マーク・エルダー指揮ハレ管弦楽団 エルガー 「エニグマ変奏曲」ほか
2007年が生誕150年であったエドワード・エルガー。
メモリアル・イヤーということで、コンサートなどでもエルガー作品が例年より多くプログラムに載りました。
「大英帝国の音楽」という言葉に最もはまるエルガーの音楽ですが、どういうわけか、本国であるイギリスのコンビによるエルガーの名演奏には余り出会えなかったのですが、マーク・エルダー指揮ハレ管弦楽団のエルガーは優れた出来映えを示しており、是非聴いて貰いたいCDです。ハレ管弦楽団自主制作盤。
イギリスを代表する工業都市であり、産業革命発祥の地でもあるマンチェスターを本拠地とするハレ管弦楽団はイギリス最古のオーケストラでもあります。
ジョン・バルビローリの時代に黄金時代を築きましたが、その後は低迷。スタニスラフ・スクロヴァチェフスキやケント・ナガノといった名指揮者を招くも、相性が今ひとつだったのか浮き上がることは出来ませんでしたが、マーク・エルダーとのコンビはかなり上手くいっているようで、エルガーやドビュッシーのアルバムで優れた演奏を聴かせてくれています。
ロンドンを除くイギリスのオーケストラは一様に渋い、悪く言えば地味な音色を持っていますが、それはハレ管弦楽団も同様です。ただ、エルダーはその渋い音色に生かしつつ甘美な歌を加えており、理想的な英国サウンドを築きました。
エルダーの指揮するハレ管弦楽団の木管の響きは甘く、金管は輝かしくて、弦はしなやか。アンサンブルは上質であり、「ジェントル」でありながら気取りすぎない演奏を繰り広げています。
エルガー/Enigma Variations Serenade Forstrings Cockaigne: Elder / Halle.o
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