カテゴリー「おすすめCD(映画音楽)」の18件の記事

2011年2月22日 (火)

韓国映画「スカーレットレター」オリジナル・サウンドトラック

イ・ウンジュの遺作となった韓国映画「スカーレットレター」のオリジナル・サウンドトラック(EMI)を紹介しようと思います。なお、この「スカーレットレター」、映画としては出来が余り芳しくなく、DVDもオリジナル・サウンドトラックも廃盤となっています。手に入れようと思ったら、今のところ中古CDショップを当たるしか手はないようです。

韓国映画「スカーレットレター」オリジナル・サウンドトラック

イ・ウンジュの「Only When I Sleep」(オリジナルはアイルランドの兄妹バンド、ザ・コアーズによるもの)は追悼アルバム「ONLY ONE」にも収録されていますが、そちらは音声を復刻して男性シンガー、キム・テフンとのデュエット版に編集されたものと、ジャズセッション版なので、イ・ウンジュのソロによる正統的な「Only When I Sleep」は本CDでしか聴けません。

「スカーレットレター」の主人公、刑事のギフン(ハン・ソッキュ)がオペラ好きということもあって、サウンドトラックにはヴェルディの歌劇「運命の力」よりや、イ・ウンジュ演じるジャズシンガーのカヒとギフンと三角関係になる、ギフンの妻スヒョン(ソン・ヒョンア)がチェリストということもあって、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番より第1楽章などが使われるなど、クラシック音楽の用い方が上手いです。クラシックの楽曲はその他にもモーツァルトのセレナード「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や、ドイツ国歌になったハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」などが収められています。なお、劇中で、イ・ウンジュ演じるカヒがシューベルトの「楽興の時」より第3番を弾くシーンがありますが、残念ながら、音源はイ・ウンジュの演奏によるものではないようです(イ・ウンジュは高校の途中まではピアニスト志望で音大を受験しようと思っていましたが、高校生の時にドラマに出演したことで演技の魅力に取り憑かれ、進路を変更して、檀国大学校芸術大学演劇映画学科に入学しています。そういうこともあって彼女のピアノの腕は玄人はだしで、映画「永遠の片想い」のエンディングテーマのピアノ演奏は彼女が手掛けています。なお、彼女が自殺したのは檀国大学校を卒業した直後でした)。
オリジナルの音楽もなかなか優れています。

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2008年8月15日 (金)

NAXOS「偉大なる映画音楽集」

カール・デイヴィス指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団による「偉大なる映画音楽集(GREAT MOVIE THEMES)」と題された音盤を紹介します。NAXOSの録音・発売。

カール・デイヴィスの本業は映画音楽の作曲家。彼が作曲した「チャンピオン」のテーマが当CDに収録されています。

ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団は、リヴァプール出身のサー・サイモン・ラトルの最初期のキャリアに大きく関与していたり、また広上淳一が首席客演指揮者を務めていたことやサー・チャールズ・マッケラスと名盤を録音していることでも知られるオーケストラ。カール・デイヴィスはロイヤル・リヴァプール・フィルのポップスシリーズの指揮者も務めています。

カール・デイヴィス指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル 「偉大なる映画音楽集」 収録曲は、ジョン・ウィリアムズ作曲「レイダース 失われたアーク」のメインテーマ、ダニー・エルフマンの「スパイダーマン」のテーマ、ジョン・ウィリアムズの「シンドラーのリスト」のテーマ、ヴァンゲリス作曲の「炎のランナー」、「007」より“ジェームズ・ボンドのテーマ”、ジェームズ・ホーナー作曲「タイタニック」のメインテーマ、アラン・シルヴェストリの「フォレスト・ガンプ」組曲、ジョン・バリーの「ダンス・ウィズ・ウルヴス」、ジョン・ウィリアムズ作曲「ハリー・ポッターと賢者の石」組曲など。

ロイヤル・リヴァプール・フィルはイギリスのオーケストラということもあり、思いっきりの良さには多少欠けるところがありますが、心地良いサウンドを奏でています。

例えば、「シンドラーのリスト」のオリジナル・サウンドトラックでヴァイオリンを弾いているのは世界的なヴァイオリニストのイツァーク・パールマンだったりするので、それらに比べる聴き劣りはするかも知れませんが、有名な映画音楽を立て続けに聴くことが出来るのは当盤の強みです。

コンピレーション/Great Movie Themes: Carl Davis / Royal Liverpool Po

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2008年5月26日 (月)

香港映画「花様年華」オリジナル・サウンドトラック

王家衛(ウォン・カーウァイ)監督作品「花様年華」のオリジナル・サウンドトラックを紹介します。台湾のロック・レコーズからの発売。

1960年代の香港を舞台にした映画「花様年華」。映画本編も大人の味わいを持つ佳編ですが、オリジナル・サウンドトラックも負けず劣らず充実しています。

「花様年華」オリジナル・サウンドトラック とはいえ、映画のために作られたオリジナル曲は少なく、他の映画のテーマや、ナット・キング・コールの歌うジャズナンバー、中国の民謡や往年のヒット曲などで構成されています。

メインテーマ的に用いられているのは、梅林茂が鈴木清順監督の「夢二」のために書いた「夢二のテーマ」。この曲の持つ夢幻性が映画中でもかなり重要な役割を果たしています。

主演のトニー・レオンとマギー・チャンのセリフも収録。

花様年華/花様年華 In The Mood For Love (特別限定盤) - Soundtrack

花様年華/花様年華 In The Mood For Love - Soundtrack

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2008年5月 1日 (木)

「太陽がいっぱい」オリジナル・サウンドトラック

イタリア=フランス合作映画「太陽がいっぱい」のオリジナル・サウンドトラック盤を紹介します。ユニバーサル・ミュージック・フランスから出ているCD。
現在、「太陽がいっぱい」全曲の国内盤は出ておらず、このフランス盤が唯一の全曲盤です。
作曲は、イタリア映画音楽の代表的作曲家であるニーノ・ロータ。

「太陽がいっぱい」オリジナル・サウンドトラック あるいは映画の内容以上の知名度を誇るかも知れないというテーマ曲が有名な「太陽がいっぱい」の音楽ですが、そこはニーノ・ロータの作だけあって、テーマ音楽以外にも美しく、切なく、スリリングな音楽が満載です。全15曲を収録。

オーケストラのみならず、ピアノ、マンドリン、ギターなどの楽器もソロとして大活躍。

フランス盤ですが、ライナーノーツには英語による解説(比較的平易な英語が用いられています)もあります。

太陽がいっぱい/Plein Soleil (Digi)

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2008年3月29日 (土)

「親切なクムジャさん」オリジナル・サウンドトラック

テレビドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」でおなじみのイ・ヨンエが悪女役に挑戦した韓国映画「親切なクムジャさん」のオリジナル・サウンドトラックを紹介します。韓国盤。

「親切なクムジャさん」オリジナル・サウンドトラック 「親切なクムジャさん」は幼児誘拐をテーマにした復讐劇。無実の罪で13年服役したイ・クムジャという女性が真犯人に復讐するまでを描いたもので、強烈な残虐シーンがあるなど、万人にはお薦め出来ませんが、オリジナル・サウンドトラックは、バロック音楽をモチーフにしたチョ・ヨンウクの哀切にして美しいオリジナル曲と、ヴィヴァルディの協奏曲やパガニーニの「24のカプリース」より第24番などのクラシック音楽が入っており、クオリティも高く、映画ファンのみならず音楽ファンも楽しめる出来で、万人にお薦め出来ます。

デジパック仕様で、ライナーノーツにはクムジャさんを演じるイ・ヨンエのミニ写真集とチョ・ヨンウク作品のオーケストラスコアが付いています。韓国盤なのでハングルしか書かれていないのが難点ですが、音楽を楽しむ上では何の問題もありません。

Soundtrack/親切なクムジャさん

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2008年3月 6日 (木)

「ひかりのまち」オリジナル・サウンドトラック

マイケル・ナイマンが音楽を手掛けたイギリス映画「ひかりのまち」のオリジナル・サウンドトラックを紹介します。

映画「ひかりのまち」オリジナル・サウンドトラック 映画の方も何年か前にDVDで観ているのですが、記憶はあやふや。しかしナイマンの音楽は大変魅力的で、旋律はいつまでも頭の中に残り続けます。

マイケル・ナイマン・バンドによる光に溢れるような明るい曲、ナイマンのソロ・ピアノによる、心に水のように優しく染み込んでくる抒情的な旋律など、収録されている曲全てが映像以上に雄弁で色合い豊かです。

映画「ひかりのまち」の原題は“wonderland”ですが、ナイマンの音楽は音によるワンダーランドを築き上げています。

ひかりのまち/Wonderland - Music By Michaelnyman

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2008年2月19日 (火)

「未来世紀ブラジル」オリジナル・サウンドトラック

管理社会の怖ろしさを描くディストピア映画「未来世紀ブラジル」(テリー・ギリアム監督作品)のオリジナル・サウンドトラックを紹介します。

「未来世紀ブラジル」オリジナル・サウンドトラック マイケル・ケイメンが音楽を担当。名曲「ブラジル(ブラジルの水彩画)」がほぼ全編にわたってフィーチャーされています。

「未来世紀ブラジル」のラストは全く救いがないという暗いものなのですが(暗すぎるという理由でアメリカではハッピーエンド版が編集され、公開された)、暗いラストに明るい「ブラジル」の音楽が重なることで影の部分が強調され、絶望感がより一層深まるのが印象的でした。

「陽のあたる教室」、「ダイ・ハード」シリーズ、「リーサル・ウェポン」シリーズなどの音楽を手掛けたマイケル・ケイメン(1948-2003)のスコアは、甘さ、暗さ、華やかさなどの様々な要素が絡まった優れたものです。タイプライターの音にサンバのリズムを重ねた「ザ・オフィス」、ラストで流れる熱狂的な「ブラジルの水彩画・サンバ」などは秀逸。

未来世紀ブラジル/Brazil - Michael Kamen

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2008年1月23日 (水)

「エクソシスト」のテーマ 本当の曲名は「チューブラー・ベルズ」

ホラー映画「エクソシスト」で使われ、「エクソシスト」のテーマとしても認知されている曲。実際は映画用に作られたものではなく、マイク・オールドフィールドが多重録音を駆使して完成させた「チューブラー・ベルズ」(part1&part2)という曲を「エクソシスト」の制作会社であるワーナーが気に入って映画に用いたのです。

マイク・オールドフィールドは、1953年生まれのイギリスのミュージシャン。「チューブラー・ベルズ」を完成させたのは20歳の頃でした。「チューブラー・ベルズ」は最初は注目されませんでしたが、part1の冒頭部分が「エクソシスト」に使われたことで有名になり、現在までに世界中で3000万枚以上のセールスを記録しているといわれています。

マイク・オールドフィールド 「チューブラー・ベルズ」 マイク・オールドフィールドは、全部で28種類の楽器を一人で演奏。2000回以上の録音を重ねて「チューブラー・ベルズ」(part1&part2)を完成させました。
「エクソシスト」に使われた冒頭部分が有名ですが、「チューブラー・ベルズ」(part1)の本当の面白さは映画では使われなかった後半部分にあります。
詰め込み過ぎの印象はありますが、様々な楽器の音が多くの変転を経て一つのメロディーにまとめられ、クライマックスを迎える様は、ラヴェルの「ボレロ」のようでもあり、独特の快感を覚えます。

なお、チューブラー・ベルとは、音階を奏でられるベル、わかりやすくいうとNHK「のど自慢」で歌い手の出来を示すために打ち鳴らされるあの鐘のことです。

Mike Oldfield/Tubular Bells (Rmt)(Pps)

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2008年1月10日 (木)

繰り返される音の波 「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」

「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」ミニマル・ミュージックの名付け親とされるマイケル・ナイマン。もともとはクラシック畑の作曲家ですが、ピーター・グリーナウェイ監督とのコンビで、映画音楽の作曲家として有名になりました。

最近は、抒情的な作風へと移行しているナイマンですが、このアルバムに収められた、グリーナウェイ監督とのコラボレーション時代は、短い音型をこれでもかこれでもかとばかりに繰り返す「ミニマル・ミュージックの鬼」ともいうべき作風を示していました。

「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」(アーゴ)という名のこのアルバムには、「英国式庭園殺人事件」、「ZOO」、「数に溺れて」、「コックと泥棒、その妻と愛人」、「プロスペローの本」の音楽と、グリーナウェイ監督の初期短編映画のための音楽である「Watet Dances」を収録。映画のオリジナル・サウンドトラックではなく、マイケル・ナイマン・バンドのコンサート用に編曲された楽曲を録音したオリジナル・アルバム。「エッセンシャル・オブ・マイケル・ナイマン」ではなく、「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」というタイトルなのはそのためです。

音楽における繰り返しの面白さを示した好アルバム。マイケル・ナイマンの音楽やミニマル・ミュージックへの入門盤としても適しています。

ナイマン/The Essential Michael Nyman Band

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2007年12月19日 (水)

ゴジラ! 伊福部昭 「SF交響ファンタジー」シリーズ全曲

伊福部昭の「SF交響ファンタジー」第1番から第3番までを収めたCD、「ゴジラに捧ぐ─ SF交響ファンタジー全曲」(キングレコード)を紹介します。
広上淳一指揮日本フィルハーモニー交響楽団の演奏。もともとは伊福部昭作品を収めたCDだったのですが、その中から「SF交響ファンタジー」シリーズのみを取り出して、価格も1000円下げた、1800円のCDです。

伊福部昭 「ゴジラに捧ぐ─ SF交響ファンタジー全曲」 日本を代表する作曲家である伊福部昭(1914-2006)は、映画音楽の作曲家としても活躍。わけても「ゴジラ」シリーズの音楽は伊福部最大のヒットでした。
「ゴジラ」の音楽を使ったコンサート用作品の依頼ももちろんありましたが、伊福部は演奏会用作品と映画音楽は分けて書くタイプだったので、それは避けてきました。

しかし、「一回演奏するだけなら」と、「ゴジラ」の音楽を使った、「SF交響ファンタジー」第1番から第3番までを作曲。1983年に3曲同時に初演が行われました。
伊福部は本当に一回しか演奏させないつもりでしたが、やはりというか何というか大好評を得てしまい、結局、伊福部の代表作の一つになってしまいます。

広上淳一の指揮はノリに乗っており、日本フィルハーモニー交響楽団も威力を発揮。
クラシック音楽のファンも映画音楽のファンも共に納得させる出来です。

伊福部昭/Sf交響ファンタジー全曲:広上淳一 / 日本.po

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