カテゴリー「ドキュメンタリー映画」の7件の記事

2019年10月12日 (土)

これまでに観た映画より(132) 「お百姓さんになりたい」

2019年10月4日 京都シネマにて

京都シネマでドキュメンタリー映画「お百姓さんになりたい」を観る。原村政樹監督作品。
語りは小林綾子が務めている。

埼玉県三芳町にある明石農園の1年間を追う。16年前、28歳の時に東京から埼玉県の南端にある三芳町に移り住んで新規就農をした明石誠一が始めた明石農園。明石は子どもの頃の夢の3位が農業をやることだったそうである。1位は宇宙飛行士だったが「虫歯があったりしたら駄目」というので早々に諦め、2位の「サッカー選手になる」を求めて体育大学に進学したが、「自分の実力ではプロにはなれない」と悟り、しばらく何もする気になれなかったが、子どもの頃の夢を思い出して農業を始めることにしたそうである。

明石農園は、肥料や農薬に頼らない自然栽培を行っている。肥料の代わりに他の野菜や雑草を自然発酵させたものを用い、秋には枯葉を集めて土の質を向上させるなど(落ち葉堆肥農法として江戸時代からこの地方に伝わっているそうだ)、自然を最大限に利用する。自然栽培で育てられた作物だけに人気があるようだが、自然を相手にしているため、思い通りにならないことも多い。
農業というと種を植えて面倒を見る過程が思い浮かぶが、自然栽培を行う明石農園では種が育つための土を作ることが何よりも重要なようである。

明石農園では農家志望の人達が研修生として働いている。研修生として学んだ人のうち、これまでに10人ほどが農家として独立しているそうである。
農業高校を卒業して研修生として働いている最初から農家志望の女性もいるが、障害者なども幅広く受け入れている。知的障害者などは対人関係などは不得手だが、自然は人間よりも広量である。
明石は、「効率の良いこと、お金になることが優先される世の中だが、資本主義や民主主義とは違う、新しい物差し作り」を目指してもいるようである。

江戸時代には人口の8割を農民が占めていたが、時代を経るに従って農業に従事する人は減っていき、皆都会に出て対人業務を行うことが多くなっている。ただそうした第三次産業に合わない人も出てくる中で、消費者の声が大きくなりすぎるなど行き詰まりの感もあり、新たな価値観を求めて農業に就くということはある意味先祖返り、原点回帰的なことであり、現代社会で希求されるものとはまた別の豊かさを持つ未来が想像されるようにも思われる。

明石農園の森では、音楽祭なども催され、障害があって普通の音楽会に行けない人達も音楽を楽しんでいる。東京のベッドタウンで、特になにもないような町だが、ちょっとしたハレの喜びがここにはあるようだ。

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2019年5月18日 (土)

これまでに観た映画より(126) 「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」

2019年5月13日 京都シネマにて

京都シネマで「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」を観る。ブルース・スピーゲル監督作品。20世紀を代表するジャズピアニストの一人であったビル・エヴァンス(本名:ウィリアム・ジョン・エヴァンス)の生涯を、関係者と残されたビル・エバンス本人の証言で綴るドキュメンタリー映画である。

理知的な容姿と繊細にして美しいタッチ、抒情的かつ哲学的な作風が印象的なビル・エヴァンス。死から40年近くが経過した今でも最も人気のあるジャズピアニストの一人であり、ミニシアターとはいえ京都シネマのシアター2がほぼ満員となる。

初期は見るからにインテリ風の容貌であったビル・エヴァンスであるが、実際にサウスイーストルイジアナ大学でクラシック音楽を専攻しており、学歴のない黒人が多かった当時のジャズミュージシャンの中では異色であった。白人がジャズをやっているというだけで黒人からも白人からも白眼視されるという世代ではなかったが、それでもマイルス・デイヴィスのバンドに参加していた頃には、黒人用クラブで演奏を行うと、「白い野良猫が何の用だ?」などと暴言を浴びせられたそうである。

大学でクラシック音楽を学んだ白人ピアニストということで、「きちんとした」印象を抱かれがちなビル・エヴァンス。実際、マイルスのバンドに「エレガント」な要素を加えたのは彼なのであるが、その生涯は「史上最も緩慢な自殺」といわれており、麻薬に溺れ、音楽の中でしか生きられない人生であった。ヘロインを始めたのはマイルスのバンドに加わった1950年代半ばのこと。マイルスを始めとする一流のジャズミュージシャンに囲まれ、しかもエヴァンス以外は全員黒人というプレッシャーの中で、弾けない状態に陥った彼は、ストレスをやわらげるためにヘロイン注射を始め、最も酷いときには45分置きに注射をしないと気が済まないようになってしまう。あるいはもし音楽がなかったら、彼は20代で自殺していたかも知れない。

ビル・エヴァンスは、兄のハリーや内縁の妻であったエレインを自殺で喪っている。ビル・エヴァンス・トリオ最初のベーシストであったスコット・ラファロもトリオ結成直後に事故死するなど彼の周辺には常に悲劇がつきまとっている(もっともエレインの自殺の原因はビル・エヴァンスの浮気であり、エヴァンスはエレインに新しい相手のネネットを紹介し、エレノアはショックで地下鉄に飛び込んで自殺。その直後にエヴァンスはネネットと結婚しており、彼が見た目に反して「いかれたジャズメン」の一人であることがわかるのだが)。その陰は音楽にも表れており、後年の音楽の奥深さに影響しているのは間違いないと思われる。「自己との対話」など、若い頃から孤独と向き合ってきたビル・エヴァンスの音楽は、悲劇的な人生展開によってより内省的になっていく。それであるが故にビル・エヴァンスの音楽は孤独に優しい。

トニー・ベネットはビル・エヴァンスが電話で彼に語った言葉を人生訓としている。「美と真実だけを追究して他は忘れろ」。良い言葉だ。ただいかにも不器用だ。ビル・エヴァンスは人生を破綻させても全てを音楽に捧げた。ビル・エヴァンスの録音は今も聴くことが出来る。仮の肉体を纏ったものではない本当のビル・エヴァンスは今も生き続けていると言えるのだろう。

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2019年4月25日 (木)

これまでに観た映画より(125) 「がんになる前に知っておくこと」

2019年4月18日 京都シネマにて

午後5時55分から京都シネマで「がんになる前に知っておくこと」を観る。がんの医療関係者などに女優でピアノ講師などもしている鳴神綾香がインタビューするスタイルで撮られたドキュメンタリー映画。三宅流監督作品。プロデューサーの上原拓治が4年前に義妹をがんで亡くしたことから制作を決めた映画である。
オープニングとエンディング曲は、J・S・バッハの「ゴルトベルク変奏曲」よりアリア。鳴神綾香が演奏しており、演奏風景を収めたシーンもある。

二人に一人がかかる癌。日本人の死亡率トップの病気である。でありながら癌に関する知識は十分という人を余り見かけないのが現状である。私自身も癌の家系ではなく癌で亡くなった親族が少ないということもあって、全くといっていいほど知識を持ち合わせていない。
数年前に胸にしこりを感じ、乳がんを疑った鳴神。幸い良性であったが、癌に対する恐怖を感じたということでナビゲーターに選ばれている。
癌の治療に携わる外科医、放射線腫瘍医、癌の専門医である腫瘍内科医、癌の研究医、癌治療の緩和ケアを行う緩和医療医、更にがん専門看護師、がん相談支援センター相談員、癌経験者によるピア・サポーター、癌経験者などに鳴神が話を聞いていく。癌をめぐる多くの人々の話を聞くことで複数の視座と立体感を得ることに成功しており、また順番も工夫されていて、例えば複数の人が口にする「緩和ケア」についての情報を観る者に十分に与えるため、まず緩和医療医の話を流すことで、他の人やほとんどの日本人が抱いている緩和ケアに対する誤解などがわかるようになっている。

正しい知識を伝えることの大切さも語っており、例えばインターネット上には様々な情報が乗っているが、国立がんセンターなど確かな情報を載せているサイトを閲覧することが重要で、そうでないと効果のない療法にはまってしまう危険性がある。また、がん相談支援センターというものが日本全国の病院に約400ほど設置されているそうで、その病院の患者でなくても相談出来るようになっている。

癌に携わる医師に共通することは、「治せばいい、生きられればいい」ではなく、「いかに癌と生きていくか」を考えているということである。癌になったら死ぬだけというのは30年前の考えだそうで、今は癌と共存する時代だそうである。癌の治療をしながら働いてい生きていけることが可能になっているそうで、今なお「癌になったら終わり」というイメージが流布してしまっているのはマスコミにも責任があるそうだ。
感じるのは、「癌と生きる哲学」。複数の治療法が提案可能な時代であり、敢えて治療をしないという選択肢もあるという。ただ、個人的に「もう年だから何もしなくていい」と考えても、家族と医師による話を聞くことで考えが変わったりもするようである。
治療しても他に影響が出てしまって、それがクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が低下するようでは本末転倒でもあり、医師や医療従事者が「何を優先するか」を患者と話し合うことで決めるというスタイルが取られている。ちなみに「ライフ」は「生活」という意味でとらえられることが多いが、「人生」という意味もあり、「癌になってもいかなる人生を設計するか」がこれからの癌治療では重要になってくる。
癌を経験しても希望を捨てずに生きている人も何人も登場し、「癌=終焉」ではないことを教えられる。
どうも「癌患者は癌患者らしくしなければならない」という思い込みと押しつけがまかり通っているようで、本人が率先してそうした考えに囚われてしまうケースが大半のようなのだが(仏教でいうところの「無縄自縛」である)、「押し込められた人生観」から自由になることは癌に罹患していなくても重要であるように思われる、というよりそうした姿勢でいることが癌に対する心構えにも繋がっているようだ。


帰り道の四条通は華やいでおり、気候の良さも相まって夢の中を歩いているような気分になる。

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2017年2月 5日 (日)

楽興の時(13) ロームシアター京都オープン1周年記念イベント「Kyoto Gathering」

2017年1月31日 左京区岡崎の京都モダンテラスにて

午後6時から、ロームシアター京都パークパレス2階にある京都モダンテラスで、ロームシアター京都オープン1周年記念イベント「Kyoto Gathering」に参加する。写真、映画、音楽などの芸術を取り上げる催し。映画監督の林海象(京都造形芸術大学時代に見知った関係である)、女優の鶴田真由、DJ・作曲家&プロデューサーの沖野修也(おきの・しゅうや)らが参加する。バンド演奏は、Based on Kyoto.とNAOITO☆.Aの2組。


京都モダンテラスに入るのは初めてである。入ってすぐに林海象とバッタリ出会ったので挨拶。林さんは、「取材?」と聞く。取材ではないが、色々なものに接して取り入れようとしているのは事実である。林監督が「取材?」と聞いたのは、おそらく私が色々聞く性分だったからだと思われる。林監督にお目にかかるのは13年ぶりぐらいである。Facebookで繋がっているので、そう遠い感じはしなかったのだけれど。林監督は少し小さくなられたように見えた。林監督は元田中で「バー探偵」という店も経営されているのだが、私は酒が飲めないので行きようがない。

鶴田真由さんも普通にいる。舞台でお見かけした時には気がつかなかったのだが、小柄な方である。

芸術紹介のイベントなのだが、参加者は多くは賑やかに歓談しており、写真や映像をじっくり見ている人は余りいない。

沖野修也のDJタイムが1時間ほど続く。ジャズセッションの音楽が流れていたので、私もコードに合わせて口笛を吹いたりした。


午後7時過ぎから、まず、写真のイベントが行われる。スクリーンが降りており、そこに写真が投影される。
まずは、志津野雷(しづの・らい)による水の写真集『ON THE WATER』(青幻舎)からの映像。その他にバスク地方(フランスとスペインの境にある地域。著名な出身者にモーリス・ラヴェルなど)の男性などの写真もある。
 
鶴田真由は、「今日、新幹線で来たんですけど、富士山が見えたので、写真を撮ろうと思ったら(撮っている間に)すぐ終わってしまって」と言って、写真を撮る時も「撮るよりまず見る」ことが大切だというようなことを語っていた。
 
アラーキーこと荒木経惟の最新作も投影される。荒木経惟は近年は病気のため、自宅から出ることもままならないそうだが、自宅にオブジェを置いて、それを撮ることで活動を続けているという。


続いて映画のイベント。まず、鶴田真由が監督したドキュメンタリー映画の予告編3本が流される。それぞれ、日本の伝統工芸である染め物、石垣島の女性、アイヌの人々の姿を収めている。
鶴田真由は、「現代に生きることに慣れてしまって、他の部分が弱っているような気がする」と語る。ポール・ボウルズ原作、ベルナルド・ベルトリッチ監督の「シェルタリング・スカイ」にも繋がる考え方である。

林海象監督は、日本映画は京都が発祥の地であることを述べ、牧野省三が日本各地を巡回上映していたと語る。更に京都モダンテラスのある左京区岡崎について、「夜に来るところじゃない」と語る。左京区岡崎は白河上皇の時代に、京・白河と並び称された白河の地である。六勝寺という、6つの「勝」の寺の入る寺院がかつては建ち並んでいた。今でも岡崎は平安神宮を始めとする神道、金戒光明寺や真宗大谷派岡崎別院などの寺院、更には新宗教の施設も多い宗教地域でもある。
林監督によると、「今でも祇園の石塀小路なんかに行くと、新選組の幽霊が出るといわれている」と語る。ただ、「一番会いたい人って、もういない人じゃない」とも言う。野田秀樹の「パンドラの鐘」にも、「(亡くなった知り合いに会ったら、退きながら嫌悪の)おお! ではなくて(手を取って喜びの)おお!」だろうというセリフを書いている。映画の宗教的側面である。村上春樹もエッセイでそうしたことを書いている。なんだか人の意見ばかり引用しているようだけれど。
林監督は、下鴨神社で映写会も行っているという。「神様は映画知らないから(映画が出来たのは100年ちょっと前に過ぎないという意味)」ということで、映画を神事として奉納したのだという。下鴨神社の関係者も喜んで協力してくれたそうだ。

林監督の映画「BOLT」の予告編が流れた後で、同じく林監督による短編映画「GOOD YEAR」が上映される。上映時間は23分である。出演は、永瀬正敏と月船さららの二人。子役二人も登場するが重要な役ではない。2014年12月24日の山形が舞台。永瀬正敏演じる男は零細工場を営んでる。その工場には「幽霊が出る」という噂や「水槽には人魚がいる」などという噂がある。
品川ナンバーの車に乗った女(月船さらら)が、雪道でハンドルを取られ、零細工場のそばに突っ込む。男は女を助け、工場内に運ぶ。シューベルトの「アヴェ・マリア」の音に気づいて女は目覚める。女は自分の名前を「あべ・まりあ」だと告げる……。

林監督が、山形にある東北芸術工科大学(京都造形芸術大学の姉妹校)の教授を務めているということもあって、雪の山形で撮られた映画である。東北ということで東日本大震災にも触れている。

私が、ちょうど今取り組んでいる戯曲に少し重なる部分もある。
ラストはバンドタイム。ノリノリである。Based on Kyoto.もNAOITO☆.Aも変拍子の多い曲を奏でる(4分の4拍子の曲もある)。空いたスペースでは人々が踊り、一昔前のディスコ(クラブよりもディスコだろうな)のようになっていて楽しい。私も拍を取りながら動いた。

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2008年11月28日 (金)

これまでに観た映画より(38) 「アマンドラ!希望の歌」

DVDでドキュメンタリー映画「アマンドラ!希望の歌」を観る。2002年の映画、南アフリカ・アメリカ合作。リー・ハーシュ監督作品。
南アフリカのアパルトヘイトを題材にした作品である。

主題になっているのは、「人種差別」そして「音楽」と「革命」。

アパルトヘイトにより隔離された黒人達は、陽気なメロディーを持つ過激な歌詞で白人への対抗心を高めていく。

そして、世界史上初の「音楽による革命」が起こるのである。

深刻なテーマであるが、陽気な旋律を持つ歌が次々に出てくるためか陰気な感じはない。かつての悲劇を乗り越えたパワーが感じられ、観ている方も勇気づけられる。

そしてここに描かれていることは、決して他人事ではないため、私の心に切実に訴えてくるものがある。現状を覆すには暴力や権力よりも効果的な方法があるのだ。

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2007年9月24日 (月)

これまでに観た映画より(10) 「スーパーサイズ・ミー」

DVDでアメリカのドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』を観る。国民の半数以上が肥満体というアメリカで、肥満に悩む少女2人が、「肥満になったのはマクドナルド社が肥満に直結すると知りながら高カロリーの商品を売り続けたせいだ」として訴訟を起こしたことに興味を覚えたモーガン・スパーロック監督が、自分の体を実験台に、「1ヶ月、毎食マクドナルド製品、それもスーパーサイズ(特大サイズ)のものを食べ続け、しかも運動をしないとどうなるか」試してみるというドキュメンタリー。
スパーロック監督は、酒は飲まず、煙草もやめ、ベジタリアンの彼女と暮らしている。体は健康そのもの。そんなスパーロック監督の体と心がマクドナルド製品しか食べないことにより蝕まれていく。

ファーストフードを1ヶ月食べ続けたら体に悪いのは当たり前、というよりファーストフードでなくても1ヶ月同じものばかり食べ続けたら体に悪いのは明白であるが(しかし実際には何年もビッグマックを食べ続けて何ら問題を抱えていないという人物も登場する)、スパーロック監督は、単にファーストフードと健康の問題ではなく、アメリカの食品メーカーと社会の関わりにまで視点を拡げている。
アメリカでは、ファーストフードメーカーが大量のテレビCMを流すことで、幼児に向かっても自社製品を売り込んでいる。また学校とも提携して、給食にファーストフードを提供しているメーカーもある。そうしたファーストフードメーカーに頼らずに、アメリカ農務省が提供するレトルト製品を仕入れている学校もあるが、実はアメリカ農務省が提供する食品は、ファーストフードメーカーのものより更に高カロリー、高脂肪であったりする。国よりはファーストフードメーカーの方が良心的だったりするわけだ。

また、アメリカの教育問題にも触れており、2001年に就任したブッシュ大統領が始めた落ちこぼれ校底上げ対策により、体育や栄養学の時間が削られ、肥満問題が更なる悪化の一途をたどっていることも知らせる。何しろ、体育の時間が週に1時間しかない小学校がざらにあるのだ。
マクドナルド商品の大型化についても触れており、かってのレギュラーサイズが今のスモールサイズであること(ちなみにフランスのマクドナルドのレギュラーサイズは、アメリカのSサイズよりも小さいとのことである)、スーパーサイズが半端でない量のコースであることも教えてくれる(スパーロック監督が一番最初に、スーパーサイズのメニュー購入したとき、全部食べ終えるまで30分以上を要した。更に、「ファースト=健康に悪い」という先入観もあってか、スパーロック監督は食べたばかりのマック製品を嘔吐してしまう)。
また、実はファーストフード以上にアルコールが体に危険を及ぼすことがさりげなく示されている。
肥満問題を考えるには、マクドナルドを始めとするファーストフードや食品メーカーだけでなく、その背後に立ちはだかっているものを念頭に置く必要があるということも教えてくれる。

*余談 映画の中でフランス人の女性がインタビューに答えている場面があるのですが、彼女はマクドナルドを「マクド」と略しています。フランスではマクドナルドのことを関西同様「マクド」と略すようです。

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2006年7月21日 (金)

忌野清志郎「不確かなメロディー」

忌野清志郎「不確かなメロディ」

頑張れ忌野清志郎。
というわけで、喉頭ガンで入院した忌野清志郎を応援する意味も兼ねて観たDVD「不確かなメロディー」。忌野清志郎が2000年に行ったライヴツアー「マジカデ・ミル・スター・ツアー」を追ったドキュメンタリー映画である。ツアータイトルはいうまでもなくビートルズのアルバム「マジカルミステリーツアー」をもじったもの。
武道館でのコンサートを満員にしたばかりの忌野清志郎が、敢えて、地方のライヴハウスを巡る旅に出る。移動に使うのはマイクロバス。忌野の意向だそうだ。
忌野やツアーのための結成されたバンド「ラフィータフィー」のメンバーへのインタビューとライヴの模様を中心にした構成。ナレーターを三浦友和が務めている。

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