カテゴリー「ベートーヴェン」の20件の記事

2008年10月14日 (火)

ルネ・レイボヴィッツ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」

ルネ・レイボヴィッツ(1913-1972)がロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して完成させた「ベートーヴェン交響曲全集」を紹介します。元々は、初心者向けの会員制レーベル、リーダーズ・ダイジェストのための録音されたものですが、現在は、SCRIBENDUMから出ています。

ルネ・レイボヴィッツ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」 現代音楽の解釈者として定評のあったルネ・レイボヴィッツが何故かリーダーズ・ダイジェストに録音した「ベートーヴェン交響曲全集」。初心者向けということもあってか、普通はベートーヴェンの交響曲全集などには入っていない「アテネの廃墟より“トルコ行進曲”」なども収録されています。

1961年の録音ということで、音がややかさつき気味なのが難点ですが、ベートーヴェンのメトロノーム指定に徹底して従った解釈は今聴いても新鮮です。

ベートーヴェンのメトロノーム指示に従っているということで、かなり速めのテンポによるキレのある演奏が示されています。ピリオド的な解釈を取り入れている昨今の演奏に相通じる、あるいは昨今の解釈の先駆ともいうべき優れた全集です。

ベートーヴェン/Comp.symphonies: Leibowitz / Rpo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月19日 (木)

21世紀のベートーヴェン演奏 パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン ベートーヴェン交響曲第5番&第1番

日本でも交響曲チクルスを行い、高い評価を得ているパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンのベートーヴェン。
録音は1年に1枚という比較的ゆっくりとしたペースで進められており、このたび「ベートーヴェン交響曲全集」を成すことになるCDの第3弾、交響曲第5番&第1番が発売されました。RCAレーベル。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン ベートーヴェン交響曲第5番&第1番巧みな強弱のつけ方、個々のプレーヤーの技術の高さに感心させられると同時に、主旋律を担当する楽器が次々と移り変わる様が手に取るようにわかるなど、明晰この上ないベートーヴェンであり、パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーニー・ブレーメンの凄さと、それ以上にベートーヴェンの作曲技術がいかに卓越したものであるかを改めて確認させてくれる優れた演奏です。

ベートーヴェン/Sym.1  Sym.5: P.jarvi / Deutsche Kammerphilharmonie (Hyb)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月19日 (月)

駄作でも私が振れば ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー「1812年」ほか

ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、チャイコフスキーの序曲「1812年」と「スラヴ行進曲」、ベートーヴェンの「ウェリントンの勝利(戦争交響曲)」をレコーディングしたCD。3曲とも祝祭的な曲ですが、駄作という評価が定着していることでも有名。
ベートーヴェンの「ウェリントンの勝利」は、イギリスのウェリントン公がナポレオンに勝ったことを記念し、メトロノームを作ったことでも知られる知人のメルツェルの依頼で書かれたものですが、ベートーヴェンは余り気乗りがしなかったのか、メルツェルにも作曲を手伝わせて、のちに著作権問題の訴訟にまで発展しています。
チャイコフスキーの2曲も祝典用に書かれたためか、かなり媚びた感じを受けます。

そんな3曲を、実は傑作であるとして取り上げたのがマゼール。どこまで本気で傑作と考えているのかはわかりませんが、ウィーン・フィルを使ってこれらの曲を演奏するという贅沢な試みに出ました。ソニー・クラシカルからの発売。

ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィル 「1812年」、「ウェリントンの勝利」 「1812年」では大砲の実音を、「ウェリントンの勝利」ではライフルの音を使用。「1812年」では更に合唱まで加えて華を添えます。
「スラヴ行進曲」は速めのテンポを採用し、攻撃的な演奏を聴かせています。

しかし、そういったことをわざわざしているということは、普通の演奏では聴かせられないような作品であるとマゼールが考えていることを実は暴露してしまっているような……。

ともかく、これらの曲の演奏としてはトップクラスのものが揃っているのは間違いなく、マゼールという指揮者の資質(良いものも悪いものも)を知る上でも重要な録音です。

チャイコフスキー/1812  Marche Slave: Maazel / Vpo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月 3日 (土)

サー・チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団&フィルハーモニア管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」

サー・チャールズ・マッケラスがスコットランド室内管弦楽団とフィルハーモニア管弦楽団を指揮して完成された「ベートーヴェン交響曲全集」(英ハイペリオン)を紹介します。交響曲第1番から第8番までがスコットランド室内管弦楽団の演奏、交響曲第9番「合唱付き」のみフィルハーモニア管弦楽団の演奏です。2006年のライヴ録音。

サー・チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団&フィルハーモニア管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」 1925年、オーストラリア人の両親のもとアメリカに生まれ、オーストラリアで音楽教育を受けたマッケラスは、シドニー交響楽団のオーボエ奏者として活躍した後、イギリスとチェコに留学、指揮法を学びます。

チェコ留学時にはモラヴィア地方を代表する作曲家であるレオシュ・ヤナーチェクの音楽に傾倒、のちにヤナーチェク演奏の第一人者と評価されることになります。

古楽が盛んなイギリスで指揮法を学んだこともあり、マッケラスはピリオド演奏にも傾倒。古楽器オーケストラであるエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団も数多く指揮し(主に現代オーケストラを振る指揮者が古楽器のオーケストラを本格的に指揮したのはマッケラスが最初ともいわれる)、またモダン楽器によるピリオド演奏の先駆けともなって、エイジ・オブ・インライトゥメントを指揮するもう一人の現代オーケストラの指揮者であるサー・サイモン・ラトルらに大きな影響を与えました。

マッケラスは1990年代にロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して「ベートーヴェン交響曲全集」をEMIに録音していますが、出来は最新盤であるこのハイペリオン盤の方が上。
マッケラスは、ピリオド奏法を完全に手の内にしており、そのことによってピリオド奏法であることを感じさせないという、モダンオーケストラのピリオド奏法の理想ともいうべき境地に達しています。ピリオド奏法を援用した演奏は逆にアグレッシブな感じを受けるものですが、マッケラスの演奏は自然体であり、それでいて生命力の横溢が感じられるという大変優れたもの。現時点における「ピリオド奏法を援用したモダンオーケストラによるベートーヴェン交響曲全集」の最高峰をなすものとして強くお薦めしたいセットです。

ベートーヴェン/Comp.symphonies: Mackerras / Scottish Co Po Etc

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月27日 (日)

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 「ベートーヴェン交響曲集」

ロシアのヴェネチアというレーベルから出ている、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団の「ベートーヴェン交響曲集」を紹介します。
いずれも記録用のライヴ録音であり、音質は当時の西側諸国の録音に比べて落ちますが、ヴェネチアレーベルの復刻はかなり優秀です。

交響曲第1番、交響曲第3番「英雄」、交響曲第4番、交響曲第5番、交響曲第6番「田園」、交響曲第7番を収録。

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 「ベートーヴェン交響曲集」 ヴェネチア・レーベル 交響曲第1番と交響曲第6番「田園」は1982年のデジタル録音、交響曲第3番「英雄」は1968年、交響曲第7番は1958年のモノラル録音、交響曲第4番と交響曲第5番は1972年のステレオ録音です。1968年というと、西側ではステレオ録音が本格的に始まってから10年ほどが経っていますが、ソ連は国家自体が録音技術に力を入れなかったためかモノラルです。

1982年のデジタル録音も、試験的に行われたものとされていて、マイクセッティングが妙です。

ということで、音質だけを取るなら西側のレーベルに大きく大きく水を開けられてしまっていますが、それでもこのセットが特別なのは、エフゲニー・ムラヴィンスキー(1903-1988)という旧ソ連の人間国宝的指揮者の力と、彼が育てたレニングラード・フィルハーモニー交響楽団の演奏技術の高さゆえ。

ムラヴィンスキーは1903年生まれなので、彼が青春時代に隆盛を極めたロシア・フォルマリズムの影響を受けたとしてもおかしくなく(影響を受けたという確証はない)、他の指揮者とは明らかに異なった演奏スタイルを取りました。

ベートーヴェンというと、情熱の迸りを感じさせる演奏が多い中、ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルは情熱を持ちつつも冷徹に楽曲構造へと切り込んでいきます。
「冷たい」「権威主義的」といって嫌う人も多いムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの演奏ですが、ムラヴィンスキーの楽譜の読みの深さと、レニングラード・フィルの共産主義的と言って良いのかどうかはわかりませんが正確さとパワーは聴く者を圧倒するのに十分です。

先にも述べたとおり、ヴェネチア・レーベルの復刻は優秀。交響曲第3番「英雄」と交響曲第7番のモノラル録音にもステレオプレゼンスのようなものが施されているようですが、不自然な感じはしません。

ロシア国内向けの商品なので、ジャケットもライナーノーツも、ほぼ全てキリル文字で埋まっており、また、左下に紹介してあるとおり、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 「ベートーヴェン交響曲集」 なぜかかなりの男前であるベートーヴェン ライナーノーツの表紙に描かれた無闇に男前のベートーヴェン像が、「楽聖は男前でなければならない」という、レーニンやスターリン礼賛や美化にも繋がるソヴィエト連邦的もしくは国家主義的ヒロイズムを感じさせるのが難点ですが、異色にして説得力溢れる名演として、ムラヴィンスキーのベートーヴェンは高く評価できます。

ベートーヴェン/Sym.1  3  4  5  6  7: Mravinsky / Leningard Po

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月13日 (水)

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」

NHK交響楽団の名誉指揮者(のちに名誉桂冠指揮者)としておなじみだったウォルフガング(ヴォルフガング)・サヴァリッシュ(1923- )。現在は指揮活動から引退してしまいましたが、日本人にとって最も馴染みの深いドイツ人指揮者でもありました。

そんなサヴァリッシュがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団)と録音した「ベートーヴェン交響曲全集」。EMIによって録音・販売されてきましたが、オランダの廉価レーベルであるブリリアント・クラシックスからライセンス発売もされています。

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」(ブリリアント・クラシックス盤) こちらがそのブリリアント・クラシックスから発売されている「ベートーヴェン交響曲全集」のBOXジャケット。

ドイツ正統派の指揮者として、バイエルン国立歌劇場の音楽総監督にまで上り詰めたサヴァリッシュ。若い頃にウィーン交響楽団の指揮者をしていたときには、その実力に、ウィーン国立歌劇場の音楽監督だったヘルベルト・フォン・カラヤンも恐れをなしたと言われていますが、その後のサヴァリッシュはドイツ音楽界のための地道な活動に徹し、音楽界の覇権争いに加わることはありませんでした。

そんなサヴァリッシュのベートーヴェンは正統派であるが故に、「個性がない」、「平凡」と称されたりもしますが、個性を競う指揮者達の中にあって、ベートーヴェンの音楽そのものの再現に最大の力を注ぐ指揮者達の存在も重要です。指揮者の個性を聴くのはオーケストラを聴く最大の楽しみの一つですが、個性派指揮者のベートーヴェンばかり聴いていると、指揮者を聴いているのかベートーヴェンを聴いているのか判然としなくなることがあります。

こういうときに聴くと良いのが正統派のベートーヴェン演奏。サヴァリッシュとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の「ベートーヴェン交響曲全集」はそうした正統派のベートーヴェン演奏の中でも最も安心して聴けるセットです。

目新しいところは特にありませんが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の高貴な音色を生かしつつ、ベートーヴェンの交響曲そのものの素晴らしさを示す好演揃い。
フルプライスでは勧めにくいセットですが、ブリリアント・クラシックスから出ている激安盤であり、価格に比して内容が極めて良いということで大いに推薦します。

ベートーヴェン/Comp.symphonies: Sawallisch / Concertgebouw O

Royal Concertgebouw Orchestra & ウルフガング・サバリッシュ

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2008年2月 6日 (水)

コンサートの記(6) サー・ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団来日公演

2004年11月29日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

ザ・シンフォニーホールでサー・ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団のコンサートを聴く。
オール・ベートーヴェン・プログラム。

最初は「エグモント」序曲。透明な弦の響きを生かし、音の強弱の付け方も独特でユニークな演奏だ。トランペットとトロンボーンは古楽器のものを使っている。

ピアノ協奏曲第1番。独奏は児玉姉妹の妹、児玉桃。演奏前に会場に驚きの声が上がる。ピアノがあたかも引き振りをするときのように鍵盤が客席側に向けられる。正面の客はピアニストの背中を見ることになる。さらに、ピアノを取り囲むように、弦楽奏者の椅子が車座に並べられる。コンサートマスター(今回は女性だったので正確にいうとコンサート・ミストレス)も客に背中を見せて座る。指揮者は車座の中央、ピアノの横に立つ。
児玉桃のピアノは煌びやかな音色を生かす。テクニックもいうことなし。女性的な演奏であり、優男のベートーヴェンという感じ。
ノリントン指揮のオーケストラは本当に済んだ響きを出す。弦などカルテットを聴いているときのように透明な音色だ。

メインは交響曲第5番。速めのテンポを取り、すっきりとしたベートーヴェン像を描き出す。第1楽章のラストでノリントンが観客の方を向いて大見得を切る。客席から笑いが起きる。ノリントンという指揮者、なかなかの役者だ。
ノリントン、決めるところでは格好良く、大袈裟に決める。普段より身振りが派手なようで、第2ヴァイオリンの女性奏者が横の奏者を見てそっと笑っている。
ティンパニの鳴りが凄い。ノリントンは「これからティンパニが凄いですよ」とジェスチャーで示す。
楽しい第5だ。凄みはまるでないが痛快だ。フルトヴェングラーの第5が完全に過去の演奏になった気がする。

アンコールはメンデルスゾーンの『真夏の夜の夢』より「スケルツォ」。ノリントンは完全に客席の方を向いて体を揺すったりしている。さすがにやりすぎの気もするが面白いおじいさんだ。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年1月28日 (月)

金聖響+玉木正之 『ベートーヴェンの交響曲』

講談社現代新書から出ている『ベートーヴェンの交響曲』を紹介します。1970年生まれの指揮者、金聖響(きむ・せいきょう)と玉木正之の共著。ですが、玉木正之は巻頭と巻末に金聖響との対談を行っているだけで、実質的には金聖響一人で書いた本です。

金聖響+玉木正之 『ベートーヴェンの交響曲』(講談社現代新書) 金聖響は大阪府池田市生まれ。在日韓国人三世です(特に関係はないですが、ベートーヴェンはオランダからのドイツ移民三世)。父親は大阪大学に学んだ物理学博士。母親は京都市立芸術大学声楽科の出身。
父親がアメリカの大学と企業での研究を行うことになったことと、「教育は日本よりもアメリカで受けさせたい」という両親の希望により14歳で渡米(日本でもインターナショナルスクールで学んでいたそうですが)。金聖響自身は子供の頃から音楽に興味を持っていましたが、「音楽家になるなんてとんでもない」という両親の反対もあり(聖響という名前は音楽とは関係がないそうです)、まずボストン大学の哲学科で学び、学士号を得て、両親を納得させ、その上でニューイングランド音楽院修士課程と、ウィーン国立音楽アカデミーで指揮を学びました。
夫人は女優のミムラさん。それ以前にも……、あ、これは別にいいですね。

金聖響はこの本で、ベートーヴェン交響曲、全9曲についての解説を行っています(彼は「解釈」という言葉が嫌いだそうなので、解説と書くことにします)。文章は口語調で読みやすく、本人曰く、「ベートーヴェンの交響曲ともっと親しくなりたい」という人のために書いたものだけに、深い音楽的知識がなくても楽しめるものになっています。

金聖響は、ピリオド・アプローチを積極的に行っている指揮者で、大指揮者の時代の「常識」を洗い直すという試みをこの本でも行っています。

文章にちょっとしたミスや、校正の間違い、金聖響の勘違い?(マーラーの交響曲第9番に関する下りなど)などもありますが、ベートーヴェンの交響曲をより身近に、より深く理解出来るようになるという、本書の目的は間違いなく達成されています。
巻末に、ベートーヴェン年譜つき。

金聖響/ベートーヴェンの交響曲

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年1月21日 (月)

フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1947年5月27日の第5 2種の音盤

ベートーヴェンの交響曲第5番の歴史的名演として名高い、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による1947年5月27日の録音。放送局による録音であり、ドイツ・グラモフォンがLPとして発売、現在はCDが出ています。

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第5番 1947年5月27日録音 ドイツ・グラモフォン盤 フルトヴェングラーの獰猛とも言える悪魔的な情熱にベルリン・フィルが全身全霊で応えた演奏で、随一の迫力を誇り、ベートーヴェンの第5の演奏の決定版に推す人も少なくありません。

ただドイツ・グラモフォンから出ているCDは、マスターテープの経年劣化のためか、情熱溢れる演奏だということはわかるのですが、音が奥にこもった感じが強く、本来の迫力が伝わってこないというもどかしさがありました。
この演奏は、運命主題でクラリネットがフライングするのを始め、縦の線が合わなかったり崩れたりする場面が多く、迫力が伝わらないと、そうしたマイナス面だけが目立つことにもなります。

ベートーヴェン/Sym.5 Great Fugue: Furtwangler / Bpo

最近出たMYTHOS(ミソス)盤は、ドイツ・グラモフォンのLPからの板起こし盤。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第5番 1947年5月27日録音 MYTOS(ミソス)盤 針音が盛大に出ていて、始めのうちはそれが気になるのですが、音が生々しく、迫力は満点。
通常よりも録音レベルを上げているようですが、不自然さはありません。

問題はやはり針音と、生々しさが増した分、オーケストラの乱れも目立つこと。また、音がいくぶん乾いて聞こえます。
1947年5月27日の録音は、圧倒的な爆発力が魅力なので、それを味わえるなら針音やオケの乱れも小さな傷といえるのかも知れません。

版権が切れたということもあり、最近、様々な会社からフルトヴェングラーの録音が復刻されています。あるいは今後、もっと優れた復刻盤が出てくることになるのでしょうか。

ベートーヴェン/Sym.5 Egmont Overture: Furtwangler / Bpo (1947)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月 4日 (金)

生誕100年 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第2番&第4番(60’s)

2008年は、20世紀が生んだ最大の指揮者(最高かどうかは別)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)の生誕100年に当たります。

モーツァルトと同じザルツブルグに生まれたカラヤンは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任し、「帝王」の異名を取りました。
また、録音技術にいち早く注目し、レコード・ビジネスの確立に大いに貢献。また儲からないものの代名詞でもあるクラシック音楽をも莫大な富を生み出す手段に変えることに成功しました。
そうした生き方も含めて賛否両論あるカラヤンですが、カラヤンの膨大なレパートリーの中でもとりわけ賛否両論なのがベートーヴェン。ドイツ系ではないカラヤンのベートーヴェンは王道からは外れたものであり、ドイツ音楽の総本山でもあるベルリン・フィルの音楽監督のベートーヴェンとして適当なのかということが問われもします。

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル ベートーヴェン交響曲第2番&第4番(1960年代) カラヤンは、1950年代にフィルハーモニア管弦楽団と、1960年代、70年代、80年代にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、計4度もスタジオ録音による「ベートーヴェン交響曲全集」を完成させています。

今日は1960年代の「ベートーヴェン交響曲全集」から、交響曲第2番と第4番のCDを紹介します。ドイツ・グラモフォン・レーベル。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第4代音楽監督に就任したカラヤンによる入魂の演奏。晩年とは違う、カラヤンの若々しい音楽(といってももうすでに50代ですが)とベルリン・フィルの威力が印象的。

音楽そのものが持つダイナミズムよりもオーケストラの威力が目立ち、また音のドラマよりも造形を優先させた演奏で、音楽よりもベルリン・フィルの音を感じさせてしまうところもありますが、交響曲第2番と第4番の場合は、それもまた魅力になっています。

ベートーヴェンよりも「カラヤン」を強く感じさせるため、ベートーヴェン愛好家には推せませんが、オーケストラ演奏の面白さを知りたい方にはお薦めです。

ベートーヴェン/Sym.2 4: Karajan / Bpo (1960’s)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月22日 (土)

第九あれこれ 2007 その3 クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィル(ライブ盤)

1926年生まれ、第二次世界大戦後に東ドイツで活躍、50歳近くになって西側に亡命し、「50歳の大型新人」と呼ばれたこともあるクラウス・テンシュテットのライブ録音による第九を紹介します。1985年9月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにおけるライブをBBCが収録し、BBCレジェンド・レーベルから発売したもの。演奏は、テンシュテットが当時首席指揮者を務めていたロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、そしてロンドン・フィルハーモニー合唱団ほか。この演奏が行われた1985年にテンシュテットは癌を患い、1987年には病状の悪化のためロンドン・フィルの首席指揮者を辞任。その後も癌と闘い続けますが、1998年に帰らぬ人となっています。

クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィル 1985年ライブ盤 東ドイツで活躍していたため、長い間、西側にその存在が知られなかったテンシュテット。しかし、西側で活躍を始めて間もなく、その特異な才能が認められることになり、「ヘルベルト・フォン・カラヤンが自身の後任として、テンシュテットをベルリン・フィルの音楽監督に推すのではないか」と囁かれるまでになります。

ロンドン・フィルとの相性は抜群であり、テンシュテットのイギリスにおける評価は「オットー・クレンペラー以来のカリスマ」と、途轍もなく高いものでした。

それだけにテンシュテットの癌発病とそれにともなうロンドン・フィルからの退任がイギリス音楽界に与えた衝撃は大きく、「テンシュテットのいないロンドン・フィルは、ミック・ジャガーのいないローリング・ストーンズのようだ」という嘆きの声も上がりました。

ロイヤル・アルバート・ホールにおける第九は、テンシュテットとロンドン・フィルの頂点の時代を記録したもの。ホールの音響上、音が横に拡がり気味だったり、マイクがステージから遠かったり(そして、楽章間の聴衆の咳が盛大に入っていたりする)、ライブ故にロンドン・フィルのアンサンブルが崩れそうになったりと様々な問題がありますが、それを補って余りあるほどこの演奏は魅力的です。

言葉で説明するのは難しいのですが、音の背後に巨大な何かが潜んでいるような感覚、フルトヴェングラーが指揮するベートーヴェンや、レナード・バーンスタイン指揮のマーラーにも共通する感覚がこの演奏にもあります。

ロンドン・フィルハーモニー合唱団は優秀で、声が美しく、迫力もあり、この第九を特別な演奏とすることに大いに貢献しています。

ベートーヴェン/Sym.9: Tennstedt / Lpo & Cho Haggander A.hodgson R.tear G.howell(1985)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月15日 (土)

第九あれこれ 2007 その2 ジョン・エリオット・ガーディナー盤

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティーク、モンテヴェルディ合唱団ほかによる、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」(アフヒーフ)。

1994年に発売され、古楽器によるベートーヴェンの演奏の決定版として、当時はたいへんな話題になり評価も高かったガーディナー盤ですが、その後、古楽器風奏法(ピリオド奏法)を取り入れた、モダンオーケストラの演奏による優れたベートーヴェン演奏(ジンマン盤、ノリントン盤、ラトル盤)が立て続けに現れたということもあって、今では存在感が薄くなってしまいました。

ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 しかしガーディナー盤は今もなお魅力的であり続けています。

最大の特徴はテンポ。70分前後で演奏されることの多いベートーヴェンの第九ですが、ガーディナーは59分台という快速で飛ばしていきます。全楽章を通して速いテンポが採られていますが、せわしない感じは受けません。

古楽器独特の透明感ある音が清々しく、重厚であることだけが優れたベートーヴェンなのではないということを実感させてくれます。

36名という小編成で臨んだモンテヴェルディ合唱団も発声が非常に明瞭であり、同時に36名とは思えないほどの迫力があります。

古楽器演奏隆盛の時代の記録としても貴重であります。

ベートーヴェン/Sym.9: Gardiner / Ebs

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月18日 (日)

ルドルフ・ゼルキン ベートーヴェン三大ピアノ・ソナタ+「テレーゼ」ソナタ

ルドルフ・ゼルキンのピアノによるベートーヴェン三大ピアノ・ソナタ(ピアノ・ソナタ第14番「月光」、同第23番「熱情」、同第8番「悲愴」)とピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」を収めたCDを紹介します。ソニー・クラシカル。

ルドルフ・ゼルキン ベートーヴェン三大ピアノ・ソナタ+「テレーゼ」ソナタ

20世紀を代表するピアニストで、ピーター・ゼルキン(ピーター・サーキン)の父親としても知られるルドルフ・ゼルキン(1903-1991)。

幼くしてピアニストとしての才能を認められ、12歳でデビューしたルドルフ・ゼルキンですが、他の多くの神童ピアニストとは異なり、レパートリーはドイツ・オーストリアものに集中していました。とにかく真面目で誠実なピアニストで、自分の個性よりも何よりも音楽に奉仕することを目標としてきたルドルフ・ゼルキン。

このCDにもそうしたルドルフ・ゼルキンの特徴がよく表れています。

楽譜通りに淡々と弾いているようでありながら、良く聴くと一つ一つの音に魂を込めるような丁寧な奏法であり、聴けば聴くほど独特の味わいが聴き手の耳に自然と染み込んでくるような、達人業を披露しています。

表現したいという欲望をぎりぎりのところで押さえ込み、音楽そのものを生かすという、大人の演奏ということも出来るでしょう。

ちなみに「テレーゼ」とは曲を献呈された女性の名前(テレーゼ・フォン・ブルンスヴィック)。「エリーゼのために」のエリーゼの正体とされるテレーゼさん(テレーゼ・フォン・ドロスティック。旧姓マルファッティ)とは同名ですが別の女性です。

ベートーヴェン/Piano Sonata.8 14 23 24: R.serkin

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月 2日 (金)

第九あれこれ 2007 その1 ルツェルンの第九

永遠の第九といわれるフルトヴェングラーのバイロイト盤(EMI)。最近になってバイエルン放送所蔵のバイロイトライブ録音がフルトヴェングラー・センターからCD化され、演奏の内容がEMI盤と異なっていたため物議を醸しました。「どちらが本物のライブなのか?」、「どちらかはゲネプロの録音なのか?」、「どちらかは継ぎ接ぎ盤なのか?」など、様々な憶測が飛び交っています。

フルトヴェングラーのバイロイトの第九は昨年紹介したので、今年はルツェルンの第九を紹介します。ルツェルンの第九は同じ音源のものが複数のレーベルから出ていますが、今日紹介するのはイギリスの復刻盤レーベル・アーチペルから出ている、フルトヴェングラー指揮のライブ音源を集めた「ベートーヴェン交響曲全集」に含まれているものです。

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 「ベートーヴェン交響曲全集」 英アーチペル盤 第九はルツェルンの第九を採用

1954年(中日ドラゴンズの前回優勝の年である)8月22日、スイスのルツェルンにおけるライブ録音。オーケストラはロンドンを本拠地とするフィルハーモニア管弦楽団、合唱はルツェルン祝祭合唱団、ソリストはソプラノにエリザーベト・シュヴァルツコップ、テノールにエルンスト・ヘフリガーという名歌手を配しています。

この演奏の約3ヶ月後に亡くなるフルトヴェングラーはこの時すでに難聴がかなり進行しており、体調も万全ではありませんでした。しかしそうしたハンディを乗り越えようという気概に満ちた演奏であり、バイロイト盤とともに最も優れた第九の演奏に数えられると思います。

録音は当然ながらモノラルですが大変鮮明。名手を集めた当時のフィルハーモニア管弦楽団の合奏力も聞きものです。

フルトヴェングラーの指揮は体調の不良もあってバイロイト盤に比べると当然ながら安全運転ですが、その分、情熱に任せない安定感があります。フルトヴェングラーを聴くならバイロイト盤ですが、第九自体を楽しみたいならむしろこのルツェルン盤の方が目的に適っているかも知れません。

ベートーヴェン/Comp.symphonies: Furtwangler / Various Orchestra

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月 3日 (水)

ヘルベルト・ケーゲル指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」

狂気の天才指揮者として、死後に評価の高まったヘルベルト・ケーゲルが、1980年代に当時の手兵であったドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団と録音した「ベートーヴェン交響曲全集」を紹介します。ドイツのカプリッチョというレーベルの原盤を、アメリカのデルタ・ミュージックのレーザーライトというレーベルがライセンス発売しているCD。5枚組で2000円前後という、有名指揮者による「ベートーヴェン交響曲全集」としては現在最も安い値段で手に入れることの出来るBOXです。

ヘルベルト・ケーゲル指揮ドレスデン・フィル 「ベートーヴェン交響曲全集」 拳銃で頭を撃ち抜いて自殺するという異様な最期、そして残されたスタジオ録音の中に、特異な解釈による名演の存在することで、死後に注目を浴び、名声を高めた、旧東ドイツの指揮者ヘルベルト・ケーゲル(1920-1990)。しかし、一方で生前のケーゲルは、現代音楽のスペシャリスト・擁護者としても有名でした。

この「ベートーヴェン交響曲全集」は、現代音楽の名匠だったケーゲルらしい、明晰ですっきりとした演奏が基本であり、狂気に満ちた名演を期待すると肩すかしを食らう可能性があります。

しかし、分析的なアプローチでありながら、決して冷たくはならないという、最近流行のベートーヴェン演奏を先取りしたかのようなケーゲルのベートーヴェンはある意味理想的であり、入門者から玄人まで幅広く受けいれられる演奏であるともいえます。

普通は聞こえない声部まで聴かせた交響曲第5番、スタイリッシュという言葉を用いたくなるほど洗練された交響曲第3番「英雄」、流線型で格好いい演奏の交響曲第7番、第4楽章のテンポの激変と異様なほど整った合唱がケーゲルらしい交響曲第9番「合唱付き」など、個性的でありながら模範的という本当の意味でケーゲルらしいアンビバレントな名演が揃っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月26日 (木)

祝 京都市交響楽団第12代常任指揮者就任 広上淳一 「運命」&「ジュピター」

広上淳一指揮日本フィル 「運命」&「ジュピター」 1958年生まれ、日本の中堅世代を代表する指揮者である広上淳一(ひろかみ・じゅんいち)が、2008年4月1日より、京都市交響楽団の第12代常任指揮者に就任することが正式に発表されました。

広上はここ最近はレコーディングに積極的でないので(広上のみならず、日本の中堅指揮者達はレコーディングに積極的でなかったり、録音する機会に恵まれていなかったりするのですが)、1997年の録音ですが、日本フィルハーモニー交響楽団(日フィル)を指揮した、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」のライブ盤を紹介します。日本フィルハーモニー交響楽団の自主制作。
ベートーヴェンが所沢市民文化センター・ミューズアークホールでの、モーツァルトがサントリーホールでの収録です。

ライブ録音ということで、音の分離が今一つなのが難点でありますが、広上は日フィルから輝かしい音を引き出しています。

ベートーヴェンの交響曲第5番は、スケールが大きく、特に第4楽章の爆発力が見事です。

「ジュピター」は、軽やかさには欠けるものの、これまたスケール雄大で、ジュピター=最高神の偉容を示したような演奏です。

Beethoven / Mozart/Sym.5 / .41: 広上淳一 / 日本po

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月23日 (土)

第九あれこれ 2006 その3 バイロイトの第九

フルトヴェングラー バイロイトの第九 NAXOS盤 史上最も有名な第九の演奏は、1951年7月にヴィルムヘルム・フルトヴェングラーがバイロイト祝祭管弦楽団および合唱団を指揮したものでしょう。

フルトヴェングラーは最晩年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンの交響曲全曲のスタジオ録音を進めていたのですが、1954年11月のフルトヴェングラーの死により第九のスタジオ録音は行われませんでした。代わりにEMIが出したのが、1951年のバイロイト盤。フルトヴェングラーの死により発売許可が得られないままの発売でしたが、その演奏の出来映えにより、今日まで第九の代表盤とされています。

この録音は従来はEMIからのみ発売されていましたが、最近になって版権が切れたため、様々なレーベルから発売されるようになりました。写真は最新(2006年12月発売)のNAXOSヒストリカル盤。名技師マーク・オバート=ソーンによる復刻で、金管の鮮明度が増しています。その分、トランペットだけが妙に輝かしく却って妙になっていたりもするのですが、分離も良く、ラストのラストに起こる有名な音のズレが実は僅かなものであったことがわかったりするなど(EMIのブランククランクステレオ盤ではグシャリと潰れたように聞こえる)存在感を示しています。

フルトヴェングラーのバイロイトの第九は音質はともかくとして、スケールの大きさ、堂々たる音運び、フルトヴェングラーのベートーヴェンへの共感の深さなど、今後も歴史に残るであろう特別なものになっています。

バイロイトの第九の他のレーベルのCDや、フルトヴェングラーによる他の第九(たとえばフィルハーモニア管弦楽団とのルツェルンの第九など)も紹介したいのですが、それは来年以降ということで。

ベートーヴェン/Sym.9: Furtwangler / Bayreuther Festspielhaus

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月22日 (金)

第九あれこれ 2006 その2 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」1980年盤 第九(ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」)のCDは数あれど、その中でも私が特に気に入っているのは、アメリカ生まれのスウェーデンの指揮者、ヘルベルト・ブロムシュテットがシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した2枚のCDです。まず1枚目は、シュターツカペレ・ドレスデンを指揮して完成した「ベートーヴェン交響曲全集」の1枚。1980年、ドレスデンのルカ教会でのアナログレコーディング。テノールを名歌手のペーター・シュライヤーが歌っています。

ブロムシュテットはシュターツカペレ・ドレスデンの美しい音色を生かし、端正な演奏を繰り広げます。しかし、それは決して大人しいものでも優等生的な堅苦しいものでもなく、時に力強く、時にあでやかであり、第九という曲の多面性を理想的に表現してみせた、スタンダードで且つブロムシュテットという指揮者の個性も生きた名演です。

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」1985年盤 もう1枚は、1985年、ドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオーパー)の再建を祝うコンサートで演奏された第九のライブレコーディング。
デジタル録音ですが、ライブのため録音に制約があったのか、音の拡がりにやや乏しく、オーケストラも少し粗めですが、一方で演奏会、それもドレスデンの誇りである歌劇場再建を祝う演奏会を記録した録音ならではの高揚感を味わうことが出来ます。私が持っているCDはドイツのカプリッチョというレーベル傘下のレーザーライトという廉価レーベルのもので、今は手に入りませんが、同じ音源が、最近、別の会社から700円前後で発売されたので、そちらは入手可能です(ただし海外盤のみ)。

ブロムシュテットというと穏健派のイメージがありますが、いずれの第九を聴いても端正なだけではない、激しい情熱を秘めた指揮者であることがわかります。

ベートーヴェン:交響曲第9番ClassicalEvolution ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年12月21日 (木)

第九あれこれ 2006 その1 N響の第九

日本では年末になるとベートーヴェンの交響