カテゴリー「おすすめCD(ジャズ)」の9件の記事

2008年8月18日 (月)

ジャズ史上の一里塚 マイルス・デイビス(マイルス・デイヴィス) 「マイルストーンズ」

常にジャズ界の先頭を走り、「帝王」の名を手にしたマイルス・デイビス(マイルス・デイヴィス)。
そのマイルス・デイビスの代表作の一つ、「マイルストーンズ」(ソニー)。

マイルス・デイビス(デイヴィス) 「マイルストーンズ」 マイルスのトランペット、ジョン・コルトレーンのテナーサックス、キャノンボール・アダレーのアルトサックスの三人が特に強力ですが、レッド・ガーランドのピアノ、ポール・チェンバースのベース、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスの妙技も相まって、鉄壁のマイルス・デイビス・セクステットを形成しています。

ジャズ史上の一里塚(マイルストーン)を築くべく発表された本作ですが、その意気込みに負けないだけの仕上がりになっているのが流石。

マイルスのトランペットはテクニックに問題があるといわれてきましたが、技術方面はコルトレーンやキャノンボール・アダレーに任せて、プロデューサー的な視点から要所要所を締めるマイルスの演奏はやはり貫禄があります。

Miles Davis/Milestones (Hyb)

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2008年7月28日 (月)

ウェス・モンゴメリー 『フルハウス』

ジャズ・ギター奏者として最も有名であると思われる、ウェス・モンゴメリー(1923-1968)が、1962年6月25日にバークレーの「ツボ・クラブ」で行ったライブを収録したのがアルバム『フルハウス』です。リバーサイド・レーベル。

参加メンバーは、モンゴメリーの他、ジョニー・グリフィン(サックス)、ウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、ジミー・コブ(ドラムス)。

ウェス・モンゴメリー 『フルハウス』 1オクターブ離れた音を同時に出す「オクターブ奏法」を積極的に取り入れた重厚なギターサウンドが特徴であるウェス・モンゴメリー。華麗で疾走感あるテクニックでも酔わせてくれます。

先日亡くなったばかりジョニー・グリフィンのサキソフォンの切れ味、マイルス・デイヴィスのバンドで活躍していたウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、ジミー・コブ(ドラムス)の3人のコンビネーションの良さも聴き物です。

ライブ録音だけに、聴衆の歓声や拍手も入っており、臨場感もタップリです。

Wes Montgomery/Full House

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2008年7月12日 (土)

小林香織 「Shiny シャイニー」

1981年生まれの若手女性ジャズ・サキソフォン&フルート奏者、小林香織のニューアルバム「Shiny シャイニー」を紹介します。ビクター・エンタテインメントからの発売。

小林香織 「Shiny シャイニー」 小林香織の吹くサキソフォンは輝かしく、張りのある美音であり、知らずに聴いて20代の日本人女性が吹いていると当てることの出来る人はまずいないと思われます。

小林自身が作曲した作品もメロディーラインの独特の洒落たセンスが光っており、演奏家としても作曲家としても抜群の才能の持ち主であることがわかります。

初回限定盤には、ミュージックビデオと、小林が2007年の3月に韓国・ソウルで行ったライヴの紹介映像が入っています。ソウルのライヴにおける小林香織の出で立ちは、ノースリーブにタイトミニスカートという健康美と可愛らしさを前面に押し出したものであり、サウンドのみならずビジュアル面でも一種の「ジャズの革命児」的存在感を示してくれています。

小林香織/Shiny (+dvd)(Ltd)

小林香織/Shiny

小林香織 - シャイニー

シャイニー

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2008年2月27日 (水)

mama!milk 「Gala de Caras」

アコーディオンの生駒祐子とウッドベースの清水恒輔によるインストゥルメンタル・デュオ、mama!milk。日本は勿論、海外でも数多くのツアーをこなしている二人のオリジナル・サード・アルバムが「Gala de Caras」です。RAFTMUSICレーベル。

mama!milk 「Gala de Caras」 音楽の乗って世界中を旅するような趣のあるmama!milkの音楽。このアルバムでも、スペイン風の楽曲、タンゴ、ワルツなど、様々な音楽が奏でられており、異国情緒溢れる、イメージ喚起力豊かな世界が拡がっています。

表はCD、裏面はDVD使用であり、DVDディスクには林海象監督によるイメージ映像が収録されています。

mama!milkはライブツアー活動が中心で、CDも他のミュージシャンとのコラボレーションアルバムが多く、この「Gala de Caras」は最新のオリジナルアルバムですが、2003年の発売であり、新作の発表も待たれるところです。

Mama Milk/Gala De Caras

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2007年11月23日 (金)

ナット・キング・コール 「アフター・ミッドナイト AFTER MIDNIGHT」

ジャズヴォーカルのキング、ナット・キング・コールのアルバム「アフター・ミッドナイト AFTER MIDNIGHT」を紹介します。1956年の録音。

ナット・キング・コール 「アフター・ミッドナイト」 やはりジャズシンガーとして知られるナタリー・コールの父親としても知られるナット・‘キング’・コール。
「モナリザ」、「LOVE」などの歌で知られ、ジャズのみならずポピュラーシンガーとしても大人気だったナット・キング・コールの、ジャズシンガーとしての代表作ともいうべきアルバムが「アフター・ミッドナイト」です。コールはヴォーカルとピアノを担当。

誰でも知っているような超有名曲は入っていませんが、それでもニュース番組のテーマソングにもなった「イッツ・オンリー・ア・ペイパームーン」、ジャズナンバーの定番「ルート66」など、聴けばあの曲かとわかるナンバーも収録。

渋みがあるのに朗らかという独特の歌声を持ったナット・キング・コール。どのナンバーも楽しそうに歌い上げており、聴いている側も幸福感に包まれます。

Nat King Cole/After Midnight Complete

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2007年8月19日 (日)

ルイ・アームストロング 『Waht A Wonderful World/この素晴らしき世界』

“サッチモ”のニックネームで親しまれたジャズトランペッター&ヴォーカリストのルイ・アームストロングのソングアルバム『What A Wonderful World/この素晴らしき世界』(DECCA)。

ルイ・アームストロング 『What A Wonderful World/この素晴らしき世界』 表題作の「What A Wonderful World/この素晴らしき世界」を始め、「キャバレー」、「ギヴ・ミー・ユア・キッス」、「ハロー・ブラザー」などを全11曲を収録。録音は1967年と68年にニューヨークとラスヴェガスで行われています。

サッチモはダミ声の持ち主で、歌唱力も高いとは言えませんが、独特の温かな声質と楽しそうな歌い方で聴く者をハッピーにさせるという資質の持ち主でした。

サッチモといえば、トランペッターとしての方が高く評価されていますが、彼の独特のヴォーカルのファンも数多くいます。

ジャズ・ソングというと、「難しそう」だとか、「澄ましてそう」と思っている方もルイ・アームストロングの歌声を聴くとそれまでのイメージが覆るはずです。

Louis Armstrong/What A Wonderful World

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2007年5月 2日 (水)

サキソフォンの巨人が吹く 『サキソフォン・コロッサス』

ソニー・ロリンズ 『サキソフォン・コロッサス』 かって“ジャズ・ジャイアンツ”と呼ばれた偉大なジャズメン達の中で現在も生きている唯一の人物、ソニー・ロリンズの代表盤『サキソフォン・コロッサス』を紹介します。

“サキソフォンの巨人”と呼ばれたソニー・ロリンズが作った「サキソフォンの巨人」という意味の名のアルバム(コロッサスとは古代ギリシャのロードス島に建っていた巨人像のこと。世界七不思議の一つであった)。

余りにも有名なのでジャズファンには説明不要の音盤なのですが、ジャズが好きな人は少数派なので、ロリンズと、このCDについて記しておきます。ソニー・ロリンズは1930年、ニューヨークに生まれたジャズサキソフォン奏者。ジャズメンはだいたいそうですが、この人もとにかく変わった人で、「サックスが上手く吹けない気がする」という理由でたびたび失踪したり、頭をモヒカン刈りにしたり(ソニー・ロリンズがモヒカン刈りにしたことで、もともとはネイティブ・アメリカンのものだったこの髪型は世界的に有名になったとされる)と、頭の中がどうなっているのかわからなかったりします。

しかし、ひとたびサキソフォンを手にすると、この楽器を自由自在に操り、爽快な演奏を聴かせてくれます。

『サキソフォン・コロッサス』には、ロリンズの代表作である「ST.THOMAS」や、ベルトルト・ブレヒト作の舞台のためにクルト・ワイルが作曲した「三文オペラ」より“マック・ザ・ナイフ”を原曲とする「MORITAT」を始め、「YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS」、「STRODE RODE」、「BLUE 7」の5曲を収録。いずれの曲もジャズの黄金時代の空気を今に運んでくれます。

Sonny Rollins/Saxophone Colossus

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2007年1月31日 (水)

ビル・エヴァンス 「ワルツ・フォー・デビイ」

ビル・エヴァンス 「ワルツ・フォー・デビイ」 ジャズのおすすめCD第2弾もビル・エヴァンスのアルバムを紹介します。「ワルツ・フォー・デビイ」(リバーサイド)。1961年6月25日、ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライブの収録です。
ピアノ:ビル・エヴァンス、ベース:スコット・ラファロ、ドラムス:ポール・モチアンによるビル・エヴァンス・トリオの演奏。

表題作である「ワルツ・フォー・デビイ」(ビル・エヴァンス作曲。デビイとはエヴァンスの姪の名前)を始め、レナード・バーンスタインらの作曲による「サム・アザー・タイム」、マイルス・デイヴィス作曲の「マイルストーンズ」、更にボーナストラックにはジョージ・ガーシュウィンの「ポーギー」なども収められています。

ヴィレッジ・ヴァンガードは食事をしながらジャズを聴くことの出来る店であり、このCDにも談笑する人々の声や、グラスの触れ合う音などが入っていて、臨場感豊かです。

ベースのスコット・ラファロは、エヴァンスが「物事を創造するために生まれてきたような音楽家」と絶賛したアーチストですが、このアルバム収録の10日後、1961年7月6日に交通事故に遭い、25歳の若さで亡くなっています。ジャズメンは何故か不幸に見舞われることが多く、エヴァンス自身も先妻に自殺されたり、実兄(デビイの父)もまた自殺するなどという悲劇的な体験により、麻薬に溺れるようになり、1981年に51歳で亡くなっています。

そうした背景を知りながら聴くとまた違った印象を持つことなると思いますが、とにかくまずは予備知識を頭に入れず、ビル・エヴァンス・トリオのチャーミングな演奏を楽しむのが良いと思います。特に表題作の「ワルツ・フォー・デビイ」の洒脱な演奏は必聴。

Bill Evans (piano)/Waltz For Debby +4 (Rmt)

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2006年12月 9日 (土)

必然的孤独の肖像 ビル・エヴァンス 「自己との対話」

ビル・エヴァンス 「自己との対話」 おすすめCDのカテゴリーに新たにジャズのCD紹介を加えました。第1弾はビル・エヴァンスのソロアルバム「自己との対話」(ヴァーヴ)です。

知的な白人ジャズピアニストとして名声の高かったビル・エヴァンスですが、もともと黒人の音楽であるジャズで成功を収めただけに、黒人からの逆差別や、白人からも「黒人の音楽を白人がやるなんて」と白眼視されるなど、精神的に追いつめれ、麻薬に溺れるようになります。更に元妻や実の兄が自殺するなどの精神的ショックが重なることで、麻薬の使用量が増え、オーバードース(麻薬の致死量を超える使用)が原因で亡くなっています。

「自己との対話」はタイトルからして内省的ですが、ソロアルバムでありながら多重録音を使用して、自己が奏でた旋律に自己がピアノで応えるという、内面を向いた音楽であり、自己の音楽に自己しか応えないという孤独な音楽でもあります。ビル・エヴァンスは敢えて孤独感を表出することで、現代の都市社会とそこに住む人々の必然的孤独の肖像を描いて見せます。

ビルの友人であり、優秀なジャズマンでありながら、若くして亡くなったソニー・クラーク(Sonny.CLARK)への追悼曲「N.Y.C's No Lark」(Sonny.CLARKのアナグラム)の憂愁が特に印象的です。

Bill Evans (piano)/Conversations With Myself: +2: 自己との対話

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