カテゴリー「春」の18件の記事

2019年4月21日 (日)

第70回京おどり 「夢叶京人形」全八景 2019

2019年4月15日 宮川町歌舞練場にて

第70回京おどりを観る。宮川町歌舞練場にて午後4時30分開演の回。
今年のタイトルは「夢叶京人形」全8景。作・演出:北林佐和子、作曲:今藤長十郎、作舞:若柳吉蔵。第1景から第4景までが「不思議の国の京人形」、第5景が「弥栄(いやさか)の春」、第6景が「天下(あめのした)祝い唄」、第7景が「秋の音色」、第8景がお馴染みの「宮川音頭」である。

「不思議の国の京人形」は、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をベースに歌舞伎「京人形」を組み合わせた舞踊劇であるが、男と女が主人公になることや姿格好などから泉鏡花の『天守物語』(変換したら「店主物語」となった。なんだそりゃ?)を連想させる作品である。関係があるのかどうかは知らないが、第4景では姫路城の天守も現れる。
真夜中。城の中の人形の間で、太夫、藤娘、汐汲、娘道成寺の4人(?)の人形が舞い遊んでいる。そこへお小姓の仙千代がやってくる。仙千代は幼い姫とまりをついて遊んでいたのだが、まりをなくしてしまい、姫は大泣き。まりを見つけられなかった時は切腹と決まったため、この部屋に探しに来たのだ。人形たちは仙千代を哀れに思い、一緒に城内を探し回ることにする。

花札の絵から飛び出してきた小野道風なる人物と加留多遊びをすることになったり、チェシャ猫にあたる猫の君やまぼろし姫たちとまりの奪い合いをするというファンタジックな物語である。
巨大なまりが左右に揺れたり(あさま山荘事件とは無関係だと思われる)、加留多の絵の描かれた戸板返しが行われたりと、趣向も面白い。
物語のある舞は宮川町が本場であり、祇園甲部よりも見せ方が優れているように思われる。

「弥栄の春」では、芸妓たちが鈴を鳴らしながら平成と新元号・令和の御代を祝い、「天下祝い唄」に繋がっていく。日本地図の描かれた襖が現れ、「目出度の若松様よ」と「花笠音頭」の東北、祇園や清水という京名所、義経と静御前ゆかりの吉野の桜などがうたわれる。

舞妓たちが総登場の「秋の音色」。舞では芸妓には及ばないかも知れないが、場内の雰囲気をガラリと変える新鮮な空気が秋に繋がる。

「宮川音頭」。総踊りである。儚さを通り越して悲しさを感じるのは、五花街のおどりの中で京おどりだけかも知れない。
美しいが夢だとわかっている夢を見ているような気分になる。

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2019年4月14日 (日)

コンサートの記(543) 下野竜也指揮京都市交響楽団スプリング・コンサート2019

2019年4月7日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで京都市交響楽団のスプリング・コンサートを聴く。

曲目は、ヴィヴァルディの2つのトランペットのための協奏曲ハ長調(トランペット独奏:ハラルド・ナエス&西馬健史)、ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロ、ピアノのための三重協奏曲(ヴァイオリン:豊島泰嗣、チェロ:上村昇、ピアノ:上野真)、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」


全席完売だが、今日はポディウム席は発売されていない。
今日は6列目の真ん中で聴く。ステージから近いが、管楽器の奏者は顔がよく見えないため、誰が吹いているのかわからない場合もある。


ヴィヴァルディの2つのトランペットのための協奏曲ハ長調。京都市交響楽団の首席トランペット奏者であるハラルド・ナエスが第1トランペットを、西馬健史が第2トランペットを務める。
日本でも屈指の輝きを誇る京都市交響楽団のトランペット陣。今日も燦燦と輝くような音を響かせる。
京都市交響楽団は小編成での演奏。西脇小百合がチェンバロを奏でる。生き生きとした伴奏であった。
弦楽奏者のビブラートであるが、統一されてはおらず、思い思いに弾いている。


ベートーヴェンの三重協奏曲の演奏前に、下野がマイクを手にして登場。舞台の転換作業の間をトークで繋ぐ。「京都市交響楽団常任しゅせ……、間違えました。なんとか指揮者の下野竜也です」とユーモアと込めた自己紹介した後で、ナエスと西馬をステージに呼び、ヴィヴァルディの2つのトランペットのための協奏曲ハ長調の思い出について語って貰う。二人ともこの曲を演奏するのは人生で2回目だそうだが、ナエスは1回目はパイプオルガンとの共演、西馬もピアノとの演奏があるだけであり、オーケストラをバックに演奏するのは初めてだそうである。


ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロ、ピアノのための三重協奏曲。京都市交響楽団は近年、この曲を取り上げることが多い。
ピアノ三重奏にオーケストラ伴奏が付くという特異な協奏曲。ベートーヴェンがなぜこうした編成の曲を書いたのかは今でも謎であるが、チェロパートの比重が比較的大きく、演奏技術もチェロが最も高度であるため、チェロの名手から委嘱された可能性が高いとされている。
ヴァイオリンの豊島奏嗣、チェロの上村昇(京都市交響楽団首席チェロ奏者)、ピアノの上野真、更に指揮者の下野竜也も京都市立芸術大学の教員である。ということもあってか、室内楽的要素の強い親密な演奏が展開される。
下野指揮の京響であるが、渋めの音でスタートし、かなり豪快に鳴る。京響のパワーと下野のオケを鳴らす技術は想像以上であるようだ。


ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。人気曲だけに実演で聴く機会も多いが、思いのほか名演に当たる確率が低いような気もしている。

下野はベートーヴェンとは真逆の明るい音色を京響から引き出す。流石の手腕だが、第1楽章のクライマックスなどでは全ての音を鳴らし過ぎたため、輪郭や主旋律の把握が難しくなっていた。

第2楽章と第3楽章は秀演で、第2楽章の深々とした歌、第3楽章の覇気に満ちた音楽運びなどが印象的である。

第4楽章も迫力があるが、音が大きい割りには客席に届くエネルギーが必ずしも十分ではないように感じされる。音の密度がそれほど濃いわけではないということも影響しているのかも知れない。京響のブラス陣は優秀で、力強さと浮遊感を兼ね備えた優れた音楽性を示していた。


下野は、「京都市交響楽団史上、最も短いアンコール曲」と語って、ベートーヴェンの「フィデリオ」より行進曲が演奏される。古典的造形美が強調された演奏で、ベートーヴェンの優美な一面を楽しむことが出来た。

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2019年4月10日 (水)

南座新開場記念 都をどり 「御代始歌舞伎彩」2019年4月5日

2019年4月5日 京都四條南座にて

午後4時30分から、京都四條南座で都をどりを観る。
祇園甲部歌舞練場が耐震対策工事中ということで閉鎖されており、昨年一昨年は北白川の京都芸術劇場春秋座で公演が行われた都をどり。今年は新開場記念も兼ねた南座での開催となる。南座はロビーが狭いということで、今年はお茶席はなく、お茶菓子の皿プレゼントもないが、その代わりパンフレットは無料で配布されている。

昨年の春秋座での公演では、CGを使ったり「アナと雪の女王」を題材にしたりといった新しい試みを行った都をどり。春秋座が京都造形芸術大学の劇場ということで、京都造形芸大の教授でもある井上八千代が若者の取り込みを図ったのかも知れないが、学生らしき人々の姿は客席には見えず、新演出は常連客から大不評ということもあり、今年は揺り戻しからか保守的な内容になっている。それが全体として平板な印象を生んでいたようにも感じられる。

チケットを取るのが遅かったため、今日は2階の上手サイドの席の2列目。前列はラテン系と思われる外国人の一家である。舞台はそれほど良くは見えないが、花道での踊りは楽しめるため、この席を選んだ。舞台下手端で、ジャケットを着たおじさんが鳴り物に指示を出していたり、鈴を鳴らして演奏しているのが見えるのがシュールで楽しかったりする。

演目は置歌に続き、「初恵美須福笹配」「法住寺殿今様合」「四条河原阿国舞」「藁稭長者出世寿」「桂離宮紅葉狩」「祇園茶屋雪景色」「大覚寺桜比」の計8景。今は会えぬ人を偲ぶ内容の曲がいくつかあり、それが「大覚寺桜比」での華やかさと表裏一体の儚さにも繋がっている。

「大覚寺桜比」は、舞台上に桜の樹が並ぶ、舞台上方からも桜の枝が垂れていて今の季節に相応しい飾りであるが、稽古を重ねることで上半身がぶれずに速足で移動することの出来る芸妓達を見ていると、人間というより桜の精に出会ったかのような不思議な感覚に陥った。

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2019年4月 6日 (土)

楽興の時(27) みやこめっせ桜まつり2019 さくらコンサート第3部

2019年3月30日 左京区岡崎の京都市勧業館みやこめっせウェルカムホールにて

午後2時30分から、みやこめっせ「さくらコンサート」第3部を聴く。前半が二胡奏者の尾辻優衣子の演奏、後半が松井るみ(ソプラノ)、井上元気(テノール)、澤田奈央子(ピアノ)による歌曲コンサートである。

尾辻優衣子の二胡。自身のアルバムに収められた楽曲を中心としたプログラムで、伴奏は録音されたものを流すという、カラオケ版での演奏。二胡は単音しか出せないため、独奏に向いた楽器ではない。元々は京劇の伴奏楽器で、楽器としての地位も低かったが、劉天華によって中国を代表する楽器となっている。
単音の楽器ということもあり、聴かせられるものになるかどうかは別として演奏すること自体はさほど難しくはない。私も半年ほど二胡を習っていたことがあるが、「十九の春」などはすぐ弾けるようになっている。ただ弦が切れやすいため、切れないよう適度に抑えて力強く弾くということは難しく思えた。
尾辻は「二胡はヴァイオリンと原理は同じで遠い親戚」と紹介して、ヴァイオリン曲である「情熱大陸」も奏でていた。
中国人作曲家によるクラシカルな二胡の曲として最後の最後に「賽馬(競馬)」が演奏される。ヴァイオリンでいうピッチカートも繰り出され、万全の迫力に富む演奏に仕上がっていた。

 

歌曲コンサート。さくらコンサートということで、まず松井るみと井上元気のデュオで「さくらさくら」が歌われる。その後、イタリアの作曲家であるレスピーギ、フランスの作曲家であるグノー、プーランク、ロザンタールの歌曲が歌われる。

レスピーギは、ベルリオーズやリムスキー=コルサコフとともに三大オーケストレーションの名手に数えられており、ローマ三部作がとにかく有名だがそれ以外の曲が取り上げられる機会は少ない。歌曲を聴くのは私は初めてとなる。

グノーやプーランクは比較的有名だが、ロザンタールは作曲家としてよりも指揮者やオッフェンバックの楽曲を集めてコンサートピースとしてまとめた「パリの喜び」の編曲者として有名な人物である。1904年生まれでありながらかなりの長生きであり、「パリの喜び」の自作自演盤をデジタル録音で収めている。松井るみ独唱によるロザンタール作品として取り上げられたのは「英国のねずみ」という歌である。イギリスで生まれ育ったねずみが船に乗り、たどり着いたのはフランス。そこで英国ホテルというホテルを見つけ、屋根裏部屋でジンやウィスキーといったイギリス名物を発見したねずみは歓喜。毎夜、PARTYを開くが階下にすむフランス人達の不興を買い、というストーリーである。松井は自作の紙芝居を用意し、めくりながら歌う。エスプリのお手本のような楽曲であり、紙芝居もわかりやすかった。なお、珍しい楽曲が並んでいるが、タブレット端末にダウンロードした電子楽譜を使っているため、譜面を探し出すのにさほど苦労はしていないようである。

その後、オーストリア出身のレハールが作曲した喜歌劇「メリー・ウィドウ」より「とざした唇に」の日本語版とグノーの歌劇「ロメオとジュリエット」より出会いの場のデュオが歌われ、アンコールのヴェルディの歌劇「椿姫」から「乾杯の歌」で華やかに閉じられた。

 

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2019年1月14日 (月)

コンサートの記(504) 遊佐未森 「cafe mimo ~桃節句茶会~ Vol.11」大阪

2011年4月10日 umeda AKASOにて

遊佐未森の「cafe mimo ~桃節句茶会~ Vol.11」を聴く。

「cafe mimo ~桃節句茶会~」は、遊佐未森がギターの西海孝とドラムス・パーカッションの楠均と3人で、毎年春に行っている公演で、今年で11回目になる。毎回ゲストを呼んでおり、今回の大阪公演のゲストは鈴木重子。東大法学部卒で、ニューヨークのブルーノートに日本人として初めてステージに立ったという異色の実力派ジャズシンガーである(勉強が出来たので何となく東大法学部に行ったが、法律の勉強に興味が持てず、そのため司法試験も何度も受けるが通ることが出来ず、ジャズシンガーに転向したとのことだ)。

元祖癒し系シンガーの未森さんの歌は、聴いているだけで気分が良くなってくる。

カバー曲である「プリーズ・ミスター・ポストマン」では、ドラムス&パーカッションでバンマスの楠均がポストマンとなり、客席に飴の袋を配って回るというパフォーマンスがあった。

ゲストの鈴木重子と未森さんとは、「レイン・フォール」、「蘇州夜曲」、「Kiss for the earth」をデュエット。それから鈴木重子が未森さんの「道標」を、未森さんのピアノを含めた3人のバックで披露する。鈴木重子の声質は落ち着いた渋いもので音域でいうとアルト。未森さんはソプラノなので、「蘇州夜曲」は音が五度も違うという異色のデュエットになった。

未森さんとのトークで、鈴木重子が花粉症で鼻水が止まらないという話をし、それを重症の花粉症患者である未森さんが受けるという形になる。未森さんは9年前に花粉症になってしまったそうで、公演前に目がお岩さんのように腫れて慌てて病院に行ったこともあるそうだ。今年の2月には花粉症のせいで声が出なくなってしまい、ラジオのレギュラー番組でも毎回、声が出なくなっていき、斎藤由貴とのデュエットコンサートではドクターストップで歌うことが出来なくなってしまい、急遽、ピアニストとしての参加に切り替え、筆談で斎藤由貴と会話したという(斎藤由貴のマネージャーが未森さんが書いたものを読み上げてくれたとのこと)。なお、その後、未森さんは復調し、斎藤由貴とは3月の公演で無事、デュエット出来たそうだ。

アンコールで未森さんが出てくる前に、西海孝と楠均が登場して、桃節句茶会11回目のTシャツを紹介する。背番号に「11」が入っており、キング・カズ(三浦知良)を意識したデザインだ。

更に、西海孝と楠均による「きゅうけいダンス」も行われる。

アンコールではまず、「いつでも夢を」の橋幸男のパートを未森さんが、吉永小百合のパートを楠均が担当するという男女逆転デュオが披露される。

最後は、鈴木重子が登場し、未森さんのシングル曲「I' m here with you」を未森さんと二人で歌う。

終演後、未森さんが一人で、自らの出身地である宮城県出身の芸能人で作る「みやぎびっきの会」が「みやぎびっきこども基金」を設立したこと、会場で義援金を募り、募金してくれた方にはお礼として、未森さんの友人で「クロ」のアニメーションも担当した、おーなり由子がデザインした「I'm here with you」のステッカーが配られた。

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2018年5月13日 (日)

第181回鴨川をどり 「真夏の夜の夢より ~空想い」&「花姿彩京七小町」 2018年5月8日

2018年5月8日 先斗町歌舞練場にて

午後4時10分から、先斗町歌舞練場で、第181回鴨川をどりを観る。私が鴨川をどりを観るのは今日で3回目。都をどりと京おどりが2回ずつ、祇園をどりは1回しか観ていないため、鴨川をどりを観る回数が一番多いということになる。

鴨川をどりは演劇の上演が行われるのが特徴である。今年の演目は、W・シェイクスピア「真夏の夜の夢より ~空想い」1幕4場と、「花姿彩京七小町(はなのいろどりきょうななこまち)」全7景。

パンフレットには、就任したばかりの西脇隆俊京都府知事が、門川大作京都市長と共に挨拶の言葉を載せている。私が目にする西脇府知事の初仕事だ。

なぜかはわからないが今日は最前列で観ることになる。最前列は舞台に近いが、近すぎて全体を見通しにくくなるため、特別良い席というわけではない。ただ、「花姿彩京七小町」では、以前に木屋町・龍馬で出会ったことのある舞妓のもみ香さんの目の前だった。向こうはこちらのことを覚えていないだろけれど。

「真夏の夜の夢より ~空想い」。タイトル通り、シェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」を翻案した作品である。

夏の夜。森の王様である松の王であるが、浮気がばれたため、お后である月と松の王との仲が悪くなる。そのため、月は松の王が目を閉じている間だけしか顔を覗かせない。森の中では、花の精の白百合と撫子、白い子犬の白狗丸、鯉の精の鯉四郎らが、松の王の話を語らっている。そこへ、都の公達である来井左衛門と羽雅姫が森の奥へと逃げ込んで来たという話が伝わる。結婚を反対されて駆け落ちして来たのだという。羽雅姫は出味明之丞という貴公子と結婚させられそうになっている。その明之丞も羽雅姫を追って森へと入ってきた。さらに明之丞を恋い慕う蓮音姫までが森へとやって来る。鯉四郎は白狗丸(原作ではパックに当たる)に“じゃらじゃら草”を渡し、じゃらじゃら草の露を目にかければ次に見た者を恋してしまうと教える。白狗丸が露をかけると男同士までもが愛し合うようになってしまい……。

彼女たちは、芸舞妓であって女優ではないので、演技力を求めてはいけないだろう。本当に見られる演技をするならかなり長期の稽古を行わねばならないため無理である。踊りの技術と華やかさがあれば十分だろう。
「真夏の夜の夢」ということで、唄(録音)が「パパパパーン、パパパパーン、パパパパンパパパパン、パパパパンパパパパン、パーンパパパパパパ」とメンデルスゾーンの劇付随音楽「真夏の夜の夢」より“結婚行進曲”を口ずさむ場面があった。

「花姿彩京七小町」。舞妓総出演の序章に続き、紫式部の一人舞である「式部の章」、静御前が登場する「静の章」、出雲阿国らが舞う「阿国の章」、滝口入道と横笛による「横笛の章」、吉野太夫が一人で現れる「吉野太夫の章」、藤の絵を背景に大勢で舞う「藤の章」の7つの章からなる。女であることの光と影が描かれるが、最後の「藤の章」では、おかめの面を被った白川女が登場するなど、ユーモアを交えて終わった。



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2018年4月21日 (土)

都をどり特別展 「祇園・花の宴」「草間彌生・花の間展」2018年4月3日

2018年4月3日 祇園甲部歌舞練場・フォーエバー現代美術館にて

祇園甲部歌舞練場に行く。耐震対策着手のため閉鎖されている祇園甲部歌舞練場。ただ、南側にある八坂倶楽部はフォーエバー現代美術館・祇園として開いていて草間彌生の作品を展示しており、祇園甲部歌舞練場の一部がカフェとしてオープン中、2階の座敷では4月の間、芸妓と舞妓による10分ほどの舞のステージがある。今回は春秋座で行われている都をどりの半券を見せると無料で入場出来る。

統合失調症を発症しながら、その独特の世界観で高く評価される草間彌生。松本に生まれ、京都市立美術工芸学校(現・京都市立銅駝美術工芸高校)を卒業。その後、渡米しニューヨークで活躍。在米時代の作品も展示されている。ただ当時のアメリカでは自国とヨーロッパ系のアーティスト以外は論じるに値しないという風潮があり、体調を崩したということもあって1973年に帰国。一時期活動が低迷するが、その後も現在に至るまで芸術活動を行っている。

ドットを無数に敷き詰めたような作風が特徴。ドット状のものが外へ外へと拡がっていくような生命感が感じられる。

午後2時30分から芸妓と舞妓によるステージがある。今日の出演者は、芸妓が槇子、舞妓がまめ衣。二人で「六段くずし」と「祇園小唄」を舞う。観客は白人の観光客が圧倒的に多い。二人とも繊細、丁寧且つ魅力的な舞を披露した。欧米などでは舞というとパワフルなものが多いが、日本の舞はそれとは正反対。だからこそ外連を武器とした歌舞伎舞踊などもアンチテーゼとして生まれ得たのかも知れない。



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2018年4月14日 (土)

第69回京おどり 「天翔恋白鳥」全8景 2018年4月12日

2018年4月12日 宮川町歌舞練場にて

午後2時30分から、宮川町歌舞練場(東山女学園内)で、第69回京おどり「天翔恋白鳥(あまかけるこいのはくちょう)」全8景を観る。

宮川町の京おどりはかなり以前に一度観たことがある(調べてみたところ11年前である)。京都の五花街の中で京おどりだけ表記が異なるが(他は「をどり」表記)、何故なのかはわかっていないようである。

宮川町は、以前は祇園や先斗町よりも格が低いとされてきたが、芸舞妓を積極的に育てたり、映画などとのタイアップを図るなど、「舞妓さんにあえるまち」というキャッチフレーズを掲げて、舞妓シアターをプロデュースするなど、イメージアップ戦略に取り組んでいる。

「天翔恋白鳥」。第1景から第4景までは、「恋白鳥」が上演される。伊勢国で息絶えてから白鳥となって飛び立ったという伝説のある日本武尊と、「白鳥の湖」を掛け合わせた物語が展開される。黒鳥は夜烏という傾城とその手下として現れる。白と黒の視覚の対比が鮮やかである。

第5景は「ご維新百五十年」。今年が明治になってから100年に当たるということで幕末から維新に掛けての京が歌い踊られる。最初と最後の「おはようおかえりやす」は御所さん(天皇)に向けた言葉だと思われる。

芸妓3人が電車ごっこの要領で腕を回しながら登場する「京おどり 鉄道唱歌」。「鉄道唱歌」がメロディーを変えて歌われる。背景の幕が動き、富士や海、そして京都タワーが現れるのも楽しい。

舞妓さん達による「いろはにほへと」。京踊りの背景は全般的に淡い色のものが用いられており、耽美的で幻想的な味わいがあるが、「いろはにほへと」の登場する舞妓さん達の着物も淡い色のものが用いられており、柔らかで可憐な印象を受ける。

京おどりの名物であるラストの「宮川音頭」。「ヨーイ、ヨイヨイ」という声は「威勢が良い」と評されることもあるが、私の耳にはどこか哀しく響く。

儚げな、桜の精達の宴に迷い込んだような気分になった。



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2018年4月10日 (火)

コンサートの記(369) 「遊佐未森 cafe mimo Vol.18 ~春爛漫茶会~」大阪

2018年4月7日 大丸心斎橋劇場にて

午後5時から、大丸心斎橋劇場で、「遊佐未森 cafe mimo Vol.18 ~春爛漫茶会~」を聴く。遊佐未森の春恒例ライヴ。
cafe mimoはボーカル&ピアノの遊佐未森にギターの西海孝、パーカッションの楠均のトリオでの上演が基本であったが、売れっ子ミュージシャンは多忙ということで、このところ西海孝は不在であったが、今年は久しぶりに戻ってきた。

今年は遊佐未森のデビュー30周年に当たる。ということで、30周年記念ベストアルバムである「PEACHTREE」が発売になったばかりである。

1曲目から、オーディエンスは手拍子を始めるが、最初のうちは4拍子だったものの、その後5拍子6拍子と展開していく曲だったために拍手がやむ。意地でもたたき続けたい人が何人かいたのだが4拍でしか打てないため、拍手が合わないだけでなくバラバラになってしまっていた。国立音楽大学出身だけあって遊佐の曲は単純ではない。

cafe mimoは元々はひな祭りの時期に女性向けとして始まった公演が元になっている。ということで、「桃」という曲が歌われ、「桃といえば」ということで「ネクター」というヴォカリーズの曲も歌われた。ネクターというのは元々は神々のための酒という意味であったという。

cafe mimoでは毎回、カバー曲が歌われるのだが、今回は「PEACHTREE」のレコーディングとジャケット撮影で訪れたスコットランドの情景から連想したというドリーム・アカデミーの楽曲と、更に遊佐未森がドラムスを担当して、矢野顕子の「春咲小紅」が歌われる。

大阪公演のゲストは、太田裕美。太田によると、「70年代のヒット曲映像を見ている若い人からは、え? 太田裕美ってまだ生きてるの? 歌ってるの?」というリアクションを取られることが多くなったという。
「木綿のハンカチーフ」が有名な太田裕美だが、今日はそれは歌わず、「南風 South Wind」、サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」、そして太田が遊佐に書き下ろしたという「水色の帽子」が二人で歌われる。「南風」は遊佐が好きな曲としてリクエストしたのだが、「南風」が好きだという人は珍しいそうで、太田によると遊佐は「『南風』のことを好きだと言ってくれた最初の、そしておそらく最後の人」だそうである。
二人が初めて対面したのは、遊佐のデビュー直前だそうで、遊佐未森は大学在学中か卒業してすぐという頃。ということで太田は遊佐の第一印象を「女学生みたい」と感じたそうで、「大丈夫? 東京、よく分かってる?」と思ったそうだ。


なお、大分前のcafe mimoで取り上げられた国立市立第八小学校校歌(遊佐の作詞・作曲)が「PEACHTREE」には収録されている。その時のcafe minoのアンケートに「国立市立第八小学校の校歌をリリースして下さい」と書いたが、なんとかかんとか実現したことになる。

アンコールでは、「おかあさんといっしょ」の4月の曲として書き下ろされた「なないろのしゃぼんだま」のセルフカバーバージョンが本邦初公開という形で演奏された。

遊佐未森は私より10歳年上というわけで、もう結構な年なのだが(大学を卒業してからデビューして30年ということで年はすぐわかってしまうのであるが)高音の声の伸び、そしファルセットが相変わらず美しく、聴いているだけで優しい気持ちになれる時間を過ごすことが出来た。

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2018年4月 4日 (水)

「都をどり in 春秋座」2018年4月2日

2018年4月2日 京都芸術劇場春秋座にて

午後2時20分から、京都芸術劇場春秋座で「都をどり in 春秋座」を観る。祇園甲部歌舞連場が耐震対策工事中のため、昨春に続いて井上八千代が教授を務める京都造形芸術大学の劇場である春秋座での上演となる。

春秋座が洛北にあるということで、昨年の公演は「洛北名所逍遙」というタイトルであったが、今回は「続洛北名跡巡(つづきてのらくほくめいせきめぐり)」と銘打たれてその続編という位置づけ。序である「置歌」に続いて、「源光庵窓青葉」、「盂蘭盆会五山送り火」、「詩仙堂紅葉折枝」、「雪女王一途恋(ゆきのじょおうひたむきなるこい)」、「哲学の道桜便(さくらのたより)」が上演される。「雪の女王一途恋」は映画「アナと雪の女王」の原作でもあるアンデルセンの「雪の女王」を翻案したものである

開演前にお茶席がある。別にお茶を頂かなくても良かったのだが、その場合は2階下手サイドの席となり、花道を行く舞芸妓の姿がよく見えない(昨年はそうだった)ということになるため、今年はお茶付きの券を買う。ただ、購入した時期が少し遅かったので1階席の一番後ろの列の席である。ただこの席からは花道上はよく見える。
お茶菓子付き。菓子皿は持って帰ることが出来る。

「都をどりは」「ヨーイヤサー!」で始まる「置歌」。揃いの水色の着物で登場した芸舞妓による瑞々しい舞である。

京都造形芸術大学の劇場での上演ということで、「源光庵窓青葉」ではアニメーション(制作:京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科)が、「雪女王一途恋」では舞台装置(造形大のウルトラファクトリーの制作)や照明が効果的に用いられる。「雪女王一途恋」では男の名前が佳以(かい。原作のカイに当て字をしたもの)、女の名は杏奈(原作ではゲルダ)となっている。翻案ものの浄瑠璃ということもあってか、歌詞は長めである。

ラストである「哲学の道桜便」は、総出演による鮮やかな舞。明転した時の舞妓さんが横一列に並ぶ風景は実に鮮烈で、前の席にいた白人の女性は歓呼の声を上げていた。
哲学の道ということで、西田幾多郎の「人は人吾は吾なりともかくに吾行く道を吾は行くなり」という短歌が歌詞に登場する。

明治時代に書かれた白人の手記に都をどりが登場するのだが、そこには「バレエを観た」と書かれていた。バレエのような跳んだりはねたりは都をどりにはない。衣装などは派手だが、舞自体は奥ゆかしい。外向的なバレエに比べると祇園甲部の舞は内省的ですらある。見た目は外連で舞は正統派というギャップが、ある意味、都をどりの最大の面白さなのかも知れない。もっとも舞自体は手や足が最短距離をたどる合理的なものであり、そうしたミニマムへの指向が京都的、引いては日本的ということも可能なように思われる。


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