カテゴリー「シベリウス」の31件の記事

2008年6月 1日 (日)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団 シベリウス交響曲第2番&トゥビン交響曲第5番

パーヴォ・ヤルヴィ。
1962年、エストニアの首都タリンに、名指揮者ネーメ・ヤルヴィの長男として生まれた彼は、まずタリン音楽院に学び、その後一家で渡米、フィラデルフィアのカーティス音楽院にも学んで、父と同じ指揮者への道を歩んでいきます。

親子共に名指揮者というのは、クライバー親子(エーリヒとカルロス)などの例はあるものの少数派。スポーツなどでもそうですが、音楽の才能も必ずしも受け継がれるわけではないようです。
しかし、今やパーヴォは父をも上回る才能の持ち主であることを世界中で実証して見せています。現在、シンシナティ交響楽団、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン、フランクフルト放送交響楽団、次期パリ管弦楽団のシェフの座にあり、祖国であるエストニアの国立交響楽団のアドバイザーも務めるという多忙ぶり。もちろん多忙なだけではなく、新鮮で説得力ある名演の数々を繰り広げています。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団 シベリウス交響曲第2番&トゥビン交響曲第5番 父親のネーメ・ヤルヴィはエーテボリ交響楽団と録音した「シベリウス交響曲全集」(BIS)で一躍有名になりましたが、パーヴォ・ヤルヴィはシベリウスの交響曲の録音には慎重な姿勢を見せており、交響曲第2番と、カンタータ的な作品であるクレルヴォ交響曲を録音しているのみです。

さて、そのシベリウスの交響曲第2番ですが、シンシナティ交響楽団を指揮したこの演奏(TELARC)、かなりのハイレベルです。父親のネーメの演奏よりも上でしょう。

シンシナティ交響楽団はいかにもアメリカのオーケストラらしい明るめの音色を奏でますが、パーヴォの指揮により陰影にも富んでいて、シベリウスの音楽の核心を見事に突いています。

エドゥアルド・トゥビン(1905-1982)はエストニア生まれの作曲家。ネーメ・ヤルヴィが交響曲全集を録音したことで有名になった作曲家でもあります。有名になったとはいっても一般的な知名度はまだまだ。そこでパーヴォはポピュラーなシベリウスの交響曲との組み合わせで録音することにし、当盤にトゥビンの交響曲第5番が収められました。

トゥビンはエストニアのソ連併合直前の1944年にスウェーデンに亡命、交響曲第5番は、スウェーデンに移ってから書かれた最初の交響曲です。

パーヴォのトゥビンに対する敬意の表れた名演が繰り広げられており、オーケストラと録音の優秀さも相まって最高の出来を示しています。

シベリウス/Sym.2: P.jarvi / Cincinnati.so +tubin: Sym.5

シベリウス/Sym.2: P.jarvi / Cincinnati.so +tubin: Sym.5 (Hyb)

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2007年12月31日 (月)

シベリウスの年に(26) 「Sibelius Favourites シベリウス・フェイヴァリッツ」

シベリウス自身が指揮棒を振って録音した「アンダンテ・フェスティーボ」を含むCD「Sibelius Favourites シベリウス・フェイヴァリッツ」を紹介します。フィンランドのオンディーヌ・レーベルからの発売。

「Sibelius Favourites シベリウス・フェイヴァリッツ」 シベリウス自身の指揮による「アンダンテ・フェスティーボ」は以前からその存在が知られており、一度CD化されたこともあります。しかし近年になってそれが他人の指揮した演奏であることがわかり、新たにシベリウス本人の指揮に間違いないという録音が発見され、発売されました。これがそのCDです。

シベリウスが指揮したのはフィンランド放送の管弦楽団(フィンランド放送交響楽団とは別の団体です)。1939年の元日にヘルシンキからアメリカに向けてライブ放送された音源を用いています。
1939年の録音だけにダイナミックレンジは狭く、音色もクリアではありませんが、シベリウスの自作自演唯一の記録であり、大変貴重です。

他にも1979年生まれの若き巨匠、ミッコ・フランク指揮の「エン・サガ」、シベリウス・アカデミー指揮科教授であるヨルマ・パヌラ一押しの指揮者、トゥオマス・オッリラ指揮の「ポヒョラの娘」なども入っており、シベリウス入門者から熱烈な愛好家まで、幅広い層にお薦め出来るCDです。

シベリウス/Orch.works: Sibelius / Finnish.rso Etc +kajanus: アイノ

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2007年12月27日 (木)

シベリウスの年に(25) ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 「シベリウス交響曲全集」(クレルヴォ交響曲入り)

ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団が、スウェーデンのBISレーベルに録音した「シベリウス交響曲全集」を紹介します。クレルヴォ交響曲も入った4枚組CD。

ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 「シベリウス交響曲全集」(BIS盤) 350点を超える録音を残しているネーメ・ヤルヴィ(1937- )。そのネーメ・ヤルヴィとエーテボリ交響楽団の出世作となったのが、1982年から1985年にかけてBISに録音した「シベリウス交響曲全集」でした。数多い「シベリウス交響曲全集」のCDの中で、このセットが最もよく売れたとも言われています。

1980年代のエーテボリ交響楽団のアンサンブルは粗さが目立ちますが、演奏自体は魅力的。特に後期交響曲が良く、交響曲第6番は詩的な描写力を誇る名演です。

BISによる「シベリウス交響曲全集」は、1990年代にオスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団によるものが登場し、完成度や総合点においてはネーメ・ヤルヴィ盤はヴァンスカ盤に比べて分が悪くなりましたが、それでも歴史に残る「シベリウス交響曲全集」の一つであると思われます。

シベリウス/Comp.symphonies: Jarvi / Gothenburg.so

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2007年12月 1日 (土)

シベリウスの年に(24) 諏訪内晶子独奏 シベリウス ヴァイオリン協奏曲

諏訪内晶子のヴァイオリン独奏による、シベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDを紹介します。伴奏はサカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団。ウォルトンのヴァイオリン協奏曲とのカップリング。フィリップス・レーベル。

諏訪内晶子(ヴァイオリン)、サカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団 シベリウス&ウォルトン ヴァイオリン協奏曲

諏訪内のヴァイオリンは、何といっても音の美しさが特徴。それもギラギラとした輝きの美ではなく、しっとりとした彩りのある底光りのする美しさです。

諏訪内晶子は今年(2007年)2月、井上道義指揮京都市交響楽団との共演で、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏しましたが、「高貴」とも「崇高」とも形容したくなる絶美のヴァイオリンを聴かせてくれました。
このCDではそこまでの域には達していませんが、それでも十分に充実した演奏を聴くことが出来ます。

ウォルトンのヴァイオリン協奏曲の演奏も上出来であり、オラモ指揮のバーミンガム市交響楽団も諏訪内のスタイルに合わせた見事な伴奏を聴かせてくれます。

Sibelius / Walton/Violin Concerto: 諏訪内晶子(Vn)oramo / City Of Birmingham.so

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2007年11月28日 (水)

シベリウスの年に(23) 渡邉暁雄指揮京都市交響楽団 シベリウス交響曲第2番

渡邉暁雄(わたなべ・あけお)が京都市交響楽団を指揮して1972年に録音したシベリウスの交響曲第2番のCDを紹介します。EMIの原盤を、山野楽器、タワーレコード、新星堂が共同で再発するチェント・クラシックス・レーベルからの再発売。

渡邉暁雄指揮京都市交響楽団 シベリウス交響曲第2番(チェント・クラシックス) 渡邉暁雄は1970年から1972年まで京都市交響楽団第4代常任指揮者として活躍。京都市交響楽団(京響)に新風を送りました。

この録音は京都市交響楽団初のスタジオレコーディングとなったもの。当時、京響は京都会館を本拠地にしていましたが、音響を考慮してか、録音は奈良文化会館で行われています。

結成からまだ16年しか経っていない当時の京響は、今に比べると音の輝きに乏しく、パワーも不足気味ですが、それでも初録音にかける意気込みが伝わってくる良い演奏です。アンサンブルの質も結成16年目のオーケストラにしては上々です。

渡邉は何よりも京響にしっかり音を弾かせることを目標にしていたのか、冒頭から遅めのテンポで、一音一音をかみしめるように進んでいきます。最初のうちは間延びして聞こえたり、洗練度不足を感じさせるところもありますが、第4楽章に向けて徐々に盛り上がっていくという、スタジオ録音にも関わらずライブのような感興があります。

第4楽章の高揚感が一番の聴きもの。京都市交響楽団の歴史的記録としての価値も高く、特に関西のクラシックファンにはお薦めの一枚です。

シベリウス:交響曲第2番ニ長調op.43

クラシックも豊富な品揃え【タワーレコード 公式サイト】

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2007年11月20日 (火)

シベリウスの年に(22) レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 「シベリウス交響曲全集」

レナード・バーンスタインが当時音楽監督を務めていたニューヨーク・フィルハーモニックとともに1960年代後半に完成させた「シベリウス交響曲全集」(ソニー・クラシカル)。

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 「シベリウス交響曲全集」 本国であるフィンランドとイギリスでは評価の高かったシベリウスの交響曲ですが、アメリカにその良さを積極的に広めたのがレナード・バーンスタインです。バーンスタインの師であるクーセヴィツキーがシベリウスと親交があったことも影響していると思われますが、バーンスタインは晩年にもウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と「シベリウス交響曲全集」を作ろうとした(結局、未完成)ことからも、バーンスタインがシベリウスの音楽に愛着を抱いていたことは間違いないと思われます。

ウィーン・フィルとの晩年のシベリウス演奏では、肥大化したスケールが音楽の良さを奪っている面がありますが、若き日に録音したニューヨーク・フィルハーモニックとの演奏ではスケールも適切であり、情感豊かな演奏を繰り広げています。

全集としては、「悪くない」というレベルに留まっている気がしますが、深刻な楽想とシベリウスの現代作曲家としての側面を的確に表現した交響曲第4番は優れた演奏。全曲に渡ってかちどきを挙げる交響曲第5番もユニークな演奏です。

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2007年10月19日 (金)

シベリウスの年に(21) マリタ・ヴィータサロ 「北の詩情 シベリウス:珠玉のピアノ小品集」

マリタ・ヴィータサロ 「北の詩情 シベリウス:珠玉のピアノ小品集」 シベリウスというと、何といっても交響曲。次いでヴァイオリン協奏曲、室内楽曲などが有名で、ピアノ曲で知られている作品はほとんどありません。シベリウス自身も好んだ楽器はヴァイオリンであり、ピアノは子供の頃から練習していましたが余り好きではなかったとも伝わっています。

シベリウスのピアノ曲はほとんど全てが小品。サロンなどで気軽に楽しむタイプの音楽であり、作曲した理由もピアノを好んだ妹のために書いたり、出版社の依頼で生活の足しにするためなどがほとんどで、シベリウスはコンサートで自身のピアノ曲が演奏されることを想定していなかったのではないかとも思われます。

そんなシベリウスのピアノ曲なので、有名ピアニストはほとんどレパートリーには加えていません。日本が誇るシベリウスの権威、舘野泉(脳溢血のため現在は左手のピアニストとして活躍。しかし今も両手でのピアニストに戻るためのリハビリを続けているとのこと)などの演奏もありますが、まずは手に入りやすいCDをということで、マリタ・ヴィータサロのCDを挙げておきます。「北の詩情 シベリウス:珠玉のピアノ小品集」というタイトルのCD。フィンランディア・レーベルへの録音で、フィンランド・レーベルの親会社のワーナーのクラシック・ニューベスト50という国内盤廉価シリーズに入っています。「即興曲」、「ピヒラヤの花咲く時」、「はこやなぎ」などを収録。

マリタ・ヴィータサロはシベリウス・アカデミーの教授も務める女流ピアニスト。凛としてクリアでありながらチャーミングな音を出すのが特徴です。

シベリウス/Piano Works: Viitasalo

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2007年9月24日 (月)

シベリウスの年に(20) 「レコード芸術」2007年10月号

北欧ふたりの巨匠作曲家として、没後100年を迎えたグリーグと没後50年のシベリウスが特集されています。

記事の内容は入門者向けで、北欧音楽ファンににとっては目新しい情報はほとんどありません。
むしろ、東京と愛知で行われる、グリーグやシベリウスの記念演奏会やレクチャー情報の方が貴重かも知れません。

「レコード芸術」2007年10月号

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2007年9月22日 (土)

シベリウスの年に(19) オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団来日公演1982ライブ盤 シベリウス交響曲第5番&「悲しきワルツ」

FM東京の収録、TDKからの発売による、ライブ録音によるヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団「シベリウス交響曲全集」最後の1枚は、オッコ・カム指揮の交響曲第5番です。交響曲第2番と同じ、1982年2月4日に、大阪のフェスティバルホールで演奏されました。この日のプログラムは、前半がシベリウスの交響曲第5番、後半がシベリウスの交響曲第2番。アンコールとして、シベリウスの「悲しきワルツ」が演奏されました。

オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィル シベリウス交響曲第5番&「悲しきワルツ」 冒頭の夜明けの場面から表現力豊かで、ヒンヤリとした音色が心地良く、ラストの凱歌に向けての全曲の構築も見事です。

空間の広いフェスティバルホールでの演奏ということもあってか、テンポを緩めるところがあり、録音で聴くとその場所のオーケストラコントロールが弱いように聞こえるのが難点ですが、それでも充実した演奏であることに変わりはありません。

「悲しきワルツ」は、同時期に渡邉暁雄の指揮でもアンコールとして演奏しており、同じオーケストラが同じ曲を演奏しても、指揮者によってイメージが異なることを再確認出来ます。

シベリウス/Sym.5 Valse Triste: Kamu / Helsinki Po (1982 Osaka)

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シベリウスの年に(18) オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団来日公演1982ライブ盤 シベリウス交響曲第2番&「フィンランディア」

オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィル シベリウス交響曲第2番&「フィンランディア」 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団が1982年に来日して行ったシベリウス交響曲チクルス。

シベリウスの交響曲中最も人気のある交響曲第2番の演奏が、1982年2月4日に大阪のフェスティバルホールで行われました。FM東京による放送用の録音が行われ、その録音が21世紀に入ってからTDKよりCDとして発売されました。

第1回カラヤン国際指揮者コンクールに優勝しながら、そのことが逆に足かけとなった感もあるオッコ・カム。しかし、シベリウス指揮者としての実力の高さは、たびたび客演している日本フィルハーモニー交響楽団との共演などを聴けば明らかです。

私にシベリウスの交響曲の本当の素晴らしさを教えてくれたのも実はオッコ・カム。オッコ・カム指揮日本フィルハーモニー交響楽団シベリウスの交響曲第2番をメインとしたコンサートを聴き、その音楽のあまりの素晴らしさに驚嘆したのを昨日のことのように憶えています。

オッコ・カムはその後、2004年に京都市交響楽団に客演、やはりシベリウスの交響曲第2番を振ったのですが、これも大変優れた演奏でした。

当CDでは、ヘルシンキ・フィルの演奏が多少荒っぽいのが難点ですが、カムのテンポ設定と楽章ごとの表情の描き分けなどは巧みで、ハイレベルな仕上がりです。

「フィンランディア」は、1982年1月22日、東京厚生年金会館でアンコール曲目として演奏されたもの。迫力重視で、金管の炸裂などは見事ですが音楽の完成度は残念ながら今一つ。気合いが入りすぎていたのでしょうか。

シベリウス/Sym.2 Finlandia: Kamu / Helsinki Po (1982 Osaka)

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2007年9月21日 (金)

シベリウスの年に(17) ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団来日公演1982ライブ盤 渡邉暁雄指揮 シベリウス交響曲第1番&「悲しきワルツ」

交響曲第4番&第7番同様、1982年1月28日に福岡サンパレスでライブ収録された、渡邉暁雄(わたなべ・あけお)指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団のシベリウス、交響曲第1番と「悲しきワルツ」のCDを紹介します。FM東京の録音、TDKの発売。

渡邉暁雄指揮ヘルシンキ・フィル シベリウス交響曲第1番&「悲しきワルツ」 日本人とフィンランド人のハーフだけあって、生前は容姿の格好良さでも人気のあった渡邉暁雄。
弟子である岩城宏之も、東京芸術大学の打楽器専攻の学生だった時代に、アメリカ留学を終えて芸大の指揮科の先生となった長身痩躯の渡邉暁雄の格好良さに憧れて、渡邉のレッスンに通うようになったと著書『棒ふりのカフェテラス』に書いています(ちなみに岩城たち芸大の学生は、渡邉暁雄のことを仲間内では「アケチャン」と呼んでいたそうです)。

指揮者の容姿と出てくる音楽とは意外に共通性があるのですが、渡邉も例外ではなく、タイトな音によるダンディーなシベリウスを演奏します。

交響曲第1番は、余計な表現を避け、むしろ程よい抑制を持った誠実な演奏。
レナード・バーンスタインとウィーン・フィルの演奏に代表されるような表現主義的なシベリウス交響曲第1番の対極を歩む演奏ですが、渡邉の方がシベリウスならではの味わいを生かしています。地味とも言えますが、その慎ましさがシベリウスの本質のより近いように思われます。

「悲しきワルツ」は、最近の演奏、例えばパーヴォ・ヤルヴィがドイツ・カンマーフィルとの来日公演で聴かせたようなスリムで哀切な演奏に比べると、ふくよかで悲劇性の表出も抑えめですが、1980年代のシベリウス演奏の典型を示しているとも言え、貴重な録音です。

特典として、渡邉とヘルシンキ・フィルによる、シベリウス交響曲第4番のリハーサルの模様と、渡邉へのインタビューが収められています。リハーサルは収録時間が短いのが残念ですが、渡邉の話すフィンランド語を聴くことが出来ます。

シベリウス/Sym.1 Valse Triste: 渡辺暁雄 / Helsinki Po (1982)

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2007年9月20日 (木)

シベリウスの年に(16) ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団来日公演1982ライブ盤 渡邉暁雄指揮 シベリウス交響曲第4番&7番

1982年にヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団が来日、当時の首席指揮者であったオッコ・カムと、日本が誇るシベリウス演奏の権威であった渡邉暁雄(わたなべ・あけお)の指揮により、シベリウス交響曲チクルスを行いました。ここで紹介するのは、渡邉暁雄が指揮した、1982年1月28日、福岡サンパレスでのライブ録音。FM東京が放送用に録音した音源をTDKがCD化。曲目は、交響曲第4番と第7番。

渡邉暁雄指揮ヘルシンキ・フィル シベリウス交響曲第4番&第7番 渡邉暁雄は、フィンランドにおいてもシベリウスのスペシャリストとして有名であり、ヘルシンキ・フィルのメンバーも渡邉を大変尊敬していたとのことです。

渡邉は、ヘルシンキ・フィルのメンバーの期待に違わぬ、優れた音楽を作り出します。

交響曲第4番第1楽章では、厚い雲に覆われたような絶望感と、時折、雲間から光が差すような希望とを巧みに表出しており、楽譜の読みの深さと、それを的確に音に変える指揮技術の高さとを示しています。

ヘルシンキ・フィルも渡邉の棒に真剣に応えており、管に若干のミスがあるものの、表現力の高い演奏を生み出しています。

交響曲第7番も、ヘルシンキ・フィルと渡邉の音楽性がマッチした演奏。フィンランドのオーケストラと、日本が生んだ(といっても日芬のハーフではありますが)シベリウスの権威との幸福な邂逅の記録でもあり、歴史的にも価値のある名盤です。

シベリウス/Sym.4 7: 渡辺暁雄 / Helsinki Po(1982)

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シベリウスの年に(15) オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団来日公演1982ライブ盤 シベリウス交響曲第3番&第6番

オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィル シベリウス交響曲第3番&第6番 1982年1月22日、東京厚生年金会館で行われたオッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演を、FM東京が放送用にライブ収録した音源をTDKがCD化し、発売したものを紹介します。

第1回カラヤン国際指揮者コンクールに優勝したものの、そのことが却ってキャリア形成マイナスに働いた感のあるオッコ・カム。
しかし、シベリウス指揮者としての実力は大変高く、このCDでも抜群の演奏を聴かせてくれます。

オーケストラのメカニックでは必ずしも第一級とはいえないヘルシンキ・フィルですが、シベリウスの祖国であるフィンランドを代表するオーケストラだけに、共感溢れる抜群の演奏を披露しています。

流れを重視し、涼しげな一陣の風の変化する様を描写したような独特の演奏を聴かせる交響曲第3番、一つ一つの音を慈しむかのように演奏した交響曲第6番、いずれも最上級のシベリウス演奏です。

比較的地味なCDですが、シベリウスの本質を突いた名盤です。

シベリウス/Sym.3 6: Kamu / Helsinki Po (1982 Tokyo)

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2007年9月17日 (月)

シベリウスの年に(14) レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 「シベリウス交響曲集」

指揮者にはそれぞれ得意レパートリーと不得手とする曲目があります。名指揮者と呼ばれる人達でも、全ての曲を高いレベルで演奏できるわけでは当然ながらありません。
同じ作曲家の作品を演奏しても出来不出来の激しい場合がありますが、今日はその典型ともいえるレナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の「シベリウス交響曲集」を紹介します。ドイツ・グラモフォンから出ている輸入盤。

レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 「シベリウス交響曲集」 レナード・バーンスタイン(1918-1990)は、1960年代にニューヨーク・フィルハーモニックと「シベリウス交響曲全集」を録音しており、溌剌とした演奏を繰り広げていました。

80年代後半に入り、レナード・バーンスタイン(愛称:レニー)は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と、シベリウス交響曲チクルスを企画し、2度目の「シベリウス交響曲全集」をドイツ・グラモフォンにライブ録音する予定でしたが、交響曲第1番、第2番、第5番、第7番を演奏、録音したところで力尽きます。

交響曲第1番は、レニーの死後にCDとして発売されましたが、スケールが大きく、雄弁でドラマティックな演奏であり、本場・フィンランドの指揮者達の演奏とは異なる、雄々しく、巨人的な交響曲第1番像を築き上げています。数多いシベリウスの交響曲第1番の録音の中でも傑出した出来です。

交響曲第2番もスケールが大きく、世評の高い演奏ですが、全体に重たいのが難点。ただ、最終楽章の憂いを込めた凱歌は、一般的な演奏とは異なる悲劇性豊かな演奏であり、「美しいが皮相」と評されることの多いこの楽章の別の面を聴かせてくれます。

交響曲第5番、第7番は、レニーの個性が強く出た、シベリウスからは遠い演奏。ゆったりとしたテンポで細部を丁寧に描いていきますが、その分、全体の印象は茫洋としていて、「木を見て森を見ず」という言葉を用いたくなるようなところがあります。スケールも必要以上に肥大化していて、レニーファン以外には薦めたくない演奏です。

シベリウス作品のほかに、イギリスのBBC交響楽団を指揮した、エルガーの「エニグマ変奏曲」と、ボストン交響楽団を指揮した、ブリテンの「四つの海の間奏曲」(いずれもライブ録音)を収録。

「四つの海の間奏曲」は、レナード・バーンスタイン最後のステージとなったコンサートのライブ収録。レニーの体調は最悪でしたが、それを感じさせない名演です。

極限までテンポを遅くした「エニグマ変奏曲」は、センチメンタル過ぎるという難点があるものの個性的な演奏。またこの演奏は演奏会終了後に、レニーが「『エニグマ変奏曲』を理解しているのは私だけだ」と発言して、周囲を唖然させたという舌禍事件の記録でもあります。

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2007年9月15日 (土)

シベリウスの年に(13) 名古屋フィルハーモニー交響楽団第339回定期演奏会 「北欧の巨人たち」

名古屋にある愛知県芸術劇場コンサートホールで、名古屋フィルハーモニー交響楽団の第339回定期演奏会を聴いてきました。「北欧の巨人たち」というタイトルのついたコンサートで、デンマークのニールセン、ノルウェーのグリーグ、フィンランドのシベリウスの作品が演奏されました。

ハンヌ・リントゥ指揮 名古屋フィルハーモニー交響楽団第339回定期演奏会パンフレット

指揮はフィンランド生まれのハンヌ・リントゥ。フィンランドの古都トゥルクの音楽学校で学んだ後、シベリウス・アカデミーでチェロとピアノを学び、シベリウス・アカデミーの指揮クラスではアッツォ・アルミラとヨルマ・パヌラに師事。更にロシアでイリヤ・ムーシンに、イタリアでチョン・ミョンフンに指揮を習っています。

プログラムは、前半がニールセンの序曲「ヘリオス」、グリーグのピアノ協奏曲イ短調。後半がシベリウスの交響曲第6番と第7番。

ニールセンとグリーグの感想は他の場所で述べるとして、シベリウスの交響曲2曲の感想をアップすることにします。素晴らしい演奏でした。

名古屋フィルハーモニー交響楽団を生で聴くのは初めてで、前半は、音は綺麗だが小さくまとまっているという印象でしたが、後半のシベリウスの交響曲2曲はそれがプラスに作用します。

交響曲第6番。指揮者のリントゥは、第1楽章ではミントの香りのするようなグリーントーンの爽やかな音色を名古屋フィルから引き出し、最終楽章ではオーロラの輝きのような鮮やかな音で曲の魅力を存分に味わわせてくれます。

交響曲第7番の実演には、以前に他の組み合わせで何度か接したことがあるのですが、それらとは別次元の出来。
リントゥは、シベリウスの交響曲第7番を音による油絵のように演奏。音を幾重にも塗り重ねたようなコッテリした演奏でしたが、シベリウスの交響曲第7番の本質が、ドイツの交響曲作曲家の作品のような音のドラマにあるのではなく、むしろドビュッシーから武満徹へと繋がるような響きの追求の路線上にあり、シベリウスが紛れもなく20世紀の作曲家であることを示してくれました。

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2007年8月26日 (日)

シベリウスの年に(12) パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」

パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」 パーヴォ・ベルグルンドが挑んだ3度目の「シベリウス交響曲全集」。
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した2度目の全集は、「決定的名盤」との評価を受けていましたが、ベルグルンドが3度目の「シベリウス交響曲全集」の録音に踏み切ったのは、ヨーロッパ室内管弦楽団の技術の優秀さに感心したためといわれています。

その名もずばりフィンランディアというフィンランドを代表するレーベルへの録音。

ヘルシンキ・フィルとの「シベリウス交響曲全集」が北欧情緒やフィンランドと聞いて人々が思い浮かべるイメージに最も近いものだとすると、ヨーロッパ室内管弦楽団との全集はより普遍的なシベリウス像を描き出しているといえます。

室内編成のオーケストラの良さを生かし、旋律美や楽曲構造を浮かび上がらせるなど、従来のステレオタイプなシベリウス像から一歩踏み出した名盤です。ヨーロッパの外れ、フィンランドのローカルな作曲家としてのシベリウスではなく、全世界を代表する偉大なる交響曲作曲家としてシベリウス像確立に挑んだともいえる全集。それが成功したかどうかの評価は後生に譲るとして、シベリウスの交響曲を語る上で欠かすことの出来ない全集であることは間違いありません。

全曲とも優れた演奏ですが、地味ながらも聴き応えのある交響曲第2番、精霊達の踊る様が見えるような交響曲第3番、祝祭的ムードを大仰になることなく演奏した交響曲第5番、旋律美の強調が印象的な交響曲第6番、リアルな響きと神秘的雰囲気が同居する交響曲第7番などは、いずれも同曲録音のトップを争う出来です。

シベリウス/Comp.symphonies: Berglund / Coe

Sibelius: Symphonies 1-7 / Berglund, Chamber Orchestra of Europe

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シベリウスの年に(11) パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

シベリウス演奏の第一人者とされる指揮者、パーヴォ・ベルグルンド(1929- )が初めて録音した「シベリウス交響曲全集」を紹介します。1970年代に当時の手兵であったボーンマス交響楽団を振って完成させたもの。EMIの音源。EMIとライセンス契約を結んでいるチェスキーという廉価レーベルから出ています。

ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団 「シベリウス交響曲全集」 チェスキー盤ジャケット 1980年代にヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、更に1990年代にはヨーロッパ室内管弦楽団を指揮して「シベリウス交響曲全集」を完成しているベルグルンド。

そのベルグルンドの記念すべき第1回目の「シベリウス交響曲全集」であり、ベルグルンドとボーンマス交響楽団の出世盤でもある当全集ですが、ボーンマス響のパワー不足と、ベルグルンドの若さ故に出来は思ったほどではありません。

交響曲第2番と第5番が地味ながら誠実で好感の持てる演奏。
また、交響曲第7番は個性的な演奏で、曲の本質からは離れていますが、ベルグルンドが昔はこういう演奏をしていたということを知る上で貴重です。

値段の安さは魅力ですが、ベルグルンドのシベリウスが聴きたいなら、価格は高くともヘルシンキ・フィル盤かヨーロッパ室内管盤を入手した方が無難でしょう。ボーンマス響盤は人によっては「安物買いの銭失い」と感じるかも知れません。

熱心なシベリウスファンと、若き日のベルグルンドの演奏を知る資料としたい方にのみお薦めです。

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2007年7月 2日 (月)

シベリウスの年に(10) 渡邉暁雄指揮日本フィルハーモニー交響楽団 「シベリウス交響曲全集」1981年盤

日本が生んだシベリウス演奏の泰斗、渡邉暁雄(わたなべ・あけお)の2度目の「シベリウス交響曲全集」を紹介します。DENONからの発売。

1919年、日本人の牧師を父に、フィンランド人の声楽家の母に、東京で生まれた渡邉暁雄は、東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)でヴァイオリンとヴィオラを専攻、その後、指揮者としての活動も始めています。

母の祖国、フィンランドの音楽的英雄であるシベリウスに対する愛着はとても強く、1961年には世界初となるステレオ録音による「シベリウス交響曲全集」を日本フィルハーモニー交響楽団と完成。この全集は欧米でも発売され、評判になりました。

その渡邉が、最初の全集完成の20年後にデジタル録音で作り上げたのが、今回取り上げる「シベリウス交響曲全集」です。

渡邉暁雄指揮日本フィルハーモニー交響楽団 「シベリウス交響曲全集」1981年盤1981年当時の日本フィルハーモニー交響楽団の力は現在に比べると著しく劣っており、渡邉の解釈についてこられないもどかしさも感じられますが、往年の日本のオーケストラによるシベリウス演奏の記録としての価値は高いと思われます。

演奏の出来が良いのは、交響曲第4番と第5番。交響曲第4番は程よい抑制と鋭さをもって絶望を歌い、交響曲第5番は曲の持つ祝祭的雰囲気を無理なく引き出しています。

日本フィルハーモニー交響楽団は1980年代半ばに入って急速に実力を伸ばし、90年代に入ってからオッコ・カムやネーメ・ヤルヴィといった世界的なシベリウス指揮者との演奏で高い評価を得ています。

渡邉も90年代に入ってから3度目の「シベリウス交響曲全集」を録音するつもりでいましたが、1990年の渡邉の死により、それは実現しませんでした。もし渡邉がもう少し長生きしていたら、日本人指揮者と日本のオーケストラによる金字塔ともいうべき「シベリウス交響曲全集」が作られたはずで、そう思うと残念でなりません。

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2007年6月 9日 (土)

シベリウスの年に(9) アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団 「シベリウス交響曲全集」 1950年代に録音された、アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団による「シベリウス交響曲全集」(DECCA)を紹介します。モノラル録音ですが、録音の優秀さで知られたDECCAだけに音は生々しく、録音にこだわる人でなければ不満は感じないと思います。

不満を感じるとしたらむしろ当時のロンドン交響楽団の技術で、管が不安定だったり、全体の音が揃わない場面が多く聴かれます。

シベリウス存命中の録音であり、リリース以来名盤の一つに数えられてきたコリンズ指揮ロンドン響盤ですが、その後リリースされた多くの名盤の陰に隠れる形となって、日本ではCD化が進まず、シベリウス没後50年に当たる今年になってようやく国内盤CDが発売されました。

さて、演奏ですが、ブリザードに巻き込まれたかのような激しい音の風圧を感じさせる交響曲第1番、大仰でない絶望と諦観の音楽世界を再現した交響曲第4番、地味ながらしっとりとした味わいを持つ交響曲第6番などが特に優れた出来。
他の曲も全て一定の水準に達しています。

20世紀半ばまでのシベリウス演奏は、現在に比べるとかなり激しいものが多く、シベリウスの交響曲を情熱的に解釈する指揮者が多かったことが窺われます。アンソニー・コリンズの指揮もまた「荒ぶるシベリウス」で、曲そのものに語らせようとする現代的なシベリウスとは別物ですが、シベリウスがまだ生きていた時代に録音された名盤として、多くの人に聴いて貰いたい全集です。

シベリウス/Comp.symphonies: A.collins / Lso

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2007年5月22日 (火)

シベリウスの年に(8) 紀尾井シンフォニエッタ東京第59回定期演奏会

東京・四谷の紀尾井ホールを本拠地とするオーケストラ、紀尾井シンフォニエッタ東京の第59回定期演奏会で、滅多にコンサートプログラムに載らない、シベリウスの交響曲第3番が演奏されるというので聴きに出かけました(2007年5月18日午後7時開演)。

ヨーン・ストルゴード指揮紀尾井シンフォニエッタ東京 第59回定期演奏会公演パンフレット

指揮は、1963年生まれのフィンランドの指揮者、ヨーン・ストルゴード。日本での知名度は低いものの、本国であるフィンランドでの評価は高いようで、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者とタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、更にラップランド室内管弦楽の芸術監督を兼任。2002年にはフィンランド国家音楽賞を受賞しています。

ストルゴードはガッチリとした体格の持ち主ですが、シベリウスの交響曲第3番の演奏もストルゴードの体格通りの骨太なものでした。

紀尾井シンフォニエッタ東京は、音の洗練度は今一つながら、力強い演奏でストルゴードの指揮に応えていました。名演とまではいかなかったものの好感の持てる演奏であり、ライブでは滅多に聴くことの出来ないシベリウスの交響曲第3番を堪能しました。

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2007年5月15日 (火)

シベリウスの年に(7) サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

EMIから出ている、サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団の「シベリウス交響曲全集」を紹介します。1980年代半ば、ラトルがまだ30代前半の頃に完成させた全集です。

サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

ラトルというと、斬新な解釈、時には「エキセントリック」とも言われるほどの演奏で有名ですが、このシベリウスではイギリスの指揮者らしく比較的穏健な音楽を作っています。

シベリウスの交響曲は特に後期の作品の演奏が難しいとされていますが、ラトルは普通の指揮者とは異なり、シベリウスの後期の交