カテゴリー「第九」の13件の記事

2015年12月28日 (月)

コンサートの記(219) 上岡敏之指揮 読売日本交響楽団第13回大阪定期演奏会「第九」公演

2015年12月26日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後5時から、大阪・福島のザ・シンフォニーホールで読売日本交響楽団第13回大阪定期演奏会「第九」公演を聴く。指揮は上岡敏之。

大阪公演を重視し、年3回の大阪定期演奏会を行うようになった読売日本交響楽団。来年度の大阪定期の指揮者と曲目もすでに決まっている。


録音の世界ではすでに有名になっている上岡敏之。指揮者としてデビューした後で、ピアニストとしてもCDデビューしているという異色の存在である(ピアニストが指揮者になるという逆のパターンは良くある)。
1960年、神奈川県生まれ。県下随一の進学校である湘南高校に進学。一学年上に大野和士がいた(同じ1960年生まれだが、大野は早生まれ)。ただ、上岡の入学当時すでに大野は校内のヒーロー的存在であり、湘南高校内では勉強が出来る方ではなかった上岡は引け目を感じたという。一方で、大野の方は上岡のピアノの腕を高く買っていたようで、合唱を指揮する際のピアニストに上岡を指名していたという。湘南高校卒業後は先輩である大野と同じく東京芸術大学の指揮科に入学するが、芸大時代の教師からの評判は散々だったようで、芸大の大学院進学を目指すも不合格。教授に紹介されて帝国ホテルのフロントとして1年間働く。

帝国ホテル勤務時代も音楽家への夢を諦めたわけではなく、深夜勤務の時間帯などには紙の鍵盤でピアノの練習をしていたことが確認されている。

1年の社会人生活を経た後でドイツ留学のための試験に合格し、渡独。ここから上岡の快進撃が始まる。ハンブルク音楽大学入った上岡は学生有志を集めてオーケストラを結成。その他にも、ちょっとした休み時間があった場合は知り合いの学生を誘ってアンサンブルの指揮。ピアノでも高く評価され、芸大時代の劣等生が一躍ハンブルク音楽大学のヒーローになる。その後、ドイツ各地の歌劇場でコレペティトール(オペラの伴奏ピアニスト)を務め、キール歌劇場ではソロ・コレペティトールとなり、同時にオペラ指揮者としての活動も開始。エッセンやヴィースバーデンの歌劇場の指揮者として働いた他、北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に指名され、コンサート指揮者としてのキャリアもスタート。

2004年にヴッパータール歌劇場音楽監督およびヴッパータール交響楽団の首席指揮者となりヴッパータール市全体の音楽監督にもなる。この時代に上岡の名は日本でも知られるようになり、ヴッパータール交響楽団とはCD録音や来日演奏会を行っている。現在はザールランド州立歌劇場の音楽監督を務め、2016年9月からは新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任する予定である。

捲土重来の見本のような指揮者であるが、作り出す音楽はかなり個性が強く、賛否両論気味である。第九の演奏もヴッパータール交響楽団を指揮したものがライブ録音され、CDで出ているが、とにかくテンポの速い演奏で、音楽評論家や音楽ファンを戸惑わせている。全4楽章からなる第九を単一楽章の交響曲のように一気呵成に演奏している異色の演奏だ。


今日の読売日本交響楽団のコンサートミストレスは日下沙矢子(読売日本交響楽団にはコンサートマスターが日下も含めて4人いる)。合唱は新国立劇場合唱団。独唱者はイリーデ・マルティネス(ソプラノ)、清水華澄(アルト)、吉田浩之(テノール)、オラファ・シグルザルソン(バリトン)。


今日はステージ上手上方の2階席、RC席という、わかる人には「私らしい名前の席」と思われる席での鑑賞である。


読売日本交響楽団の月間無料パンフレットである「月刊オーケストラ12月号」に上岡敏之のインタビューが載っており(コンサートミストレスの日下沙矢子へのインタビューも載っている)、上岡はヴッパータール交響楽団と録音した第九について、「今ではあの解釈は良くなかったと思います」「全体的にはもう少しテンポを落とすでしょう」と書いているが、実際は今日も快速テンポの演奏であった。予定演奏時間は65分となっていたが、それより2~3分は短い。

ベーレンライター版の楽譜を使用(そのため第4楽章ではピッコロの大活躍が聴き取れる)。ドイツ式の現代配置での演奏だがピリオド・アプローチを採用。弦のビブラートは全般を通してみると、それほど抑えているというわけではなかったが、部分部分で徹底したノンビブラート奏法を用いることでメリハリを付けている。

冒頭から快速進行。「無調」といわれる部分が終わり、短調に変わる場面は余りドラマティックにしないが、全般を等して緊張感のある演奏である。音楽は「緊張」と「弛緩」からなっているのだが、上岡指揮の第九には「弛緩」する場所がない。そのため、一筆書きのような独特の第九を生む。弛緩する場面がないからといって一本調子かというとそんなことは全くない。
ピリオド・アプローチであるため弦は薄くなっているが、第1楽章では緊張に次ぐ緊張の連続であるため音楽が怒濤のように押し寄せ、聴く者を押し流さんばかりになる。

第2楽章は緻密なアンサンブルで森羅万象の鳴動を聴かせる。上岡の指揮(暗譜での指揮である)はビート幅は基本的に小さいが、ここぞというところで両腕を大きく使う。また上体の動きは機敏で、第1ヴァイオリンに指示していたかと思うとサッと180度回転してヴィオラを指揮する。この楽章ではヴィオラが突然それまでとは違う音色で鳴ったことに驚いた。他の弦楽器の音色は変えることがなかったのでヴィオラだけが浮かび上がる形になるが、一つの楽器だけ音色を変えるという発想がこちらにはなかったため、ハッとさせられる。
第2楽章のラストはピアノ(楽器ではなく音の強弱の方)で終わる。川瀬健太郎指揮大阪交響楽団の年末の第九演奏でもやはり第2楽章の締めを小さくしていたが、ベーレンライターにそうした指示があるのかも知れない(上岡と川瀬以外にピアノで終わった演奏は聴いたことがないが)。

第3楽章はノンビブラートの弦楽器が美しく鳴る。管楽器も好調で、テンポはかなり速めであったが、せわしない感じは受けない。また、第1楽章、第2楽章も含めて、反復記号を全て繰り返していたが、テンポが速いため、それでも繰り返しをカットしたモダンスタイルの演奏よりは楽章ごとの演奏時間は短い。「冗長」ともいわれる第3楽章であるが、上岡の指揮では「長い」とは少しも感じなかった。

第4楽章に入る前に独唱者や打楽器奏者、ピッコロ奏者がステージ上に現れるが、聴衆は上岡の意図を把握しており、拍手が起こることはなかった。

その第4楽章も快速テンポ。「歓喜の歌」のメロディーをチェロとコントラバスの低弦群が歌う前に間を開けるのが慣例であるが、上岡は間髪を入れずに歌わせる。逆にバリトンが歌い出すまでは間を置き、バリトンのシグルザルソンも慣れていないような仕草を見せていた。なお、西洋の歌手は第九を歌うことに慣れていないため、楽譜を手に歌うのが必要であるが、上岡のインタビューからリハーサルが徹底して行われたことが察せられ、また東京と横浜で数公演を行ってから大阪入りして今日が楽日ということもあってか、シグルザルソンもソプラノのマルティネスも暗唱であった。

テンポが速いことばかりを書いているが、インテンポではなく、緩急自在で即興的に聞こえるところがある。また強弱も自在だが、ちょっと神経質に思える箇所もあった。フェルマータを短くするのも特徴である。

新国立歌劇場合唱団も独唱者達も好調。読響の演奏も見事で、ラストの超快速テンポを見事に弾ききる。


インタビューで「僕が一番嫌いなのは、「定番」と言われるような演奏です」と答えている上岡。確かに感動させるような第九ではなく、聴く者を圧倒するような第九であり、これまで聴いてきた中で最も衝撃的な第九の演奏だった。深みがある演奏ではないかも知れないが、音の情報量が多く、濃密であり、鮮烈な印象を受ける。音楽は生き物であるということがヒシヒシと感じられた。第九に関しては、年末だけでなく、年がら年中CDで聴いており、よく分かっているつもりになっていたが、「つもり」に過ぎなかったことを思い知らされる。余りにもインパクトの強い演奏を聴いたため、終演後、梅田に向かって歩いている間は茫然自失の体であった。クラシックを聴いたのに未来の音楽に接したかのような不思議な気持ちで。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年12月25日 (金)

コンサートの記(218) 広上淳一指揮京都市交響楽団ほか 「ベートーヴェン 第九交響曲の夕べ」大阪公演2015

2015年12月9日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、大阪・福島のザ・シンフォニーホールで、広上淳一指揮京都市交響楽団、大阪新音フロイデ合唱団ほかによる「ベートーヴェン 第九交響曲の夕べ」を聴く。
広上と京都市交響楽団による第九は京都でも公演があるが、その日はスケジュールが空いていないため、大阪で聴くことにした。京都コンサートホールよりザ・シンフォニーホールの方が響きが良いということもある。

独唱者は、石橋栄実(いしばし・えみ。ソプラノ)、福原寿美枝(メゾ・ソプラノ)、秋本靖仁(テノール)、三原剛(バリトン)。

第九の演奏の前に、ベートーヴェンの「アテネの廃墟」序曲の演奏がある。
今日の京都市交響楽団のコンサートマスターは泉原隆志、渡邊穣は降り番でフォアシュピーラーにはアシスタント・コンサートマスターの肩書きを持つ尾﨑平。
フルート首席奏者の清水信貴、オーボエ首席の高山郁子、クラリネット首席の小谷口直子はいずれも降り番である。


「アテネの廃墟」序曲。広上と京響はかなり徹底したピリオド・アプローチによる演奏を展開。弦楽はビブラートを抑え、ボウイングもモダン・スタイルの演奏時とは異なる。      

京響の響きに勢いがあり、溌剌とした演奏に仕上がった。


メインの交響曲第9番「合唱付き」。この曲でも「アテネの廃墟」序曲ほどではないが、ピリオド・アプローチを前面に出した演奏が行われる。音に立体感があり、弦も管も活きが良い。
テンポは平均的は演奏よりも速めであったが、繰り返し記号を忠実に履行したため、演奏時間は比較的長めとなった。

第1楽章のスケールの大きさ、第2楽章のあたかも宇宙を音楽で描いたかのような緻密にして奥の深さ、第3楽章の完熟した美しさなどを広上と京響は詳らかにしていく。
広上の指揮は今日も明快。広上の指揮スタイルは年を経るごとにオーソドックスなものへと近づきつつあるが、今日も第2楽章のティンパニ強打の場面で右手を高々と掲げてみたり、第4楽章ではジャンプを繰り返すなど、外連味も健在で見ていて楽しい。

第4楽章はオーケストラも雄弁であり、新音フロイデ合唱団も威力十分である。
今日はステージ下手横2階席で聴いていたので、合唱が強く聞こえすぎたが。広上の合唱指揮は拍や音型を指示するのではなく、音の強弱の指定が主となる。強弱自在であり、やはり広上は現役日本人の中では最高のベートーヴェン指揮者であろう(広上本人はベートーヴェンよりモーツァルトの方が好きなようだが)。

残念だったのはテノールの秋本靖仁。調子が悪かったのだと思うが声が小さく、他の独唱者に負け気味であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年12月16日 (水)

第九あれこれ2015 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団ほか ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月31日 (水)

コンサートの記(168) 大野和士指揮 京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」2014

2014年12月27日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から京都コンサートホールで、京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」を聴く。指揮は日本人指揮者界の王貞治に例えられる大野和士。京都市交響楽団常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上淳一はさながら日本人指揮者界の長嶋茂雄だ。

知的アプローチを特徴とする大野和士がいよいよ京都市交響楽団の年末の第九に登場である。今年の第九は2回公演で、初日の今日は第九の前にサミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」が、明日はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が演奏される。

今日のコンサートマスターは、ソリストとしても活動している四方恭子が客演コンサートマスター(コンサートミストレス)として入る。フォアシュピーラーは泉原隆志。

大野和士は今年の6月にもリヨン国立歌劇場管弦楽団の来日演奏会の指揮で聴いているが、最近になって急速に外見が老けている。どうしたのだろう? 実は佐渡裕より一つ上なだけなのだが、とてもそうは見えない。

バーバーの「弦楽のためのアダージョ」。少し速めのテンポを採用。哀感を色濃く出しているが、ギリギリのところでセンチメンタリズムには陥らないバランスの良い演奏である。

ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。
ソプラノは本来は松岡万希が歌う予定だったが体調不良により降板。中国人ソプラノのリー・シューインが代役を務める。
テノールの西村悟は、佐渡裕指揮ケルン放送交響楽団の第九に引き続いての登板。メゾソプラノは池田香織、バリトンは須藤慎吾。合唱は京響コーラス。

京都市交響楽団の音色は幾分あっさりしてるがアンサンブルは緻密であり、アポロ芸術的な第九となる。

大野の指揮は、指揮棒と左手を小刻みに揺らして、細部まで操ろうとするのが特徴。昔から安定感のある指揮姿でそれは変わらないが、棒をこれほど細かく動かすことはなかったのだが。

弦主導の演奏であり、フルートが目立つ場面でも大野は口に人差し指を当てて「小さく」と指示していた。

一方でティンパニは思いっ切り叩かせる。
ティンパニの中山航平はやや硬めの音色で力強い音を出し、大野の指事に応える。

ピリオドの影響であるが、たまに弦がノンビブラートで透明な音を出すぐらい。この程度ならピリオドの演奏でなくてもあり得るのでピリオドの影響はほぼなしと見ていいだろう。

ティンパニとピッコロが、普段聴き慣れた第九とは違う音を出していたので、楽譜はあるいはベーレンライターか、ベーレンライターを基に手を加えたものである可能性が高い。

テンポであるが中庸である。第3楽章の冒頭と中間部でやや遅くしたのと、第4楽章で速めの場面があっただけで、基本的に自然体の演奏であった。

合唱の場面になると大野は一緒に歌いながら(といっても口を動かしているだけだが)合唱を誘導。両手よりも口元で指揮しているという印象である。

非常にスマートで爽やかなベートーヴェン。私の好みとはことなるが満足した人も多いと思われる。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2013年12月31日 (火)

コンサートの記(119) 川瀬賢太郎指揮大阪交響楽団特別演奏会「感動の第九」2013

2013年12月27日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、ザ・シンフォニーホールで、大阪交響楽団特別演奏会「感動の第九」を聴く。タクトを託されたのは、今年29歳という若手、川瀬賢太郎。
川瀬家太郎は、1984年、東京生まれ。私立八王子高校芸術コースを経て、憧れの存在だった広上淳一が指揮専攻の教授を務める東京音楽大学に進学。指揮を広上の他に、汐澤安彦、チョン・ミョンフンらに師事。2006年の東京国際音楽コンクール指揮者部門(通称:東京国際指揮者コンクール)で1位なしの2位に輝き、注目を集めるようになる。2014年4月からは神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任する予定である。

広上の弟子だけに、広上が常任指揮者を務める京都市交響楽団にも何度も客演しており、私は2010年の京響ニューイヤーコンサートで聴いているが、川瀬の指揮に接するのはおそらくそれ以来で、思った以上に長い月日が流れた。

川瀬は、山田和樹、三ツ橋敬子と共に、誰言うともなく「日本人若手指揮者三羽烏」の一人ということになっている。この世代では他に、川瀬と同じ東京音大出身の船橋洋介などもいるが前記三人に比べると活動が目立っているとは言えない。

ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」は、欧米では難曲中の難曲とされ、滅多に演奏されることはない。「何十年もオーケストラの定期会員になっているんだけど、ベートーヴェンの第九だけは聴いたことがなくってね」という人は欧米には相当数いるといわれる。というわけで、欧米では二十代の指揮者がプロオーケストラで第九を振るなどということはまず考えられないのだが、第九が年末の風物詩のようになっている日本ではそれが実現するのである。とはいえ、私も二十代の指揮者がプロオーケストラを振った第九というものを聴くのは初めてである。

第九の前にラヴェルのピアノ協奏曲が演奏される。ソリストは、大渕雅子。大渕は東京藝術大学附属音楽高等学校を卒業したが、大学は京都市立芸術大学音楽学部に進み、同大学院を修了している。シュトゥットガルト音楽大学に留学し、卒業後は同大学の講師も務める。日本での活動の拠点はやはり関西に置いているようだが、主に室内楽や歌曲のピアノ奏者として活動しており、ピアノ協奏曲のソリストになることは余り多くないようである。
立体感のあるピアノを奏でる人で、癖のない、ストレートな音楽を作る。ジャジーな第1楽章、伊福部昭が「ゴジラ」テーマの元ネタとしたともいわれる快活な第3楽章の演奏はいずれも見事。エスプリ・クルトワの粋を集めたような第2楽章はもう少しロマンティックに弾いた方が映えるかも知れない。

在阪プロオーケストラの中で、台所事情が最も苦しいといわれる大阪交響楽団。ベテランでも年収200万円台の人がいるそうで、弦楽器なら100%実家がお金持ちだからまだいいが、管楽器は中学校の吹奏楽部に入り、そこで嵌まってという人が多いので、音楽教室の講師や家庭教師などを兼任しないとやっていけない人もいると思われる。

歴史が浅いということもあり、薄味の演奏も多い大阪交響楽団であるが、川瀬はやはり実力者。非常に洗練された響きを引き出す。

本編であるベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。ソプラノ:老田裕子、メゾ・ソプラノ:谷田奈央(たにだ・なお)、テノール:二塚直紀(にづか・なおき)、バリトン:黒田まさき。全員、関西にある音楽大学や芸術大学、音楽学部で学んだ人達である。合唱は大阪交響楽団感動の第九特別合唱団2013(合唱指揮:中村貴志)。

川瀬の指揮は、以前、京響の演奏で聴いた時も統率力が若干弱い感じを受けたのだが、今日も第1楽章ではオーケストラドライブが軌道に乗らず、丁寧ではあるがスケールが余り拡がらない。
ピリオドであるが、弦楽のビブラートを控えめにし、ティンパニも硬い音を出すものを採用している、の二点だけ。大阪交響楽団はもともとパワー不足なので、ピリオドを徹底させると力感に欠ける演奏になってしまう。

第2楽章に入ると、川瀬の指揮の良さが十全に発揮される。緻密な音作りは、師である広上淳一指揮する第九同様、神秘的で奥行きのある宇宙的な響きを生み出す。神秘感の表出に関しては、今年の広上淳一指揮岡山フィルハーモニック管弦楽団の演奏をも上回る。
ちなみに第2楽章のラストは力強く終わるのが慣例、というより、そうした演奏しか聴いたことがないのだが、川瀬は柔らかめの音でフワッとした浮遊感を持って終わらせる。当然、このような演奏を聴くのは初めてであり、独自の楽譜を使っているのかどうか気になる(第4楽章でピッコロがかなり聞こえることから、ベーレンライター版がベースだと思われるが)。

川瀬の指揮姿であるが、広上の弟子だけあって(つまりレナード・バーンスタインの孫弟子となる)動きはかなり大きい。顔の表情は豊かすぎるほどである。川瀬の顔を見ていて「誰かに似てるなあ」と思ったが、すぐにテンダラーの浜本広晃に似ているのだと気付く。浜本も表情豊かな漫才やコントをする人である。

第3楽章も歌心満点で、美しい。ただ、ホルンが良いところで音を外しまくったのが惜しかった(ホルンは、「キークス(音外し)」という言葉が代名詞になるほど演奏の難しい楽器である)。

第4楽章は川瀬の若さが裏目に出て、オーケストラと合唱が二度ほど微妙にずれるなど万全とはいかなかったが、それでも立派な音楽となる。看板に偽りなしの感動の第九であった。

ラストに「蛍の光」の演奏と合唱が行われる。歌詞は第1番のみが歌われ、続きはヴォカリーズ(スキャット)となる。照明もそれに合わせて暗くなり、しみじみとした雰囲気を演出した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年12月14日 (土)

コンサートの記(113) 広上淳一指揮岡山フィルハーモニック管弦楽団ほか ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」 「2000人の第九」2013

2013年12月8日 岡山シンフォニーホールにて

岡山シンフォニーホールで、広上淳一指揮岡山フィルハーモニック管弦楽団ほかによる「2000人の第九」を聴く。オーケストラ合唱団含めて2000名なのではなく、聴衆も含めて2000人である。本編も合唱は大編成であるが、オーケストラは中編成である。本編が終わった後、パンフレットの裏側に記された部分をオーケストラ、合唱、独唱者、聴衆の計2000名で歌おうという企画である。

クリムト 「ベートーヴェンフリース」“歓喜”より 広上淳一指揮岡山フィルハーモニック管弦楽団ほか ベートーヴェン第九2013

午後3時開演とあったが、午後3時からはプレトークがあり、本編が始まるのは午後3時15分頃からである。

岡山シンフォニーホールは響きが良いという評判を聞いている。ホール内に入ると、確かに壁は木目で美しい。ただ、座席はクッションの薄い跳ね上げ式のもので、少し安っぽい。

ホワイエもスマートではあるが、やはりハレの気分の演出にはもう一工夫欲しい。音響は優れている。

合唱は「第九を歌う市民の会」。アマチュアではあるが、オーディションに合格した人ばかりであり、レベルは一定の水準に達している。

プレトーク。アルトのパート指導で、合唱にも参加する吉井江里が司会者となり、指揮者の広上淳一、ゲスト・コンサートマスターの長原幸太、テノールで合唱指導もした羽山晃生、バリトンのベンノ・ショルムによるトークが行われる。吉井江里は太めの体型であるが、「こんな豪華な方々を前にして、私、痩せる思いでございます」と自虐ネタをやり、広上から「面白いね」と言われる。

長原幸太は、第九はバブルの頃には一つの楽団が1ヶ月に27回も演奏したという記録があり、その世代を経験しているオーケストラプレーヤーは第九を隅々まで記憶しているという。ただ、長原はバブルが弾けた後に大阪フィルハーモニー交響楽団に入団したため、第九をバブル期のように頻繁に演奏した経験は持っていないという。長原は今でこそ、何度も第九は演奏した経験があるが、大阪フィルに入って初めての第九演奏会では、指揮者が「君達はこの曲をよく知ってるよね」といって、練習を一切しなかったそうで、人生初の第九は一発本番であったとのこと。
長原は更に、第九の演奏会で、演奏中に指揮者のしていた指輪が飛んでいったことがあり、これがまた取りにくいところに飛んでいったのだと語る(私はその演奏会を聴いている。アレクサンダー・リープライヒ指揮大阪フィルハーモニー交響楽団ほかによる年末の第九である。当時、長原は大阪フィルのコンサートマスターであった)。

羽山晃生は、「岡山には何度も来ているが、その時は必ずままかりを食べることにしている」という話から入る。更に、学生時代に羽山は武蔵野音楽大学の学生で、東京音楽大学と合同で第九の合唱として演奏会に参加したことがあるのだが、東京音大の学生に広上淳一がいたという。その時、広上は酒を飲んでいて、もう出来上がっており、第2楽章ではいびきをかいて居眠りを始めたという。その時の指揮者は小林研一郎であったのだが、広上はコバケンさんから終演後に、「君、なんてことをしてくれたんだ。演奏会が台無しじゃないか」と言われたそうである。広上は「今、振り返ると最低の学生ですね」と語る。

ベンノ・ショルムはオーストリア人であるが、英語で話し、それを広上が通訳する(広上は語学の才能には余り恵まれておらず、流暢に操れるのは英語だけである。それも海外に拠点を置いていた時期に集中して覚えたもので、第1回キリル・コンドラシン国際指揮者コンクールに出場した際は、英語もほとんど喋ることが出来ず、小柄という外見も相まって、演奏するオーケストラメンバーからは失笑も漏れたそうだが、いざ、指揮棒を振ると鮮やかにオーケストラを導き、笑いは賞賛へと変わったという)。

簡単な英語であり、私の席は前から4列目だったので、ショルムが話す英語も聞き取れる。ショルムは最後に「これまで、多くの有名な指揮者、ロストロポーヴィチやメニューインなどの指揮で第九を歌ってきたが、You(広上のこと)がベストだ」と告げる。

吉井江里は、更に、広上とショルムに、客席と一緒に歌う第九のレクチャーをして貰おうとしたのだが、広上から「私、何も聞いてないんですけど」と言われる。皆に配られたパンフレットの裏側に「歓喜に寄す」の一番盛り上がるところのドイツ語歌詞と、下に片仮名でルビが振られており、それで客席の人にも歌って貰おうというのである。広上は、「じゃあ、本編が終わってから、もう一度やりまして、歌うところになると私が振り向きますから、そこで歌って下さい」ということになる。

プレトークとレクチャーが終わり、いよいよ第九本番である。

広上指揮の第九は、一昨年に京都市交響楽団を振って演奏したものが、宇宙を思わせるような壮大な出来映えで、印象に残っている。ただ、今回指揮する岡山フィルハーモニック管弦楽団は歴史も浅く、編成も大きくはないということで、徒にスケールを拡げることのない、スッキリとした見通しの良い演奏が行われる。

岡山フィルハーモニックは、出のホルン4人にズレがあったものの、その後は快調。編成は室内オーケストラよりちょっとだけ大きいという程度だが、力強さにも欠けていない。

第2楽章、。ティンパニの強打がある。広上は京響を指揮した時は、真正面にいるティンパニに、ストレートパンチをする仕草をして、力強い音を引き出していたが、今回は、ティンパニはステージ下手奥におり、オーケストラの編成も大きくないということで、左手をティンパニに向けるだけの指示であった。余り勢いよく指示すると、ティンパニの強打がバランスを崩すほど大きな音を生んでしまう可能性があるためであろう。岡山フィルはクリアな音を奏で、譜面に書かれた音が全て聞こえるかのようである。

第3楽章はとにかく美しく、第4楽章も燃焼度の高い演奏で、第九を聴く醍醐味を堪能させてくれる。流石は広上である。合唱も独唱者も良かった。

そして、聴衆も参加しての、「歓喜に寄す」の合唱。私はバリトンで歌おうとしたが、歌い始めて、バリトンでは低すぎるということに気付いたため、急遽、テノールにパートを変更して歌った。ただ、岡山の聴衆は余り乗り気ではないようで、客席からの歌声は余り聞こえなかった。大阪だと「我も我も」という感じになるのであろうが、大阪はノリが良すぎるのかも知れない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年12月 7日 (土)

第九あれこれ2013 クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ほか ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」

クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ほかによる第九です。正攻法による演奏です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月29日 (土)

第九あれこれ 2012 NHK交響楽団1970年代の第九

今や年末の風物詩となったベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」演奏会。第九がこれほど演奏されるのは日本だけと言われていますが(ドイツでは以前は年末の第九演奏の習慣があったが、現在も続いているのはライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団だけと言われている)、その年末の第九演奏会を始めたのがNHK交響楽団の前身である新交響楽団や日本交響楽団であるというのは事実として求められています。そんな「年末の第九演奏」の本家であるNHK交響楽団の1970年代の第九演奏をまとめたCDボックスが出ています。NHKによる録音、公益財団法人日本伝統文化振興財団(レーベルはAudio Meister)の制作・発売。
全て、1973年6月にオープンした東京・渋谷のNHKホールでのライブ収録です。

6人の指揮者によるN響の第九1973年6月にオープンした渋谷のNHKホール。愛宕山にあった旧NHKホールの倍以上のスケールを誇る多目的ホールで収容人数は約4000人。クラシック音楽を演奏するには大きすぎると言われ、音響に難有りとされるホールですが、N響の定期演奏会ではそれでも満員になるというのがN響の人気を示しています。

このCDにはNHKホールの杮落とし演奏となった、1973年6月6月27日のウォルフガング・サヴァリッシュ指揮の第九を始め、1973年から1979年までの年末の第九の演奏が収められています。
年末の第九の指揮者は、名誉指揮者であったロヴロ・フォン・マタチッチ(1973年、1975年。キングレコードから単売されてもいる)、同じくN響名誉指揮者のオトマール・スウィトナー(1974年、1978年)、フェルディナント・ライトナー(1976年)、ホルスト・シュタイン(N響名誉指揮者。1977年)。イルジー・ビェロフラーヴェク(1979年)の計8人、8回の第九演奏です。

この中では、サヴァリッシュ指揮の第九が最も安定感があり、バイエルン国立歌劇場の総監督という実はかなり高い立場にあった指揮者の底力が感じされます。合唱終了後のオーケストラのみによる終末の演奏のテンポが最も遅いのもサヴァリッシュです。なお、合唱はこの演奏会のみ東京藝術大学。その他は国立音楽大学が合唱を担当しています。

これに比べると、音楽の重心がぐっと低くなるのがロヴロ・フォン・マタチッチの第九。第4楽章で弦楽のみによる歓喜の歌が歌われる部分に管楽器を足して音を増補しているのも特徴です。音の重心が低いため、サヴァリッシュの第九よりもテンポが遅く聞こえますが、実は演奏時間はそれほど変わりません。1973年年末の第九では、新しいNHKホールの空間に戸惑った独唱者が、声を張り上げ、ほとんど怒鳴るように歌っているのが特徴。まだNHKホールの音響を把握し切れていなかった結果だと思われます。

テンポが遅く、唯一70分を超える演奏をしている指揮者がオトマール・スウィトナー。1978年の第九はテンポが遅いだけでなく、強弱の幅も最も大きく、スケールの大きな演奏となっています。

今では知る人も少なくなったフェルディナント・ライトナーの第九は、他の指揮者よりも管楽器の浮かび上がらせ方が上手く、聞きやすい演奏になっています。

特異な風貌が特徴であったホルスト・シュタインの音楽はその容貌とは裏腹に極めて端正。場面によってはスタイリッシュであったりもします。このBOXの中では最も聴きやすい第九でしょう。

演奏当時33歳と若かったイルジー・ビエロフラーヴェクの第九。欧米では第九は特別な音楽とされており、30代の指揮者はまず振らせて貰えない曲ですが、年末になると必ず各地で第九が演奏される日本ということで、若くして第九を指揮しています。明晰な指揮でわかりやすい一方で、音の強弱の変化は最も乏しく、第4楽章で低弦が「歓喜の歌」のメロディーを弾き出すときに、不自然に速いテンポを採るなど、若さ故の弱点が露呈されていたりもします。
この後、ビエロフラーヴェクはチェコ出身の気鋭の指揮者として活躍、1990年にはチェコ最高のオーケストラであるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者に就任しますが、オーケストラから「実力不足」と見なされて2年で解雇。当時のチェコスロヴァキア政府がビエロフラーヴェクを続投させるよう指示するもオーケストラが拒否するという自体に発展。ビェロフラーヴェクは新たにプラハ・フィルハーモニー管弦楽団を組織。チェコ・フィルはビエロフラーヴェクの前任者であるヴァーツラフ・ノイマンを指揮者として招きますが、ノイマンの死後はチェコ出身の有力指揮者がいなくなり、ドイツ人であるゲルト・アルブレヒトを迎えるもかつての敵国の指揮者を招いたということで混乱が起きたりしています。
ビエロフラーヴェクはその後、路上強盗に遭ったのがニュースになったりしましたが、イギリスのBBC交響楽団の首席指揮者として地味に活躍。今年、再びチェコ・フィルハーモニーの首席指揮者に返り咲いています。本CDボックスの指揮者の中では唯一の現役の指揮者です。

1970年代のライヴ録音ですが、Xrcd24による復刻で音質に不満はありません。
好事家向きではありますが、6人の指揮者による8様のN響の第九として楽しめるCDボックスです。

なお、限定発売であり、在庫には限りがありますので購入したい方はお早めに。

6人の指揮者による8種のN響の第九(HMV) icon

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月31日 (土)

第九あれこれ 2011 朝比奈隆 N響との唯一の第九

朝比奈隆指揮NHK交響楽団、東京藝術大学合唱団ほかによるベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」を紹介します。NHK交響楽団第990回定期演奏会のライブ収録。フォンテック・レーベル。

日本におけるベートーヴェン演奏に第一人者といわれた朝比奈隆(1908-2001)。朝比奈は大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽総監督でしたが、NHK交響楽団の音を「日本一の音色」と評価し、「NHK交響楽団は日本一のオーケストラなのだから、もっとしっかりして貰わないと困る」と苦言を呈したこともありました。

年末になると日本では全国各地で第九が演奏されますが、この嚆矢となったのもNHK交響楽団で、ローゼンシュトックが「ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が年末に第九を演奏する」と紹介し、戦後に尾高尚忠の指揮で年末に第九を演奏したところ、これが大好評で、N響(当時の名前は日本交響楽団)は毎年、年末に第九を演奏するようになり、他の日本のオーケストラもこれを真似て、「日本の年末といえば第九」が定番となりました。今や「年末の第九」は日本の風物詩です。

そのため、NHK交響楽団も第九の演奏には誇りがあり、良い指揮者でない限り第九を振らせることはありません。年末の第九は外国人著名指揮者の招聘が続いています。

そんな中で、N響の第九を振った日本人指揮者が朝比奈隆でした。

朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」 この第九は実は年末の第九ではありません。演奏が行われたのは1986年4月25日。しかも当初の指揮者は朝比奈ではなく、ギュンター・ヴァントの予定でした。ただ、ヴァントは厳しい練習を課すことで知られた指揮者でしたので、結局この時はN響側の提示した条件にヴァントが納得せず、キャンセルとなりました。そこで代わりに指揮台に立つことになったのが朝比奈隆でした。年末以外の第九となると、年末の第九以上に指揮者は厳選されます。その中で朝比奈が選ばれたのです。

朝比奈がN響と第九の演奏を行ったのはこの時だけですので、それだけでも貴重な記録です。

演奏ですが、朝比奈らしい、巨大なスケールを誇ります。客演でもあり、また相手がNHK交響楽団ですので、手兵の大阪フィルや、東京における拠点オーケストラだった新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮した時ほどには朝比奈は自由には振る舞っていませんが、日本で一番ドイツ的な音を出すNHK交響楽団を指揮しただけあって、重厚で渋い演奏を味わうことが出来ます。
日本音楽史上に残るベートーヴェン指揮者の朝比奈隆と、朝比奈が「日本一」と認めたNHK交響楽団による第九。ベートーヴェン好きなら一度は聴いておきたい演奏です。

朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」(フォンテック)タワーレコード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月31日 (木)

第九あれこれ 2009 その2 ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団ほか ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」

ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団ほかによる第九を紹介します。ヴァイトブリック・レーベル。

ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団ほか ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」 1924年生まれのフランスの名匠、ジョルジュ・プレートル。

若い頃にはマリア・カラスのオペラで指揮者を務め、またフランシス・プーランクのスペシャリストとして知られていましたが、2008年のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートの指揮台に立って、躍動感溢れる音楽性を披露し、その知名度は一躍世界的なものにアップしました(2010年のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートに再登場の予定)。

その後に発売されたマーラーやこのベートーヴェンのCDでも好演を示し、ドイツものに強いことを証明して見せました。

我々はついフランス人の指揮者だからフランスものに強いという先入観を持ってしまいがちですが、プレートルはむしろドイツものに適性があるようで、これまで彼のドイツものが顧みられなかったことが残念でなりません。

プレートルの第九は音に熱が籠もっており、スケールも雄大で迫力満点です。「灼熱のベートーヴェン」と称したらよいでしょうか。とにかくその情熱に圧倒されること請け合いの名演です。

ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団ほか ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」(weitblick)タワーレコード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

2346月日 | DVD | YouTube | …のようなもの | おすすめCD(TVサントラ) | おすすめサイト | おすすめCD(クラシック) | おすすめCD(ジャズ) | おすすめCD(ポピュラー) | おすすめCD(映画音楽) | お笑い | アニメ・コミック | アメリカ | アメリカ映画 | イギリス | イギリス映画 | イタリア | ウェブログ・ココログ関連 | オペラ | カナダ | グルメ・クッキング | ゲーム | コンサートの記 | コンテンポラリーダンス | コンビニグルメ | サッカー | シェイクスピア | シベリウス | ショートフィルム | ジャズ | スペイン | スポーツ | ソビエト映画 | テレビドラマ | トークイベント | ドイツ | ドキュメンタリー映画 | ニュース | ノート | ハイテクノロジー | バレエ | パソコン・インターネット | パフォーマンス | パーヴォ・ヤルヴィ | ピアノ | ファッション・アクセサリ | フィンランド | フランス | フランス映画 | ベルギー | ベートーヴェン | ミュージカル | ミュージカル映画 | ヨーロッパ映画 | ラーメン | ロシア | 中国 | 中国映画 | 交通 | 京都 | 京都市交響楽団 | 伝説 | 余談 | | 動画 | 千葉 | 占い | 台湾映画 | 史の流れに | 哲学 | | 大河ドラマ | 大阪 | 学問・資格 | 室内楽 | 小物・マスコット・インテリア | 広上淳一 | 心と体 | 意識について | 携帯・デジカメ | 政治・社会 | 教育 | 散文 | 文化・芸術 | 文学 | 文楽 | 旅行・地域 | 日本映画 | 日記・コラム・つぶやき | 映画 | 映画音楽 | 映画館 | 書店 | 書籍・雑誌 | 書籍紹介 | 朗読劇 | 来日団体 | 東京 | 楽興の時 | 歌舞伎 | 正月 | 歴史 | 海の写真集 | 演劇 | 無明の日々 | 猫町通り通信・鴨東記号 | 祭り | | 笑いの林 | 第九 | 経済・政治・国際 | 絵画 | 美容・コスメ | 美術回廊 | 習慣 | 能・狂言 | 花・植物 | 芸能・アイドル | 落語 | 街の想い出 | 言葉 | 趣味 | 追悼 | 邦楽 | 野球 | 関西 | 雑学 | 雑感 | 韓国 | 韓国映画 | 音楽 | 音楽劇 | 食品 | 飲料 | 香港映画