カテゴリー「シベリウス」の34件の記事

2009年9月26日 (土)

レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」+ヴァイオリン協奏曲&「フィンランディア」

シベリウス演奏の総本山ともいうべきヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した、レイフ・セーゲルスタム二度目の「シベリウス交響曲全集」を紹介します。オンディーヌ・レーベル。

レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」 現代フィンランドを代表する指揮者であるレイフ・セーゲルスタムはガッチリとした体格と長い髭の持ち主である巨漢指揮者ですが、このシベリウス交響曲全集はセーゲルスタムの姿そのものを連想させる、強靱で押しの強い独自の個性をもったものです。

広がりのある交響曲第1番の演奏や、ダイナミックな交響曲第2番の演奏は、数ある同曲演奏の中でもトップランクの仕上がりです。

またこの全集にはペッカ・クーシストの独奏によるヴァイオリン協奏曲が併収されていますが、クーシストの滑らかなヴァイオリンの音が魅力的な好演です。

男声合唱をともなった交響詩「フィンランディア」も収録。

レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」(HMV) icon

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2009年9月24日 (木)

ユッカ=ペッカ・サラステ指揮フィンランド放送交響楽団 「シベリウス交響曲全集」(1993)

ユッカ=ペッカ・サラステ指揮フィンランド放送交響楽団による二度目の「シベリウス交響曲全集」を紹介します。1993年、モスクワでのライブ録音。フィンランディア・レーベル。

ユッカ=ペッカ・サラステ指揮フィンランド放送交響楽団 「シベリウス交響曲全集」(1993) サラステとフィンランド放送響はRCAレーベルにもスタジオ録音で「シベリウス交響曲全集」を収録していますが、世評が高いのはこちらのフィンランディア盤。

交響曲第1番と第2、そして第3番以降で作風が異なるシベリウスですが、サラステは一貫して後期交響曲の作風にあったスタイルで音楽作りを行っており成功しています。

交響曲第3番、第4番、第6番、第7番はいずれも同曲演奏中トップを窺う出来で、シベリウスファンは必聴の全集です。

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2009年3月29日 (日)

ロリン・マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

ロリン・マゼールがピッツバーグ交響楽団を指揮して録音した「シベリウス交響曲全集」を紹介します。ソニー・クラシカル。

ロリン・マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団 「シベリウス交響曲全集」 マゼールというと、現役最高峰の天才音楽家ですが、一方で、見得とハッタリの多い指揮者というイメージもあり、シベリウス指揮者からは遠い存在のように思われます。

しかし、実際は若い頃にウィーン・フィルと「シベリウス交響曲全集」を完成、そしてピッツバーグ交響楽団とも2度目の「シベリウス交響曲全集」を制作と、シベリウスを得意にしているようです。

マゼールのスコアの読み込みは深く、通常の彼とは全く違って余計な演出をしません。シベリウスの音楽にとっては演出過剰は禁忌だと見抜いているのでしょう。

寂たる雰囲気と霊感に満ちた交響曲第6番の演奏などはベストに近い仕上がりであり、マゼールの才能が十全に発揮されています。

Sibelius : Symphonies nos 1-7 / Rachlin , Maazel & Pittsburgh SO

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2008年6月 1日 (日)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団 シベリウス交響曲第2番&トゥビン交響曲第5番

パーヴォ・ヤルヴィ。
1962年、エストニアの首都タリンに、名指揮者ネーメ・ヤルヴィの長男として生まれた彼は、まずタリン音楽院に学び、その後一家で渡米、フィラデルフィアのカーティス音楽院にも学んで、父と同じ指揮者への道を歩んでいきます。

親子共に名指揮者というのは、クライバー親子(エーリヒとカルロス)などの例はあるものの少数派。スポーツなどでもそうですが、音楽の才能も必ずしも受け継がれるわけではないようです。
しかし、今やパーヴォは父をも上回る才能の持ち主であることを世界中で実証して見せています。現在、シンシナティ交響楽団、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン、フランクフルト放送交響楽団、次期パリ管弦楽団のシェフの座にあり、祖国であるエストニアの国立交響楽団のアドバイザーも務めるという多忙ぶり。もちろん多忙なだけではなく、新鮮で説得力ある名演の数々を繰り広げています。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団 シベリウス交響曲第2番&トゥビン交響曲第5番 父親のネーメ・ヤルヴィはエーテボリ交響楽団と録音した「シベリウス交響曲全集」(BIS)で一躍有名になりましたが、パーヴォ・ヤルヴィはシベリウスの交響曲の録音には慎重な姿勢を見せており、交響曲第2番と、カンタータ的な作品であるクレルヴォ交響曲を録音しているのみです。

さて、そのシベリウスの交響曲第2番ですが、シンシナティ交響楽団を指揮したこの演奏(TELARC)、かなりのハイレベルです。父親のネーメの演奏よりも上でしょう。

シンシナティ交響楽団はいかにもアメリカのオーケストラらしい明るめの音色を奏でますが、パーヴォの指揮により陰影にも富んでいて、シベリウスの音楽の核心を見事に突いています。

エドゥアルド・トゥビン(1905-1982)はエストニア生まれの作曲家。ネーメ・ヤルヴィが交響曲全集を録音したことで有名になった作曲家でもあります。有名になったとはいっても一般的な知名度はまだまだ。そこでパーヴォはポピュラーなシベリウスの交響曲との組み合わせで録音することにし、当盤にトゥビンの交響曲第5番が収められました。

トゥビンはエストニアのソ連併合直前の1944年にスウェーデンに亡命、交響曲第5番は、スウェーデンに移ってから書かれた最初の交響曲です。

パーヴォのトゥビンに対する敬意の表れた名演が繰り広げられており、オーケストラと録音の優秀さも相まって最高の出来を示しています。

シベリウス/Sym.2: P.jarvi / Cincinnati.so +tubin: Sym.5

シベリウス/Sym.2: P.jarvi / Cincinnati.so +tubin: Sym.5 (Hyb)

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2007年12月31日 (月)

シベリウスの年に(26) 「Sibelius Favourites シベリウス・フェイヴァリッツ」

シベリウス自身が指揮棒を振って録音した「アンダンテ・フェスティーボ」を含むCD「Sibelius Favourites シベリウス・フェイヴァリッツ」を紹介します。フィンランドのオンディーヌ・レーベルからの発売。

「Sibelius Favourites シベリウス・フェイヴァリッツ」 シベリウス自身の指揮による「アンダンテ・フェスティーボ」は以前からその存在が知られており、一度CD化されたこともあります。しかし近年になってそれが他人の指揮した演奏であることがわかり、新たにシベリウス本人の指揮に間違いないという録音が発見され、発売されました。これがそのCDです。

シベリウスが指揮したのはフィンランド放送の管弦楽団(フィンランド放送交響楽団とは別の団体です)。1939年の元日にヘルシンキからアメリカに向けてライブ放送された音源を用いています。
1939年の録音だけにダイナミックレンジは狭く、音色もクリアではありませんが、シベリウスの自作自演唯一の記録であり、大変貴重です。

他にも1979年生まれの若き巨匠、ミッコ・フランク指揮の「エン・サガ」、シベリウス・アカデミー指揮科教授であるヨルマ・パヌラ一押しの指揮者、トゥオマス・オッリラ指揮の「ポヒョラの娘」なども入っており、シベリウス入門者から熱烈な愛好家まで、幅広い層にお薦め出来るCDです。

シベリウス/Orch.works: Sibelius / Finnish.rso Etc +kajanus: アイノ

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2007年12月27日 (木)

シベリウスの年に(25) ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 「シベリウス交響曲全集」(クレルヴォ交響曲入り)

ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団が、スウェーデンのBISレーベルに録音した「シベリウス交響曲全集」を紹介します。クレルヴォ交響曲も入った4枚組CD。

ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 「シベリウス交響曲全集」(BIS盤) 350点を超える録音を残しているネーメ・ヤルヴィ(1937- )。そのネーメ・ヤルヴィとエーテボリ交響楽団の出世作となったのが、1982年から1985年にかけてBISに録音した「シベリウス交響曲全集」でした。数多い「シベリウス交響曲全集」のCDの中で、このセットが最もよく売れたとも言われています。

1980年代のエーテボリ交響楽団のアンサンブルは粗さが目立ちますが、演奏自体は魅力的。特に後期交響曲が良く、交響曲第6番は詩的な描写力を誇る名演です。

BISによる「シベリウス交響曲全集」は、1990年代にオスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団によるものが登場し、完成度や総合点においてはネーメ・ヤルヴィ盤はヴァンスカ盤に比べて分が悪くなりましたが、それでも歴史に残る「シベリウス交響曲全集」の一つであると思われます。

シベリウス/Comp.symphonies: Jarvi / Gothenburg.so

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2007年12月 1日 (土)

シベリウスの年に(24) 諏訪内晶子独奏 シベリウス ヴァイオリン協奏曲

諏訪内晶子のヴァイオリン独奏による、シベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDを紹介します。伴奏はサカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団。ウォルトンのヴァイオリン協奏曲とのカップリング。フィリップス・レーベル。

諏訪内晶子(ヴァイオリン)、サカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団 シベリウス&ウォルトン ヴァイオリン協奏曲

諏訪内のヴァイオリンは、何といっても音の美しさが特徴。それもギラギラとした輝きの美ではなく、しっとりとした彩りのある底光りのする美しさです。

諏訪内晶子は今年(2007年)2月、井上道義指揮京都市交響楽団との共演で、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏しましたが、「高貴」とも「崇高」とも形容したくなる絶美のヴァイオリンを聴かせてくれました。
このCDではそこまでの域には達していませんが、それでも十分に充実した演奏を聴くことが出来ます。

ウォルトンのヴァイオリン協奏曲の演奏も上出来であり、オラモ指揮のバーミンガム市交響楽団も諏訪内のスタイルに合わせた見事な伴奏を聴かせてくれます。

Sibelius / Walton/Violin Concerto: 諏訪内晶子(Vn)oramo / City Of Birmingham.so

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2007年11月28日 (水)

シベリウスの年に(23) 渡邉暁雄指揮京都市交響楽団 シベリウス交響曲第2番

渡邉暁雄(わたなべ・あけお)が京都市交響楽団を指揮して1972年に録音したシベリウスの交響曲第2番のCDを紹介します。EMIの原盤を、山野楽器、タワーレコード、新星堂が共同で再発するチェント・クラシックス・レーベルからの再発売。

渡邉暁雄指揮京都市交響楽団 シベリウス交響曲第2番(チェント・クラシックス) 渡邉暁雄は1970年から1972年まで京都市交響楽団第4代常任指揮者として活躍。京都市交響楽団(京響)に新風を送りました。

この録音は京都市交響楽団初のスタジオレコーディングとなったもの。当時、京響は京都会館を本拠地にしていましたが、音響を考慮してか、録音は奈良文化会館で行われています。

結成からまだ16年しか経っていない当時の京響は、今に比べると音の輝きに乏しく、パワーも不足気味ですが、それでも初録音にかける意気込みが伝わってくる良い演奏です。アンサンブルの質も結成16年目のオーケストラにしては上々です。

渡邉は何よりも京響にしっかり音を弾かせることを目標にしていたのか、冒頭から遅めのテンポで、一音一音をかみしめるように進んでいきます。最初のうちは間延びして聞こえたり、洗練度不足を感じさせるところもありますが、第4楽章に向けて徐々に盛り上がっていくという、スタジオ録音にも関わらずライブのような感興があります。

第4楽章の高揚感が一番の聴きもの。京都市交響楽団の歴史的記録としての価値も高く、特に関西のクラシックファンにはお薦めの一枚です。

シベリウス:交響曲第2番ニ長調op.43

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2007年11月20日 (火)

シベリウスの年に(22) レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 「シベリウス交響曲全集」

レナード・バーンスタインが当時音楽監督を務めていたニューヨーク・フィルハーモニックとともに1960年代後半に完成させた「シベリウス交響曲全集」(ソニー・クラシカル)。

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 「シベリウス交響曲全集」 本国であるフィンランドとイギリスでは評価の高かったシベリウスの交響曲ですが、アメリカにその良さを積極的に広めたのがレナード・バーンスタインです。バーンスタインの師であるクーセヴィツキーがシベリウスと親交があったことも影響していると思われますが、バーンスタインは晩年にもウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と「シベリウス交響曲全集」を作ろうとした(結局、未完成)ことからも、バーンスタインがシベリウスの音楽に愛着を抱いていたことは間違いないと思われます。

ウィーン・フィルとの晩年のシベリウス演奏では、肥大化したスケールが音楽の良さを奪っている面がありますが、若き日に録音したニューヨーク・フィルハーモニックとの演奏ではスケールも適切であり、情感豊かな演奏を繰り広げています。

全集としては、「悪くない」というレベルに留まっている気がしますが、深刻な楽想とシベリウスの現代作曲家としての側面を的確に表現した交響曲第4番は優れた演奏。全曲に渡ってかちどきを挙げる交響曲第5番もユニークな演奏です。

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2007年10月19日 (金)

シベリウスの年に(21) マリタ・ヴィータサロ 「北の詩情 シベリウス:珠玉のピアノ小品集」

マリタ・ヴィータサロ 「北の詩情 シベリウス:珠玉のピアノ小品集」 シベリウスというと、何といっても交響曲。次いでヴァイオリン協奏曲、室内楽曲などが有名で、ピアノ曲で知られている作品はほとんどありません。シベリウス自身も好んだ楽器はヴァイオリンであり、ピアノは子供の頃から練習していましたが余り好きではなかったとも伝わっています。

シベリウスのピアノ曲はほとんど全てが小品。サロンなどで気軽に楽しむタイプの音楽であり、作曲した理由もピアノを好んだ妹のために書いたり、出版社の依頼で生活の足しにするためなどがほとんどで、シベリウスはコンサートで自身のピアノ曲が演奏されることを想定していなかったのではないかとも思われます。

そんなシベリウスのピアノ曲なので、有名ピアニストはほとんどレパートリーには加えていません。日本が誇るシベリウスの権威、舘野泉(脳溢血のため現在は左手のピアニストとして活躍。しかし今も両手でのピアニストに戻るためのリハビリを続けているとのこと)などの演奏もありますが、まずは手に入りやすいCDをということで、マリタ・ヴィータサロのCDを挙げておきます。「北の詩情 シベリウス:珠玉のピアノ小品集」というタイトルのCD。フィンランディア・レーベルへの録音で、フィンランド・レーベルの親会社のワーナーのクラシック・ニューベスト50という国内盤廉価シリーズに入っています。「即興曲」、「ピヒラヤの花咲く時」、「はこやなぎ」などを収録。

マリタ・ヴィータサロはシベリウス・アカデミーの教授も務める女流ピアニスト。凛としてクリアでありながらチャーミングな音を出すのが特徴です。

シベリウス/Piano Works: Viitasalo

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