カテゴリー「京都」の54件の記事

2018年7月26日 (木)

スタジアムにて(1) セ・パ交流戦 阪神タイガース対西武ライオンズ@西京極球場 2005.5.17

2005年5月17日 京都・西京極球場にて観戦

西京極球場にプロ野球セ・パ交流戦、阪神泰西武戦を見に行く。当日券で入ったが3塁側の比較的見やすい席を取ることが出来た。3塁側とはいえ周りは阪神ファンだらけ。3塁側どころかレフトスタンドも、おそらく観客の98%以上は阪神ファンだろう。西武ファンはほんのわずかな場所に固まっているだけ。ちなみに私はヤクルト・スワローズが好きなので中立の立場である。

阪神の先発は速球投手・福原忍。しかし今日は球にキレがない。バッテリーを真横から見る席だったのでそれははっきりとわかった。西京極球場にはスピードガン表示がないので、普段は150キロ前後を記録する福原のスピードが今日も出ていたのかどうかはわからない。しかし思ったよりは速く感じられない。2回表、福原は西武打線に連打を浴び、1点を献上。西武打線は明らかに右打ち狙いであり、福原の動揺を誘ったようだ。

西武の先発はサウスポーの帆足。交わすピッチャーというイメージがあるが、球は思ったよりも速く、手元で伸びており、本当に球がホップしているように見えた。2回裏、帆足はキレのある釣り球を生かし、四、五、六番バッターを三者三振に切って取る。速球は伸び、スライダーはコーナー一杯に決まり、カーブは低く沈む。これは打ちにくそうだ。

6回、西武カブレラがフルスイングするとバットが手を離れて一塁側スタンドに飛び込むという珍プレーがあった。カブレラはそれが心理的に影響したのか三振に終わる。しかしその後、西武打線は相手エラーにつけ込み、2点を追加。阪神は福原がピッチャーライナーを足に当てた後、一塁側へ悪送球。キャッチャー野口もパスボールをするなど守備が安定しない。

終盤になって帆足は高めのストレートに伸びが無くなる。9回裏、完封ペースであった帆足から阪神の三番シーツがセンターにホームラン。続く四番金本もツーベースヒット。スペンサーのヒットで金本が帰り1点差。一発出れば逆転サヨナラという場面で代打・桧山がバッターボックスへ。しかし西武の守護神・豊田のフォークにバットは空を切りゲームセット。3対2でライオンズの勝利。
見応えのある試合だった。

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2018年6月23日 (土)

第25回記念 京都五花街合同公演「都の賑い」

2018年6月17日 左京区岡崎のロームシアター京都メインホールにて

午後2時からロームシアター京都メインホールで、第25回記念 京都五花街合同公演「都の賑い」を観る。上七軒、先斗町、祇園甲部、宮川町、祇園東の五花街の芸舞妓達による共演である。

演目は、上七軒が長唄「風流寿三番叟(ふうりゅうことぶきさんばそう)」(立方出演:梅嘉、梅志づ、梅葉)、先斗町が常磐津「粟餅」(立方出演:久加代、亜弥)、祇園甲部が東明節「秋の七草 七福神」(立方出演:まめ鈴、つる葉、紗矢佳、美帆子、市有里、小扇、小愛)、宮川町が常磐津「廓八景」(立方出演:ふく葉)、祇園東が長唄「二人猩々(ににんしょうじょう)」(立方出演:美晴、涼香)。その後で、五花街合同による「舞妓の賑い 『京を慕いて』」と出演者総出演によるフィナーレ「祇園小唄」がある。

上七軒の長唄「風流寿三番叟」。個人的には「三番叟」というと野村萬斎が跳んだりはねたりしているようなイメージがあるが、今日は女性出演者による上演だけに跳んだりもはねたりもしない。基本的に優雅な舞である。

先斗町の常磐津「粟餅」。弘化2年(1845)に江戸の中村座で初演された作品だそうで、初演時は「今様道成寺」と対になっていたそうだが、今では「粟餅」のみが上演されているという。語りには年中の餅菓子や行事、六歌仙の名前などが登場する。
歌舞伎舞踊でも舞われる曲目だが、女性ということもあって歌舞伎俳優のような迫力はない。夫婦役での登場で、妻役はまだいいのだが、夫役の場合はどうしても物足りなく感じてしまう。また夫婦が言葉を発する場面があるのだが、ロームシアター京都メインホールの空間が大きいということもあってほとんど聞こえない。

祇園甲部の東明節「秋の七草 七福神」。タイトルの通り、秋の七草を七福神に見立てた演目である。元々は江戸歌で、東明流の創始者でもある平岡吟舟と三世井上八千代との交流から生まれた作品だという。出演者達が手にしている小道具で何の役か見分けがつくようになっている。七福神と七草の関係は、毘沙門天が紫苑、大黒天が吾亦紅、福禄寿が尾花、弁財天が朝顔、恵比寿が女郎花、布袋が葛ということになっているようである(今現在の秋の七草とは異同があるようだ)。

宮川町の常磐津「廓八景」。ふく葉による一人舞台である。この演目も江戸で作られたものだそうだ。江戸・新吉原の行事や風物が近江八景に例えられている。三井の晩鐘、瀬田の夕照、石山寺、粟津の晴嵐、唐崎、堅田、矢橋、比良の暮雪が新吉原の夕景や吉原大門、遊女との契りなどに掛けられている。
立方が、ふく葉一人だけということもあり、他の花街に比べると寂しい感じだが、ふく葉は第1回の「都の賑い」から毎回出続けているベテランだそうで、安定した舞を披露する。

祇園東の長唄「二人猩々」。これも歌舞伎の演目になっているものだが、女ゆえのパワー不足は動きの素早さとキレで補い、なかなか迫力のある舞になっていたように思う。

五花街合同による「舞妓の賑い 『京を慕いて』」。それぞれ4人の舞妓が参加する。今回のセンターポジションは祇園東。下手手前が先斗町、下手奥が祇園甲部、上手手前が上七軒、上手奥が宮川町。時計回りにポジションを移動するローテーションである。
五花街は全て踊りの流派が異なり、振付もバラバラである。ある花街が前を向いているところで他の花街は後ろを見ていたり、左の花街が立っている時に右の花街はしゃがんでいたり、普通に舞っている横で歌詞をなぞった動きをしていたりする。

ラストの「祇園小唄」も華やかであった。


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2018年5月13日 (日)

第181回鴨川をどり 「真夏の夜の夢より ~空想い」&「花姿彩京七小町」 2018年5月8日

2018年5月8日 先斗町歌舞練場にて

午後4時10分から、先斗町歌舞練場で、第181回鴨川をどりを観る。私が鴨川をどりを観るのは今日で3回目。都をどりと京おどりが2回ずつ、祇園をどりは1回しか観ていないため、鴨川をどりを観る回数が一番多いということになる。

鴨川をどりは演劇の上演が行われるのが特徴である。今年の演目は、W・シェイクスピア「真夏の夜の夢より ~空想い」1幕4場と、「花姿彩京七小町(はなのいろどりきょうななこまち)」全7景。

パンフレットには、就任したばかりの西脇隆俊京都府知事が、門川大作京都市長と共に挨拶の言葉を載せている。私が目にする西脇府知事の初仕事だ。

なぜかはわからないが今日は最前列で観ることになる。最前列は舞台に近いが、近すぎて全体を見通しにくくなるため、特別良い席というわけではない。ただ、「花姿彩京七小町」では、以前に木屋町・龍馬で出会ったことのある舞妓のもみ香さんの目の前だった。向こうはこちらのことを覚えていないだろけれど。

「真夏の夜の夢より ~空想い」。タイトル通り、シェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」を翻案した作品である。

夏の夜。森の王様である松の王であるが、浮気がばれたため、お后である月と松の王との仲が悪くなる。そのため、月は松の王が目を閉じている間だけしか顔を覗かせない。森の中では、花の精の白百合と撫子、白い子犬の白狗丸、鯉の精の鯉四郎らが、松の王の話を語らっている。そこへ、都の公達である来井左衛門と羽雅姫が森の奥へと逃げ込んで来たという話が伝わる。結婚を反対されて駆け落ちして来たのだという。羽雅姫は出味明之丞という貴公子と結婚させられそうになっている。その明之丞も羽雅姫を追って森へと入ってきた。さらに明之丞を恋い慕う蓮音姫までが森へとやって来る。鯉四郎は白狗丸(原作ではパックに当たる)に“じゃらじゃら草”を渡し、じゃらじゃら草の露を目にかければ次に見た者を恋してしまうと教える。白狗丸が露をかけると男同士までもが愛し合うようになってしまい……。

彼女たちは、芸舞妓であって女優ではないので、演技力を求めてはいけないだろう。本当に見られる演技をするならかなり長期の稽古を行わねばならないため無理である。踊りの技術と華やかさがあれば十分だろう。
「真夏の夜の夢」ということで、唄(録音)が「パパパパーン、パパパパーン、パパパパンパパパパン、パパパパンパパパパン、パーンパパパパパパ」とメンデルスゾーンの劇付随音楽「真夏の夜の夢」より“結婚行進曲”を口ずさむ場面があった。

「花姿彩京七小町」。舞妓総出演の序章に続き、紫式部の一人舞である「式部の章」、静御前が登場する「静の章」、出雲阿国らが舞う「阿国の章」、滝口入道と横笛による「横笛の章」、吉野太夫が一人で現れる「吉野太夫の章」、藤の絵を背景に大勢で舞う「藤の章」の7つの章からなる。女であることの光と影が描かれるが、最後の「藤の章」では、おかめの面を被った白川女が登場するなど、ユーモアを交えて終わった。



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2018年4月21日 (土)

都をどり特別展 「祇園・花の宴」「草間彌生・花の間展」2018年4月3日

2018年4月3日 祇園甲部歌舞練場・フォーエバー現代美術館にて

祇園甲部歌舞練場に行く。耐震対策着手のため閉鎖されている祇園甲部歌舞練場。ただ、南側にある八坂倶楽部はフォーエバー現代美術館・祇園として開いていて草間彌生の作品を展示しており、祇園甲部歌舞練場の一部がカフェとしてオープン中、2階の座敷では4月の間、芸妓と舞妓による10分ほどの舞のステージがある。今回は春秋座で行われている都をどりの半券を見せると無料で入場出来る。

統合失調症を発症しながら、その独特の世界観で高く評価される草間彌生。松本に生まれ、京都市立美術工芸学校(現・京都市立銅駝美術工芸高校)を卒業。その後、渡米しニューヨークで活躍。在米時代の作品も展示されている。ただ当時のアメリカでは自国とヨーロッパ系のアーティスト以外は論じるに値しないという風潮があり、体調を崩したということもあって1973年に帰国。一時期活動が低迷するが、その後も現在に至るまで芸術活動を行っている。

ドットを無数に敷き詰めたような作風が特徴。ドット状のものが外へ外へと拡がっていくような生命感が感じられる。

午後2時30分から芸妓と舞妓によるステージがある。今日の出演者は、芸妓が槇子、舞妓がまめ衣。二人で「六段くずし」と「祇園小唄」を舞う。観客は白人の観光客が圧倒的に多い。二人とも繊細、丁寧且つ魅力的な舞を披露した。欧米などでは舞というとパワフルなものが多いが、日本の舞はそれとは正反対。だからこそ外連を武器とした歌舞伎舞踊などもアンチテーゼとして生まれ得たのかも知れない。



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2018年4月14日 (土)

第69回京おどり 「天翔恋白鳥」全8景 2018年4月12日

2018年4月12日 宮川町歌舞練場にて

午後2時30分から、宮川町歌舞練場(東山女学園内)で、第69回京おどり「天翔恋白鳥(あまかけるこいのはくちょう)」全8景を観る。

宮川町の京おどりはかなり以前に一度観たことがある(調べてみたところ11年前である)。京都の五花街の中で京おどりだけ表記が異なるが(他は「をどり」表記)、何故なのかはわかっていないようである。

宮川町は、以前は祇園や先斗町よりも格が低いとされてきたが、芸舞妓を積極的に育てたり、映画などとのタイアップを図るなど、「舞妓さんにあえるまち」というキャッチフレーズを掲げて、舞妓シアターをプロデュースするなど、イメージアップ戦略に取り組んでいる。

「天翔恋白鳥」。第1景から第4景までは、「恋白鳥」が上演される。伊勢国で息絶えてから白鳥となって飛び立ったという伝説のある日本武尊と、「白鳥の湖」を掛け合わせた物語が展開される。黒鳥は夜烏という傾城とその手下として現れる。白と黒の視覚の対比が鮮やかである。

第5景は「ご維新百五十年」。今年が明治になってから100年に当たるということで幕末から維新に掛けての京が歌い踊られる。最初と最後の「おはようおかえりやす」は御所さん(天皇)に向けた言葉だと思われる。

芸妓3人が電車ごっこの要領で腕を回しながら登場する「京おどり 鉄道唱歌」。「鉄道唱歌」がメロディーを変えて歌われる。背景の幕が動き、富士や海、そして京都タワーが現れるのも楽しい。

舞妓さん達による「いろはにほへと」。京踊りの背景は全般的に淡い色のものが用いられており、耽美的で幻想的な味わいがあるが、「いろはにほへと」の登場する舞妓さん達の着物も淡い色のものが用いられており、柔らかで可憐な印象を受ける。

京おどりの名物であるラストの「宮川音頭」。「ヨーイ、ヨイヨイ」という声は「威勢が良い」と評されることもあるが、私の耳にはどこか哀しく響く。

儚げな、桜の精達の宴に迷い込んだような気分になった。



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2018年4月 4日 (水)

「都をどり in 春秋座」2018年4月2日

2018年4月2日 京都芸術劇場春秋座にて

午後2時20分から、京都芸術劇場春秋座で「都をどり in 春秋座」を観る。祇園甲部歌舞連場が耐震対策工事中のため、昨春に続いて井上八千代が教授を務める京都造形芸術大学の劇場である春秋座での上演となる。

春秋座が洛北にあるということで、昨年の公演は「洛北名所逍遙」というタイトルであったが、今回は「続洛北名跡巡(つづきてのらくほくめいせきめぐり)」と銘打たれてその続編という位置づけ。序である「置歌」に続いて、「源光庵窓青葉」、「盂蘭盆会五山送り火」、「詩仙堂紅葉折枝」、「雪女王一途恋(ゆきのじょおうひたむきなるこい)」、「哲学の道桜便(さくらのたより)」が上演される。「雪の女王一途恋」は映画「アナと雪の女王」の原作でもあるアンデルセンの「雪の女王」を翻案したものである

開演前にお茶席がある。別にお茶を頂かなくても良かったのだが、その場合は2階下手サイドの席となり、花道を行く舞芸妓の姿がよく見えない(昨年はそうだった)ということになるため、今年はお茶付きの券を買う。ただ、購入した時期が少し遅かったので1階席の一番後ろの列の席である。ただこの席からは花道上はよく見える。
お茶菓子付き。菓子皿は持って帰ることが出来る。

「都をどりは」「ヨーイヤサー!」で始まる「置歌」。揃いの水色の着物で登場した芸舞妓による瑞々しい舞である。

京都造形芸術大学の劇場での上演ということで、「源光庵窓青葉」ではアニメーション(制作:京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科)が、「雪女王一途恋」では舞台装置(造形大のウルトラファクトリーの制作)や照明が効果的に用いられる。「雪女王一途恋」では男の名前が佳以(かい。原作のカイに当て字をしたもの)、女の名は杏奈(原作ではゲルダ)となっている。翻案ものの浄瑠璃ということもあってか、歌詞は長めである。

ラストである「哲学の道桜便」は、総出演による鮮やかな舞。明転した時の舞妓さんが横一列に並ぶ風景は実に鮮烈で、前の席にいた白人の女性は歓呼の声を上げていた。
哲学の道ということで、西田幾多郎の「人は人吾は吾なりともかくに吾行く道を吾は行くなり」という短歌が歌詞に登場する。

明治時代に書かれた白人の手記に都をどりが登場するのだが、そこには「バレエを観た」と書かれていた。バレエのような跳んだりはねたりは都をどりにはない。衣装などは派手だが、舞自体は奥ゆかしい。外向的なバレエに比べると祇園甲部の舞は内省的ですらある。見た目は外連で舞は正統派というギャップが、ある意味、都をどりの最大の面白さなのかも知れない。もっとも舞自体は手や足が最短距離をたどる合理的なものであり、そうしたミニマムへの指向が京都的、引いては日本的ということも可能なように思われる。


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2018年2月 8日 (木)

松竹 「南座新開場ご紹介」映像ご紹介

松竹による京都四條南座の新開場公式案内映像です。

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2018年2月 4日 (日)

京都の東照宮

※ この記事は2017年12月26日に書かれたものです。
 

天文11年12月26日(1543年1月31日)、三河国岡崎に後の天下人、徳川家康が生まれました。

家康は、伏見城を事実上の居城とした時期もあり、京都にも多くの足跡を残しています。

ただ一つ一つ辿っていくと膨大な時間を費やすことになりますので、今回は家康が死後に東照大権現の神号を贈られて成立した東照宮を二つ紹介することにします。

京都市内にある最も有名な東照宮は、南禅寺の塔頭、金地院にある金地院東照宮です。

金地院東照宮2017正月

金地院は、家康のブレーンで「黒衣の宰相」といわれた以心崇伝(金地院崇伝)の寺です。

金地院の東照宮は、家康の遺言によって建てられたものであり、創建当初は日光東照宮(家光が建てた現在のものよりは幾分地味だったと思われる)と比べられたと伝わります。

今も東照宮には楼門が残っていますが、現在は楼門をくぐって参拝することは出来ず、参拝するには必ず金地院の入り口から拝観料を払って入る必要があります。

経年により、今では往時の絢爛さは失われてしまっていますが、横から見るとはっきりとそれとわかる権現造の社殿は京都唯一のものであり貴重です。

拝観料は400円。金地院には他にも小堀遠州作庭の鶴亀の庭(特別名勝)、伏見城からの移築と伝わる本殿、崇伝の像がある開山堂など見どころは多くあります。

 

洛北一乗寺にあるのが、臨済宗圓光寺の東照宮。歩いて20分ぐらいの場所に真宗大谷派の圓光寺のもあるので注意が必要です。

臨済宗圓光寺 新しくなった東照宮

こちらの東照宮は実は出来たばかりです。以前は徳川家康公墓所のある山の麓に地味な感じの東照宮がありましたが、2017年の春に、家康公の墓所の隣に小さいながらも白木の立派な東照宮が建立されました。

臨済宗圓光寺の開基が実は徳川家康公。慶長6年(1601)に家康が下野国足利学校から三要元佶を開山に迎えて伏見に建てた圓光寺寺院および学校が源流です。圓光寺はその後、相国寺の山内を経て、寛文7年(1667年)に現在の地に移っています。一乗寺付近には茶屋四郎次郎の山荘、石川丈山の山荘(現在の詩仙堂)などもあり、大坂の陣で豊臣方主戦派となった一乗寺渡辺氏(渡辺綱の子孫)の監視強化の意味もあったのかも知れません。

臨済宗圓光寺は京都市内屈指の紅葉の名所であり、また水琴窟があることでも有名です。拝観料は500円とちょっとお高めですが、墓所には「花の生涯」で有名になった女隠密・村山たか女の墓があるなど、こちらも見ごたえ十分の寺院です。

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2017年5月16日 (火)

第180回「鴨川をどり」

2017年5月10日 先斗町歌舞練場にて

午後4時10分から、先斗町歌舞練場で、第180回「鴨川をどり」を観る。明治5年に始まった鴨川をどりは、以前は春・秋の年2回公演を行っていたため、五花街の舞踏公演の中でも最多の公演数を誇っている。他の花街の踊りに比べて演劇的要素が濃いのが特徴。

鴨川をどりを観るのは約12年ぶりである。


今回の演目は、「源平女人譚(げんぺいにょにんものがたり)」と「八千代壽先斗町(やちよはなのぽんとちょう)」。作:今井豊茂、振付:尾上菊之丞、作曲:常磐津文字兵衛、作詞:藤舎呂船&藤舎名生。

「源平女人譚」は、木曽義仲(源義仲)と正室の巴御前、側室の山吹、平中三位資盛(織田信長が織田氏の祖とした人物でもある)とその側室である卿の局が中心となる。
まず、丸に揚羽蝶の平氏の家紋の入った部隊で、平資盛(演じるのは市楽)と卿の局(朋佳)の別れと、山吹(久加代)が卿の局を捕らえるまでが描かれる。
第二場は、木曽義仲(豆千佳)の陣。丸に二引きの木曽源氏の家紋が描かれた陣幕が描かれている。資盛が巴御前(もみ蝶)に捕らわれてくる。義仲は猫間中納言こと藤原光隆(市兆)をもてなすのだが、木曽出身の義仲は田舎料理を出し、猫間中納言を驚かせる。巨大なおにぎりを猫間中納言が食べるシーンではある工夫がなされている。

義仲が卿の局に惹かれていることを知った山吹は、貴船神社で卿の局を呪うための五寸釘を打っている。そこへ義仲と卿の局が病の調伏のためにやって来て……。

その後の展開は書かないでおくが、移動を描く際に役者が動くのではなく、大道具が変わっていくという見せ方が面白かった。
「源平女人譚」は、女歌舞伎や邦楽版宝塚歌劇という趣である。


「八千代壽先斗町」は、今年が大政奉還150年ということで、幕末が描かれる。こちらは踊りの方がメインである。
舞妓達の舞(リズムはコンチキチンである。ラストでは「ええじゃないか」が歌われる)が終わった後で、ひな祭りの内裏雛(市乃&あや野)の場となる。その後、鶴ヶ城天守の絵をバックに会津の娘子隊の舞があり、更に西郷吉之助を慕う仲居のお玉の舞(背景の掛け軸には「敬天愛人」の文字がある)、お玉と西郷吉之助((久富美)は、「面白き事もなき世を面白く」という高杉晋作の歌に合わせて踊る。そして二条城では将軍・徳川慶喜(豆千佳)が大政奉還を決意する。
最後は、勢揃いで舞が披露される。静と動の拮抗する見事な空間が目の前に広がった。

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2017年5月 6日 (土)

「京都文化力プロジェクト推進フォーラム」@ロームシアター京都サウスホール

2017年4月26日 左京区岡崎のロームシアター京都サウスホールにて

午後1時から、ロームシアター京都サウスホールで、「京都文化力プロジェクト推進フォーラム」を観る。ネットで申し込んで、葉書が届いた人が参加出来るというシステムになっている。
 
まず、茂山千五郎家による狂言「千鳥」が上演される。先日、フェスティバルホールでも茂山千五郎家によって上演されたばかりの演目であるが、演者が異なる。出演は、茂山千三郎、茂山逸平、鈴木実。背景なしでの上演である。
主人(鈴木実)が、金がないのに「お前、酒屋の主と顔見知りだからなんとかしろ」と太郎冠者(茂山千三郎)を酒屋に使いに出す。酒屋の主(茂山逸平)相手になんとか酒樽をものにしようと、酒樽を千鳥に見立てたり山鉾に見立てたりとあらゆる手を使い……。

終演後、茂山千三郎が司会のイワサキマキ(漢字は不明)に呼ばれて登場。イワサキの「なぜ『千鳥』を選ばれたんですか?」という問いに「なんででしょうね?」と答えるが、「この作品は京都が舞台で、京都から見た地方(尾張国津島神社)の姿が描かれているから」というようなことを語っていた。


続いて、主催者あいさつ。山田啓二京都府知事、門川大作京都市長、立石義雄京都商工会議所会頭の3人が挨拶を行った。


リレー対談「京都の文化力」。京都大学総長である山極壽一(やまぎわ・じゅいち)が進行役を担当して、大蔵流狂言師の茂山千三郎、料理研究家の杉本節子、京都国立博物館長である佐々木丞平の3人と、1対1でリレー形式で対談していく。

まず一人目の茂山千五郎と山極壽一の対談。山極壽一はゴリラ研究の専門家なのだが、狂言方の腰を落とした姿勢がゴリラを連想させると述べる。山極は、「西洋人は背筋を伸ばして胸を張ってという感じですが、日本人はお辞儀もこうやって(背をかがめて)しますし、なんかこう、縮まった感じ」と言う。茂山千三郎によると、西洋人相手に狂言のワークショップを行ったりもしているのだが、西洋人は足が長すぎて、日本人狂言方と同じような姿勢を取ることは「物理的に不可能」だそうである。実はチェコのプラハには白人のみによる狂言のプロ団体もあるそうだが、「腰が全体的に高い」そうである。茂山は、日本人は床に座り、部屋の中でも裸足になるということから、床の文化に着目しているという。
日本文化研究で知られるドナルド・キーンが1952年から2年ほど京都に滞在して狂言に入れ込み、「青い目の太郎冠者」と呼ばれたことなども話題として登場した。


二人目である杉本節子。四条室町にある重要文化財・杉本家住宅の出身である。町屋は軒が低いのだが、これは太陽の光が直接差さないようにということを山極が話して始まる。京都は夏暑く、冬寒いのだが、町屋は夏向けに特化した構造で、夏には涼しい風が家の中を抜けるようになっているそうである。京都の場合、夏は熱中症対策をしないと死に至るが、冬は寒くても凍死するほどではないということで、「冬は寒いけど我慢してくれ」ということなのだろう。北海道などの場合はこれとは真逆になる。
杉本家住宅の先代のご当主は、井上章一の『京都ぎらい』に登場するのだが、杉本節子の感覚だと、「京都」というと、「祇園祭で山鉾を出す山鉾町」というイメージだそうである。山極壽一は、「いろんな京都があっていい」と語った。


最後となる佐々木丞平。京都は人口約147万人であるが、首都のあった街としては人口が少ないという話から入る。ただ、これは悪いことではなくて丁度良いサイズだという風に話は進む。
自然も多くあり、山もあって車で30分も走ると山奥に着いてしまう。それでいて中心部は都会的である。そうした様々な要素が詰まっているのが京都というものなのだという。

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