朝比奈隆指揮大阪フィル 聖フローリアン教会ライブ ブルックナー交響曲第7番
朝比奈隆と大阪フィルハーモニー交響楽団が、1975年10月12日に、オーストリア・リンツの聖フローリアン教会で行った、ブルックナーの交響曲第7番のCDを紹介します。
聖フローリアン教会は、かってアントン・ブルックナーが少年合唱団員やオルガニストとして活躍し、現在はオルガンの地下でブルックナーが永遠の眠りについているという、ブルックナーを愛する人には聖地のような場所です。
朝比奈隆が大阪フィルを率いて行った初のヨーロッパツアーのメインがこのリンツ・聖フローリアン教会でのライブでした。リンツはブルックナーの生まれ故郷であり、市内にはブルックナーホールというコンサートホールがあるのですが、朝比奈はコンサートホールではなく、ブルックナーの眠る教会で演奏することを選びました。聖フローリアン教会でブルックナーの交響曲が演奏されるのはこれが史上初であったそうです。演奏会当日、日本ビクターによるライブ録音が行われ、それが今日聴けるCDです。
朝比奈のブルックナー交響曲第7番の演奏は他に何種類も出ており、デジタル録音期に入ってからのものの方が、オーケストラの技術、音質ともに上ですが、この聖フローリアン教会盤には、ブルックナーのために朝比奈が全身全霊でもって打ち込んだ気迫があり、後年の落ち着いた演奏とはまた違った価値があります。
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