カテゴリー「映画音楽」の19件の記事

2018年5月 4日 (金)

コンサートの記(376) ウィーン少年合唱団来日公演2018京都

2018年4月29日 京都コンサートホールにて

午後2時からウィーン少年合唱団の来日公演を聴く。

アルトゥーロ・トスカニーニによる「天使の歌声」という賛辞でも知られるウィーン少年合唱団。ハイドン、シューベルト、ブルックナーが在籍したという長い歴史を持ち、現在も10歳から14歳の約100人のメンバーから成る。現在は作曲家名に由来する、ハイドン、モーツァルト、シューベルト、ブルックナーという4つのグループに分かれて活動。今回はハイドン組が来日した。カペルマイスターはジミー・チャン(指揮&ピアノほか)。

ピアノが弾き振りの時の形でセットされており、合唱団のメンバーがピアノを挟んで左右に陣取ることになる。

曲目は、第1部が宗教音楽集として、「グレゴリオ聖歌:あなたに向けてわが魂を」、ハスラーの「主に向かいて歌え」、クープランの「歓喜せよ」、カルダーラの「我は生ける糧なり」、ハイドンの「くるおしく浅はかな心配は」、モーツァルトの「汝により守られ」、メンデルスゾーンの「主をほめたたえよ」、バッハ=グノーの「アヴェ・マリア」(グノー生誕200年記念)、レナード・バーンスタインの「チチェスター詩編」より“主は私の羊飼い”(バーンスタイン生誕100年記念)、ディストラーの「我らに平安を与えたまえ」、ホーキンスの映画「天使にラブソングを2」より“オー・ハッピー・デイ”、第2部が世界各国の音楽というテーマで、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「千夜一夜物語」、ヴェルディの歌劇「マクベス」より“何をしていたの? 教えて”、ウエルナーの「野ばら」、フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より“私は小さな眠りの精”と“夕べの祈り”、ウズベキスタン民謡の「水の女神」、岡野貞一の「ふるさと」、中国民謡「ひばり」、ロブレスの「コンドルは飛んでいく」、南アフリカ民謡の「ホーヤ・ホー」、ホーナーの映画「タイタニック」より“マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン”、ヨーゼフ・シュトラウスの「水平のポルカ」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「美しく青きドナウ」

第1曲であるグレゴリオ聖歌の「あなたに向けてわが魂を」では、メンバー達が客席1階中央通路横の扉から歌いながら登場してステージに上がるという演出がある。拍手が起こっていたが、この場合するのが適当なのかしないことがいいのか判断出来ない。拍手が歌声をかき消してしまう。よくわからないので取りあえずしないでおいた。想像を上回る美声である。今日は3階席レフトサイドの一番せり出した席で聴いたのだが残響も長く、教会の中で聴いているかのような気分になれた。

カペルマイスターのジミー・チャンは音型を描くタイプの指揮。今は拍を刻む指揮は少なくなりつつある。このジミー・チャン、ピアノがとにかく上手く、相当な実力者であることが窺える。少年達を教導するのだから、指揮者として優れているのみならず、いわゆる人格者である必要もあるのだろう。指揮者で且つ人格者という人材は余りいないと思われる。多分、ウィーン少年合唱団のオーディションに受かるよりも合唱団のカペルマイスターになる方が難しいのではないだろうか。
チャンはピアノ他にチェロや打楽器も演奏する。

少年達なので、歌詞の内容把握が十全でなかったり音程が不安定だったりする(そもそも声楽家が一人前扱いされるのは40を過ぎてからである。オペラ歌手の場合、完全に歌詞の中身を把握する頃には声がピークを過ぎてしまっているという悲劇が知られる)のだが、それも含めてのウィーン少年合唱団の味である。

バーンスタインの「チチェスター詩編」より“主は私の羊飼い”では変拍子の連続がある上に旋律も半音ずつ動くようなもので、今日のプログラムの中では一番の高難度だったと思うが、なかなか聴かせてくれる。

指揮のジミー・チャンや少年合唱団のメンバーが、虎の巻を片手に日本語で曲目紹介を行う。ハイドン組には日本人の少年が二人在籍しており、そのうちの一人も楽曲紹介を日本語で行う(当たり前だが日本語が際立って上手い)。多分、オーストリアの人がテキストを日本語訳したのだと思われるが、「国々」を「こくこく」と読み違えたところもある。意味がわかったからいいか。

声が魅力のウィーン少年合唱団。ただ近い将来、この声が失われることになると思うと切なくなったりもする。それだけに今のこの一秒一秒に価値があるとも思える。

アンコールは、久石譲の「となりのトトロ」とヨハン・シュトラウスⅡ世の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。団員達は楽しそうに伸び伸びと歌っていた。



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2018年2月22日 (木)

久石譲 「HANA-BI」メインテーマ


R.I.P.

太田省吾という人について何も知らなかったなら大杉漣について色々書けたのだが、それが出来ないのが残念である。

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2018年2月17日 (土)

コンサートの記(345) 山本祐ノ介指揮 京都市交響楽団 京都新聞トマト倶楽部コンサート「懐かしの映画音楽」2017

2017年4月28日 京都コンサートホールにて

午後2時から、京都コンサートホールで京都新聞トマト倶楽部コンサート「懐かしの映画音楽」2017を聴く。演奏は山本祐ノ介指揮の京都市交響楽団。

山本祐ノ介は山本直純の息子である。1963年東京生まれ、東京芸術大学附属音楽高校を経て東京芸術大学卒、同大学院修了。本業はチェリストで、東京交響楽団の首席チェロ奏者などをしていたが、やはり山本直純の息子というと求められるものがある。ということで、指揮者、作曲家、編曲家としても活躍している。指揮者としてはミャンマー国立ヤンゴン交響楽団の指揮者を務めている。
山本直純はひげがトレードマークだったが、山本祐ノ介はひげは生やしていない。

「懐かしの映画音楽」というタイトルだが、最も新しい映画でも1972年制作の「ゴッドファーザー」。私が生まれる前の作品である。勿論、映像で観たことのある作品も多いが、ロードショーで観ているわけではない。私の場合リアルタイムで観た懐かしい映画というと1980年代の「E.T.」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、邦画でいうと「南極物語」辺りからとなる。

曲目は前半が、20世紀FOXのファンファーレ、「007は殺しの番号」~ジェームズ・ボンドのテーマ~、「避暑地の出来事」~夏の日の恋~、「個人授業」~愛のレッスン~、「ゴッドファーザー」~愛のテーマ~、「南太平洋」~魅惑の宵~、「アラビアのロレンス」~序曲~、「ドクトル・ジバゴ」~ラーラのテーマ~、「ベン・ハー」~序曲~。後半が、「80日間世界一周」~アラウンド・ザ・ワールド~、「悲しみの天使」~哀愁のアダージョ~、「誰(た)が為に鐘は鳴る」~メインテーマ~、「栄光への脱出」~メインテーマ~、「白い恋人たち」~白い恋人たち~、「ひまわり」~愛のテーマ~、「エデンの東」~メインテーマ~、「風と共に去りぬ」~タラのテーマ~。
「ゴッドファーザー」の愛のテーマと「ドクトル・ジバゴ」よりラーラのテーマの編曲は山本祐ノ介、「悲しみの天使」より哀愁のアダージョが佐野秀典の編曲で、残る曲は全て南康雄の編曲である。


今日のコンサートマスターは渡邊穣。

山本祐ノ介は前半が銀地に黒の模様入りのジャケット、後半は父親の山本直純譲りであると思われる真っ赤なジャケットで登場する。マイクを手にトークを入れながらの指揮。
ジェームズ・ボンドを演じていたショーン・コネリーは今は髪が薄くてひげが濃いだの、アラビアのロレンスを演じていたピーター・オトゥールの格好が忍者に見えただのというユーモアを交えながらのトークである。山本はミャンマー国立ヤンゴン交響楽団の演奏会ではベートーヴェンの交響曲なども指揮しているそうだが、ミャンマーではクラシック音楽が普及しておらず、ミャンマー人は「ベートーヴェン」と聞いても名前は浮かんでも曲は全く知らないという状態であるため、クラシックだけのコンサートを開いてもお客が入らない。ということで映画音楽なども取り上げるのだが、映画音楽も知名度にムラがある。「誰でも知っている映画音楽は何か?」とリサーチしたところ、「どうやら『ゴッドファーザー』の音楽はみんな知っているらしい」ということで自ら編曲して取り上げたそうである。日本でも「ゴッドファーザー」のメインテーマは暴走族の兄ちゃんでも知ってるからね。

京都市交響楽団は今日も好調。弦は滑らかで管は輝かしい。ピアノとして入った佐竹裕介の達者な演奏を聴かせる。

アンコール演奏は、「マイ・フェア・レディ」より“踊り明かそう”。
「マイ・フェア・レディ」は、オードリー・ヘップバーン主演のミュージカル映画だが、オードリー・ヘップバーンは歌が余り上手でなかったため、オードリーが演じているイライザのナンバーは全てマーニ・ニクソンが吹き替えを行っている。マーニ・ニクソンは吹き替え専門の歌手だったが、長年の功績が讃えられ、「サウンド・オブ・ミュージック」には修道女の一人として出演している。

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2018年2月14日 (水)

コンサートの記(344) 大阪フィルハーモニー交響楽団「Enjoy!オーケストラ ~オーケストラで聴く映画音楽の世界!~」

2018年2月9日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、大阪・福島のザ・シンフォニーホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団「Enjoy!オーケストラ ~オーケストラで聴く映画音楽の世界!~」を聴く。指揮とお話は大阪フィルハーモニー交響楽団ミュージック・アドヴァイザーの尾高忠明。

大阪フィルハーモニー交響楽団は、フェスティバルホールを本拠地としているが、定期演奏会はフェスティバルホールで行い、その他の企画はザ・シンフォニーホールを使う傾向がある。音響だけとればザ・シンフォニーホールは日本一だと思われるため、使用しないと勿体ない。今回は武満徹とジョン・ウィリアムズという二人の作曲家の作品を取り上げる。

曲目は、第1部が武満徹作曲による、3つの映画音楽(「ホゼ・トレス」、「黒い雨」、「他人の顔」)、「夢千代日記」、「乱」、「波の盆」組曲。「夢千代日記」と「波の盆」はテレビドラマのための音楽である。 第2部がジョン・ウィリアムズ作曲の映画音楽で、「未知との遭遇」メインテーマ、「ハリー・ポッターと賢者の石」メインテーマ、「シンドラーのリスト」メインテーマ、「E.T.」よりフライングシーン、「ジョーズ」メインテーマ、「スター・ウォーズ」メインテーマ。

まず武満の3つの映画音楽。大フィルは元々音量は豊かだが音の洗練については不足気味の傾向がある。初代の音楽監督である朝比奈隆が「愚直」を好み、骨太の演奏を指向したということもある。2代目の音楽監督である大植英次は現代音楽も得意としたが外連を好む傾向にあり、首席指揮者を務めた井上道義に関しても同傾向であったことは言うまでもない。ということで、もっと緻密で繊細な音作りも望みたくなるのだが、洒脱さは出ていたし、まずまずの出来だろう。

演奏終了後、尾高はマイクを手に振り返り、トークを始める。「僕は桐朋学園に学びました。齋藤秀雄という怖い怖い先生に教わりましたが、『尾高! 良い指揮者になりたかったらあんまり喋るな!』」といういつもの枕で笑いを取る。「大阪フィルハーモニー交響楽団は人使いが荒くて、指揮だけでなく話もして欲しい」。ここから武満の思い出となり、「コンピューターゲームが大好きな人でした。うちによく遊びに来てくれて嬉しかったのですが、コンピューターゲームで自分がお勝ちになるまでお帰りにならない」「これは喜ばれると思うのですが阪神タイガースの大ファンでした。阪神が負けた日には話しかけない方が良さそうな」という話をする。雑誌のインタビューで読んだことがあるのだが、尾高はこの話を日本だけではなく海外でも行っており、海外のオーケストラ団員も「タケミツってどんな人?」と興味津々で、この話をすると喜ばれるそうである。

その後、次の「夢千代日記」の話になり、主演した吉永小百合が今でも「バレンタインデーにチョコレートを貰いたい有名人アンケート」で1位を取るという話もする。どちらかというと響きの作曲家である武満徹。世界で彼にしか書けないといわれたタケミツ・トーンは海外、特にフランスで高く評価され、フランス人の音楽評論家から「タケミツは日系フランス人作曲家である」と評されたこともある。ただ武満本人は、「ポール・マッカートニーのような作曲家になりたい」と望んでおり、メロディーメーカーに憧れていた。残念ながらメロディーメーカーとしてはそれほど評価されなかった武満であるが、「夢千代日記」や「波の盆」に登場する美しい旋律の数々は、武満の多彩な才能を物語っている。

「乱」に関しては、監督である黒澤明と武満徹の確執を尾高は話す。黒澤明は武満に作曲を依頼。レコーディングのためにロンドン交響楽団を押さえていた。「ロンドン交響楽団で駄目だったらハリウッドのオーケストラを使ってくれ。ゴージャスにやってくれ」と注文したのだが、武満は岩城宏之指揮の札幌交響楽団を推薦。黒澤は「冗談じゃない!」と突っぱね、ここから不穏な空気が漂うようになる。武満が想定した音楽は黒澤が想像していたものとは真逆だった。
よく知られていることだが、黒澤映画のラッシュフィルムにはクラシック音楽が付いており、黒澤は「これによく似た曲を書いてくれ」というのが常だった。「乱」に関してはマーラーの曲が付いていたことが想像される。黒澤はマーラーのようにど派手に鳴る音楽を求めていたようだ。武満も「強い人だったので」折れず、じゃあ一緒に札幌に行こうじゃないかということになり、札幌市の隣町である北広島市のスタジオで札幌交響楽団に演奏を聴く。黒澤は納得したようで、札幌交響楽団のメンバーに「よろしくお願いします」と頭を下げたそうである。実はこの後、武満と黒澤は更に揉めて、絶交にまで至るのだが、それについては尾高は話さなかった。ただ演奏終了後に、「この音楽はハリウッドのオーケストラには演奏は無理であります」と語った。

武満の映画音楽の最高峰である「乱」。色彩豊かなのだがどこか水墨画のような味わいのある音楽である。巨人が打ち倒されるかのような強烈な悲劇性と群れからはぐれて一人ヒラヒラと舞う紋白蝶のような哀感の対比が鮮やかである。タケミツ・トーンがこれほど有効な楽曲もそうはない。

「波の盆」。尾高は日系ハワイ移民を題材にしたストーリーについて語る。笠智衆、加藤治子、中井貴一が出演。日米戦争に巻き込まれていく姿が描かれている。「あんまり詳しく話すとDVDが売れなくなりますので」と尾高は冗談を言っていた。
叙情的なテーマはよく知られているが、いかにもアメリカのブラスバンドが奏でそうなマーチが加わっていたりと、バラエティ豊かな音楽になっている。武満自身がマニア級の映画愛好者であり、オーケストレーションなどは映画音楽の仕事を通して学んだものである。

ちなみに尾高は子供の頃は指揮者ではなく映画監督に憧れていたそうで、果たせずに指揮者となり「一生を棒に振る」と冗談で笑いを取っていた。


第2部。ジョン・ウィリアムズの世界。最初の「未知との遭遇」メインテーマでは、高校生以下の学生券購入者をステージ上にあげての演奏となった。演奏終了後に子供に話も聞いていたが、今の子供も「未知との遭遇」のテーマは「聴いたことがある」そうである。

尾高は、ジョン・ウイリアムズは武満を尊敬していたということを語る。

ジョン・ウィリアムズは、「ジュリアード音楽院、日本でいうと東京芸大のようなところ」で学び、カステルヌオーヴォ=テデスコに師事した本格派であり、スピルバーグもジョージ・ルーカスも「自分が成功出来たのはジョンの音楽があったから」と語っていることを尾高は紹介する。

「ハリー・ポッターと賢者の石」はスピルバーグ作品でもルーカスフィルムでもなく、クリス・コロンバス監督作品であるが、「ハリー・ポッター」シリーズは、イギリス人の魂そのものだと捉えられているそうである。ミステリアスな曲調を上手く現した演奏であった。そういえば、私が「ハリー・ポッターと賢者の石」を観たのはまだ千葉にいた頃で、富士見町にあるシネマックス千葉での上映を観たのだった。

「シンドラーのリスト」では、今日は客演コンサートマスターに入った須山暢大(すやま・のぶひろ)が独奏を担当。サウンドトラックでソロを受け持ったイツァーク・パールマンのような濃厚さはなかったが技術面ではしっかりした演奏を聴かせる。

「E.T.」よりフライングシーンの音楽。今日取り上げたジョン・ウィリアムズ作品の中で、この曲だけがメインテーマではない。CMでもよく使われる曲で、尾高はピザのCMに使われたものが印象的だったと述べた。大フィルの音楽性には武満よりもジョン・ウィリアムズ作品のようが合っているように思う。

「ジョーズ」メインテーマ。スピルバーグが「28歳ぐらいの時の映画だと思うのですが」「自分より1つか2つ上なだけの人間(尾高は1947年生まれ、スピルバーグは1946年生まれである)がこうした映画を撮るのか」と衝撃受けたそうである。演奏を見ているとかなり高度はオーケストレーションが用いられているのが確認出来る。

今日はチケット完売、補助席まで売り切れという盛況である。尾高によると満員というのが文化の高さの指標になるそうで、以前、新国立でベンジャミン・ブリテンの「ピーター・グライムズ」をやった時、二日とも満員御礼で初日は良かったのだが、二日目に1階席の真ん真ん中2列が空いてしまっていたという。そこはスポンサー関係者用の席で誰も聴きに来なかったようなのだが、2幕の始まりに、ビーター・グライムズ役のイギリス人歌手が尾高の所に飛んできて、「チュウ! チュウというのは僕のことです。『もう歌わない! あそこが空いてるじゃないか!』となりまして」と語った。

さらにチケット完売時の返券(キャンセル)の話になる。尾高がウィーン国立音楽アカデミー(現・ウィーン国立音楽大学)でハンス・スワロフスキーに師事していた時代のこと。ヘルベルト・フォン・カラヤンが毎年夏に自身が主催するザルツブルク音楽祭を開いており、「カラヤン指揮のオペラが聴きたい」と思った尾高はザルツブルク祝祭劇場(カラヤンが大阪の旧フェスティバルホールをモデルに自らも設計に加わって建てさせたもの)まで出掛けた。
帝王カラヤン指揮のオペラなので前売り券は当然ながら完売、尾高は返券を求めて、開場の1時間半ほど前から並ぶことにしたという。午前8時半頃にザルツブルク祝祭劇場の前に着くと、すでに100人ほどが列を作っている。「こりゃ駄目かな」と思いつつ尾高が列に並んでしばらくすると、黒塗りの豪華な車が劇場の前で止まり、いかにも上流階級といった風の男性が降りてきた。男は尾高に、「おい、君は何やってるんだ?」と聞く。尾高が「オペラを聴くために並んでます」と答えると、「そんなことはわかっている。なにをやっていて、どうしてこのオペラを聴こうと思ったのかを聞いている」。尾高がウィーンで指揮を学んでいることを話すと、男性はチケットをくれたという。なんとS席の中でも特等の座席であったそうだ。
男性はカラヤンの知り合いで、毎年、ザルツブルク祝祭劇場でオペラを観ていたのだが、この年はどうしても抜けられない仕事が出来てしまい、「チケットを無駄にしたくないから、音楽を学んでいる奴にやろう」と決めて、目的地に向かう途中で高速道路を下りて、わざわざザルツブルク祝祭劇場に車を横付けしたのだった。

ラストの「スター・ウォーズ」メインテーマ。輝かしい演奏で掉尾を飾った。

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2018年2月 8日 (木)

Happy Birthday ジョン・ウィリアムズ 「スター・ウォーズ」メインテーマ ジョン・ウィリアムズ指揮ボストン・ポップス・オーケストラ


ジョン・ウィリアムズが手兵としていたボストン・ポップス・オーケストラを指揮した映像。ボストン・ポップス・オーケストラはボストン交響楽団の楽団員のうち、首席奏者を除いたメンバーで構成されたポップス・オーケストラ。アーサー・フィードラーに率いられて一時代を築き、ルロイ・アンダーソンの曲などを初演。ジョン・ウィリアムズはボストン・ポップス・オーケストラの2代目常任指揮者であった。

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2017年11月26日 (日)

楽興の時(17) 「テラの音 圓光寺第10回公演」

2017年11月19日 左京区北白川の真宗大谷派圓光寺にて

午後4時から、北白川にある真宗大谷派圓光寺で、「テラの音(ね) 圓光寺第10回公演」を聴く。今日は弦楽四重奏のコンサートである。
真宗大谷派圓光寺から、北に歩いて20分ほどのところに、紅葉の名所としても知られる臨済宗圓光寺があり、混同されることが多いそうだ。樋口住職によると、真宗大谷派圓光寺は、1970年に西本願寺のそばから北白川に移ってきたそうである。

北白川は、京都大学の教授達が疎水沿いに住んだことに端を発する高級住宅街であるが、真宗大谷派圓光寺があるのは、白川通より東の茶山の裏手であり、「熊出没注意」の看板もある山深いところである。京都の街は少し位置が変わるだけで表情が大きく変わる。

出演は全員、同志社女子大学学芸学部音楽科のOGである、高木玲(第1ヴァイオリン)、牧野貴佐栄(まきの・きさえ。第2ヴァイオリン)、野田薫(ヴィオラ)、桜井裕美(チェロ)の4人。弦楽四重奏曲は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが並ぶ布陣になることが多いが、今日は下手から時計回りに、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンと並ぶヴァイオリン両翼のポジショニングである。
トークは、テラの音主催である牧野貴佐栄が受け持ったが、牧野さんは一週間前に風邪を引いてしまったそうで、濁声であった。


曲目は、第1部が、ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーブス幻想曲」、モーツァルトのディヴェルティメント K.136、モーツァルトの歌劇「魔笛」より夜の女王のアリア(「復讐の心は炎と燃え」)と「パパパの二重唱」、プッチーニの「菊」、ハイドリヒ名義の「ハッピーバースデー変奏曲」。第2部が、菅野よう子の「おんな城主 直虎」のテーマ、伊福部昭の「ゴジラ」よりメインテーマ、久石譲の「もののけ姫」よりと「いのちの名前」(「千と千尋の神隠し」より)、荒井由実の「ルージュの伝言」(「魔女の宅急便」より)、幸松肇の「日本民謡組曲」(「さんさ時雨」、「ソーラン節」、「五木の子守唄」、「茶切節」)


全員、大学の音楽科卒で、ある程度のレベルは保証されているもののプロの専業演奏家ではないため、感心するほどの出来映えにはやはりならない。ただ、曲目がバラエティに富んでいて楽しめる。

第1部のラストでは、「新たに作曲された」という設定で、「ハッピーバースデー」の変奏曲が3曲演奏される。ハイドリヒ名義であるが、おそらくはメンバーによる編曲で、名義はスティーヴンソンのハイド氏と弦楽四重奏の父・ハイドンに由来するのだろう。3曲目はドヴォルザークの「アメリカ」カルテットを模した編曲であった。


第2部では、スタジオジブリの映画音楽が並ぶ。「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」は観ているが、「魔女の宅急便」はまだ観ていない。ジブリ作品自体、観たことのないものの方が多い。


「日本民謡組曲」。私の好きな「五木の子守唄」が入っている。被差別階級(農奴同然)の子守女の悲哀が歌われている曲であり、演奏も入魂といった感じで良かった。


アンコールとして、さだまさしの作曲で山口百恵の歌唱でも知られる「秋桜」が演奏された。

テラの音(ね) 真宗大谷派圓光寺10回記念公演

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2016年12月28日 (水)

「スター・ウォーズ」より“レイア姫のテーマ”

キース・ロックハート指揮BBCコンサートオーケストラの演奏。BBCプロムスでの映像です。

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2016年12月15日 (木)

武満徹 「乱」より

武満徹作曲による黒澤明監督作品「乱」の映画音楽。「乱」はシェイクスピアの「リア王」の翻案です。黒澤明は、予めラッシュフィルムにクラシック音楽をつけておき、「これによく似た音楽を書いてくれ」と注文することが多かったのですが、これもそのケースです。この映像には出て来ませんが、マーラーの交響曲第1番「巨人」第3楽章ほぼそのままの葬送行進曲が出てきたりします。そのことで武満は不満だったのですが、黒澤は武満が好きではなかったティンパニの多用を要求。出来上がった音楽をスタジオで試聴している際に薄笑みを浮かべている黒澤を見た武満は激昂。「あなたのような人とはもう二度と仕事はしない!」と言ってスタジオを飛び出し、関係は破綻しました。

話は変わりますが、「乱」のラストシーンに出てくる少年は、若き日の野村萬斎(野村武司)です。

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2016年10月10日 (月)

アントン・カラス(ツィター) 映画「第三の男」ハイライト

史上屈指の名画「第三の男」のハイライト映像。音楽はオーストリアの民族楽器ツィターの演奏家にして作曲家であるアントン・カラスによる「第三の男のテーマ(ハリー・ライムのテーマ)」。日本ではヱビスビールの音楽として知られています。

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2016年8月 3日 (水)

伊福部昭 「SF交響ファンタジー第1番」

遠藤浩史指揮六甲フィルハーモニー管弦楽団(アマチュアオーケストラ)の演奏です。指揮を務めた遠藤浩史がWeb上にアップした動画です。

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