観劇公演パンフレット(12) 東京セレソンデラックス 「あいあい傘」
東京セレソンデラックスは、宅間孝行が1997年に旗揚げした劇団。結成当時の劇団名は東京セレソンで、2001年に宅間孝行が「サタケミキオ」名義で脚本と演出も手がけるようになってから、東京セレソンデラックスにパワーアップ(?)しました。
パンフレットはサイズが大きいので、スキャナ台に入り切りませんでした。というわけで、上と左右が切れてしまっています。右下隅にいるのが宅間孝行氏です。ああ、切れてしまっていますね。宅間さんすみません。
宅間孝行は早稲田大学出身ですが、在学中は演劇に興味がなく、早稲田大学が日本で最も演劇の盛んな大学だということも知らなかったそうです。
宅間は元々はミュージシャン志望で、「名前を売るには俳優養成所に入るのが手っ取り早いかな」という理由で演劇の道に入ってきたという異色の人。それだけに彼の演劇には下手に演劇ズレしていない面白さがあります。
「あいあい傘」の感想
大阪へ。そごう心斎橋店の14階にある、そごう劇場で、東京セレソンデラックスの公演「あいあい傘」(テレビ大阪開局25周年記念公演)を観る。サタケミキオ作・演出。サタケミキオは、テレビドラマなどでも活躍する俳優・宅間孝行のペンネーム。サタケミキオはテレビドラマ「花より男子」などの脚本も手がけている。
東京セレソンデラックスは、結成10年目の劇団のようだが、最近になって急激に評価を上げ、初の大阪公演を行う運びとなったらしい。
西日本のある地方都市が舞台(設定には「西日本」とあるだけだが、出演者のセリフは広島弁に近く、おそらくその近辺をモデルにしているのだろう)。テキ屋の清太郎(宅間孝行)が今年も恋園神社の前で商売をしようとしている。テキ屋仲間の力也とヒデコも一緒だ。
恋園神社の前のお茶屋の女将・玉枝(一青妙。ひとと・たえ。歌手・一青窈の実姉で、歯科医でありながら舞台もこなすという異色の女優)は、昔、清太郎の父である虎蔵(宅間孝行・二役)とも親しくしていた。今から27年前のある日、虎蔵は恋園神社の境内で途方に暮れている男・東雲六郎(小野了)を見かける。「今にも自殺しそうだ」と六郎の姿を玉枝に語る虎蔵。玉枝が情に厚いことを知っている虎蔵は、「余り情けをかけるんじゃないよ」と玉枝に言い残して去っていくが、玉枝はやはり六郎に情けをかけ、結婚してしまうのだった…。
良い芝居であった。新しさはないかも知れないが、物語に強靱さがある。
「人情」というと少し違うかも知れないが、人間の心を丁寧に描いており、好感の持てる劇に仕上がっていた。
ギャグとシリアスのチェンジの巧みさも光り、今後も大いに期待が持てる。
2007年4月27日 大阪・心斎橋の「そごう劇場」にて観劇
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