カテゴリー「追悼」の30件の記事

2017年2月22日 (水)

さよならミスターS

現役の主要指揮者としては世界最長老であったスタニスラフ・スクロヴァチェフスキが死去。93歳であった。名前が長いため、ミスターSの愛称でも親しまれた。
1923年(日本の年号では大正12年。関東大震災のあった年である)、ポーランドのルヴフ(現在はウクライナ領)生まれ。
若い頃はピアニストを志していたが、第二次大戦中に手を負傷し、指揮者に転向する。指揮は同じくポーランド出身であったパウル・クレツキに師事した。
作曲家としても活動しており、自作自演盤もリリースされている。
 
アメリカのミネアポリス交響楽団(現・ミネソタ管弦楽団)の音楽監督として活躍。この時期にアメリカ国籍を得ている。
録音も行ったが、マーキュリーというマイナー・レーベルが主だったため、日本にまでは評判が伝わってこなかった。
状況が変わるのは1990年代に入ってからである。マーキュリー・レーベルのCDが国内盤としてもリリースされ、筋骨隆々としたフォルムと怒濤のようなエネルギー放射による演奏が一部で評判になる。
 
そしてスクロヴァチェフスキは、1996年にNHK交響楽団の定期演奏会に客演する。私も土曜日のマチネー公演で聴いた。メインはチャイコフスキーの交響曲第5番。
「ムラヴィンスキーもかくや」と思われる厳格にして力感溢れる演奏であり、終演後、客席が大いに沸いたのが思い出される。これが日本におけるスクロヴァチェフスキ・リバイバルの始まりであった。
その後もスクロヴァチェフスキはN響への客演を続け、2004年には京都コンサートホールでN響を指揮したコンサートも行っているが、その後は読売日本交響楽団に招かれて指揮する機会が増え、2007年から2010年まで読響の第8代常任指揮者を務め、その後は同楽団の桂冠名誉指揮者に就任していた。
 
廉価盤レーベルであるアルテ・ノヴァにザールブリュッケン放送交響楽団を指揮していれた「ブルックナー交響曲全集」が世界的な話題になり(その後、同全集はエームス・クラシックスに移管)、やはりザールブリュッケン放送交響楽団を指揮した「ベートーヴェン交響曲全集」もリリースした。21世紀に入ってからのスクロヴァチェフスキは演奏スタイルを変えており、兵庫県立芸術文化センター大ホールで聴いた、ザールブリュッケン放送交響楽団とのベートーヴェン交響曲第6番「田園」と交響曲第5番(スクロヴァチェフスキ指揮の第5を聴くのは3度目だった)でも強靱な構築感ではなく、内容の新規さで勝負しており、「ああ枯れたのか」と聴いていて悲しくなった。だが、スクロヴァチェフスキの凄いところはそこから更に体制を立て直して若い頃のようなスタイルへと再変貌を遂げたことにある。
 
読売日本交響楽団といれた最近のライブ録音では楽曲の新たな発見とともに高齢の指揮者とは思えないほどの瑞々しさで聴かせる演奏が展開されていた。

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2017年2月 9日 (木)

私立恵比寿中学 「サドンデス」

運命なのか予言なのか暗示なのか。なんというタイトルなのだろう。哀悼の意を表します。

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2016年12月28日 (水)

「スター・ウォーズ」より“レイア姫のテーマ”

キース・ロックハート指揮BBCコンサートオーケストラの演奏。BBCプロムスでの映像です。

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2016年5月14日 (土)

コンサートの記(240) 「ラ・フォル・ジュルネびわ湖2016」 大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団 リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲

2016年4月30日 滋賀県大津市のびわ湖ホール大ホールにて

午後4時から、びわ湖ホール大ホールで大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団によるリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲を聴く。
考えてみれば、びわ湖ホール大ホールで純粋なオーケストラのコンサートを聴くのは始めてかも知れない。

今日の大阪フィルのコンサートマスターは田之倉雅秋。大編成の曲であるためエキストラも多く入っていると思うが、編成表はないので何人ほど入っているのかはわからない。ドイツ式の現代配置での演奏。

アルプス交響曲ではバンダが活躍し、最近ではカメラとモニターを使用して、指揮者の指示をバンダのメンバーがモニターで見て演奏ということも多いのだが、今日の演奏では副指揮者として金丸克己を置き、バンダを指揮させた。バンダはホール上手袖での演奏となった。


大植はまずマイクを手にスピーチ。大植英次は滑舌の悪い人なので心配されたが、びわ湖ホール大ホールはポピュラー音楽対応で立派なスピーカーがあるため、噛み噛みではあったがスピーチの内容は伝わってきた。
大植は熊本地震について触れ、「被災者の方々のために、余り有名な曲ではないのですが熊本の曲で『五木の子守唄』という曲を演奏したいと思います。拍手はご遠慮下さい」というようなことを語る。「五木の子守唄」は実際はかなり有名な曲だったのだが、一時期放送禁止曲だったこともあり、その時期に大植が日本を離れたため、大植と現在の日本人との間に意識の乖離があるのかも知れない。

弦楽合奏のための編曲。「五木の子守唄」の歌詞内容自体は暗すぎて哀歌には似つかわしくないのだが、メロディーは日本的な哀感がインメモリアムに相応しいものになっている。

メインであるリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲。
びわ湖ホール大ホールの音響はなかなか良いが、ザ・シンフォニーホールやフェスティバルホールには及ばないように思う。
弦も管も渋めという、大フィルの特製を生かした演奏であり、技術も高い。

最近では抑えた指揮をすることも多い大植であるが、今日は指揮台の上で大暴れ。激しいアクションを次々と繰り出す。

「滝」のリリシズム、「頂上にて」の開放感、「雷雨と嵐、下山」の迫力、「日没」の輝き、始まりとラストの「夜」の仄暗さなど、優れた表現力の発揮された演奏である。

ただホールの音響のせいかも知れないが、全体の造形は大植としては今一つだったかも知れない。パワフルに過ぎたともいえる。
とはいえ、これだけの演奏が安い値段で聴けるというのはありがたいことである。

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2016年5月13日 (金)

蜷川幸雄様江

 
蜷川幸雄様
 
 残念ながらあなたにお目にかかる機会はありませんでした。ですので手短に申し上げます。
 あなたと過ごしたいつくかの濃密な時間は私にとって今でもかけがえのないものとなっております。沢山のご教示をありがとうございました。
             敬白

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2016年5月12日 (木)

追悼・蜷川幸雄 観劇感想精選(182) 三島由紀夫:作、蜷川幸雄:演出 「我が友ヒットラー」

2011年3月11日 東日本大震災発生当日 大阪・京橋のシアターBRAVA!にて観劇

午後7時から、大阪・京橋のイオン化粧品シアターBRAVA!で、ミシマダブル「我が友ヒットラー」を観る。演出:蜷川幸雄。

三島由紀夫の書いた戯曲で一対の作品とされる「我が友ヒットラー」と「サド侯爵夫人」を同一キャストで行おうという試み。いずれも小説家の書いた戯曲らしく膨大な量のセリフのある作品で、一作品の上演だけでも大変なのに二作品をそれも同一キャストで行おうという大胆な企画である。蜷川幸雄も相当来てしまったのか、余命少ないと見て勝負に出たのか。

 

「我が友ヒットラー」。ナチスドイツの独裁者アドルフ・ヒットラーの冷酷さのみならず、人間的な側面にも迫った作品である。ヒットラーを演じるのは生田斗真。出演は、その他に東山紀之、木場勝巳、平幹次郎。

 

平舞台にシャンデリアが吊られているだけの舞台。開演と同時に最近の蜷川演出ではおなじみになった巨大な鏡と、バルコニーのセットが運ばれてくる。

 

3幕からなり、第1幕ではヒットラー(生田斗真)が演説する首相官邸のバルコニーの背後の部屋で、武器商のクルップ(平幹二郎)がエルンスト・レーム(東山紀之)と対談している。ヒットラー首相の友人であるエルンストはヒットラーとの思い出を語り、ヒンデンブルク大統領から大統領の座を奪う気合いを見せる。エルンストは自らが率いる300人の突撃隊がその鍵を握ることになるだろうと自信満々だ。

演説を終えたヒットラーだが、この劇でのヒットラーは人間的な弱さを見せ、不安を口にする。

 

第2幕ははヒットラーとエルンストの談笑場面から始まり、ヒットラーはエルンストに夏の間の休暇を持ちかけ、エルンストもそれを了承する。

ヒットラーが去った後で、ナチス左派のシュトラッサー(木場勝巳)がエルンストにヒットラーと離れて自分と組まないかと持ちかける。シュトラッサーは「ヒットラーはエルンストと突撃隊を裏切ることになるだろう」と断言するが、エルンストは「ヒットラーは自分の親友で裏切ることなどあり得ない」とシュトラッサーをなじる。しかし、ヒットラーはエルンストを怖れていた。

 

第3幕。エルンスト・レームとシュトラッサーらが粛正され(長いナイフの夜事件)、クルップとヒットラーとの対談の場面となる。クルップはヒットラーに犠牲者の銃殺される音が聞こえるといい、ヒットラーにその音を聞くように勧め、彼を誉める。ヒットラーは「政治は中道を行かねばなりません」と宣言して幕を迎える。

 

文学的修辞の多用された作品で、一つのセリフの始まりから終わりまでがかなりの紆余曲折を経るため、集中力をかなり使わないと筋が終えなくなるやっかいな作品である。

膨大な量のセリフを的確にリズム良くハキハキと発するエルンスト・レーム役の東山紀之の演技は一回セリフを噛んだだけでほぼ完璧の出来。非常に理知的な演技で、長ゼリフを次々と繰り出す様は人間業とは思えないほどだ。生田斗真は東山紀之とは正反対の憑依タイプの優れた演技を見せ、一カ所で演技が過多になった他は(あの場面は本人も納得がいっていないだろう)傷が見られない。ジャニーズ事務所の指導の厳しさとジャニーズタレントの並々ならぬプロ根性が伝わってくる。

膨大な量のセリフを聞いていると、言葉という化け物に呑み込まれそうな気がする。その言葉の魅力は妖しく強烈だ。ヒットラーは演説の天才だったが、やはりこのような言葉の魔術の使い方に長けた人物だったのだろう。言葉の怖さが伝わってくる演劇でもある。

ヒットラーは元々は画家志望だった。才能は十分ではなかったが芸術家の気質はあったのだろう。あるいは演劇的な才能もあったのかも知れない。演劇と演説の巧みさとは隣接している。言葉と同時に演劇の怖ろしさも伝わってくる上演であった。

 

東北地方太平洋沖地震の起きた日の上演である。出演者は芸能人だけに東北地方の知り合いも多いだろうが、プロの演技を見せてくれた。感謝したい。

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2016年5月 9日 (月)

冨田勲作曲 大河ドラマ「徳川家康」オープニングテーマ

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2016年2月 1日 (月)

追悼 オーレル・ニコレ 武満徹 「エア」(遺作)

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2016年1月15日 (金)

追悼・桂春団治 「襲名50周年記念 桂春團治落語会」2009年5月

2009年5月6日 大阪・なんばのワッハ上方ワッハホール(現・よしもと漫才劇場)にて

午後2時から、大阪・なんばのワッハ上方ワッハホールで、「襲名50周年記念 桂春團治落語会」に接する。

出演は、登場順に、桂福矢、桂小春團治、桂春之輔、桂さこば、笑福亭松喬、桂春團治。客席は満員で当日券なしの盛況である。

優れた落語家は、声から芳香を発するのがよくわかる。それぞれ香りは違うが、年齢を重ねれば重ねるほどに香ばしさを増す、まるでウィスキーのような(と書きつつ、私はウィスキーは呑めないのだが)声である。

演目は、桂福矢が「動物園」、桂小春團治が「豊竹屋」、桂春之輔が「牛の丸薬」、桂ざこばが「子は鎹」、笑福亭松喬が「お文さん」、そして桂春團治は、有名な「代書屋」をやった。

それにしても襲名50周年というのは凄い。春團治が語りの枕で、初代春團治が57歳で亡くなり、二代目春團治(今の春團治の父親)が58歳で亡くなっているので、自分は……、ということで襲名するのを躊躇したと語って客席の笑いを誘ったが、三代目は29歳で春團治を襲名し、長生きをしている(後記:桂春団治は享年85歳であった)。

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2016年1月11日 (月)

R.I.P. David BOWIE

坂本龍一 「Last Regrets」

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