後に、パーヴォはドイツ・カンマーフィルの第2ヴァイオリンの後ろの方の奏者に、親指と人差し指、中指で「3」と示したので、ハンガリー舞曲第3番をやるということがわかる。指揮台に立ったパーヴォはやはり先程と同じように「3」とカンマーフィルのメンバーに示し、ハンガリー舞曲第3番を演奏する。ハンガリー舞曲の演奏の中でもノーブルな部類に入る演奏であった。

ラストは有名なハンガリー舞曲第1番。テンポを揺らして迫力のある演奏を生み出したパーヴォ。特にオーボエやフルートが最初に演奏を始める中間部では、第1拍目を引き延ばして木管の旋律をよりはっきり聞こえるようにするという工夫を行っていた。クラシックの音楽の場合は格調高いものが良いとされる場合も多いのだが、ハンガリー舞曲はジプシー(ロマ)の旋律であり、彼らは拍子にとらわれない演奏をしていたため、或いは今日のような第1拍のみ長くというようなこともしていたかも知れない

パーヴォは客席に向かって何度かバイバイをしながらステージを去り、ドイツ・カンマーフィルの楽団員は通常「客席側」と聞いて思いつく側とP席側の両方にお辞儀をしてステージを終えた。

 

愛知県芸術劇場から外に出ると、栄の街の夜景が夢のように美しい。

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2015年6月24日 (水)

コンサートの記(195) パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団来日演奏会2013京都

2013年11月2日 京都コンサートホールにて

午後3時から、京都コンサートホールで、パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団の来日演奏会を聴く。同コンビによる約2年ぶりの京都コンサートホールでの演奏会。パーヴォとパリ管の来日公演は今日が初日で、今後、西宮、東京、横浜、福井、倉敷を回る。東京は2回公演で、AプログラムとBプログラム両方のプログラムが演奏される。西宮がBプログラム。他は全てAプログラムである。

今日の演目は、シベリウスの「カレリア」組曲、リストのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ)、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(オルガン:ティエリー・エスケシュ)。

パーヴォとパリ管弦楽団のアジアツアーはまずベトナムでの公演を行い、日本に乗り込んできた。ベトナムで演奏会を行ってからの来日なので、欧州から直で来るよりも体力的には楽であり、名演が期待出来る。

パリ管弦楽団は、前回の公演同様、マネージャーとおぼしき人物が下手口に腕を組んで仁王立ちし、睨みを利かせている。

ドイツ式の現代配置による演奏。

シベリウスの「カレリア」組曲。管楽器の音はまろやかであり、弦楽のハーモニーも洒落っ気に満ちている。日本のオーケストラからは中々聴くことの出来ない音だ。
パーヴォの音のバランス感覚は抜群であり、弦も管も適度な抑制を持って、浮遊感のある音を出す。盛り上がる場面でも決してうるさくは響かない。「間奏曲」(「間奏曲」というタイトルであるが第1曲である。「カレリア」組曲は、劇附随音楽「カレリア」からシベリウスが演奏会用にまとめたものであり、劇附随音楽「カレリア」では本当に「間奏曲」であったものを、組曲では第1曲にしたので、こうした摩訶不思議な状態になっている)での立体感、「バラード」での哀切さ、「行進曲風に」での推進力とウィットに富んだ音楽作り、いずれも理想的である。

リストのピアノ協奏曲第2番。
ソリストのジャン=フレデリック・ヌーブルジェは、1986年生まれの若手。パリ音楽院を17歳で卒業後、2004年にロン・ティボー国際コンクール・ピアノ部門で4つの賞を得る。2006年には、ヤング・コンサート・アーティスト国際オーディションに優勝。すでに6枚のCDをリリースしている。

ヌーブルジェのピアノは透明感があり、洒落ていて、リストというよりもフランスのピアノ音楽を聴いているような気分になる。パーヴォ指揮するパリ管弦楽団の伴奏もソリストに合わせた、クールで洗練されたものだ。
リストの音楽性からはやや離れているかも知れないが、聴いていて楽しいことは無類である。答えというものの存在しない音楽ならではの味わう喜びがある。

ヌーブルジェはアンコールとして、ショパンの夜想曲作品62の2を弾いた。ショパンの出自がフランスであることを再確認させられる、洒脱な美演であった。

メインであるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。
冒頭の繊細で垢抜けた弦楽のハーモニーにまず魅せられる。日本のオーケストラも成長してかなり美しい音を出すようになっているが、そもそも和音に対する感覚の鋭さに違いがあるようで、ハーモニーの構築の上手さに関しては、日本のオーケストラはヨーロッパ勢に一歩譲る感がある。

パーヴォの指揮であるが、「見事」の一言。指揮棒やそれを振る手を始め、体の動きの全てが音楽に結びついている。現役の指揮者で最高のバトンテクニックを持っているのはおそらくパーヴォ・ヤルヴィであろう。

パリ管弦楽団の瀟洒な音色を生かした、傑出した演奏である。バランスはやはり最上に保たれており、ブラスが暴走したりするということは決してない。弦と管を上手く溶け合わせたマスで聴かせる演奏である。一方で、ティンパニなどの打楽器は思いっ切り叩かせており、フランス人の持つエスプリ・ゴーロワを生かしている。

サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は、全2楽章からなるという特殊な構造を持つが、各楽章が第1部と第2部に分かれており、結果的には全4楽章からなる普通の交響曲と大差ない(ただドイツの交響曲ほどには各楽章の音楽は明確な性格の違いはない)。第2楽章第1部の終わりで、金管群、続いてコントラバスが第2楽章第2部の主題をさりげなく奏でるのだが、パーヴォが指揮すると、その部分がさりげなくではなく、はっきりとよくわかる。パーヴォの楽曲把握能力と、オーケストラコントロールの高さが窺える部分である。

ノーブルでパワフルな快演を聴かせたパーヴォとパリ管とオルガンのエスケシュは喝采を浴びる。

サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は、広上淳一指揮京都市交響楽団によるエッジのキリリと立った演奏を生で聴いており、個人的には広上指揮の演奏の方が好きであるが、パーヴォとパリ管にもまた別の魅力がある。また、オーケストラの洗練度ではやはりパリ管の方が上だ。

アンコールは2曲。
まず、ベルリオーズの「ファウストの劫罰」より“ハンガリー行進曲”。中身が濃く、弦も管も輝かしい音を聴かせる優れた演奏であった。

最後は、グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲。速いパッセージが有名な曲であるが、技術的には完璧。歌劇自体はほとんど上演されることはなく、序曲のみが通俗名曲となっている「ルスランとリュドミラ」であるが、パーヴォとパリ管の演奏による「ルスランとリュドミラ」序曲は、通俗名曲から「通俗」の取れた、ゴージャスな名曲として響く。掉尾を飾るに相応しい秀演であった。

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2014年3月19日 (水)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団(hr交響楽団) ブルックナー 交響曲第3番「ワーグナー」

出来にムラのあるパーヴォ・ヤルヴィ指揮のブルックナーですが、この交響曲第3番は名演だと思います。

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2014年1月17日 (金)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団(hr交響楽団) マーラー 交響曲第1番「巨人」

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2014年1月 9日 (木)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団(hr交響楽団) ドビュッシー 管弦楽のための三つの交響的素描「海」

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2013年11月16日 (土)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団(hr交響楽団)ほか メシアン トゥーランガリラ交響曲 フランクフルト・アム・マイン・ライヴ映像

ヘッセン放送(hr)とarteによるライヴ収録です。

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