石川セリ 「翼」武満徹ポップ・ソングス
井上陽水の奥さんとしても知られる、歌手の石川セリが現代日本を代表する作曲家・武満徹(1930-1996)のポップソングと歌ったアルバム「翼 ~武満徹ポップ・ソングス」(DENON)を紹介します。1995年リリース。
タケミツ・トーンと呼ばれた独特の響きを生み出し、全世界の音楽家に影響を与えた武満徹。しかし武満が本当になりたかったのはメロディーメーカーであり、「ポール・マッカートニーのような作曲家になりたい」と生前よく話していたと言います。
このアルバムは武満側から石川セリにオファーがあって制作されたもので、映画などのために武満が作ったポップソングが収録されています。
服部隆之、コシミハル、羽田健太郎、小林靖宏(coba)など、武満が認めた音楽家がアレンジを担当。
ベトナム反戦歌として知られる「死んだ男の残したものは」、映画のために書かれた「めぐり逢い」、「見えないこども」、演劇のために作曲された表題作「翼」などを収録。
武満本人は自身のメロディーメーカーとしての才能に不満があり、また実際メロディーだけ取り上げれば素朴で時代に馴染んでいない印象を受けますが、アレンジと石川セリの歌声により、楽しいアルバムに仕上がっています。
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