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2005年11月10日 (木)

演劇を観よう

陳凱歌監督の映画『さらば我が愛 覇王別姫』に、「人間とは芝居を観るもの。芝居を観ないものは人間ではない」というセリフが出てくる。

芝居を観ないものは人間ではないというのは言い過ぎだと思うが、演劇がエンターテイメントの王道からかなり外れてしまった今、「人間であるために」、敢えて、「演劇を観よう」と言いたい。

演劇をやろう、というのが私たち演劇人にとって、今、最も叫ぶべきことなのかも知れない。演じることの素晴らしさを語り、演劇の教育面における有効性を説く。

でもその前に、まず、もっと演劇を観ようと言いたいのだ。

故・淀川長治は「もっと映画を観なさい」とことある毎に口にしていた。映画が人生において大いなる滋養となることを示した言葉だが、同じことが演劇においてもいえる。

私は演劇を観ることで多くのことを知り、考えた。観劇からは沢山の生きるヒントが得られるのだ。

演劇を観ない演劇人も増加傾向にある。自分の演技には熱中するけれど、他人の演技を観るのは嫌いという人もいる。しかしそうした人達が作る演劇とは何なのか。自己解放とはいうけれど、自己満足に終わる可能性も否定出来ない。

他者の人生への視線、他者への興味。それがあって初めて演劇が奥行きを持てるのではないか。

演劇にしろ何にしろ、他人様がやっていることを観て学ぶのが第一歩だ。小説を読まない小説家がほとんどいないように、音楽を聴かない音楽家がまずいないように。映画嫌いの映画監督が存在しないように。演劇をやりたいのなら、まず演劇を観よう。そして何故、自分が演劇をやりたいのか、己に問うてみよう。

当たり前のようで、案外守られていない初歩の初歩をここに記しておきます。

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