第九あれこれ 2007 その2 ジョン・エリオット・ガーディナー盤
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティーク、モンテヴェルディ合唱団ほかによる、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」(アフヒーフ)。
1994年に発売され、古楽器によるベートーヴェンの演奏の決定版として、当時はたいへんな話題になり評価も高かったガーディナー盤ですが、その後、古楽器風奏法(ピリオド奏法)を取り入れた、モダンオーケストラの演奏による優れたベートーヴェン演奏(ジンマン盤、ノリントン盤、ラトル盤)が立て続けに現れたということもあって、今では存在感が薄くなってしまいました。
しかしガーディナー盤は今もなお魅力的であり続けています。
最大の特徴はテンポ。70分前後で演奏されることの多いベートーヴェンの第九ですが、ガーディナーは59分台という快速で飛ばしていきます。全楽章を通して速いテンポが採られていますが、せわしない感じは受けません。
古楽器独特の透明感ある音が清々しく、重厚であることだけが優れたベートーヴェンなのではないということを実感させてくれます。
36名という小編成で臨んだモンテヴェルディ合唱団も発声が非常に明瞭であり、同時に36名とは思えないほどの迫力があります。
古楽器演奏隆盛の時代の記録としても貴重であります。
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