カテゴリー「映画」の190件の記事

2019年4月13日 (土)

これまでに観た映画より(124) 「翔んで埼玉」

2019年4月4日 MOVIX京都にて

MOVIX京都で、関東人必見といわれるバカ映画「翔んで埼玉」を観る。東京人から蔑まれ、通行手形がないと都内に入ることすら出来ないという20世紀の架空の埼玉を題材とする、とんでも作品である。
原作は魔夜峰央の未完成の漫画作品。監督:武内英樹(千葉県出身)。出演:二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、中尾彬(千葉県出身)、ブラザートム(埼玉県育ち)、麻生久美子(千葉県出身)、島崎遥香(埼玉県出身)、麿赤児、益若つばさ(埼玉県出身)、竹中直人(神奈川県出身)、加藤諒、武田久美子、小沢真珠、成田凌(埼玉県出身)、京本政樹ほか。埼玉県出身の有名人が多数カメオ出演している。

 

夏暑いことで知られる埼玉県熊谷市に住む菅原夫妻(ブラザートムと麻生久美子が演じている)とその娘の愛海(島崎遥香)が、都内で行われる結納に参加するため車で向かっている。愛海の結婚相手は浦和に住んでいるのだが、都内に務める埼玉都民であり、都内に家を建てるつもりということで都内を会場に選んだのだ。愛海は埼玉暮らしにうんざりしており、都内に引っ越せるということでウキウキである。埼玉のFMであるNACK5からは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」が流れているが、その後、埼玉の都市伝説ラジオドラマが始まる。物語は、ラジオドラマ内と熊谷市に住む一家の間を行きつ戻りつしながら進む。

ラジオドラマ内では、都内の超一流私立高校の白鵬堂学院高校(旧東京府立第一高等女学校である都立白鴎高校に由来するのかどうかは不明)に、美男子である麻実麗(GACKT)が転校してくるところから始まる。麗はアメリカ帰り、英語だけでなくフランス語、スペイン語、北京語などを操る才子であり、宝塚の「ベルばら」さながらの白鵬堂学院高校の女子達は全員夢中になる。生徒会長で白鵬堂学院高校内唯一の男子である壇ノ浦百美(どう見ても女だが男という設定。二階堂ふみ)は、最初こそ麗に反発を覚えるが、その後、ボーイズラブへと発展していく。

ラジオドラマ内の埼玉県人は、縄文時代そのままの竪穴住居での生活を送っており、通行手形がないと都内に入ることは許されず、不法侵入が見つかった場合は即座に捕獲、追放が行われていた。ラジオドラマ内の東京都民は埼玉県人を毛嫌いしており、埼玉県人と関わったということがわかっただけで卒倒する有様である。
白鵬堂学院高校は、住所によって学級と待遇が変わり、都心がA組、周辺になるに従ってクラスが下になるというヒエラルキー構造で、最下級のZ組は埼玉県から引っ越してきた現都民が所属している。Z組の教室は離れの廃屋が割り当てられ、今もなお、ぽっとん便所の使用を強制されている。体調が悪くなっても医務室に入ることは許されず、百美からは「埼玉県人にはそこらへんの草でも喰わせておけ!」などと吐き捨てられる。
Z組の面々は埼玉県生まれであることを恥じており、差別されるのは当然として埼玉に恨みすら感じている。そんな埼玉県人に失望を感じる麗。実は麗は生まれは埼玉であり……。

 

埼玉あるある(浦和と大宮は仲が悪い、名産がない、出身地を聞かれて思わず「東京です」と答えてしまうなど)は勿論、千葉あるある(「東京」を冠するものがやたらと多い、茨城県と一緒の「チバラキ」扱いされると怒る、「とにかく海はあるぞ」など)、東京あるある(ブランドや箔付けが大好き。故郷と呼べるような場所を持たない)などの小ネタが満載であり、関東人ならクスリと笑える要素に溢れている。逆に他の地方の人達にとってはピンとこないことが多いかも知れない。ギャグなどは日本全国共通だと思われるが、東京都民と他の関東の県人の距離感などは上手く掴めないのではないだろうか。

役名からして非現実的だが、物語展開からは徹底してリアリズムが排除されている。映画の内容を考えれば当然で、ストーリー展開の面白さよりも、馬鹿馬鹿しさに徹底的に浸るべき映画となっている。埼玉、千葉(野田にはヌーが出るらしい)、神奈川(東京都の腰巾着。ヒーローは加山雄三)の南関東に隠れた形にはなっているが、群馬(謎の巨大生物が生息しているとしてニュースになる秘境)、茨城(名前を聞いただけで百美が卒倒)という北関東も登場する。栃木県だけ影が薄いが、クライマックスには那須塩原の栃木県民が参加していることが確認出来る。

余りにも馬鹿馬鹿しい差別を描いたおバカ映画であるが、世の中にはこれらと同等な差別が横行しており、差別の根っこがそもそも馬鹿なことであること考えると、「面白うてやがて哀しき」という言葉も浮かぶ。

 

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2019年1月12日 (土)

これまでに観た映画より(123) 中島哲也監督作品 松たか子主演作 「告白」

ブルーレイで日本映画「告白」を観る。わが家初のブルーレイディスク。「告白」は映画館でも観ているが、気に入ったのでブルーレイディスクを購入したのだ。湊かなえ:原作、中島哲也:脚本・監督作品。出演は、松たか子、木村佳乃、岡田将生、新井浩文、山口馬木也ほか。

映画ファンから絶賛される一方で、映画の作り手側からは、「あんなの映画じゃない」「説明過多だ」(説明不足でわけがわからないという意見もあるのが面白い)「PVみたいだ」「途中で寝た」などと酷評された問題作。日本で最も権威があるとされるキネマ旬報の2010年度ベストテン邦画の第2位、最も華やかな(しかし大手映画会社の持ち回りとの悪評も高い)2010年度の日本アカデミー賞最優秀作品賞、脚本賞、監督賞、編集賞を受賞しているが、その一方で映画芸術誌ではワースト1に選ばれてもいる。

体育館や校舎など撮影は栃木県の廃校を利用して行われたという(教室はセット撮影)。松たか子は実は泳ぐことが出来ず、劇中でプールに飛ぶ込むシーンがあるので、脚本を読んで「どうしよう」と思い、中島監督に「私、泳げないんですけど」と告白。中島監督は落胆しつつも「大丈夫」と答えたそうである
いざ、本番になるとプールの水は腰の高さまでしかなく、水中を歩いていけるので問題なかったそうだ。

ある中学校が舞台。教師の森口悠子(松たか子)が、幼い娘の愛美(ドラマ「Mother」の演技で世間を驚かせた芦田愛菜が演じている)の死にまつわる告白を始める。愛美は事故死として処理されたが、実はクラスの生徒二人に殺されたのだという。ここから森口悠子の静かで冷酷な復讐劇が始まる。

ほぼ全編に渡って音楽が流れており、PVを多く手掛けた中島哲也監督らしい作品だ。セリフの量も膨大で、セリフに寄りかかりすぎと思う人がいてもおかしくないほどである。

「命」がテーマの重い作品であり、軽々しいところは一切ない。人間の重みの軽重を問う一方で、罪を犯した人間の命の重み、被害者の命の重みなどがケースとして扱われ、生きるとは、生きさせるとはどういうことなのかも問いかけてくる。そしてそうしたことを考えること自体が人間の傲慢さであり、病んだ部分なのではないかとさえ思えてくる。

キーを握る二人の女優、松たか子と木村佳乃(かつてライバルとして良く比較された二人だ)の演技にともに凄みがあり、特に松たか子の演技はこれまで出演した映画の中でも最高だろう。

独特の映像美も相まって、他では余り観たことのない世界が広がっている。あるいは賛否両論ということ自体がこの映画の成功を物語っているのかも知れない。


ブルーレイディスクは特別版で、DVDがもう一枚ついており、そこにはメイキング映像、中島監督と主演の松たか子へのインタビュー、重要な生徒を演じる橋本愛(北原美月役)、西井幸人(渡辺修哉役)、藤原薫(下村直樹役)の3人へのインタビュー、生徒37人からの一言メッセージ、劇団ひとりによる「告白」特別講義、各劇場による舞台挨拶や品川女学院(広末涼子の母校として知られる)における中島監督と松たか子による特別授業、TVスポットなどが収められている。TVスポットではパガニーニの「24の奇想曲」より第24番のピアノ編曲版とドヴォルザークの「新世界」交響曲が用いられているが、本編にはそれらは用いられておらず、主題歌はRadiohead、音楽は日本のインディーズバンド、エンディングはヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」のピアノ編曲版が使われている。



「スクリーンで観た時の感想」 2010年8月26日

TOHOシネマズ二条で日本映画「告白」を観る。湊かなえ原作、監督・脚本:中島哲也、主演:松たか子。

愛娘を殺害された中学校の女性教師が犯人である教え子に復讐を図るという物語である。

直接手を下さず、ジワジワと犯人を追い詰めていく女教師の復讐の姿が怖ろしい。

重たいがそれだけ見応えのある作品であった。

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これまでに観た映画より(122) ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督作品 「罪とか罰とか」

DVDで、日本映画「罪とか罰とか」を観る。成海璃子主演作。ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督作品。出演は他に、永山絢斗(ながやま・けんと。瑛太の弟)、段田安則、奥菜恵、犬山イヌコ、大倉孝二、山崎一、安藤さくら、入江雅人、市川由衣、佐藤江梨子、六角精児、田中要次(BOBA)、緋田康人、広岡由里子、高橋ひとみ、石田卓也、森若香織、行定勲、玉置孝匡、串田和美、徳井優ほか。いなくてもいい役で「時効警察」つながりの麻生久美子がカメオ出演している(当初は脚本になく、特別に出てくれることになったので、役を作ったとのこと)。

重層構造の映画で、様々なシーンが一つにまとまっていくという構造を持つ。文学における意識の流れ的な手法も用いられる。

売れないグラビアアイドルの円城寺アヤメ(成海璃子)が、自身が映っているグラビアが逆さまに印刷され、鼻の下に変なシミまでつけられていることに怒る。コンビニで雑誌を確認したアヤメは、「立ち読み禁止」を示す店長(徳井優)に「買いますから」といいつつ、お金がないことに気付き、万引きしてしまう。マネージャーの風間涼子(犬山イヌコ)に連れられてコンビニに謝罪に訪れるアヤメ。取り調べに来た警官に一日署長の話を持ちかけられたアヤメは、やむなく一日署長を務めることに。アヤメが一日署長を務める警察署にはアヤメの元彼である春樹(永山絢斗)がいた。この春樹というのが連続殺人を犯している殺人鬼であるが、アヤメは春樹が殺人鬼であることを隠し、付き合ってきたのだった。

演劇を主舞台とするケラリーノ・サンドロヴィッチらしい作品。緻密な構造が印象的だが、その分、出来すぎの印象を受け、現実感が乏しいような印象も受ける。私は高く評価したいが、嘘くさいと感じる人も出てくるだろう。


レンタルDVDだが、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、成海璃子、犬山イヌコの3人によるコメンタリーが全編に渡って入っている。内容よりも、注文したケーキが大変なことになって大騒ぎになったりしていて笑える。

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2019年1月10日 (木)

これまでに観た映画より(121) 「白夜行」

2011年3月1日 MOVIX京都にて

一日ということで、映画を観に行くことにする。今日観るのは日本映画「白夜行」。綾瀬はるか主演でドラマ化もされている、東野圭吾の代表作の一つである。MOVIX京都での鑑賞。原作:東野圭吾。脚本:入江信吾、山本あかり。脚本&監督は33歳の若手、深川栄洋。

出演:堀北真希、高良健吾、田中哲司、戸田恵子、姜暢雄(きょう・のぶお)、粟田麗(あわた・うらら)、緑友里恵、斎藤歩、長谷川愛、小池彩夢(こいけ・あやめ)、吉満亮太、宮川一郎太、山下容莉枝、中村久美、黒部進、船越英一郎ほか。

昭和55年、廃ビルの一室で、質屋を営む桐原洋介(吉満亮太)の他殺体が発見される。第一発見者は小学生達で、ビルは入り口が塞がれており、密室状態であった。桐原の家内である弥生子(戸田恵子)と、質屋の従業員で弥生子と不倫の関係にあった松浦勇(田中哲司)が容疑者として浮かぶ。桐原家の二階は戸が閉まるようになっており、階上には桐原の息子の亮司がいた。弥生子にも松浦にも確固としたアリバイはないが、どうやらホシである可能性は低いようだ。

事件を担当する笹垣潤三(船越英一郎)のもとに、桐原が当日、西本文代(山下容莉枝)という女の家に行っていたという情報が入る。文代のもとに聞き込みに行く、笹垣と古賀久(斎藤歩)。文代は留守で、文代の娘の雪穂が対応に出る。やがて文代は戻ってくるが、アリバイを話せない。しかし、聞き込みを続けたところ、文代は事件のあった時間に公園のブランコに乗っているところを目撃されていた。文代には寺崎忠夫(宮川一郎太)という恋人がいた。文代とともに寺崎にも容疑がかかるが、寺崎は車を運転中に事故死してしまう。更に文代もガスが充満した自室で亡くなっているのを発見される。事件は容疑者不在のまま迷宮入りしようとしていた。

文代の娘の雪穂は、遠縁の唐沢礼子(中村久美)の幼女となる。やがて高校生となった唐沢雪穂(堀北真希)。学校では模範的な生徒で、いじめられっ子の川島江利子(緑友里恵)と交流するなど、優しさも見せる女性へと成長していた。一方、桐原の息子である亮司(高良健吾)は女遊びをするなど危険な道を歩んでおり、ずっと年上で薬剤師の免許を持ちながら今はホステスに身を落としている栗原典子(粟田麗)と同棲していた。殺人の被害者の息子と、容疑者の娘。二人には何の接点もないように感じられたのだが……。

内面に怖ろしい一面を隠しながら美貌でのし上がっていく雪穂。そんな雪穂を演じる堀北真希がこの映画の主役である。しかし堀北は抑制された演技で内面の怖ろしさを表現しようとしているものの、どうしても優等生的なイメージが強く出てしまい、悪女にはなりきれていない。

しかし、そんな堀北が主役であることで、脇の役者達の演技が光って見える。偶然の産物かも知れないが、結果的には良かったのかも知れない。特に、二時間ドラマの帝王こと船越英一郎は、「こんな良い役者だったっけ?」と思うほど優れた演技を見せ、事件を粘り強く追い続ける刑事を好演していた。

怪しげな魅力が光る亮司を演じる高良健吾もはまり役である。

そして、木村多江をも凌ぐかと思うほどの薄幸ぶりで、濡れ場も演じる典子役の粟田麗(同じ1974年生まれということもあり、私は密かに彼女を応援している)は出番は短いながらも強烈なイメージを残した。

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2019年1月 8日 (火)

これまでに観た映画より(120) 「ノルウェイの森」

2011年2月1日 TOHOシネマズ二条にて

TOHOシネマズ二条で上映されている「ノルウェイの森」を観に出掛ける。原作はもちろん村上春樹。ベトナム生まれでフランス育ちのトラン・アン・ユン監督作品。出演は、松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、霧島れいか、初音映莉子、玉山鉄二ほか。なお、YMOのメンバーの内、主人公ワタナベ(松山ケンイチ)がアルバイトをするレコード店の店長として細野晴臣が、直子(菊地凛子)が入寮(実質的には入院)することになる阿美寮の門番として高橋幸宏が出演している。村上春樹と交流があるはずの坂本龍一は出演していないが、まあ、オファーがあっても教授は出演しないだろうな。

村上春樹の小説は映像化が困難であり、過去に村上春樹の中学の先輩である大森一樹が監督した「風の歌を聴け」があるのみ。それも不評だった(短編では「パン屋再襲撃」も映像化されている)。

「ノルウェイの森」は村上春樹の長編としては、ほぼ唯一といっていいリアリズムに書かれた小説であるが、それでも作品の魅力は繊細な心理描写の筆致にあり、映像化は困難である。今回の映画でも村上春樹作品の映像化として成功かというと否だろう。「ノルウェイの森」は村上春樹の作品の中でもとりわけリリカルなので、抒情派のトラン・アン・ユン監督がそれを映像化すると綺麗すぎるという結果になっていて、それを批判する人があるかも知れない。ただ、興味深いのは映画を観ているうちに、それが村上春樹を原作にしたものではなく、夏目漱石作品を映像化したものに思えてくる点である。「現代の夏目漱石」といわれることもある村上春樹だが、映像化されたものを観てそれを再確認することになった。
というわけで、村上春樹ファンよりも夏目漱石ファンにお薦めしたい映画である。

役者では、当初、ユン監督から「直子のイメージではない」と断られるも粘り勝ちで直子役を勝ち取った菊地凛子が、まるで直子が憑依したかのような演技を見せるのが印象的。ただ、直子に対する思い入れが強すぎるためか、キズキ(高良健吾)との関係をワタナベと草原で語るシーンでは感情表現が激しすぎて逆に観客に訴えかける力が弱まってしまっている。あそこはもっと淡々とやった方が効果的だし、村上春樹らしくもある。ただ、菊池凛子の直子は予想を遥かに超えて良かった。

主役のワタナベ(原作ではワタナベトオル。村上春樹はテレビを見ない人なので俳優の渡辺徹を知らなかったのだろう)を演じる松山ケンイチも細やかな演技を見せてで好演。ワタナベ役として最適だったのではないだろうか。

残念なのはミドリを演じた水原希子。演技未経験で、ユン監督から厳しい演技指導を受けたそうだが、それでも他の役者に比べると演技力の不足は顕著であり(ユン監督が日本語を理解出来たならOKを出さなかっただろうと思われるテイクも用いられている)、外見もキャラクターも直子と被ってしまっているので、ミスキャストだろう。ミドリはもっと元気溌剌としたタイプの女優がやらないと直子との対比が生まれない。


原作にない部分では永沢(玉山鉄二)とワタナベが女遊びをした話をしてハツミ(初音映莉子)を傷つける場面、雪の日のワタナベと直子の激しいやり取りとその直後の屋外でのシーン、直子がキズキの幻影を見る(実際はキズキは現れず、代わりにレイコ<霧島れいか>が直子を探して駆けてくる)情景などは効果的であった。

逆に私が原作の中で気に入っている、ワタナベとミドリがミドリの実家から火事を眺めるシーン(二人の感情の燃え上がりを象徴している)や、直子の葬式の場面(自殺者の葬儀ということで冷たさに満ちている)、レイコとワタナベによるギターを用いた音楽葬の話などはなく、残念である。ラストシーンは原作の通りだが、原作のままあれをやってしまうと、小説を知らずに映画を観に来た人には意味がわからないものになってしまっていたのではないだろうか。もう一工夫欲しかった。

ただ、村上春樹原作ということを意識せず、一つの映像作品として観た場合は出来は悪くはない。もしDVDやブルーレイが発売されたなら私は購入すると思う(その後、実際にブルーレイを購入した)。

原作は36歳になったワタナベがハンブルクの空港に着陸した旅客機内で「ノルウェイの森」を聴いてパニックに襲われるというシーンから始まるのだが、それはカットされている。ただ、私が今36歳で、その時に「ノルウェイの森」が映画化されるというのはタイミングが良かった。

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2019年1月 5日 (土)

これまでに観た映画より(119) 「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」

2010年6月4日 MOVIX京都にて

MOVIX京都で日本映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」を観る。

日本一の製紙の街・四国中央市。しかし不況のため、商店街のシャッターを下ろす店が増えていた。愛媛県立四国中央高校書道部では新入部員達が次々とやめていくという事態に。そんな中、新たに赴任してきた臨時教師の池澤(金子ノブアキ)が書道部の顧問を務めることになり、音楽をかけながら書道をするというパフォーマンスを行う。書道部部長の里子(成海璃子)は池澤に反発するが、部員の清美(高畑充希)は池澤に影響を受け、書道パフォーマンスを始める。里子らは清美に反発を覚えるが、やがてその書道パフォーマンスを競う「書道パフォーマンス甲子園」を企画し、全国に募集をかけて、その「書道パフォーマンス甲子園」を実現させる。

実話を基にした映画。特別に面白いという印象は受けなかったが、書道パフォーマンスに青春をかける高校生の熱演ぶりには感動を覚える。地味な映画かも知れないが、静かな感動を呼ぶ良質の映画といって良さそうである。

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2019年1月 4日 (金)

これまでに観た映画より(118) 「Kー20 怪盗二十面相・伝」

DVDで日本映画「K-20 怪盗二十面相・伝」を観る。原作:北村想、脚本・監督:佐藤嗣麻子、出演:金城武、松たか子、仲村トオル、國村準、本多奏多、益岡徹、高島礼子、鹿賀丈史ほか。

第二次大戦が避けられた後の日本というパラレルワールドで繰り広げられる冒険活劇。


1949年・帝都。華族制は今なお堅持され、身分の差は厳しく、人々は自分の職業を選ぶことも禁じられているという格差社会が続いている。上流階級を狙った窃盗も少なくなく、特に怪人二十面相なる男が暗躍している。怪人二十面相は新たなエネルギーとして開発されたテスラ装置を盗むと予告。軍警(警察)はそれを拒もうと躍起になっている。

サーカス団の花形俳優・遠藤平吉は(金城武)は、あるカストリ雑誌(三流写真誌)の男(鹿賀丈史)から、近く執り行われる、男爵で名探偵の明智小五郎(仲村トオル)と羽柴公爵家の令嬢・葉子(松たか子)との結納の儀の写真を撮ってくれないかと頼まれる。羽柴公爵家はテスラ装置を未来のエネルギー源として開発を推進してきた羽柴財閥のトップだ。

結納の儀の当日、平吉が、写真を撮ろうとすると、カメラのシャッターが起爆装置となり、爆発が起こる。すぐに平吉は怪人二十面相として逮捕されるのだった。


脚本も演出もよく練られており、楽しめる映画になっている。

俳優では、盗みを稼業とする源治を演じる國村準の演技が渋く、一番印象的。松たか子は、大きな悲鳴の上げ方、令嬢としての気位の高さ、コメディーの要素などを自然に演じきっているが彼女ならまだ出来るような気もする。金城武と仲村トオルの演技は熱演だがまずまずといったところだ。

美術もしっかりとしているし、娯楽作として観るには十分な映画だろう。

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2018年12月29日 (土)

これまでに観た映画より(117) 「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」

DVDで日本映画「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」を観る。太宰治の小説の映画化。根岸吉太郎監督作品。出演:松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、妻夫木聡、広末涼子、堤真一ほか。

昭和21年、厭世的な小説家、大谷(浅野忠信)は、中野の小料理屋「椿屋」で5千円を盗む。椿屋の主(伊武雅刀)と女房(室井滋)は大谷の家まで押しかけてくるが、大谷はナイフを振りかざし、逃げてしまう。翌日、大谷の妻である幸(松たか子)は椿屋で働き始める。そこへ大谷がやってきて、盗んだ5千円を何とか返す。聞くところによると、京橋のバーで大宴会を繰り広げ、それを心配したママに5千円建て替えて貰ったというのだ。

生きるのが嫌で嫌でたまらない小説家と、それに寄り添い、振り回される妻の切ないドラマが繰り広げられる。

昭和21年当時を再現したセットや映像美が見事だが、ラストの生への力強いメッセージが、何にも勝って心に響いた。

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2018年12月28日 (金)

これまでに観た映画より(116) 「オーケストラ!」

MOVIX京都まで映画を観に出かける。今日観るのはフランス映画「オーケストラ!」。

かつてはボリショイ劇場の名指揮者であったアンドレイ(アレクセイ・グシュコブ)は、30年前にブレジネフ政権のオーケストラからのユダヤ人追放政策に反対して失職。現在はボリショイ劇場の清掃員として冴えない日々を送っていた。そんなある日、理事長室の掃除をしていたアンドレイはパリのシャトレ劇場から送られてきた公演以来のFAXを手に入れ、自身がボリショイ劇場管弦楽団の指揮者になりすましてパリ公演を行うことを計画。かつてオーケストラを追われたユダヤ人楽団員らを集めて、渡仏公演を行ってしまう……。

筋書きだけを見ると無理があるように思えるし、実際に無理もあるのだが、ソ連時代の暗い歴史をユーモアを交えつつ描くなど、奥行きもあり、演奏会のシーンにはなかなか感動させられる。

俳優達の質も高く、映像も綺麗で、リアリティにさえ拘らなければ名画といってもいいだけの仕上がりになっていたように思う。

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2018年12月26日 (水)

コンサートの記(478) 園田隆一郎指揮 京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2018 「Bravo!オーケストラ」第3回「ファンタジック!オーケストラ」

2018年12月23日 京都コンサートホールにて

京都コンサートホールでオーケストラ・ディスカバリー2018「Bravo!オーケストラ」第3回「ファンタジック!オーケストラ」を聴く。午後2時30分開演。今日の指揮者は園田隆一郎。

ロビーでプレイベントがあり、園田隆一郎と京響の楽団員達が、ちびっ子からの質問に答える。質問は事前に募集し、スタッフが選んだものをシニアマネージャーの柴田さんが読み上げる。

京響の出演者は、泉原隆志(ヴァイオリン)、上野博昭(フルート)、小谷口直子(クラリネット)、ハラルド・ナエス(トランペット)、宅間斉(たくま・ひとし。打楽器)、松村衣里(まつむら・えり。ハープ)。

小谷口直子が、「小さいお友達、こんにちは! 聞こえないな。こんにちは! 大きなお友達もこんにちは!」とクラリネットのおば……、じゃなかったお姉さん風の口調で挨拶をしていたりする。

泉原隆志は、7歳と5歳のお子さんがいらっしゃるそうだが、子ども達が出場しているサッカーの試合などを観戦しているのが、「至福の時」だと述べていた。
上野博昭は、料理が趣味だという。
ハラルド・ナエスは多趣味で、車やラジコンなども好きだという。

「いつも何時間ぐらい練習してるんですか?」という質問には、上野博昭が、「全体の練習が午前10時半から4時頃まであるので、それがある日は、それほど練習出来ないです。長くても3時間くらい」と答えるが、小谷口直子は、「私は多分、上野さんより長く練習していると思います。何時間練習すれば良いというものではなく、プロの演奏家というのは出来るまでやらなければいけないと思ってます。なので私はイライラいながら長く練習してます。すぐ出来ちゃう人は短くていいと思うんですけど」と語っていた。

宅間斉は、「打楽器の場合は練習に困る」と言っており、自宅に置けない打楽器が多いので、「練習場で練習するようにしてます」と答えていた。

「旅先での練習はどうしているんですか?」という質問には、ハラルド・ナエスと泉原隆志がミュートをつけた演奏をやってみせる。トランペット場合はマウスだけで吹く練習をすることがあるそうだ。ホテルでは大きな音は立てられないため、ヴァイオリンも一番強いミュートを使って練習するそうである。

園田隆一郎には、「どうやったら指揮者になれるんですか?」という質問があり、「ピアノやヴァイオリンなんかは、3歳からやってます、6歳からやってますという方がいらっしゃると思いますが、6歳で指揮をやってますという方はいらっしゃらないだろうし、いると困る。人間性に問題が出る可能性がある」ということで、「音楽大学に指揮科というものが一応あるので、そこに入って勉強するのが良いと思います。というより、それ以前にはやらない方がいいと思います。自分がやっている楽器を極めて、それから指揮をどうしてもやりたいと思っても遅くない」
「指揮棒を使う時と使わない時の違いは?」という質問には、「使う時、使わない時というより、指揮棒を使う人と使わない人がいると思います。僕はいつも使います。大きいホールでやる時、あるいはオペラなんかでは白くて細いものが動いてた方が見やすい」と語っていた。


曲目は、前半が、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」から「花のワルツ」、フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲、ルロイ・アンダーソンの「舞踏会の美女」、ロジャースの「サウンド・オブ・ミュージック」から「エーデルワイス」「サウンド・オブ・ミュージック」「ドレミの歌」(合唱:京都市少年合唱団)、後半がオーケストラ・ライブ演奏によるアニメーション・フィルムの上映で「スノーマン」(作曲:ハワード・ブレイク)。

「スノーマン」の上映があるということで、ステージ後方に巨大スクリーンが下りており、前の席のお客さんから映像が見えないと困るというので、オーケストラも奥の方に詰めて配置、ステージも平らになっている。


まずはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」より「花のワルツ」。「くるみ割り人形」は、クリスマスが舞台になっているということで、この時期によく演奏される。
園田隆一郎はこの手の音楽はお手の物である。
今日は舞台を平らにしているため、やはり音が上に行く感じはある。音響的には今日はいまいちのようだ。

演奏終了後に園田は、「この方達にコンサートを仕切っていただきましょう。がレッジ-セールのお二人です」と紹介。出てきたゴリは、「俺らコンサート仕切るの無理です」と言う。
ゴリは、「川田からの質問なんですけど、園田さん、(コンサートマスターとフォアシュピーラーの)お二人としか握手しないのは?」と聞く。今日のコンサートマスターは泉原隆志、フォアシュピーラーは尾﨑平である。園田は、「いつものことなので」「みんなそうなので気にしたことない」「心は全員とやっているつもりで」と述べる。
ゴリは、「言ってみれば、この方(泉原)がボス、リーダーで、こちら(尾﨑)がサブリーダー」と語る。コンサートマスターはドイツでの言い方で、英語圏では「リーダー」と言うのが普通である。川田は、「人間関係が悪いのかと思いました」

「花のワルツ」に関しては、ゴリが「CMで聞いたことあります」と言い、園田も「僕が子どもの頃、車のCMで流れてました」と語る。それから、「今、丁度、映画でやってます」と園田が言い、ゴリが客席に「観たっていう人」と聞くが数名しか手が上がらず、ゴリは「これは、観てない方が多いか、四十肩の方が多いか」


フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲。歌劇「ヘンゼルとグレーテル」も西洋ではクリスマスの上演が慣習化している作品である。
ゴリが、「ヘンゼルとグレーテルという兄妹が、森の中に行ったら、お菓子の家があるのを発見します。ですが、なんとあろうことかお菓子の家は魔女の家で、捕まって食べられそうになったところを、二人で作戦を練って、魔女を釜に落として焼いて、って残酷ですね」と内容を説明する。
色彩感豊かな精緻で優れた演奏である。

演奏終了後、川田が「映像が見えました。内容想像してたら魔女が迫っているところわかりました」と言い、ゴリも「音と想像で映像が」と語る。


ルロイ・アンダーソンの「舞踏会の美女」。園田は、「小学校の音楽の時間に、ベートーヴェンとかモーツァルトとかバッハとか、シューベルトも紹介されるかな? ヨーロッパの作曲家、だいたい200年ぐらい前の人を教わって、アメリカはその時代、有名な作曲家はいませんが、100年ぐらい前になると、アンダーソンとかバーンスタインとか有名な人が出てきます」と紹介。ゴリに「舞踏会というとヨーロッパのイメージがありますが、園田さん、舞踏会って行かれたことあります?」と聞かれた園田は、「イタリアに15年ぐらい住んでましたが、イタリアでは舞踏会はあんまりやらない。ウィーンとか北の方でよくやられてます」と話す。
舞踏会は、寒い冬を乗り切るため、体を寄せ合って温め合うことを目的としているという説もある。
ゴリは、「でも日本人じゃ恥ずかしいですよね」と言い、園田に聞くと、「私は無理です」と断言で返ってきたため、「でも断ると失礼なんでしょ?」と続けたが、「私は断るのが精一杯」と返される。

「舞踏会の美女」は、藤岡幸夫と関西フィルハーモニー管弦楽団がテーマ音楽のように使っており、藤岡が司会を務める「エンター・ザ・ミュージック」でもオープニングテーマとなっている。京都市交響楽団の明るめの音色はアメリカ音楽に合っている。
演奏終了後に、園田は、「ヨーロッパとは違ったアメリカ的な華やかさ」とルロイ・アンダーソンの作風を評する。


ロジャースの「サウンド・オブ・ミュージック」には、京都市少年合唱団の団員が参加する。小学校3年生から中学校3年生まで入団可能であり、今日は小学校4年生から中学校3年生までのメンバーが登場する。身長180㎝の男子がいるのだが、中学校2年生であり、「君、中3じゃないの?」とゴリに言われる。入団テストでは、課題曲と自由曲を歌うのだが、自由曲は映画音楽などを選ぶ人が多いようだ。ゴリは、「B'zとか歌う人はいないんだ?」と聞いて、身長180㎝の男の子に、「いないです!」と即答されていた。

今時の子ということで、名前も今時であり、メンバー表を見ると、瑠月(るる)という女の子がいたり、「風凜(ふうりん)」という名の子がいたり、「瑚琳(こりん)」という子もいるが、両親が小倉優子かコリン・デイヴィスのファンなのだろか? 「織温(おりおん)」という子もいるが、男の子だよね? 「真心子(まみこ)」「心音(みお)」「奏心(かなみ)」など、「心」と書いて「み」と読ませる名前も目立つが、漢字から察するに「心音」さんと「奏心」さんは、ご両親が音楽家か音楽好きである。

中央通路で、京都市少年合唱団の津幡泰子(つばた・やすこ)が指揮をする。

「エーデルワイス」には、ギターとして猪居亜美が参加するのがさりげなく豪華である。

日本語での歌唱。やはり少年合唱団の声は心に響く。「ドレミの歌」ではラストで皆が手を繋ぎ、ポーズを決め、客席から拍手喝采。鳴り止まないため、ゴリに、「この拍手、あと2時間続きます」と言われる。更にゴリから「感動した!」「最後良いね!」「男女で手を繋ぐのが、俺らフォークダンスの時」などと言われていた。


後半、サイレントアニメーション映画「スノーマン」の上映。上映時間は26分である。ボーイソプラノとして、京都市少年合唱団の団員である北岸慶が参加する。
原作:レイモンド・ブルッグス、監督:ダイアン・ジャクソン、音楽:ハワード・ブレイク。

ガレッジセールの二人も、中央通路のすぐ後ろの席に座って映画を観る。ゴリの隣に座った若い女性はマネージャーさんだと思われる。

老年に達している父親(総入れ歯である)とまだ若い母親の間に生まれた少年が、ある雪の日にスノーマン(雪だるま)を作る。その日の夜、真夜中過ぎに目覚めた少年は、スノーマンが動き出すのを目撃、一緒に遊び、部屋の中で踊ったりしたりして楽しんだ後、外に出てバイクに二人乗りして(多分、スノーマンは無免許運転)から、北極を目指して旅立ち、その後、スノーマンの国で本物のサンタクロースと出会う。幸福感に満ちて帰途に就き、眠りに落ちた少年だったのだが……。

佐竹裕介が弾くピアノでスタート。アニメーションに合わせての演奏ということでかなり難しそうである。灯りをつけたり消したりも音楽で行うため、難度が高いが、園田と京響はクリアしていく。

スノーマンと少年が空を飛ぶシーンで、ボーイソプラノが入る。

演奏終了後、ステージに戻ったゴリから園田は「いかに大変だったか、汗の量を見てわかります。サウナ帰りじゃないですか」と言われる。
園田は、「オペラとかバレエとか相手が人間なので、1秒ぐらいずれても合わせてくれるじゃないですか。ただ相手が機械なので、いい勉強になりました」と語る。

ゴリは、ボーイソプラノ独唱の北岸慶に、「次の消臭力のCMに出るのは君だよ」と言っていた。


アンコール演奏は、アンダーソンの「そり滑り」。ノリは万全ではなかったかも知れないが、よく整った演奏であった。



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