好きな短歌(26)
熟田津に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな 額田王
熟田津(にきたつ)は今の愛媛県松山市付近だという。
のちに白村江の戦いの名で知られることになる新羅征討(大和朝廷と百済王朝の遺臣連合軍は、新羅・唐連合軍の前に惨敗した)のための戦いに出る大和朝廷軍を勇気づけるための歌とされる。女性的な柔和な言い回しと勇ましさを兼ね備えた名歌。
額田王は、中大兄皇子(葛城皇子。のちの天智天皇)、大海人皇子(のちの天武天皇)の兄弟両方から愛された女性として知られる。
| 固定リンク | 0
コメント