没後100年 エドヴァルド・グリーグ作曲 劇付随音楽「ペール・ギュント」 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団盤
今年2007年は北欧ノルウェイが生んだ作曲家エドヴァルド・グリーグ(1843-1907)の没後100年に当たります。
「抒情小曲集」を始めとする多くの愛らしいピアノ小品を書いたグリーグは“北欧のショパン”とも呼ばれますが、グリーグがショパンと異なるのは管弦楽曲や室内楽でも傑作をものにしていること。
特に人気協奏曲の一つであるピアノ協奏曲イ短調や、ヘンリク・イプセン作の劇付随音楽として書かれた「ペール・ギュント」などは名作として多くの人に愛されています。
今日はグリーグの代表作である劇付随音楽「ペール・ギュント」のCDを紹介します。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団&合唱団、マリ・アンネ・ヘガンデル(ソプラノ)、ウルバン・マルムベルイ(バリトン)ほかによる演奏です。ロンドン=デッカから出ているもの。
私が持っているCDは1988年の初発売時のもので、デジパック(紙ジャケット)、「ペール・ギュント」のあらすじを童話仕立てにしたモノクロの絵本の特典付きです。現在は普通のプラスティックケース入りのものが発売されています。
ブロムシュテット&サンフランシスコ交響楽団盤はグリーグが書いた26曲のうち20曲を収録。除かれた6曲はいずれも繋ぎ的な曲であり、準全曲盤といって良いでしょう。
ブロムシュテットの作品への共感に満ちた活力溢れた指揮、サンフランシスコ交響楽団の明るく瑞々しい音色、いずれも素晴らしく聴いていて心が浮き浮きしてくるCDです。
ソルヴェイグを歌うマリ・アンネ・ヘガンデルは当時新進だったソプラノですが、どういうわけが声に若さがないのが気になります。劇中ではソルヴェイグの歌は彼女が老いてから歌われるものなのでストーリーには合っているのですが。
「ペール・ギュント」のCDでは他に、パーヴォ・ヤルヴィ指揮エストニア国立交響楽団のもの(ヴァージン・クラシックス)がブロムシュテット以上に鮮やかな名演ですが輸入盤しか出ていないのが難点。
パーヴォの父親であるネーメ・ヤルヴィがエーテボリ交響楽団を指揮した全曲盤(ドイツ・グラモフォン)は国内盤が出ており、26曲全てを楽しめますが、演奏の魅力はパーヴォやブロムシュテットに一歩譲るように思われます。
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