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2005年11月26日 (土)

観劇の初歩

観劇というと、「敷居が高そう」というイメージを持たれる方が多いかも知れませんが、そんなことはありません。クラシックコンサートに比べるとマナーにうるさくありませんし、映画館に行くのと気分的には大差ないと思います。

そこで観劇初心者のための文章をここに書いておきます。

1,劇場
千人単位のキャパ(集客人数)から数十人程度のキャパまで各種あります。唐十郎の赤テントのように、劇場ではなく、公園などにテントを張ってその中で芝居を行う場合もあります。規模の大きな劇場は座り心地の良い椅子が用意されていますが(例外あり)、小さな所では箱馬(という木のボックス)の上に座布団を置いただけの席や、テント芝居になると平戸間に座ったりしますので、特にテント芝居では自前の座布団を持って行かないとお尻が痛くなる場合があります。ただ自前の座布団は往々にして忘れて帰ってしまうケースがあるので、忘れて帰ってもいいようになるべく安いものを選びましょう。
その他、小劇場ですと、靴を脱いでビニール袋に入れて観劇というケースも多いので、穴の開いた靴下をはいていると気まずくなることがあります。小劇場に行くときはお気に入りの靴下をはいて行きましょう。
素足に靴という石田純一のような方がいらっしゃるかどうかはわかりませんが、靴を脱いで素足で劇場に入るのは危険ですし、冬場は寒いのでやめましょう。

2,上演時間
1時間から2時間までのものが一般的です。実験演劇として数分から数十分のものもありますし、3時間を超える大作もあります。長時間の作品でも演出の都合上、途中休憩がない場合もありますのでトイレは開演前に済ませておきましょう。これは映画館でも全く一緒ですね。どうしても我慢できない場合は正面突破しましょう。構いません。

3,チケット
「チケットぴあ」などのように電話やインターネットでチケットを買うのが一般的です。その他上演される劇場や劇団などが独自で販売することもあります。劇場や劇団のホームページを確認することをお薦めします。映画同様、当日券というものもあります。前売りより少し値段が高めです。これも映画館と一緒ですね。注意しなければいけないのは、人気公演になると当日券がなかったり、あっという間に売り切れになる場合のあること。事前に劇場や劇団に電話で問い合わせてみるのもいいかも知れません。

4,マナー
携帯電話、PHS、ポケットベル(まだ使っている人はいるのかな?)など音の出る機器は電源をOFFにしましょう。ごくたまにですが、音を出すと役者に突っ込まれる場合がありますので注意しましょう。
お気に入りの役者が出て来ても、例えば「拓哉くーん」などと黄色い声援を飛ばしてはいけません。有名俳優などは登場するだけで大拍手などということもありますが、他の人が拍手してから自分も拍手した方がいいでしょう。一人だけで拍手していると時として空しくなることがあります。
歌舞伎は除き、役者に向かってかけ声することもお薦めしません。以前、歌舞伎用の劇場でイギリスの作家の本を使った二人芝居が上演された際に、出演していた沢田研二に「ジュリー」とかけ声をしている年配のおそらく歌舞伎常連客(俗称:大向こう)と思われる男性がいましたが、芝居の雰囲気に合っていませんでした。かけ声はやはり歌舞伎だけにしましょう。
劇場内は禁煙です。飲食も基本的には厳禁です。お腹が空いて芝居に集中できなくなったら思い切って芝居を諦めて食事に行きましょう。しかし、日本の演劇や劇場は西洋のそれとは違って途中退場がしづらくなっているので、事前に軽く食事をしておいた方が良いでしょう。

5,公演の見つけ方
「どこで演劇をやっているのかわからない」という方もいらっしゃるかも知れません。「ぴあ」や「シアターガイド」などで見つけることが出来ます。またインターネット上にも公演案内専用のホームページがあるので検索してみましょう。

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2005年11月13日 (日)

河原で稽古

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賀茂川の河原で演技する永尾よしろう。(撮影:本保弘人)

賀茂川の河原で稽古してみる。
11月12日土曜日は稽古場を離れて、賀茂川の河原で稽古をする。
賀茂川や鴨川の河原では、楽器演奏を始め、色々な人が様々なことをしているが、演劇の稽古をする人はやはり珍しいようで、散歩中のおじさんが不思議そうな顔でこちらを見ていた。辻説法(?)だと思ったのだろうか。

というわけで、ちょっとした注目を浴びながらの稽古。問題は風が強いため、台本がしばしば飛びそうになること。それでも動きを中心にやる。普段の稽古場は手狭なので動きはあまりつけられないのだ。

青空の下でキャッチボールをしたり、賀茂川に向かって発声練習したりするのは楽しい(もっとも私は風邪が治ったばかりなのであまり声は出なかったのだが)。織豊時代などには芝居は河原で行われていた。学生演劇の人達ももっと河原を有効利用(?)しよう。もっともうちも河原で稽古をすることはもう当分ないだろうけれど。

今回の一人芝居はあまり動きがないのだが、動くときは一つ一つの動きがきちんと決まるようにしたい。静と動の対比。メリハリをつけたい。

セリフを聴いていて、通りが悪いな、と思った場所はすぐに変える。テキストを絶対視しない。これも今回の劇の重要ポイントである。

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2005年11月10日 (木)

演劇を観よう

陳凱歌監督の映画『さらば我が愛 覇王別姫』に、「人間とは芝居を観るもの。芝居を観ないものは人間ではない」というセリフが出てくる。

芝居を観ないものは人間ではないというのは言い過ぎだと思うが、演劇がエンターテイメントの王道からかなり外れてしまった今、「人間であるために」、敢えて、「演劇を観よう」と言いたい。

演劇をやろう、というのが私たち演劇人にとって、今、最も叫ぶべきことなのかも知れない。演じることの素晴らしさを語り、演劇の教育面における有効性を説く。

でもその前に、まず、もっと演劇を観ようと言いたいのだ。

故・淀川長治は「もっと映画を観なさい」とことある毎に口にしていた。映画が人生において大いなる滋養となることを示した言葉だが、同じことが演劇においてもいえる。

私は演劇を観ることで多くのことを知り、考えた。観劇からは沢山の生きるヒントが得られるのだ。

演劇を観ない演劇人も増加傾向にある。自分の演技には熱中するけれど、他人の演技を観るのは嫌いという人もいる。しかしそうした人達が作る演劇とは何なのか。自己解放とはいうけれど、自己満足に終わる可能性も否定出来ない。

他者の人生への視線、他者への興味。それがあって初めて演劇が奥行きを持てるのではないか。

演劇にしろ何にしろ、他人様がやっていることを観て学ぶのが第一歩だ。小説を読まない小説家がほとんどいないように、音楽を聴かない音楽家がまずいないように。映画嫌いの映画監督が存在しないように。演劇をやりたいのなら、まず演劇を観よう。そして何故、自分が演劇をやりたいのか、己に問うてみよう。

当たり前のようで、案外守られていない初歩の初歩をここに記しておきます。

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2005年11月 6日 (日)

巡り合わせ

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舞台に見立てられた空間に置かれた椅子。椅子そのものとして用いるのではなく、これも別の置き道具の見立てである。

いかん、遅刻する。
30分遅れで稽古スタート。ウォーミングアップをした後、早速、台本を読みながらの立ち稽古に入る。

台本を書いている時と、実際に役者がセリフを喋っている時のイメージが異なるのは当然であるが、

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2005年11月 2日 (水)

講義のような

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最近稽古場として使うことの多い「ひと・まち交流館 京都」。

11月2日、水曜日の稽古。
まず脚本の背景についてホワイトボードに色々と書いていく。しかし書く量が多すぎた。内容も社会学や、歴史、演劇史、宗教など、まるで講義でも行っているような状態になる。

脚本は理屈ではないので、サブテキストなり何なりを綿密に解説することはあまりないのだが、今回は特別である。

ストレッチに新しい方法を取り入れてみる。呼吸法とゆっくりとした動き。激しい動きは全くないのだが、体が熱くなる。

ウォーミングアップ後、半立ち稽古。役者の入りには2バージョン考えているのだが、両方ともやってみる。普通に入場するものと、板付きで溶明、すぐ芝居に入る形。板付きの方が見栄えは良いが、難しい。

あまり動きのある芝居ではないが、劇中劇のところは暴れまくるつもりである。ここは役者のための場面だ。

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2005年11月 1日 (火)

箱書き

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Word画面の箱書き

戯曲を書く前に箱書き(登場人物や場面設定などを整理するもの。劇の見取り図のようなものと考えて貰えばいい)を作る人は多い。「箱書きなしで書けるはずがない」と断言する人までいるかと思えば、箱書きなんて邪魔なだけという考えの人もいる。
おそらく登場人物のキャラクターを重視するか、話の流れを重視するかでも異なるのだろうが、人それぞれということだ。

私の場合、

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