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2018年11月 4日 (日)

スタジアムにて(7) 女子野球ジャパンカップ2018 準決勝第2試合 尚美学園大学対ハナマウイ&決勝戦 京都フローラ対尚美学園大学

2018年10月28日 西京極のわかさスタジアム京都にて

西京極のわかさスタジアム京都で行われている女子野球ジャパンカップの決勝戦を見に出掛ける。

女子野球ジャパンカップは、女子プロ野球3チーム、社会人・クラブチーム上位2チーム、大学上位2チーム、高校上位4チームが参加するトーナメント戦である。

準決勝第2試合、尚美(しょうび)学園大学対ハナマウイの試合の3回表の攻撃から観戦。日差しが強く、「暑い」と感じるほどの陽気である。

埼玉県川越市にキャンパスがある尚美学園大学。日本で初めて女子硬式野球部を置いた大学であり、日本女子プロ野球選手界最大の学閥を誇っている学校である。音楽専門学校が母体となって設立されたということもあり、大学も音楽の専攻のある芸術情報学部が看板であるが、女子硬式野球部の子達は全員もう一つの学部である総合政策学部の学生だと思われる。芸術関係はそもそも実技が出来ないと入学不可のところが多いし、進級や卒業も難しい。
監督を務めているのは、西武ライオンズや日本ハムファイターズでサイドの速球派として活躍した新谷博である。

ハナマウイ女子硬式野球部は昨年発足したばかりだが、元女子プロ野球選手が所属するなど急速に力をつけてクラブチーム1位となり、ジャパンカップ出場を決めている。
ハナマウイは、東京都江東区に本社を置く介護の会社である。この夏には松山市のマドンナスタジアムで行われた全日本選手権で尚美学園大学を下してアマチュア日本一になっている。
ハワイのハナマウイ島を企業イメージとしており、ユニフォームも水色を基調としたトロピカルなものである。

スタンドに足を踏み入れた3回表のスコアは1-1であった。
ハナマウイの先発である花ヶ崎衣利は今春、尚美学園大学を卒業してハナマウイに入社したばかりであり、母校と対戦することになる。

尚美学園大学の先発は、マドンナジャパンのメンバーとしてとして世界一にも貢献した田中露朝(たなか・あきの)。

試合は、4回表に尚美学園大が集中打で一挙5点を追加。尚美は5回にも2点を追加し、8-1とリードする。ジャパンカップは4回を終わって10点差、もしくは6回を終わって7点差の場合はコールドゲームとなるが、この時点で尚美学園大は6回コールド勝ちの権利を手にする。

尚美の先発である田中はスリークォーターから投げ込むMAX122キロのストレートを武器とする右腕。それも最大瞬間風速的に122キロを出したのではなく、122キロを何度も計時。コンスタントにスピードボールを投げ込める実力派である。ハナマウイの右打ち選手が球威に押されて、なんとかライト前に打球を運ぶも、女子野球はライトが浅く守っているためにライトゴロアウトになる場面が何度か見られた。
プロからハナマウイに移った六角彩子は、田中のストレートに合わせるために元々短く持ったバットを構える前に少し落としてより短くするという作戦で当てに来るが快音は聞かれず。

結局、尚美学園大学がハナマウイを8-1、6回コールドで下した。


決勝戦は、京都フローラ対尚美学園大学の顔合わせとなる。当初は午後3時プレーボールの予定だったが、コールドゲームがあったため、午後2時30分に早まる。

試合前には始球式があり、長岡京市にある長岡第二中学校の富田彩加さんが想像以上に速いボールを投げてスタンドを沸かせた。

京都フローラの先発は、今年、育成のレイアからフローラに昇格した龍田美咲。
尚美学園大学の先発は、左腕の山田優理。

フローラの龍田は切れのあるストレートで勝負。MAXは120キロを記録。
一方の山田は、初回の最速は119キロながら伸びていない感じはしたが、その後に球速が上がり、MAXはなんと129キロを計時。女子プロ野球最速記録である森若菜(愛知ディオーネ)の128キロを上回る。その他にも127キロが2球、126キロが1球あった。ただ速球で押すタイプではなく、全力投球をするのは「ここぞ」という時だけで、基本的にはスピードを抑えてコントロールを重視するタイプである。コーナーぎりぎりに決めて見逃し三振を奪うシーンも何度か見られた。

山田が129キロを出してからフローラの打者達の目の色が変わったように見えたため、逆にプロのプライドに火をつけることになってしまったかも知れない。

それでもゆったりとしたテイクバックから速球と変化球を投げ分ける山田を打ち崩せなかったフローラだが、6回表にみなみがピッチャー返しのヒットを放つと、三浦伊織が敬遠され(女子プロ野球は申告敬遠は採用していない)、更に「さこ」の愛称を持つ浅野桜子がフォアボールを選んで満塁とする。中村茜の当たりはライトへ。これが2点タイムリーツーベースとなり、フローラがようやく先制する。

フローラは5回表から、レジェンド・小西美加をマウンドに送る。今日の小西はストレートは余り投げず、カーブ、スライダー、スプリット、チェンジアップといった変化球で勝負。大学生レベルでも速球は打ち慣れているが、変化球ならプロと学生とでは差があるという読みなのかも知れない。

一方の尚美は、先程コールドながら完投勝利を挙げたばかりの田中を6回表からマウンドに送る。
田中はやはり疲れがあるようで、コントロールが定まらない。なんと2者連続で死球を与えて満塁のピンチを迎えるという乱調。ちなみに、泉由希菜への死球となったストレートは129キロを計時したが、その他の球はやはり最速で122キロであり、1球だけ7キロもアップしたということは考えにくいため、誤計測だと思われる。泉の代走として、今シーズンを最後に引退することを表明している岩田きくが入り、スタンドからの声援を受けた。

満塁ということで、尚美学園の内野はホームゲッツーを狙う超前身守備体制。ここで奥村奈美の当たりはピッチャーゴロ。田中はバックホームするが、キャッチャーの左上に抜ける悪送球となり、2点を献上。田中はがっくりとうなだれる。
その後も、中村茜にタイムリーを許すなど、田中はこの回4失点であった。

尚美は、6回裏に小西から1点を奪い、最終7回も無死二塁一塁のチャンスを作るが、浅田真有は三振に倒れ、小林夕衣はピッチャーゴロ。1-6-3のゲッツーとなって、6-1で京都フローラが勝利し、優勝を決める。

ジャパンカップの決勝にアマチュアのチームが駒を進めるのは7年ぶりのことだそうで、優秀選手の投手部門は尚美学園大学の田中(最優秀防御率、最多奪三振)と山田(最多奪三振)が独占し、田中はベストナインの投手部門にも選ばれた。
MVPには、京都フローラの中村茜が選ばれる。



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2018年10月 2日 (火)

スタジアムにて(6) 2009年開幕戦 阪神タイガース対東京ヤクルトスワローズ@京セラドーム大阪

2009年4月3日 京セラドーム大阪にて観戦

京セラドーム大阪で、セリーグの開幕戦、阪神タイガース対東京ヤクルトスワローズの試合を観戦する。
昨日まで、タイガースの本拠地である甲子園球場で春の選抜高校野球大会が行われていたということもあって、京セラドーム大阪での開幕となった。阪神電車が京セラドーム大阪の近くの九条駅に乗り入れたということもあって、その宣伝にもなる。

阪神の先発は安藤。ヤクルトの先発は石川。ともに予想通りの先発である。

ヤクルトの石川は乱調で、3回までに5点を許し、4回を投げきるが、5回表に代打を送られてここで降板となった。ヤクルトは2番手の佐藤、3番手の押本、4番手の丸山は好投で阪神打線を抑える。
今日が41歳の誕生日となる金本は、初回にタイムリーツーベースを放ち、3回にはソロホームランを打って、自分のバースデーを自分で祝福した。

ヤクルトはガイエルが5回にライトスタンドにアーチを架け、7回に相川がタイムリーヒットを放つが、奪ったのはこの2点だけ。
9回には藤川球児がマウンドに立ち、ちょっとしたピンチを迎えるが0点に抑えて、5-2で阪神が勝った。

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2018年9月20日 (木)

スタジアムにて(4) WBC強化試合 日本対オーストラリア2009@京セラドーム大阪

2009年2月25日 京セラドーム大阪にて観戦

午後6時プレーボールの、WBC(ワールドベースボールクラシック)強化試合、日本対オーストラリアの試合を観に、京セラドーム大阪まで出かける。
イチロー、松坂、岩村、城島、福留といった、日本の公式戦での生のプレーを観ることの出来ないメジャーリーガー達も参戦とあって、京セラドーム大阪は満員の盛況。

侍JAPANこと日本代表の先発は松坂大輔。
昨日の先発ダルビッシュ有同様、調子は今一つ。2回裏に相手の9番打者にツーベースを打たれ、相手に2点を献上する。それまでにもアウトにはなったがヒット性の当たりをいくつも打たれていた。ということで、松坂は、2回途中、2失点で降板。
日本投手陣の2番手は杉内。ストレートのMAXは140キロちょっとだが、コントロールが抜群で、オーストラリア打線から次々に三振を奪う。

相手のオーストラリアは、主力の半分はアメリカで合宿中ということで、日本にいるのは1.5軍。ということもあってか、守備では凡ミスが次々に起こる。強化試合のために役立つ相手だったのかどうか。
先制された日本であるが、続く3回の表に、中島の四球とイチローの一塁強襲安打(となったが、実際は相手のファーストのエラーだろう)と、バックアップに入っていた相手キャッチャーのボーンヘッドもあって、中島、イチローともに次の塁を奪い、4番稲葉の内野ゴロの間に中島が生還。さらに5番村田の打球に相手がエラーをして、三塁にいたイチローもホームに帰り、同点となる。

オーストラリアの二番手投手は、ブラッシングトン。ゆっくりしたボールが打者の手元で変化するのが遠くから観ていてもわかる。ナックルボーラーのようだ。しかし、ナックルボールも侍ジャパン打線には通用せず。ランナー2人を置いて、青木宣親がスリーベースヒットを放ち、日本、逆転。青木は三塁に滑り込んだ際に足を負傷したようである。

その後も日本は着々と得点を重ね、オーストラリアは着々とエラーを重ねる。結果は、11-2で日本の圧勝。1.5軍相手なので、圧勝しないと体裁が悪いだろう。

先発の松坂は不調だったが、杉内、内海、渡辺俊介、山口鉄也、涌井、藤川球児というリリーフ陣が相手打線を封じ込めた。豪華な継投が楽しめた。

ちなみに日本投手陣のMAXは、松坂大輔と藤川球児が出した148キロであったが、同じ148キロでも、ボールが飛んでいくような松坂の速球に対して、藤川の速球は糸を引くような、球の軌跡が残像となるような独特のものであった。藤川のようなストレートを投げるピッチャーと対戦しなければならないバッターは嫌だろうなと思う。

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2018年9月17日 (月)

スタジアムにて(3) オリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンス@わかさスタジアム京都 2018.5.27

2018年5月27日 西京極・わかさスタジアム京都にて

西京極にあるわかさスタジアム京都で、オリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズの公式戦を見る。
午後2時プレーボールであるが、わかさスタジアム京都は正午開場であり、私も12時半頃に行って、特設のショップを見て回ったりする。今日は気温が高く、日差しもきつくなるので、日射病および熱中症予防のために帽子があった方が良いのだが、私が持っているのは東京ヤクルトスワローズのレプリカキャップと優勝記念キャップのみ。千葉市出身なので千葉ロッテマリーンズを応援するのだが、3塁側ベンチに一人だけスワローズの帽子をかぶった人がいたら何だと思われる。そこでマリーンズのレプリカキャップを初めて買う。スワローズのレプリカキャップも手掛けているマジェスティック製品であるため、馴れたかぶり心地である。以前のマリーンズの帽子は黒字にMの白抜きというシンプルなものだったが、今はMに赤の縁取りがあり、少し凝ったデザインになっている。

オリックス・バファローズは、先日、ほっともっとフィールド神戸で、バファローズの試合と日本女子プロ野球のダブルヘッダーを行ったが、今日も日本女子プロ野球・京都フローラの選手がキャンペーンで球場に着ていて、オリジナルグッズの宣伝や記念撮影などを行っていた。

大分の唐揚げなどを食べて、両チームの練習を見る。今日は阪急デーということで、オリックス・バファローズの選手は往年の阪急ブレーブスのビジター復刻ユニフォームを着て試合に臨む。

KBS京都のアナウンサーで、スポーツ番組「京スポ」の司会を務める海平和(うみひら・なごみ)アナウンサーが進行役として登場し、試合前のセレモニーが行われる。今日は始球式が3回も行われる。

まずは、阪急ブレーブス黄金期のサブマリンエース、山田久志が登場。スタンドが沸く。山田は左足を上げたまま上半身を屈めるという往年のままの美しいフォームを披露。体を更に下げるのはもう難しいのか、アンダースローではなくサイドスローからの始球式になったが、年齢を感じさせないキレのある球を投げて、客席から歓声が上がった。

続いて、日本女子プロ野球・京都フローラの若手である古谷恵菜(ふるや・めぐな)投手による始球式。飛躍が期待される古谷。勢いのあるボールを投げ込んで、スタンドから拍手が起こる。

最後は、オリックスの選手が守備に着いてから、京都府宇治市出身の女優・タレントの中村静香による始球式がある。中村静香はアラサーの女性タレントとしてはメジャーな方だが、私の周りからは「誰?」という声が複数上がった。考えてみれば中村静香がバラエティー番組に出演している時間にマリーンズファンは千葉の人はチバテレビで、その他の人はCSでマリーンズの試合をテレビ観戦しているわけで、見たことがなかったとしても不思議ではない。
中村はキャッチャーのサインに首を振るというパフォーマンスも行い、山なりではあったがキャッチャーのミットにそのまま飛び込むボールを投げ込んだ。


今日のバファローズの先発は、ゴールデンルーキーの田嶋大樹。佐野日大高校、JR東日本を経て昨年のドラフト1位で入団した左腕。今季ルーキー初勝利を挙げ、ここまで5勝と新人王有力候補である。

マリーンズの先発は、こちらも左腕の土肥星也(どひ・せいや)。2年目であるが一軍では未勝利である。

田嶋と土肥のピッチングスタイルは対照的。田嶋がMAX148キロのストレートで押すのに対して、土肥はMAXで140キロもストレートは大体130キロ台。テイクバックの小さな独特のフォームから繰り出される変化球を中心に組み立てる。

試合は初回にオリックスの吉田正尚(まさたか)がライトへのツーランホームランを放つが、オリックスはその後、土肥からヒットすら奪えなくなる。

4回表、マリーンズは先頭の4番・角中がヒットで出ると、続くドミンゲスがレフト最上段へのツーランアーチを架け、マリーンズが同点に追いつく。

その後は膠着状態となる。

8回裏、千葉ロッテは、土肥、田中、大谷に次ぐ4番手投手としてシェッパーズを送り込むが、ツーアウトを取ったところでシェッパーズが突如制球を乱し、二者連続でフォアボールを与える。続くバッターは吉田正尚。吉田はセンターに抜けるタイムリーを放ち、これが決勝打となった。吉田は今日のバファローズの得点3点を一人で挙げる活躍である。

9回表は増井が締め、3-2でオリックス・バファローズが千葉ロッテマリーンズを下した。なお、7安打をマークしたマリーンズに対してバファローズはわずか3安打で3点を奪っての勝利で、効率が良い。

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2018年9月 9日 (日)

北海道日本ハムファイターズ合唱版「大空と大地の中で」

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2018年9月 3日 (月)

観劇感想精選(254) 舞台「野球」~飛行機雲のホームラン~

2018年8月25日 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて観劇

午後5時から梅田芸術芸場シアター・ドラマシティで舞台「野球」~飛行機雲のホームラン~を観る。作・演出:西田大輔。音楽:笹川三和。出演:安西慎太郎、多和田和弥、永瀬匡、小野塚勇人、松本岳、白又敦、小西成也、伊崎龍次郎、松井勇歩、永田聖一朗、林田航平、村田洋二郎、田中良子、竹内諒太、本間健大、書川勇輝、秋山皓郎、今井直人、田上健太、藤木孝。野球監修:桑田真澄。

第二次大戦中の中学野球(現在の高校野球に相当)を舞台に戦争と友情を主題にした群像劇が繰り広げられる。

伏ヶ丘商業学校の唐澤静(多和田和弥)と会沢商業学校の穂積均(安岡慎太郎)は小学校時代の友人にしてライバル。唐澤は甲子園の常連校である伏ヶ丘商業に進み、穂積は敢えて伏ヶ丘商業を避け、会沢商業に進んだ。1944年、戦争の激化のため、全国中等学校野球選手権は2年連続の中止が決定。予科練に進んだ野球部員は唐澤の神風特攻前日にかつての所属学校野球部ごとに分かれ、試合に臨む。南海軍(南海ホークス。英語が敵性言語であるとしてニックネームとしての使用も禁止されたための措置)に進むことが決まっていた唐澤だが、夢は絶たれた。肘を傷めていた唐澤だが、マウンドに上がるのは今日が最後であり、全力で投球する。

立ち上がりが不安定であるが、ストレートの威力は沢村栄治に匹敵するといわれる穂積。穂積が会沢商に進むきっかけとなった先輩の岡光司(永瀬匡)、併合当時は日本人とされたが差別も受けてきた朝鮮半島出身の伏ヶ丘・菱沼力(小野塚勇人)、唐澤の姉で新聞記者だったが反戦記事を書き続けたために解雇となった唐澤ユメ(田中良子)、ユメと共に狂言回しの役割を受け持つ海軍中佐の遠山貞昭(藤木孝)、新聞記者になること夢見て唐澤に関する記録を書き続けていた伏ヶ丘の三塁手・堂上秋之(松井勇歩)、会沢商業の監督に指名されるが野球には疎い街軍中尉の菊池勘三(名前の似ている菊池寛にちなんであだ名は「父帰る」である。演じるのは林田航平)らが時系列を飛ばす形でドラマを構成する。舞台後方には黒板状のスコアボードがあり、試合が進むごとに、出演者がチョークで得点を記していく。

八百屋飾りの舞台。マウンド、各塁、バッターボックスなどは特定の場所に置かれず、状況によって次々とフォーメーションを変えていく。客席通路も使用し内外野の守備が客席で行われることもある。

ボールは使用するが、投手役の俳優が直接投げることはない。なお、開演前に「本日は演出としてボールを使用いたします。ボールが客席に飛び込むことがあるかも知れませんが、ボールはスタッフが回収に伺いますので、くれぐれも客席に投げ返さないようお願いいたします」という影アナがあった。当然ながら劇場でそんなアナウンスを聞くのは初めてである。

PL学園時代に甲子園での高校通算最多勝記録となる20勝を挙げ、読売ジャイアンツとピッツバーグ・パイレーツで投手として活躍した桑田真澄が野球監修を手掛けており、そのためピッチャーの二人は桑田によく似た仕草をする。特に穂積均役の安西慎太郎は前屈みになったサインの見方、ワインドアップから右肩を下げながらのテイクバック、上体を捻って打者に背中を見せるところなどが桑田のフォームに瓜二つである。腕の使い方は桑田よりも元カープの池谷公二郎に似ているが、安西は世代的に池谷を知らないはずなので、たまたま似たのだと思われる。唐澤役の多和田和弥はサイン交換時のポーズは桑田や穂積と一緒だが、その後は違う。

俳優陣で私が知っているのはベテランの藤木孝だけ(最も重要なセリフを与えられているのも彼である)。若い俳優達に関してはほとんど知らないが、開場時間を予定より15分早めて行われたグッズ販売に女性が長蛇の列を作っており、相当な人気があることがうかがえる。後で調べたところミュージカル「テニスの王子様」の出演者が多いことがわかった。
私自身は「桑田真澄が野球監修をするなら」ということで観に行ったのだが、客席に男性はほとんどいない。劇場と球場に通う層はどうやら重なっていないようである。

戦時ということで野球自体が敵性競技として疎まれており、使用語はストライクが「良し!」、ボールが「駄目!」、ファールが「圏外球」、セーフが「安全」といった風に日本語に直され、アラビア数字も駄目で背番号は漢数字で書かれている。グローブも戦前戦中のものは現在と大きく異なるのだが(当時はスポットの浅い握るタイプのもの。挟み込むタイプの現在のものとは違い、片手を添えて両手で捕らないと取りこぼしてしまうことになる。日本では今でも「ボールは両手で捕る」が常識化しているのはこのためである)、客席にそこまでこだわる人はいないのと、ドラマ進行状に特に問題とはならないので、現代タイプのものを使用している。

漫画原作も手掛けるという西田大輔の本と演出はスピード感と視覚効果を大事にした上で外連味にも富むもの。一貫したストーリーよりもシャッフリングされた矢継ぎ早の展開を重視しており、各々のエピソードを絡めてラストへ持って行く形はラヴェルの「ボレロ」のようである。客席が女性中心ということで客席の各所からすすり泣きが聞こえ、上演としてはかなりの成功だと思える。

上演後は毎回アフタートークがあるようで、今日も永田聖一朗と伏ヶ丘商業の生徒達によるトークが行われる。天才エース・唐澤静役の多和田和弥は実は野球が大嫌いであったことを明かす。子供の頃のキャッチボールが顔に当たったことがトラウマになっており、野球が好きな人の気持ちが理解出来ないほどであったそうだが、この舞台をきっかけに野球が好きになったそうである。



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2018年8月29日 (水)

これまでに観た映画より(105) 大森南朋主演「キャッチボール屋」

DVDで日本映画「キャッチボール屋」を観る。大崎章監督作品。主演:大森南朋。出演は、キタキマユ、寺島進、松重豊、光石研、水橋研二、庵野秀明、内田春菊、峰岸徹ほか。

会社をリストラされたタカシ(大森南朋)は、公園でキャッチボール屋をしている竹村(庵野秀明)を見かけ、キャッチボールをする。ちょっと代わってくれないといって竹村はどこかへ。その間、キャッチボール屋をすることになるタカシ。公園には色々な人がキャッチボールをしにくる。結局、竹村は戻ってこず、タカシがキャッチボール屋をすることに……。

独特の時間の流れる大人の童話的作品。特に見所らしい見所はないけれど、こうした淡々とした作品に付き合うのもたまにはいい。それにしても、寺島進、松重豊、光石研という日本を代表するバイプレーヤーが揃っているというのはさりげなく豪華である。

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2018年8月 7日 (火)

スタジアムにて(2) セ・パ交流戦 オリックス・バファローズ対ヤクルトスワローズ 2005.6.2

2005年6月2日 大阪ドームにて

大阪ドームへ。プロ野球セ・パ交流戦ヤクルトスワローズ×オリックス・バファローズの対戦を見る。
客が少ない。下手すると客席にはヤクルトファンの方が多いかも知れない。

ヤクルトスワローズ、今日は古田敦也選手が完全にオフであった。キャッチャーは米野。
ヤクルトは初回に岩村がオリックス先発・光原からセンターへソロホームランを放ち先制。その後も真中のツーランホームランで追加点を挙げる。

ヤクルトの先発は川島亮。安定感は抜群で今日もスコアボードに「0」を描き続ける。が、6回に平野にタイムリーを浴びて1失点。連続イニング無失点は29イニングスで途絶えた。しかし7回をこの1点だけに抑えるナイスピッチング。一方でオリックスはランナーの守備妨害が飛び出すなど、どうにも勝てそうな雰囲気がない。
オリックス2番手は加藤大輔。150キロを超えるストレートを連発するが、ラミレスが負けじとセンター前にタイムリーを放つ。

ヤクルトはゴンザレス、石井弘寿の継投でオリックス打線を封じ、4対1で勝利した。
しかしヤクルト打線の各打者の成績を見ても、とてもこれがセリーグ首位のチームであるとは思えない。投手力が安定していることが第一だろうが、野村監督以来のデータ野球が徹底されているのだろう。

ヒーローインタビューは川島。「コントロールが良くなかった」というがどうしてどうして。もし今日以上にコントロールが良かったらどうなってしまうのだろう?
川島はこのまま成長すれば往年の北別府学(広島カープ)のようなタイプの好投手になるかも知れない(後記:川島亮は右肩の故障に悩まされ、その後、大成することなく引退。2018年現在は、東京ヤクルトスワローズの1軍マネージャーを務めている)。

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2018年7月26日 (木)

スタジアムにて(1) セ・パ交流戦 阪神タイガース対西武ライオンズ@西京極球場 2005.5.17

2005年5月17日 京都・西京極球場にて観戦

西京極球場にプロ野球セ・パ交流戦、阪神泰西武戦を見に行く。当日券で入ったが3塁側の比較的見やすい席を取ることが出来た。3塁側とはいえ周りは阪神ファンだらけ。3塁側どころかレフトスタンドも、おそらく観客の98%以上は阪神ファンだろう。西武ファンはほんのわずかな場所に固まっているだけ。ちなみに私はヤクルト・スワローズが好きなので中立の立場である。

阪神の先発は速球投手・福原忍。しかし今日は球にキレがない。バッテリーを真横から見る席だったのでそれははっきりとわかった。西京極球場にはスピードガン表示がないので、普段は150キロ前後を記録する福原のスピードが今日も出ていたのかどうかはわからない。しかし思ったよりは速く感じられない。2回表、福原は西武打線に連打を浴び、1点を献上。西武打線は明らかに右打ち狙いであり、福原の動揺を誘ったようだ。

西武の先発はサウスポーの帆足。交わすピッチャーというイメージがあるが、球は思ったよりも速く、手元で伸びており、本当に球がホップしているように見えた。2回裏、帆足はキレのある釣り球を生かし、四、五、六番バッターを三者三振に切って取る。速球は伸び、スライダーはコーナー一杯に決まり、カーブは低く沈む。これは打ちにくそうだ。

6回、西武カブレラがフルスイングするとバットが手を離れて一塁側スタンドに飛び込むという珍プレーがあった。カブレラはそれが心理的に影響したのか三振に終わる。しかしその後、西武打線は相手エラーにつけ込み、2点を追加。阪神は福原がピッチャーライナーを足に当てた後、一塁側へ悪送球。キャッチャー野口もパスボールをするなど守備が安定しない。

終盤になって帆足は高めのストレートに伸びが無くなる。9回裏、完封ペースであった帆足から阪神の三番シーツがセンターにホームラン。続く四番金本もツーベースヒット。スペンサーのヒットで金本が帰り1点差。一発出れば逆転サヨナラという場面で代打・桧山がバッターボックスへ。しかし西武の守護神・豊田のフォークにバットは空を切りゲームセット。3対2でライオンズの勝利。
見応えのある試合だった。

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2018年2月14日 (水)

幻の沢村栄治

※ この記事は2017年12月2日に書かれたものです。

戦前の日本を代表する名投手、沢村栄治が、1944年の12月2日、乗船していた軍隊輸送船が撃沈されて戦死しました。享年27。

京都商業(現・京都学園高校)時代に山口千万石とバッテリーを組み、甲子園に出場。慶應義塾大学に進むかと思われましたが、京都商を中退してベーブ・ルースやルー・ゲーリックが来日した際の第2回日米野球に参加。トータルではいい成績は残せませんでしたが、1934年11月20日に草薙球場で行われた第10戦での好投で一躍名を挙げます(ただこの時、西日が邪魔してバッターボックスからボールが見にくかったという証言あり。ベーブ・ルースは沢村がドロップを投げる時に口を真一文字に結ぶ癖を発見。自分は倒れましたが、続くルー・ゲーリックにこの癖を教え、ゲーリックが沢村のドロップをソロホームランにして決勝点を挙げたといわれています)。

その後、大日本東京野球倶楽部に参加。1935年2月14日に横浜港から出帆したアメリカ遠征(大日本東京野球倶楽部は東京ジャイアンツというニックネームを名乗る)ではマイナーリーグ相手に登板。好投を披露し、「スクールボーイ・サワムラ」としてアメリカでも人気になります。ファンがサインを求めたので応じたところ、相手は実はファンではなく、サインしたのはメジャー球団の入団契約書だったという騒ぎがあったりもしました。

東京巨人軍に入団後、数々の賞を獲得。現在でも沢村の名はその年最高の先発完投型投手に与えらえる沢村賞に残されています。

さて、全盛時の並外れた快速球は今も伝説となっており、「150キロか160キロか」と話題になりますが、本格的な投球時の映像が残されておらず、沢村の投球と球速は幻となっていました。
近年、沢村栄治のものとされる投球映像が発見されました。

足を高々を挙げるフォームがトレードマークとされ、西本聖のような後継者を生みましたが、実際のフォームはそれほど足を高くは挙げていなったとされ、発見された映像でも足を自然に踏み出す姿が確認できます。

映像を解析したところ、「160キロ近く出ていた可能性がある」という結果が出ました。ただ、古い映像なのでコマ送りの速度が一定しておらず、映像だけで速度を断定することはできないというのが本当のところのようです。
今のところ、沢村の球速が何キロだったのかは、可能性しか語ることはできませんが、もう目にすることの不可能な幻だからこそ、その快速球へのロマンが無限に広がるような気がします。

沢村栄治よ永遠なれ。

中京大学スポーツ科学部・湯浅景元教授による沢村栄治の球速分析


巨人軍の同僚、千葉茂と青田昇による検証

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