子供の視点に戻って見た世界 谷川俊太郎詩集『はだか』
谷川俊太郎が、子供の視線に戻って世界(子供の世界、大人の世界、家族、学校、友達、自分自身)を再構成してみせた詩集『はだか』を紹介します。佐野洋子の絵入り。筑摩書房刊。
『はだか』は、子供を主人公とし、全てひらがなを用いた23編の詩から成っており、難解な表現も一切出てきませんが、それでいて奥深さを感じさせる詩集です。
大人が忘れがちな、あるいは気付かないか気付いていても通り過ぎてしまうような感情を平易な言葉を使って鋭くついてくる、愛らしく、時に怖ろしくもある詩が並んでいます。
なお、『はだか』に収録されている6編の詩(「むかしむかし」、「おじいちゃん」、「おばあちゃん」、「おとうさん」、「おかあさん」、「とおく」)は、武満徹最後の管弦楽曲となった「系図 Family Tree ~若い人のための音楽詩」の朗読部分に(一部を変更して)使われています。
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